ニュース
世界
– 気候変動の軽減と農業
– エチオピアの科学者が世界食糧賞を受賞
– 最高のリターンを期待できる農業への投資をG8に呼びかけ
– クリントン氏:持続的農業システムの原則を提唱
アフリカ
– 共同でアフリカの米生産倍加を狙う
– アフリカ向け塩耐性で窒素利用効率のよいイネの品種
– ナイジェリアは規制下での組換えCowpeaの圃場試験を承認
– 2010年までにGMトウモロコシの地域圃場試験実施
南北アメリカ
– MonsantoとBASFが旱魃耐性遺伝子の発見を発表
– マイコトキシン生産病原体を殺す化合物を発見
– Monsantoは、初めての害虫抵抗性大豆をブラジルで商業栽培
アジア太平洋
– IRRI は、フィリピン用に3種のイネ新品種を開発
– オーストラリアは、組換え大麦及び小麦の試験を承認
– インドは、パキスタンにBtワタの種子の輸出を認可
– インドの組換え作物:新しい時代の幕開け
– オーストラリアでの除草剤耐性サトウキビの圃場試験
– オーストラリアは組換え青いバラを承認
ヨーロッパ
– EUは、組換え作物による持続的農業への貢献に遅れをとっている
– EFSA: 抗生物質マーカー遺伝子がヒトの健康と環境に害をなす可能性はない
– グリーンバイオテクと気候変動
– ドイツの裁判所は、小麦畑を破壊した組換え反対活動派に刑罰を下した
研究
– オーキシン、植物形態変化剤
– スーパーハイブリッドイネのトランスクリプトーム分析
– Apomictic 作物開発に一歩前進
– 抗アレルギー性組換えイネは、動物試験では安全と考えれる
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ニュース
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*世界 *
気候変動の軽減と農業
「発展途上国の農業がより持続可能になるならば、それがその生産性を上昇させて、気候変動の影響に対してより強くなるならば、現在およそ10億人の空腹の人々の数を減らして、より良い収入と就業の機会を提供することになる。」と、Alexander Mueller氏、(食糧農業機関、FAO)の会長代行)が言った。
Alexander Mueller氏は、ボン(ドイツ)で、気候変動に関して方向性を設定した。これに引き続いて、12月のコペンハーゲンでは、新しい世界的な気候保全に関する合が採択されることになっている。FAOは、コペンハーゲンで3つの提案をする。:国家的に適切な緩和アクション; 農業緩和のための金融; そして、土地用途への広範囲のアプローチの3つである。
FAOのプレスリリースは以下のサイトを見てください。http://www.fao.org/news/story/en/item/20243/icode/、国際食糧政策研究機構の農業と気候変動に関する報告は、以下のサイトにある。http://www.ifpri.org/2020/focus/focus16.asp
エチオピアの科学者が世界食糧賞を受賞
“Dr. Gebisa Ejeta博士(エチオピアの育種家)は、World Food賞の今年の受賞者でる。発表は、ワシントンで米国のヒラリークリントン国務長官によって先週なされた。Ejeta博士(インディアナのPurdue大学の教授)は、旱魃と害の大きい雑草Strigaに抵抗性の高収量モロコシハイブリッドの開発する彼の研究が認められたものである。彼には、250,000米ドルがアイオワ州州議事堂で10月15日に与えられる。
1980年代初期にスーダンで働いて、Ejeta博士は、Dura-1(アフリカで初めての商業的な雑種のモロコシ)を開発した。雑種は、旱魃に耐性で、最高150パーセント従来品種よりも収量が高い。1999年までに、従来品種よりも150%高収量のモロコシ品巣が100万エーカー以上もスーダンの農民によって収穫された。彼は、次にStriga(トウモロコシ、米、トウジンヒエ、サトウキビとモロコシを含む収穫の収穫高を損なう致命的な害の大きい雑草)の流行と戦うことに向った。彼は、Purdue大学の Larry Butler氏と共に、Striga抵抗性遺伝子を特定して、それを地元の在来種に導入して、新たなモロコシ栽培品種に改善した。
Dr. Norman Borlaug(World Food Prizeの創設者)は、以下のように述べた。「モロコシを改善することでのEjeta博士の成果は、農業における最新技術と国際協力が世界で最も弱い人々を向上させた。
全報告は以下のサイトにある。 http://www.worldfoodprize.org/press_room/2009/june/announcement.htm また、Dr. Ejetaの成果は、以下のサイトにある。 http://www.worldfoodprize.org/press_room/2009/june/ejeta.htm
最高のリターンを期待できる農業への投資をG8に呼びかけ
