北海道立工業試験場 成果発表会 のご案内

当試験場が取り組んだ研究開発や技術支援の成果を広く皆様にお知らせし、
ご活用いただくため、成果発表会を開催します。
 発表、展示、ポスターセッションの各会場では研究成果を紹介し、意見・情報
交換を行いますので、当試験場の旬な技術を皆様の技術開発にぜひお役立てくだ
さい! 終了後には交流会も行います。
 また、技術や知的財産、経営に関する相談コーナーも設けておりますので、是
非ご来場ください。

 ○日時:平成21年5月22日(金) 13:00~17:15
             (  展示: 12:00~16:00  )
               交流会: 17:30~
 ○会場:ホテル札幌ガーデンパレス(札幌市中央区北1条西6丁目)
 ○参加費:無料(交流会への参加:3,000 円)

 ▼詳細な内容、お申込み・お問合せはこちらです!
  http://www.hokkaido-iri.go.jp/topics/2009-seika/PR.pdf

作物バイオ最新情報 2009年1月

世界
-組換え技術に対する欧米人の見方は、時間とともに変わってきた
-ダンフォース(Danforth)研究所の科学者たちはイネツングロ病に対する技術を発見-モロコシの遺伝子が解読
 
アフリカ
-トーゴがBIOSAFETY法を承認
-ウガンダが耐病性キャッサバの開発に一歩近づいた
-アフリカ向け旱魃耐性トウモロコシ
 
南北アメリカ
-ブラジルは、HERCULEXトウモロコシの栽培を承認
 
アジア太平洋 
-西オーストラリア州政府は、組換えナタネの試験を承認
-中国の食物経済は、小規模農家に利するものである
– Btナス:インドで実用化が近いか?
-光合成経路のよりすぐれたイネの生物工学研究
– Khushu博士がPunjab農業大学に研究基金を寄附
– IRRIがインドとの研究契約に署名
 
ヨーロッパ
– ECが組換え作物の栽培提案を支持
-スウエーデンでの組換えナタネの圃場試験
-気候変動は草地の生産性を向上させる可能性がある

研究
-ツングロウイルス耐性の組換えイネ
-セレン強化ナス科作物
-アラビドプシスのレクチンタンパク質は、病原体に抵抗性を付与する
-イネの進化の歴史をたどり、将来の品種改良に役立てる

バイオ燃料に関する補遺
-国際エネルギー機構(IEA)の報告で、第一次から第二次バイオ燃料貯蔵への移行を分析
– UC Berkeleyの研究者は、「バイオ燃料政策とバイオテクノロジーの経済学」の中でその解析を行った
-ブラジルは化石燃料の節約と2008年に最高記録のエタノール生産達成を報告
-サトウキビからのエタノールとバイオ燃料についての書籍が出版
 



*世界 *

組換え技術に対する欧米人の見方は、時間とともに変わってきた
組換え技術に対する欧米人の見方は、時間とともに変わってきた。これまでの調査のチェックと世論調査で米国では前の10年より、2000年の前半の方が受容性が低い結果であり、バイオテクノロジーや遺伝子操作についてより楽観主義でない状況にある。他方、ヨーロッパでは、逆になった。この見解は、前の10年と比較して2000年の前半において向上している。これらはフランスのINRA(Grignon)のSylvie Bonnyの調査結果で、彼女が「GMOに関する意見は、どのように時間とともに変わったか?:欧州連合と米国の状況」の総説としてCAB Reviews:農業、獣医の科学、栄養と天然資源2008の展望の中で出版したものだ。 
大方のバイオテクノロジーの概念が許容できるとの一方、遺伝子組換え生物(GMO)への反対はヨーロッパで非常に高いままであるが、国によってその内容は大きく異なる。
上記の要旨は、下記のサイトで得られる。http://www.cababstractsplus.org/cabreviews/Reviews.asp?action=display&openMenu=relatedItems&ReviewID=91678&Year=2008
またはSylvie Bonny に bonny@grignon.inra.fr 宛メール下さい。

