第108回 例会が開催されました。

テーマ「世界の農業生産動向と私たちの食生活」
4月23日(木)に札幌アスペンホテルにて開催されました。今回の講演は、神戸、海外からもお越しいただいてのご講演となりました。要旨は、別紙「第108回例会要旨」をご覧ください。
· 『食品の安全は脅かされている?』
~問題の所在はどこに?GMOにフォーカスして~
伊藤潤子氏     生活協同組合コープこうべ 参与・元理事
兵庫県・食の安全安心と食育審議会委員
· 『組換え作物の世界現況とこれから』
クライヴ・ジュエムズ博士(Dr. Clive James) 国際アグリバイオ事業団(ISAAA)理事長

NPO法人北海道バイオ産業振興協会平成21年通常総会

開催日:平成21年4月23日   開催場所:札幌アスペンホテル
 平成20年度の事業実績並びに収支決算の報告、これに伴う監査報告がなされ、つづいて、平成21年度の事業計画並びに収支予算が報告され承認されました。
 また、現行の副会長2人を執行体制の強化を図る観点から4名とする定款の変更議案が審議され承認されました。4人体制は、審査期間等の手続きから10月となります。
 審議終了後、HOBAニュースの配信方法を、経費節減と迅速性からEメールとFaxに絞りたい。また、総会の日程は来年から5月下旬開催になる旨の事務連絡がありました。

北海道立食品加工研究センター 平成21年研究成果発表会を終えて

過日、4月16日にホテル札幌ガーデンパレスにて当北海道立食品加工研究センターの「平成21年研究成果発表会」を開催し、盛会の内に終了することができました。会員の皆様にも多数ご参加いただき、厚く御礼申し上げます。最終的な参加者の数は昨年を大きく超える371名を数え、一時立ち見でご不自由をおかけした方には、心からお詫び申し上げます。
口頭発表6題、ポスター発表14題の他、技術支援課の実績の報告や新たな事業展開のお知らせ、保有特許とその利用事例のポスター掲示などをさせていただきました。共同研究や技術支援の成果を利用して開発された食品の試食コーナーには、10社から19品目のご提供があり、五感を全て使うことができる発表が何時にも増して達成できたのではないかと存じます。来年も、同時期に同じ会場での発表会ができるものと思いますので、またのご参加をお待ち申し上げます。

事務局体制の変更連絡

企画運営委員会が日常運営を処理できるように、各企画運営委員に事業分担をお願いし、同時に増員を検討します。これに伴い4月1日から事務局長は置かれません。
²これに伴い事務部門は女性2名体制となります。午前10時から土生さん、午後2時から小玉さんが担当します。

クロマグロの完全養殖

近畿大学水産研究所准教授家戸敬太郎
クロマグロは最近養殖生産がとくに活発に行われている重要な養殖魚種であるが,乱獲による資源の減少が大きな問題となっている。近畿大学では1970 年から養殖技術開発を開始し,その後1974 年度に活け込んだ幼魚からの親魚までの本格的な飼育に成功した。1979 年にはこれらの魚が世界で初めて網いけす内で自然産卵した。この親魚はその後も産卵し,受精卵からの飼育が試みられた。
飼育実験は1979 年以降のべ10 数回にわたって試みられたが,仔魚期の初期減耗が激しいうえに,稚魚期までの飼育には成功してもそれ以後の減耗が激しく成魚にまで育てることはできなかった。
加えてその後11 年間にわたり,養成親魚からの産卵が途絶えた。
産卵行動がみられなくなってから12 年目の1994 年に親魚が待望の自然産卵を開始した。産卵は1998 年まで
の5 年間の間に4 シーズンで認められた。年毎に初期減耗の原因究明をすすめ,さらに海上の網いけすへ移動した
後の大量へい死の原因も解明した。これらの原因に基づいて,防止対策の開発をすすめた結果,卵から成魚までの飼育に成功し,2002 年にはいけす内で産卵された卵から育てたクロマグロが初めて産卵するいわゆる完全養殖を世界以上のように,クロマグロの種苗生産に関する研究開発を進めてきた結果,2007 年には完全養殖クロマグロ第世代を生産し,世界で初めて人工種苗約1,500 尾を養殖場に出荷した。さらに2008 年には7,000 尾以上の人工
種苗の出荷を実現した。今後は,さらに量産技術の開発を進め,天然資源に依存しないクロマグロ養殖の実現に貢献したいと考えている。