現在の財政危機の最中に、G8開発担当大臣は、アフリカ諸国と国連(UN)エージェンシーの代表者が開発問題をたローマで一般向けのセッションを開催した。国際生物多様性担当のEmile Frison 氏とFAOのJacques Diouf 氏及び国際農業開発基金のKanayo Nwanze氏は、アフリカでの小規模農家を含む発展途上国の農業を改善するために国際農業研究に関するコンサルタントグループへの支援及びその他の国際農業研究投資を増やすべきとの提言すると言う点で同意見だった。
「経済危機のさなかのこの時期に、誰でも投資に見合う価値を探してる、農業の研究は援助の他の形より良い費用対効果を生み出す。」と、Emile Frison(Bioversity Internationalの会長)が述べた。グループは、十分にG8会合の宣言を先に進めるために、「首尾一貫した科学に基づく方針は、国際的にも地域にも強化された協力を通して全てを包含し、環境的にも健全な農業成長を促進することを目指している。」を勧めている。
全文は、以下のサイトにある。http://www.bioversityinternational.org/news_and_events/news/news/article/invest_in_agriculture_for_
highest_payback_bioversity_urges_g8_development_ministers.html?tx_ttnews%5BbackPid%5D=323&cHash=45815b1e86
クリントン氏:持続的農業システムの原則を提唱
慢性的な飢えと食糧安全保障は、オバマ政権の最上位の課題である。ワシントンDCでの2009年食糧賞の発表式典で、国務長官Hillary Rodham Clinton氏は、以下のように述べた。「慢性的飢餓の影響は、言い過ぎることのないものである。飢えは、体調だけでありません、それは、経済発展を阻害し、世界の安全を脅かし、健康と教育の障害であり、数百万の人々が毎日日の出から日暮れまで働くが、彼らの生活、その家族の生活を維持することをかろうじてできるに過ぎない。」、クリントン氏は、世界中の農村地帯で持続可能な農業システムを維持するの原則を以下のように列挙した。
- 良質な種子、肥料、潅漑法への導入を拡大して、農業生産性を向上させる。
- 食糧の備蓄と加工を改善し、地域の道路と輸送手段を改善して民間の活性化を図る
- 天然資源を維持し、土地が次世代にわたって耕作可能とする
- 知識の拡大と研究開発の支援と次世代植物科学者を育成することでトレーニングを行う.
- 貿易を拡大して、小規模農民が自分の作物を販売できるようにする
- 政策改革と良い行政を支援する
- 女性と家族を支援する
全文は、以下のサイトで見てください。 http://www.state.gov/secretary/rm/2009a/06/124659.htm
*アフリカ *
共同でアフリカの米生産倍加を狙う
アフリカでのグリーン革命のための同盟(AGRA)は、2018年までにアフリカで米生産を二倍にすることを目的とする国際協力事業団(JICA)との共同計画に乗り出すと発表した。共同計画は、昨年アフリカ開発のための新共同事業団(NEPAD)で署名された覚書に続くものである。共同事業計画は、東京で開催される第二回のアフリカイネ開発提携(CARD)の総会で正式なものとなり、イネの開発を促進するアフリカの各種機関への支援が増加するものとなるとAGRAが報道機関に発表した。
米は、急速にアフリカの主食になっている。AGRAによると、サハラ以南のアフリカの米の需要は、人口増加率の倍になっている。アフリカ大陸での米生産がこの50年にわたり顕著に増加したが、増加の多くは栽培面積の拡大によるもので、収量の増加によるものではなかった。
AGRA会長Namanga Ngongi氏は、以下のように述べた:「AGRAとJICAの間で協力を深めることはアフリカの小自作農にり米生産を促進することへの重要なステップである。これが高くつく輸入食品を減らして、食糧安全保障の方へ更なるアフリカ大陸を動かすものである。」
プレスリリースは、以下のサイトにある。 http://www.agra-alliance.org/content/news/detail/932/
アフリカ向け塩耐性で窒素利用効率のよいイネの品種
アフリカAgriculture Technology財団(AATF)による新しいプロジェクトは、栄養分を減少した土に対処することができる米の品種を開発しようとするものである。AATFの研究者は、アフリカでイネ生産性を限定している制約を克服することができる改善された米の品種を作るためにバイテクを利用するものである。栄養分不足(特に窒素欠乏)は、アフリカ大陸で食糧生産を減少させる大きな原因のうちの1つだ。西アフリカだけでも、窒素欠乏は、87パーセント以上の稲作地帯で、イネ生産性を制約している。AATFは、塩耐性のイネ品種の開発にも取り組む。淡水はアフリカの重要な資源なので、海水で田を潅漑することができれば、イネ生産を大幅に向上させることができる。
このプロジェクトのために、AATFは、米国に拠点を置くバイオ企業Arcadia Biosciencesと公立農業知財権社(Public Intellectual Property Resource for Agriculture、PIPRA)と共同で働く。Arcadiaは、その塩耐性と窒素の効率的利用技術を使用料免除で提供する。このプロジェクトにはアフリカの全域で多数の研究機関も関与する。その結果、技術的な専門知識を提供して、地域での栽培品種に塩耐性や窒素利用効率の高い特性を導入させることを実施する。