ダンフォース(Danforth)研究所の科学者たちはイネツングロ病に対する技術を発見
イネのツングロ病は、常にアジアの農民の禍の元だ。しかし、うまくいけば、そう長くかからないでこのウイルスの拡がりを減少できる技術をDonald Danforth植物科学センター(米国を拠点とする非営利の研究所)の科学者が発見した。米国Donald Danforthセンターの所長のRoger N. Beachyと研究者 Shunhong Daiは、つのイネタンパク質のどちらでも過剰発現する組換えイネがtungro bacilliformウイルス(RTVB)に起因する感染に抵抗性を示すことを証明した。
つのタンパク質(RF2aとRF2b)は、植物の進化にとって重要であることが知られている転写制御因子で、ウイルス感染から保護する防衛機構を制御することに関係していると考えられている。Danforthセンターで行われた実験室内及び温室での成果は、フィリピンの国際イネ研究所(IRRI)と協力して行われた温室での実験で最近再確認された。この研究の結果は、東南アジアのイネ生産国で最高70%米産出高を減らすことが知られているイネtungro病のコントロールに貢献すると期待される。
この研究の全文は、Proceedings of the National Academy of Sciencesの2008年12月22日号をご覧下さい。またプレス発表は以下のサイトをご覧下さい。http://www.danforthcenter.org/newsmedia/NewsDetail.asp?nid=157  

モロコシの遺伝子が解読
国際研究者チームは、耐寒性作物で重要な食料、飼料、そしてバイオ燃料生産のために重要なモロコシの遺伝子の青写真を解読した。科学者たちは、この科学的な突破口が耕作不適地域でしかも人口の増加が大きい例えば西アフリカ)での旱魃耐性の品種開発に繋がると信じている。イネの次にゲノムの配列決定が行なわれたのがモロコシ属である。モロコシゲノムの比較の分析は、Nature誌の最近号にある。
モロコシ属(ソルガム、Sorghum bicolor)(サトウキビの近縁)は、それを主食とする熱帯アフリカ起源で、現在アメリカとインドの乾いた地域でも栽培されている。モロコシの世界生産は、毎年6000万トンと推定される。研究者は、全ゲノムを対象にいわゆるショットガン(ランダム分析)を行い、短いランダムなDNA配列を決め、それから、最初のゲノム配列を再建するためにスーパーコンピューターを使って全部のゲノムを決めた。この技術は、ヒトゲノム解析計画で最初に開発されたものだ。
およそ億3000万のヌクレオチドと30,000の遺伝子で、このゲノムは、イネのそのサイズより75パーセント大きい。イネゲノムとの比較で、モロコシの進化とC4光合成、植物の高温と強い光の条件で且つ水が少ないところの植物の理解に光を当てるものだ。科学者も、最近の遺伝子とmicroRNA重複がモロコシの旱魃耐性に貢献しているとの証拠を見つけた。たとえば、イネmiRNA169gは、旱魃ストレスに対して上位の制御を行っており、つのモロコシの相同配列を持っている。
Natureの購読者は、以下のサイトで全文を見られます。 http://dx.doi.org/10.1038/nature07723 もっと詳しい情報は以下のサイトにあります。 http://www.nature.com/nature/journal/v457/n7229/full/nature07723.html and http://www.jgi.doe.gov/News/news_09_01_28.html

* アフリカ *

トーゴがBIOSAFETY法を承認
アフリカのトーゴ(ブルキナファソのすぐ隣)が、Biosafety法を承認した。トーゴの下院は、2008年12月30日に法律を採択した。ワタは、トーゴの主な換金作物だ。
詳細な情報はAFODA Chamsoudine(Cellule de Bios curit)の以下のサイトにある。afchams@yahoo.frのTOGO

ウガンダが耐病性キャッサバの開発に一歩近づいた

New Visionの報告によるとウガンダのNamulonge Crops Resource Research Institute(NaCRRI)が、病気耐性で高い収穫量のGMキャッサバの新品種についての温室での実験を完了。NaCRRIは、現在、実験室内からフィールドでのGM植物の実験を行うための国のBiosafety委員会からの承認を申請している。組換え品種は、キャッサバモザイクウイルス(CMV)と茶色系ウイルス(BSV)に抵抗性を示す。これが承認されるならば、ウガンダでだけでなくアフリカの全体でのキャッサバ生産に影響を及ぼす最初の開放系試験の行なわれる遺伝子組換えキャッサバとなる。
現代的なキャッサバ形質変換研究所は、米国国際開発局(USAID)の支援を通して、NaCRRIに最近建設された。
全記事は、http://allafrica.com/stories/200901070050.htmlにある。

アフリカ向け旱魃耐性トウモロコシ
トウモロコシは、3億人以上のアフリカ人の主食だ。収穫量は、しかし、頻繁な旱魃にひどく影響を受けている。旱魃は、不作、飢えと貧困につながる。世界的な気候変動は、問題を悪化させることになっている。近年では、産官協力が従来の育種、マーカー法による育種、組換え技術を使って旱魃耐性トウモロコシ新品種の開発が行われてきている。アフリカの水効率のよいトウモロコシ育種(WEMA)のためのプロジェクトがWater Efficient Maizeとして知られて、プロジェクトはCIMMYT(国際トウモロコシ及び小麦改良センター)、モンサント社と農業研究システム(ケニヤ、モザンビーク、南アフリカ、タンザニアとウガンダの農民グループと種会社)と協力してアフリカのAgricultural Technology財団(AATF)によって指導されている。
ビルとメリンダゲイツ財団は、4200万米ドルの資金をプロジェクトに投入た。最初の従来のWEMAの品種は、6~年で利用できると予想されている。組換え旱魃耐性品種がおよそ10年以内に実用化されるとされている。

詳細な情報は、以下のサイトをご覧下さい。http://www.aatf-africa.org/aatf_projects.php?sublevelone=30&subcat=5

*南北アメリカ *

ブラジルは、HERCULEXトウモロコシの栽培を承認
ブラジル農業省は、ダウAgroSciencesに耐虫性のHerculex Iとの組換えによるハイブリッドコーンを売ることにゴーサインを与えた。認可は、2B710HX、2B688HX、2B707HX、2C520HXと2A525HXハイブリッドコーンに与えられた。Herculex Iコーンの品種は、アメリカ産行列毛虫ヨトウガの一種(Spodoptora frugiperda)とサトウキビ穴をあける害虫(Diatraea saccharalis)(ブラジルで40パーセント以上の歩留まりの低下を与える重いコーン害虫)に抵抗性を示す。
ブラジルの全国Biosafety Technical委員会(CTNBio)は、12月に商業リリースのためにcry1Fを表しているトランスジェニックコーンを承認した。Herculex Iコーンハイブリッドは、2001年以降、そして、2005年以降アルゼンチンでアメリカとカナダで栽培されている。
詳しい内容は以下のサイトにあります。http://www.dowagro.com/newsroom/corporatenews/2009/20090128a.htm
また、CTNBioの承認の記事は、http://agenciact.mct.gov.br/index.php/content/view/50013.htmlで見られます。

* アジア太平洋 *

西オーストラリア州政府は、組換えナタネの試験を承認した
農務省とFood(西オーストラリアの州政府)は、2009年に組換え遺伝子(GM)ナタネ小規模栽培試験を承認した。農業及び食品省大臣のTerry Redmanは、試験栽培はおよそ20人の農民によって1,000ヘクタールに植え付けられると言った。これは、西オーストラリア州初の組換えナタネの栽培であり、且つ同国最大のナタネ栽培州での試験だ。
「この決定は、よく検討された信頼できるものである – 研究をGM技術の使用まで慎重に続いてきたことによって組換え技術の利用に繫なげられるものである。政府の役割は、農民が彼らの企業を拡大して、彼らの収益性を上げるための選択肢とツールを持っていることを確保証することであると思っています。」と、Redman氏が述べた。
西オーストラリア州は、栽培者とGMと非GMナタネを分離するために、共に密接に共同して働いている。Redman氏は、厳しい安全管理規制を試験においては実施すると語った。大臣は、GM食品の標識と法令順守を管理する委員会も政府内に設立した。
州政府マスコミリリースは、下記のサイトを見てください
http://www.agric.wa.gov.au/content/fcp/co/GM_canola_trials_minister_statement.pdf

中国の食物経済は、小規模農家に利するものである
中国の最近15年にわたる著しい園芸発展は、国の農業経済の様相を変えた。この間、現代の供給チェーンも出てきた。Review  of Agricultural Economicsに最近発表される調査で、中国の食物経済の最近の変化が小さな農民の貧困縮小改善に貢献したことが示された。著者は、しかし、安全な製品の配送を確実にするのは達成すべき大きなチャレンジであると言っている。
生産とマーケティング構造の現われとして、ikun Huang, Scott Rozelleとその共同研究者は、山東省で果物農民の代表サンプルから2007年に集めたデータセットを使った。小さくて貧困農家が伝統的なマーケティングチャンネルに売ることができるとわかった。一方、貧しい家庭が園芸市場に進出が少ないという証拠もなかった。
全報告は以下のサイトにあります。Read the complete article at http://www.wiley.com/bw/press/pressitem.asp?ref=2017雑誌の購読者は、この報告を以下のサイトからとれます。 Subscribers to the journal can access the paper at http://dx.doi.org/10.1111/j.1467-9353.2008.00421.x
しかし、研究者は中国の果物(特にリンゴとブドウ)の安全性を確保することは気が重い仕事であると認めた。ほとんどすべての取引は、スポット市場の原則と現金で行われているので、果実の輸送などを追跡することは非常に難しい。市場で売った後は、中国の園芸経済の農民は、すべての責任が文字通りない。
http://www.wiley.com/bw/press/pressitem.asp?ref=2017 で全記事をみられます。また、雑誌の購読者は、http://dx.doi.org/10.1111/j.1467-9353.2008.00421.xから報告を得ることができる。