原報告は、以下のサイトにある。http://www.aatf-4africa.org/UserFiles/File/PartnershipsNewsletter_2_April-June09.pdf
ナイジェリアは規制下での組換えササゲ(Cowpea)の圃場試験を承認
ナイジェリアの連邦政府は、Ahmadu Bello University (ABU) Zariaの農業研究所(Institute for Agricultural Research、IAR)が申請した組換え害虫耐性ササゲの限られた圃場試験(Confined field trial,CFT)を承認した。これは豆類のさや穴をあける害虫(Maruca)に抵抗性品種を開発するための基礎研究の出口を開けたものであり、ササゲ歩留まりの低下を防ぐものである。ササゲは熱帯アフリカの乾いたサバンナで最も重要な豆類で、約億人がいろいろな形で消費している。少なくとも1億2800万haで、唯一作物或はその他との混合作物として栽培している。
IAR Samaruの試験圃場では、Abujaの連邦環境省国立バイオ安全委員会の策定した規制指針に則って実施される。アフリカの各種機関と大学、オーストラリアとアメリカ合衆国の大学からの研究者集団は、Marucaに抵抗性の組換え品種の開発をするIARの対応研究者と共同研究の先鋒に立っている。同様の技術によって開発されたMaruca-耐性ササゲは、2008年にプエルトリコでCFTで圃場試験されている。害虫、Marucaへの抵抗性は、プエルトリコの実験で確かめられているが、ナイジェリアのような異なる地域では、それぞれの地域で同じことを繰り返せるかを確かめる為の試験を行なっているのである。
この多国間の協力を調整することは、ナイロビに拠点を置くアフリカのAgricultural Technology財団だ。他の重要なパートナーは、ガーナ、ブルキナファソとナイジェリアの国立農業研究機構、ササゲの遺伝学的改良のためのNetwork、Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation (CSSIRO), Bio-safety Systemsプログラム及びモンサント社である。米国国際開発局とロックフェラー財団は、資金をプロジェクト実施に提供する。プロジェクトは、2014年までにアフリカで最初のMaruca-耐性ササゲが農民に届くように狙っている。
詳しくはMohammad F. Ishiyaku氏に以下のサイトで連絡をとってください。 mffaguji@hotmail.com.
2010年までにGMトウモロコシの地域圃場試験実施
ケニヤは、国立Biosafety委員会から承認を得て、旱魃耐性組換えトウモロコシ品種を限られた地域での圃場試験(CFT)を始める。プロジェクトはケニヤ農業研究所が先鋒をきるもので、アフリカAgricultural Technology財団(AATF)が調整している。。他の協力機関は、国際トウモロコシ・小麦改良センター(CIMMYT)とモンサント社である。AATF、CIMMYTとモンサント社は、このプロジェクトを通して開発される品種はAATFに免許を与えることに同意している。
プロジェクト(アフリカ(WEMA)のための水効率のよいトウモロコシ開発プロジェクトとして知られている)は、つのアフリカ諸国(ケニヤ、ウガンダ、タンザニア、モザンビークと南アフリカ)で開始される。公私共同事業は、それぞれの国の国家農業研究システムが指導しており、資金提供は、ビルとメリンダゲイツ財団によって提供される。
AATFの以下のサイトも見て下さい。t http://www.aatf-africa.org
*南北アメリカ *
MonsantoとBASFが旱魃耐性遺伝子の発見を発表
モンサントとBASFの研究者は、今週の始めに土壌細菌からの遺伝子がトウモロコシがひどい旱魃に耐性で、不十分な給水の期間に産出高を安定化することができると発表した。自然界にある枯草菌からのcspB遺伝子が第一世代の旱魃耐性トウモロコシ品種が2012年に開放栽培できる承認が得られるように申請中であると述べた。cspB遺伝子は、シャペロンRNA(RNAと結合してその機能を促進する機能のあるRNAを規定している。)cspB遺伝子は、低温ストレス耐性を示すバクテリアの遺伝子で始めて遺伝子を特定できたものである。
モンサントとBASFは、プレスリリースで、彼らがアメリカ合衆国とカナダでの耕作のために、そして、メキシコ、EUとコロンビアでの輸入のために調整提出物を完成させたと言いました。この品種は、世界最初の組換え旱魃耐性品種である。
プレスリリースは以下のサイトにある。 http://monsanto.mediaroom.com/index.php?s=43&item=710 モンサントの研究者は、その結果をPlant Physiology.に公表した。その購読者は以下のサイトから全報告を得られる。 http://www.plantphysiol.org/cgi/content/full/147/2/446