Btナス:インドで実用化が近いか?
Btナスは、近い将来承認されて、インドで採用される最初の遺伝子組換え食品作物になりそうである。Btナスは、この年の間インドで公共部門機関と協力してMahycoによって開発中であった。それはインドで厳しい科学ベースの規制承認プロセスを経て、現在、2008~2009年にMahycoによってBtナスハイブリッドの実験的な種生産を承認したインド規制当局によって、規制緩和の段階にある。食物と飼料としての安全性(毒性とアレルゲン性テストを含む)の研究は、ネズミ、ウサギ、魚、鶏、ヤギと牛について実行された;これらの研究は、Btナスがその対応non-Btと同じくらい安全であることを確認した。同様に、発芽、花粉の動き、侵入性、攻撃性と雑草性による環境影響評価や対象外の生物に対する影響調査は完了した。そして、Btナスがその対応非Btナスと全くド同じ様相を呈することを確認した。
多くの試験場での研究栽培(MLRTs)と大規模な実地試験(LST)の下の農学の研究は、BtナスハイブリッドのFSB(Fruit shoot borer, 実と茎に穴をあける害虫)の制御のための殺虫剤必要量が対応する非Bt物より80%平均して少なくてすむことを確認した;これは、Btナスの全ての害虫制御のために使われる全体の殺虫剤を42%の減少と同じことである。FSBの効果的制御の結果、その対応非Btよりもハイブリッドは、100%増産され、また人気のある従来種の116%、さらには人気がある自由に使っているナスの種類(OPVs)の166%増収があった。
このように、現在まで、規制当局に提出される調査はBtナスが同時にナス、FSB、80%によるこの重要な害虫駆除のための殺虫剤の減少と従来のハイブリッドと自然受粉の種類よりも十二分に倍の産出高で最も重要な害虫制御を行ったことを確認した。そして、それによって同様に農民と消費者に重要な利益を得た。国家レベルで、それはこのように食品の安全、保安と持続性に貢献できる。
国際アグリ事業団(ISAAA)は、「インド(ナス/Aubergine)のBt Brinjalの開発と規制」として、最新のBrief 38まとめてある。Brief 38は、重要な植物のナス(別名eggplantまたはaugerbine)のインドでの耕作のすべての面の広範囲の調査をまとめたものだ。このBriefはナスの最重要害虫である(FSB)に対する抵抗性を与える組換えBtナスについてインドにおける開発、現状、規制についてまとめたものだ。
詳細な情報またはBrinjal Brief38-2009の入手には、ISAAAの東南アジア拠点(b.choudhary@cgiar.org またはk.gaur@cgiar.org)に連絡して下さい。また、オンラインバージョンは、http://www.isaaa.orghttp://www.isaaa.org/kc.から入手できる。

光合成経路のよりすぐれたイネの生物工学研究

研究者の世界的なコンソーシアムに加えて、国際イネ研究所(IRRI)は、イネの光合成の効率化を図る巨大研究に向けて、その組織を再構築した。この研究は、現状よりもより少ない肥料とより少ない水を使っても、さらに50パーセントの穀物を増産することに繋がるものである。このプロジェクトのために、研究所はビルとメリンダゲイツ財団から1100万米ドルの補助金を受けた。「これは、完了するのに10年以上がかかる長期の、複雑なプロジェクトだ。」と、IRRIのプロジェクトリーダーJohn Sheehy氏が説明した。「この戦略的な研究の成果は、何億もの貧しい人々のためになるためになるものである。」と更に加えた。
植物は、光合成で二酸化炭素を固定して、それを炭水化物に変えることによって彼ら自身の食物を作る。ある種の植物は、他より能率的に、食物を製造する。通常、これらの炭素固定の効率的植物種は、先進のC4カーボン固定経路を持っている。このC4メカニズムは、RuBisCo(光合成の重要な酵素)のエネルギー浪費を少なくしている。Lこの経路は、植物を旱魃や高温と二酸化炭素と窒素制限下で生き残らせる機構でもある。Sheehyらは、光合成系を効率の悪いC3からC4に変換を狙ったものである。
マスコミリリースは、http://beta.irri.org/news/index.php/Press-Releases/2009/New-higher-yielding-rice-plant-could-ease-threat-of-hunger-for-poor.htmlから得られる。

Khushu博士がPunjab農業大学に研究基金を寄附
世界に著名なイネ育種及び遺伝学者であるGurdev Singh Khush博士は、LudhianaにあるパンジャブAgricultural大学(PAU)に、Rs.3.5クローレ、75万米ドル相当を2009年1月15日の卒業式典の折に寄付した。寄付金は、大学で研究を強化するのに用いられる。この寄付金は、彼が授与されたいろいろな国際的な賞の賞金から今日までに累積されたものであるとKhushu博士は述べた。彼の卒業式での式辞で、彼はインドの状態が「口への手であった。」ものであると言い、飢えと貧困は激烈だった。「我々はそれ以来長い年月を費やし、そして世界は、今日、我々の成長率に驚嘆している。そして、この傾向が続くならば、インドが世界で最も重要な経済力ある1つになることは確実だ。」と述べた。
Khush博士は、緑の革命のお膳立てをする60年代と70年代にイネと小麦の高収量品種の導入にハイライトをあてた。バイオテクノロジーで、科学者は現在、より高い産出高可能性と病気と害虫に対する抵抗性で高収量品種を開発することができる。組換え作物・食品に対する不安の論議に触れないが、これらの食品がヒトや環境に害を与えるという正当な証拠はないとKhush博士は言った。また更に、これらの食品に対する社会的な不安は、遺伝子組換えに対する知識の不足によるものとメディアとある種の活動家の否定的な意見によって扇動されているものだ。「バイオテクノロジーは、食物と栄養的な保証を確実にするための役に立つ道具である。」と、強調した。
Khush博士は、彼が約53年前彼の科学的な研究生活を始めたところからの大学の卒業生です。PAUの集会の詳細については、http://www.pau.edu/index.php?_act=manageStory&DO=viewStoryDetail&intStoryID=16;を見てください。Gurdev Singh Khush and his familyに関するさらなる詳細とhttp://www.khush.org/.の彼の家族インドの生物工学開発の詳細については、b.choudhary@cgiar.orgまたはk.gaur@cgiar.orgに連絡してください。
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IRRIがインドとの研究契約に署名
国際イネ研究所(IRRI)は、次の3年のインドのイネ研究を支えて、促進するインド農業研究会議(Agricultural Research、ICAR)との協定に署名した。この契約は、アフリカと南アジア(STRASA)の貧しい農民のためのストレス耐性のイネ、南アジア(CSISA)のための穀物システムイニシアティブとC4イネの開発に関するプロジェクトを含むビルとメリンダゲイツ財団に支援された3つのプロジェクトを含む。
「実施計画は、遺伝資源を保全して、評価して、強化することに集中すること」と、「強い穀物システムの生産性と持続性を強化するだけでなく、脆弱な環境のために生産性と生計を改善すること; 気候変動の影響を評価、気候変動への緩和と馴致;そして、トレーニングを含む研究開発の間のつながりを強化すること。」であるとMangala Rai氏(ICAR会長)が述べた;
プレスリリースは、以下のサイトにあります。http://beta.irri.org/news/index.php/Press-Releases/2009/New-agreement-opens-avenues-for-strengthening-Indian-rice-research.html

* ヨーロッパ *

ECが組換え作物の栽培提案を支持
欧州委員会は、27のEU加盟国の農民がつの遺伝子が組換えられたコーンの種類を栽培してもよいよう勧めた。推薦はSyngentaのBt11とTC-1507に対して行われた。これらは、パイオニアHi-BredとMycogen Seedsによって共同で開発されたものだ。加盟国からの生物工学の専門家は、これらのGMコーンの栽培を許すべきかどうか、来月決める。
近年、欧州連合はRR2YieldとLibertyLink大豆を含むいくつかのGM収穫の種類の輸入を承認した。しかし、EUは1998年モンサントのMON810 Btコーンを承認して以降遺伝子組換え作物を植える農民のための承認をしなかった。
より詳しい情報は、以下のサイトにあります。http://europa.eu/press_room/index_en.htm