マイコトキシン生産病原体を殺す化合物を発見
米国農務省の農業研究サービス(Agricultural Research Service、ARS)の研究者は、植物病原Fusarium verticillioidesの成長を妨げることができる化合物を同定しました。F. verticillioidesは、コーン苗障害と根(軸と黒穂病)の重要な原因菌である。真菌は、マイコトキシンfumonisin(特にfumonisin B1)を生じる。これは、家畜と家禽に有毒である。F. verticillioides感染しているコーンの摂取は、人間の食道および肝臓ガンを高率に誘起する。
研究チーム(Charles Bacon氏の指導による)は、植物が住んでいるバクテリアであるBacillus mojavensisの一株からの化合物を同定した。バクテリアは、ロイシンサーファクチン( Leu7-surfactin)を生産する。これは、フザリウム(Fusarium)を非常に低い濃度(液体1リットルにつき20マイクログラム)でフザリウム属をコントロールすることに効果的である。サーファクチン(Surfactin)は、真菌の脂質膜を分解する界面活性剤様活性をもっている。これはまた、織物工業や環境改善にも使用可能である。
原報告は、以下のサイトにある。 http://www.ars.usda.gov/is/pr/2009/090624.htm
Monsantoは、初めての害虫抵抗性大豆をブラジルで商業栽培
害虫抵抗性と除草剤抵抗性の多重特性(stacked trait)をもったRoundup Ready 2 Yield™大豆がブラジルでモンサント社が商業栽培するとモンサント社がプレスリリースで発表した。モンサントはブラジルでのすべての規制に係る提出物を完成させ、新しい遺伝子組換え大豆品種は、次の10年の早い時期にブラジルで商業化される想定されている。「我々はこの品種がブラジルの大豆農家に変化の一歩を提供できると考えている。その理由は、害虫から大豆を守ることで経済的な損失をなくし、収量の増加を見込めるからである。米国では既に今年導入されたRoundup Ready 2 Yield™によって成果が上がっている。」Roy Fuchs氏が述べた。また、油糧種子技術でリードするモンサントであるとも述べた。さらに「より良い害虫制御で農薬を減らし、収量を確保して農業が食糧、バイオ燃料と繊維を増大する人口による必要量を賄える。」と、更に付け加えた。
米国農務省及び米食品医薬品局への提出物は完了し、重要な環境保護局への提出物と輸入市場への提出物も次の数ヵ月で完了の予定である。
詳しいプレスリリースは、以下のサイトにある。 http://monsanto.mediaroom.com/index.php?s=43&item=717
* アジア太平洋 *
IIRRI は、フィリピン用に3種のイネ新品種を開発
国際イネ研究所(IRRI)で開発された3つの新しいイネの品種がフィリピンでの公式な推薦のイネ品種となった。これらは、フィリピンイネ研究所((PhilRice)の国立共同試験プログラム(NCT)を通じてイネ品種改良グループによって圃場試験及び評価がなされたものである。「国の種子会議のイネ技術ワーキンググループがこの公式承認品種を推薦することになる。これは2009年の広範に行われると想定されている。」とPhilRiceのNCTナショナルコーディネーターであるMs. Thelma Padolinaが述べた。
各々の品種は、冠水耐性、旱魃耐性, 耐塩性である。「これらの新しいイネの品種が使われることで生産性に製薬があるところでより良い生産性が得られて、これがフィリピンの農家がより多くの生産が行われる助けとなる。」とIRRIのプログラムのリーダーであり、育種家であるが使われるとき、生産性を制限した米発展している土地はより生産的になります – これは、フィリピンの農民がより多くの米を生産するのを援助します」と、Ms. Thelma Padolina(IRRIのプログラムリーダーと植物育種家)が述べた。
より詳しい情報は、Sophie Clayton氏と以下のサイトで連絡を取って下さい。
s.clayton@cgiar.org
オーストラリアは、組換え大麦及び小麦の試験を承認
オーストラリアの連邦科学・工業研究機構(CSIRO)は、遺伝子工学規制室(Office of the Gene Technology Regulator,OGTR)から澱粉組成を改変した組換え小麦と大麦の品種を限られた管理下での開放系栽培の承認を受けた。開放系栽培は、オーストラリアの首都圏域(the Australian Capital Territory, ACT)で最大1 haまで2009年月から2012年6月の間に行われる予定である。GM由来のものはすべて商業的なヒトの食物と動物の飼料供給連鎖に入ることは許されない。しかし、GM小麦と大麦製品(特に小麦粉)は、ブタとネズミに与えられる。GM小麦製品もヒトの栄養学的な実験にも使われる予定である。
OGTRが策定したリスク評価によると、CSIROの開放系栽培計画は、ヒトにも環境にも何らリスクをもたらさないとされている。CSIROは、環境(例えばその対応する非組換え体からの組換え体の隔離、GM材料の輸送にあたっての慎重なモニタリング、そして開放系栽培後年間の自主的な圃場モニタリング)への組換え体の漏出を防ぐ手段を講ずる。