スウエーデンでの組換えナタネの圃場試験
Plant Scienceスウェーデン社は、油組成を改善した遺伝子組換えナタネの圃場試験の承認を与えられた。遺伝子組換え品種は、長鎖高度不飽和脂肪酸の増加したものだ。カビからのデサチュラーゼ酵素の遺伝子に加えて、組換え体は、組織培養において組換え細胞を特定する選択マーカーとして遺伝子ahas(Imidazolinonesへの寛容性)を含む。
温室での実験によると、遺伝子組換えナタネは、親の対象種と同じだった。農業生息地での持続または従来のナタネと比較した自然の生息地への侵入に関する違いはなかった。試験を15ヘクタールの総面積でEslöv, Svalöv, Klippan, KristianstadとVaraの自治体で行われる許可が与えられた。
より詳しい情報は以下のサイトにあります。http://gmoinfo.jrc.ec.europa.eu/gmp_browse.aspx

気候変動は草地の生産性を向上させる可能性がある
Bayreuth大学とミュンヘンの the Helmholtz Centerの研究結果によって、冬の頻繁な凍結-雪解けサイクルがバイオマス生産を増やすことができることが明らかになった。その実験のために、研究者は地下暖房を設置した。これで回の凍結・誘拐を2005/2006の冬に起すことが可能になった。彼らは、実験区域では、対象に比べて10パーセント地上のバイオマスが得られることがわった。凍結-雪解けサイクルは、しかし、この繰り返しでは全成長時期にわたって根本の長さを減らした。科学者は、生物量の増加が春に窒素供給と微生物活動の増加があることを含むいくつかの要因によって説明されることができると述べた。
地球温暖化は、寒帯-温帯域と高い緯度地方で土凍結・融解サイクルの頻度を増やすことになる。科学者によると、増加した根と茎の比率とタイミングの変動に由来する生産性の変化は、生態系安定性と生態系サービス(例えば生産性と栄養の保持)を変えることができるとのことである。
New Phytologistの購読者は以下のサイトから全文を引き出せます。http://dx.doi.org/10.1111/j.1469-8137.2007.02309.xまた、より詳しい情報は、以下のサイトにあります。 http://www.ufz.de/index.php?en=17550

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研究
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ツングロウイルス耐性の組換えイネ
Donald Danforth植物科学センター(DDPSC)の研究者は、南及び東南アジアで蔓延し、世界中でイネ生産高で一年に15億ドルの損失を起すイネツングロウイルス病(RTD)をウイルスの感染を防ぐことで感染を減らす技術を開発した。RF2aまたはRF2b(植物の分化とウィルスプロモーターの発現の重要な転写制御因子)を過剰発現させる遺伝子を組換えたイネ品種は、イネツングロbacilliformウイルス(RTBV)に起因する感染に体制である。RTDは、RTBVとイネツングロ球状ウイルス(RTSV)の同時感染症によって起こる。これらのウイルスは、バッタによって伝播する。
Danforth研究者Roger N. BeachyとShunhong DaiはIRRIと協力して、温室で組換えイネがRTVBに抵抗性があることを確かめた。「病気に対する抵抗性を高めることとウイルスとホストに関する十分な知見を得るには多年の努力が必要であるが、うまくいけば、これらの研究の結果は、最も病気に影響を受ける世界の領域で、イネの収穫高改善に繋がる。」と、研究のリーダーであるRoger BeachyとDDPESCの所長が述べた。
転写因子の過剰発現遺伝子とウイルスを伝播する昆虫に対する抵抗性遺伝子を複合させることでRTDに被害を受けている地域での抵抗性を著しく改良した遺伝子組換え品種を開発できることになる。
PNAS 発表された論文は以下のサイトにあります。http://dx.doi.org/10.1073/pnas.0810303105
また、より詳しい情報は以下のサイトにあります。 http://www.danforthcenter.org/newsmedia/NewsDetail.asp?nid=157

セレン強化ナス科作物
セレンがある種のガンを防ぐことに効果的であるとの発表が多くある。またある種の金属が化学療法の効果を促進することや化学療法薬の副作用をを減らすことができるという証拠もある。セレンは、免疫を高めることもできる。ある種の植物は、セレンをmethylselenocysteine(MeSeCys)の形で蓄える。MeSeCysが動物のガン細胞系において、特に動物の乳がん試験で最も抗発癌性が高かったことが示されている。したがって、このMeSeCysを生産することができる作物の範囲を増やすことは、魅力的なバイオテクノロジー目標だ。
ニュージーランドの植物及び食品研究所の研究者は、MeSeCysを多く蓄える組換えタバコを開発した。MeSeCys合成に必要な酵素をコードする遺伝子の導入で、セレン蓄積を2 – 4倍の増加した。MeSeCys生産は、全セレンの最奥20%まで増加したが、成長に対する毒性影響はなかった。この研究者の方法は、他のナス科の植物種(例えばジャガイモ、トマト、コショウとナス)のセレン含有量を増やすのに適用できると考えられる。
Transgenic Researchに収載さえれた報告は、以下のサイトから得られます。 http://dx.doi.org/10.1007/s11248-008-9233-0

アラビドプシスのレクチンタンパク質は、病原体に抵抗性を付与する
レクチンは、糖タンパク質で、特定の炭水化物を認識して、それと結合する糖タンパク質です。レクチンは、広い範囲の生物学的機能(例えば植物防御、貯蔵タンパク質、種子発芽と植物微生物相互作用など)に関与している。インドネシアのPelita Harapan大学生物学部とセントルシア、オーストラリアのクイーンズランド大学の研究者は、モデル植物(シロイヌナズナ)でLectin 3.1(At3g15356)タンパク質の特徴を共同研究した。その構造と機能は、CD範囲とX線結晶学を使って研究した。
Lectin 3.1タンパク質は、植物の防御経路にあるときに高い発現をしていることが示されている。特にメチルエステルjasmonate(MJ)に反応して高く発現する。MJは、細胞を病原体とストレスに対処させる代謝経路を起動させて多くの生物的及び非生物的なストレスへの植物反応を行う信号のうちの1つだ。Lectin 3.1生産が増加した遺伝子を含む組換えシロイヌナズナの分子解析で、この組換え体が、つの形のタンパク質を含むことがわかった。これらの品種は、非組換え、組換えに関わらず線虫(Meloidogyne incognita)の卵を減らすことが分かった。このデーターは、Lectin 3.1がM. incognitaに対して感染防御をする証拠を示すもので、また線虫腸壁にフコース(レクチン3.1タンパク質のレセプター)を含まれているという証拠を提供したことになる。
この研究についての詳しい情報は、以下のサイトにあります。 http://www.biotechindonesia.org/ 、または、Maria P. Omega氏に以下のアドレスにメールして下さいt prihtamala_omega@yahoo.com. インドネシアのバイテクについては、Biotropの Dewi Suryani氏の以下のアドレスにメールしてください。 dewisuryani@biotrop.org.


イネの進化の歴史をたどり、将来の品種改良に役立てる
14のイネ品種で一つの遺伝子の配列を比較することによって、研究者の国際的チームは、世界で最も重要な作物の進化の歴史をうまくたどった。Purdue大学のScott Jacksonとアリゾナ大学と中国科学院の共同研究者は、moc1(どれくらいの分けつがイネにできるかを決める遺伝子)に注目した。チームは、moc1の変化を理解することが、より多く分けつし、分けつが増加して植物サイズが大きくなり、または他の好ましい特徴が採り入れられたイネの種類の発展に至ることができると述べた。
Jacksonは、このような比較によってイネがどのように1400万年前からどう変わったかについて明らかにできると述べた。研究者は、イネゲノムの現在の大きさとの違いが動く遺伝子の違いから生じるとわかった。イネが気候変動と他の自然の状況に適応したので、その遺伝的構造は変わった。そして、多少の遺伝子と失い、他を保ってきた。研究者は、現在、より良いイネの品種を育種するのに用いられることができる野生のイネの遺伝子を探索している。
より詳しい情報は以下のサイトにあります。 http://news.uns.purdue.edu/x/2009a/090123JacksonRice.html. PNASにはこの報告を無料公開したサイトがあります。 http://dx.doi.org/10.1073_pnas.0812798106