リスク評価策定を含むその他の文書は、以下のサイトから得られる。 http://www.ogtr.gov.au/internet/ogtr/publishing.nsf/Content/dir093
インドは、パキスタンにBtワタの種子の輸出を認可
PTI通信(Press Trust of India , PTI)のレポートによると、インド遺伝子工学承認委員会(Genetic Engineering Approval Committee, GEAC)は、近隣のパキスタンで多数の地域で開放系栽培試験を実施するのためにBtワタの種子を輸出することを承認した。パキスタンは、Btワタを植えている中国、アメリカとインドに次いで世界で4番目に大きな綿生産国だ。同国は、毎年綿のおよそ1300万balesを生産している。
PTIは、GEACが、Hyderabadに拠点を置く、Delhiに拠点を置くMonsanto Holdingsに、それぞれKarachiに拠点を置くBayer Crop Scienceと、ラホールにMonsanto Pakistan Agritech にBollgard IIハイブリッドの種子を出することを承認した。しかし輸出は、パキスタンBiosafety委員会によって定められた規則のもとで行うことになる。
原報告は以下のサイトにある。 http://www.ptinews.com/pti%5Cptisite.nsf/0/FB73A3B33AB2A8A2652575CE004B6FC7?OpenDocument
インドの組換え作物:新しい時代の幕開け
「インドの組換え作物:新しい時代の幕開け」が、国際アグリ事業団(International Service for the Acquisition of Agri-biotech Applications , ISAAA)の南アジア事務所が最近出版した一連の組換え作物に関する文書の最新版のタイトルである。この出版は、2008年にインドでの圃場試験の最新の状態と組換え作物の商業栽培についての包括的状況を提供しようとしたものである。また、2002年から2008年までインドに植えられたBtワタハイブリッドのヘクタール数を含む及びBtワタを栽培している農民の数とについて最も信頼できる報道と統計を含んでいる。この文書はインドでのBtワタの商業化の最近年間に国及び農家レベルでのインパクトをまとめている。これには、独立した7つの公共機関によって実施された調査を含めている。組換えワタ綿を栽培している様々の州からの多くのBtワタ栽培農家の経験がここに例示されている。
『新時代の幕開け』は、インドの農業の組換え作物主導への変化の始まりだ。改良された種子(最高水準のテクノロジーと優れた遺伝学の成果の集積のある)農業の成長のために最も重要な導入要素である。この文書でハイライトされているように、この新時代は、公共的にも私的にも大きな投資機会をも提供している。この文書は、ISAAA Brief 39(Global Status of Commercialized Biotech/GM Crops: 2008, authored by Dr. Clive James)の内容を引用したものである。
「インドの組換え作物:新しい時代の幕開け」 の印刷書籍 については、 ISAAA South Asia office, New Delhi, India の以下のサイトに連絡して下さい。 b.choudhary@cgiar.org or knowledge.center@isaaa.org または、電子的には以下のサイトからダウンロードして下さい。 http://www.isaaa.org/resources/publications/downloads/The-Dawn-of-a-New-Era.pdf
オーストラリアでの除草剤耐性サトウキビの圃場試験
オーストラリア遺伝子工学規制室ジーン(Office of the Gene Technology Regulator, OGTR)は、遺伝子組換え除草剤耐性サトウキビを最高6000品種を限定した制御された解放系栽培のBSES社から申請を受け取った。承認されると、開放系栽培が年鑑最大の26 haまでクイーンズランド州にある6つのBSES研究圃場で2009年11月から2015年の間に実施される。BSES社は、環境に組換え作物が漏出して、生き残ることを規制するためのさまざまの指標を提案しており、その中には圃場における当該植物のモニタリング、実験に必要でない植物材料の破壊と自然水路からの圃場の隔離を含まれる。得られる組換えサトウキビの材料は、人間の食物または動物の飼料に使用しない。
除草剤-寛容性遺伝子に加えて、サトウキビ品種は、大腸菌からの抗生物質マーカーであるnptII とblaの遺伝子とクラゲからのgfp遺伝子を発現している。OGTRは、現在リスク査定とリスク管理計画を現在準備している。それについて今後数ヶ月内に一般のコメントを求めることになっている。
詳しくは以下のサイトにある。 http://www.ogtr.gov.au/internet/ogtr/publishing.nsf/Content/dir096
オーストラリアは組換え青いバラを承認
Florigene Pty社は、遺伝子組換え(GM)ハイブリッドのティーローズ品種の商業的開放系栽培の承認をオーストラリア遺伝子工学規制室ジーン(Office of the Gene Technology Regulator, OGTR)から受けた。組換えバラ(青いバラ)は、スミレ属(Viola)からflavonoid 3’5′-hydroxylaseの遺伝子とツリウリクサ属(Torenia)からのanthocyanin 5-acyltransferaseを発現して花色を変えている。これらの遺伝子はdelphinidin(ブルーベリーとクロフサスグリを含む食用の植物の青色)を生産する。組換えバラは、12年間にわたるFlorigene社と日本のサントリー社の共同研究によってつくられた。
母植物と切り花のための植物は、Florigene社に登録されている商業栽培者によって栽培される。生産される花は、通常の商業流通経路でオーストラリア広く一般に販売される。OGTRによるリスク査定基準では、商業的開放栽培は人の健康と環境安全性にほとんど危険をもたらさないと結論した。
OGTRのリスク評価とリスク管理法については、以下のサイトにある。 http://www.ogtr.gov.au/internet/ogtr/publishing.nsf/Content/dir090-4/$FILE/dir090rarmp.doc
*ヨーロッパ*
EUは、組換え作物による持続的農業への貢献に遅れをとっている
PG Economicsの部長、Graham Brookes氏は最近報告を「EUでの組換え害虫抵抗トウモロコシの現況と潜在的影響」と題してグレアムブルックス、PG Economicsの責任者は、International Journal of Biotechnology に発表した。そのキーポイントは以下の通りである。
- トウモロコシ害虫の影響の大きい生産地では、従来品種に比べて組換え体が高い収量を上げた(平均+10%の収量増)
- 2007年に、組換えIRトウモロコシの栽培者は、+€186/ha(+€25からk +€201/haの範囲)の所得増。ユーザー全体で、2007年の農場収入の全体の増大は、+ 2,060万だった
- 特定の地方では、組換え IRトウモロコシは、マイコトキシンが減量して、穀物品質を改善した
- 225万haと400万 haの導入と害虫による被害を考慮すると年間利益は、1億6000万ユーロと億4700万ユーロであると推定される。EU全体で8%と12%の利益を上げたとの認識
- 組換え IRトウモロコシ技術が使われるならば、41万kgと70万kgの殺虫剤を年間節約できる。これは、14%と25%の節約と考えられる
- スペインだけが、組換えIRトウモロコシ導入レベルがほぼ完全で、農場収入と環境改善を遂げている唯一のEU加盟国だ。
著者は、「テクノロジーは、産出高を増やし、生産リスクを減らし、生産性の改善に大きな貢献をした。これらの利益は、しかしながら、EUのトウモロコシ栽培国の農民や市民によって否定され、このテクノロジーの使用を禁止した国(イタリア、フランス、ドイツとオーストリア)は最大の敗者となっている。」と強調した。
プレスリリースは、以下のサイトにある。http://www.pgeconomics.co.uk/EU%20losing%20out%20on%20contributions%20to%20sustainable%20farming%20from%20biotech%20traits.htm. また、全報告を以下のサイトからダウンロードできる。 http://www.pgeconomics.co.uk/pdf/btmaizeeuropejune2009.pdf
EFSA: 抗生物質マーカー遺伝子がヒトの健康と環境に害をなす可能性はない
ヨーロッパ食品安全局(European Food Safety Authority 、EFSA)は、遺伝子組換え植物における抗生物質抵抗性選択遺伝子の使用に関する概要を声明として発表した。EFSAの組換え生物とバイオハザードパネルは、現在得られている情報によると、一般的に用いられる抗生物質抵抗性選択遺伝子nptIIとaadAには人間の健康と環境に悪い影響を及ぼすことは考えられないと述べた。彼らの共同の意見で、パネルは、組換え植物からバクテリアへ抗生物質抵抗性遺伝子の移動が自然状況及び実験室内で起こることが示されなかった点を上げた。報告によると、組換え植物からバクテリアへの抗生物質抵抗性選択遺伝子の安定した取り込みに対する重要な障壁は、植物とバクテリアの間のDNA配列同等性の欠如としている。
パネルは、しかし、遺伝子導入をある特定の源で確かめるには、暴露レベルと評価に限界があることもあるとしている。もう一つの生物で発現している選択遺伝子がどの生物から来たかを正確に知ることも不可能であるとしている。
EFSAの組換え生物とバイオハザードパネルも、選択遺伝子が抵抗性を与える臨床的重要性を考慮している。遺伝子nptIIはカナマイシン(複数の薬物抵抗性結核、MTB、を伴う感染症の治療のための第選択抗生物質)に対する耐性を与えることも考慮している。そして、EFSAの組換え生物とバイオハザードパネルは、「nptIIは、MTBの処置において、カナマイシンに対する耐性に関係しませんでした。」と強調しました。
全報告は以下のサイトにある。 http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902569389.htm 声明は、以下のサイトからダウンロードできる。http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902569473.htm
グリーンバイオテクと気候変動
新しいレポート、Green Biotechnology and Climate ChangeがEurapabioによって出版された。農業バイテクが温室効果ガスの排出減少に大きく貢献し、気候の変動にも対応し、少ない土地で多くの食糧を生産できると強調した。この本は、またグリーンバイオテクが農家が様々の手法で持続的農業と将来への挑戦を行えることを支援できる情報を提供している。
Willy de Greef氏(EuropaBioの事務総長)は、この本が(「気候変動は、飢饉と病気を通して世界中の数百万人の生き残りに対する巨大な脅威をもたらす。ということの話ばかりするのを止めて、安全な農業バイテクによる解決を含め、利用できるあらゆるツールを認めて、支持して、使用することによって先にリードし始めることは我々の責任である。」とコメントを加えている。
プレスリリースは以下のサイトにあります。 http://www.europabio.org/PressReleases/green/PR_090619_Green_Week.pdf. 全報告は、以下のサイトからダウンロードできる。 http://www.europabio.org/positions/GBE/PP_090619_Climate_Change.pdf
ドイツの裁判所は、小麦畑を破壊した組換え反対活動派に刑罰を下した
ドイツのGatersleben村で遺伝子組換え(GM)小麦の圃場試験を破壊した一団の反GMO活動家は、Saxony-Anhalt法廷で先週有罪宣告された。法廷は、彼らがLeibniz Institute of Plant Genetics and Crop Plant Researchの実施試験域にそのグループが2008年4月21日に法律に反して行動したと決定した。反GMOグループは損傷の代償を払うよう要求され、その額は、少なくとも245,000ユーロ(342,000のUSD)と推定した。
GMO Compassによるレポートによると、活動家は圃場試験に反対したのはGatersleben遺伝子銀行がその近くのためだ。彼らは、bergesetzlicher Notstand(「法令外の必要性」)のドイツの法律概念を破壊を正当化する理由としてあげた。
小麦は、自家受粉性で他家交配率を1パーセント未満と推定した。実地圃場試験は、遺伝子バンク(Genebank)500メートル隔離されていた。
原報告は、以下のサイトにある。 http://www.gmo-compass.org/eng/news/449.docu.html
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研究
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オーキシン、植物形態変化剤
植物ホルモンオーキシンは植物で卵生産に関与している形態変化剤(morphogen)であると、ScienceオンラインScience expressに発表された。この研究の指導者であるUC Davis の植物生物学及び植物科学の教授Venkatesan Sundaresan博士が研究成果は、「植物は胚嚢と呼ばれている雌の生殖のユニットの一端でオーキシン合成を誘発して、オーキシン勾配をつくります。嚢の中のつの核はそれからオーキシンの異なるレベルにさらされますが、勾配の正しい位置の核だけが卵子になる。その細胞は、次世代を作るために、その後受精する。」と要約した。
この発見は、胚嚢の進化が裸子植物(裸の種形付け)から顕花植物(被子植物)への進化の鍵となる要素でありえたことを示している。このように、最初の被子植物がより能率的に、そして、うまく繁殖することができている雌の生殖のユニットの急激な変化を経たというモジュラー理論を支持する結果である。
詳しくは、プレスリリーが以下のサイトにあるので参照下さい。 http://www.news.ucdavis.edu/search/news_detail.lasso?id=9142. 要旨は、以下のサイトにある。 http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/1167324
スーパーハイブリッドイネのトランスクリプトーム分析
LYP9イネとその親の栽培品種のトランスクリプトーム(transcriptome)プロフィールを調査するために全部のゲノムオリゴヌクレオチドマイクロアレイを用いて、中国農業科学会議と国立ハイブリッドイネ研究開発センターのZhu Lihuang 博士と共同研究者は、よく栽培されているイネ品種の遺伝学的基礎と分子機構に光を当てた。Yuan
Longping(ハイブリッドイネの父)によって1970年代に開発されたLYP9は中国の食糧問題を解決すると信じられるハイブリッドイネの品種の1つである。
集まっている成果によると一代雑種の表現プロフィールが種の親の品種の間にあるそれよりその親の品種のそれらに似ていることを示した。全22,266の発現された遺伝子から、7,078の遺伝子がつの試した組織すべてにあることが分かった。両親(DGPP)の間で、そして、ハイブリッドとその両親(DGHP)の間で異なって発現された遺伝子を分けたところ、エネルギー代謝と輸送のカテゴリーの遺伝子がDGPPでよりはむしろDGHPに濃縮されることが示された。これらの異なる発現をした遺伝子(炭水化物代謝に関係する)は、雑種強勢を支配している候補遺伝子である。
PNAS に収載されて論文は以下のサイトから得られる。http://dx.doi.org/10.1073/pnas.0902340106
Apomictic 作物開発に一歩前進
世界中の科学者は、何世代にもわたって旺盛な生命力を維持して母植物と同一の固体を生産するアポミクシス(無性生殖または無性再生)をハイブリッドを作る手段とすることを追い続けている。アポミクシスは、自然に400以上の植物種に起こるが、重要な作物(例えば米、小麦とトウモロコシ)では、まれにしか起こらない。フランス国立科学研究センター(National Scientific Research Center、CNRS)、国立農業研究所(National Institute for Agricultural Research 、NRA)とオーストリアの分子病理研究所(Research Institute in Molecular Pathologyの研究所)の研究者がアポミクシス作物開発の大きな前進を達成した。研究チームは、アポミクシス研究で重要なハードルであった減数分裂に注目した。減数分裂は、親の特徴の混合で男性と女性の配偶子を生産する細胞分裂の一つの型である。モデル植物のシロイヌナズナで3つの遺伝子突然変異の組合せを使って、研究チームは、彼らが減数分裂が有糸分裂または無性細胞分裂に完全に置き換えられるMiMeと呼ぶ遺伝子型を創成した。
Raphaël Mercierと共同研究者は、有性細胞分裂の3つの特異的なところに焦点を当てた。
- 遺伝子の変異を用いる組換えまたはAtspo11-1染色体の対合遺伝子分離また
- Atrec8 遺伝子の変異を用いて染色体の分離または、染色体対合の解離
- osd1 gene 遺伝子の変異を用いての細胞分裂の第二ラウンド
しかし、アポミクシスを達成することは、まだ遠いゴールです。専門家は、アポミクシス作物が市場に出るにはもう15年係ると予測している。減数分裂を有糸分裂と入れ替えると染色体数が世代毎に増加することになる。染色体数が上がるにつれて、受精率は下がる。科学者は受精で生き残れる種子を実らせる方法も見つけなければならない。これは、単為生殖と呼ばれる。それにもかかわらず、Raphaël Mercierと共同研究者の発見は世界中で重要なものと認めらている。
自由公開誌 PLoS ONE に収載の報告は、以下のサイトから得られる。 http://dx.doi.org/10.1371/journal.pbio.1000124 また研究の要旨は以下のサイトにある。http://dx.doi.org/10.1371/journal.pbio.1000118 Nature 誌での論文は、同誌購読者は、以下のサイトで見ることができる。 http://dx.doi.org/10.1038/news.2009.554
抗アレルギー性組換えイネは、動物試験では安全と考えれる
日本の農業生物資源研究所(Japan’s National Institute for Agrobiological Science)の研究者チームは、杉花粉アレルギーに効果的な遺伝子組換えイネ品種の開発に成功した。その上、彼らはGM米の経口投与が安全なことを証明できた。杉花粉アレルギーは日本の重要な公衆衛生問題で、毎年月から4月にかけて何百万もの日本人に影響を及ぼしている。
高岩文雄氏と共同研究者は、杉花粉アレルゲンから主要人T細胞エピトープ(7Crp)の複合型ペプチドを蓄えられる組換えイネ品種を開発した。7Crpは理想的な安全なtolerogenである。Sの理由は、それがアレルゲンに特有の免疫グロブリンEと結合することのない天然のアレルゲンと同じ免疫原性のレベルを持っているからである。
研究者は、26週の間毎日一群の猿(カニクイザル、Macaca fascicularis)に、組換え米と非組換え米を蒸煮炊飯して与えた。の蒸気をあてられたバージョンを与えました。研究期間の終りまでに、試験動物は何ら健康上の問題がなかった。研究者によると、これはアレルギーと戦う米が消費者にとって安全なことを示したことになる。カニクイザルは、臨床徴候、体重、検死調査結果、組織病理調査結果、血液学的なデータ、血生化学データと尿検査を行った。
この報告は、Journal of Food and Agricultural Chemistryに収載され、以下のサイトから取得できる。 http://dx.doi.org/10.1021/jf900371u