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バイオ燃料に関する補遺
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国際エネルギー機構(IEA)の報告では、第一次から第二次バイオ燃料貯蔵への移行を分析
http://www.iea.org/textbase/papers/2008/2nd_Biofuel_Gen.pdf
IEA(国際エネルギー機関)からのレポートは第一世代のバイオ燃料貯蔵の影響と規制を分析し、第二世代のエネルギー作物の使用への移行に対する関心が伸びていることを分析した。第一世代の貯蔵は、通常、食物源(例えばエタノールのためのコーンとバイオディーゼルのための大豆)に由来するものだ。これらが、「石油生産代用の限界と気候変動」の課題を持つとわかった。さらにまた、これらの貯蔵には、持続性問題がある。第一世代の貯蔵の耕作には、「食物/繊維生産のために使われる土地と水を得るための不当な競争」を引き起こす可能性がある。そこで第二世代の貯蔵(非食物を基本にした例えば農業残渣、草類と短い回転木材)への関心が高まってきた。その理由は、これらが「第一世代の貯蔵に向かっている懸念」を避けるためとみられていた。さらにまた、第二世代のエネルギー作物は、長期にわたる価格削減の可能性があると言われていた。この報告も、第二世代の貯蔵から産業用バイオ燃料生産をするには越えなければならない技術的な挑戦とその開発を支援する現在の政策の分析をしている。完全なレポートは、IEAウェブサイト(上記のURL)で得ることができます。

UC Berkeleyの研究者は、「バイオ燃料政策とバイオテクノロジーの経済学」の中で分析
http://www.bepress.com/jafio/vol6/iss2/art8/
カリフォルニア大学Berkely(米国)の研究者は、最近、食物と燃料市場に関するバイオ燃料政策の影響を分析する報告を発表。報告のタイトルは、「バイオ燃料政策とバイオテクノロジーの経済学」で、Agricultural&Food Industrial機構ジャーナルに発表。彼らの研究結果の興味ある点は:(1)「バイオ燃料政策は、伝統的な農業政策に代わって農場福祉を押し上げることになっている」、()「食物市場不安定性はブームを誘導し、エタノール産業に入り込んだ。その結果、破産と投資減少をを引き起こした。」、 (3) セルロースエタノール技術と農業バイオテクノロジーの革新は、エタノール市場不安定性を減らした。詳細は、Berkeley Electronic Pressウェブサイト(上記のURL)から得ることができます。

ブラジルは化石燃料の節約と2008年に最高記録のエタノール生産達成を報告
http://www.mme.gov.br/site/news/detail.do?newsId=17884¤tArea= (in Portugese)
http://bioenergy.checkbiotech.org/news/brazil_registers_record_high_ethanol_fuel_export
http://www.thebioenergysite.com/news/2895/record-high-ethanol-fuel-export-in-2008
ブラジル鉱山・エネルギー省は、2008年に最高記録エタノール輸出を最近報告した。合計13億6500万ガロンのエタノールが2008年に輸出された、これは、その2007年の輸出に対する45%の増加であった。平均販売価格は、1ガロンにつきおよそ1.78米ドル(または1リットルにつき0.47米国のセント)で2007年の販売価格に対する16%の増加だった。4億7000万ガロン(およそ28億リットル)の輸入で、米国は、まだ2008年の主なエタノールを輸入している顧客です。レポートの他のハイライトをCheckbiotechウェブサイトからとると:(1)ブラジルの国内の市場で、2009年度のエタノールの消費の増加が予想される。これは「ブラジルでの多様な燃料に対応した車を増やす」ことによるものだ。()普通のディーゼル(2008年前半の2%のバイオディーゼルブレンドから後半の~3%のブレンド)へのバイオディーゼルの混合は11億リットルの石油ディーゼル輸入または9億7600万米ドルの節約になる。

サトウキビからのエタノールとバイオ燃料についての書籍が出版された
http://www.wageningenacademic.com/default.asp?pageid=0&docid=16&artdetail=sugarcane&webgroupfilter=950amp;
http://www.thebioenergysite.com/articles/252/sugarcane-ethanol-contributions-to-climate-change-mitigation-and-the-environment
これは、Wageningen Academic Publishersから出版される本のタイトルだ。バイオ燃料輸送に関する「サトウキビエタノールの議論に関する科学的基本の見方」。この本は、いろいろの著者による混乱があるが、ブラジルを主体とするサトウキビからのエタノールが与えた「気候変動、土地使用、持続性と市場要求」に関してのインパクトを議論している。公共政策、食物-燃料ジレンマとミレニアム発展計画のゴールに関連した課題も、議論されている。この本のハイライト(「thebioenergysite」ウェブサイトにある。)は、以下の通りです:(1)「ブラジルは、2000~2007年にサトウキビに割り当てられる土地では増加の75パーセントを占めている国で、サトウキビの生産において支配的である。」、()「森林伐採がサトウキビ生産の直接的な結果であることを示す証拠はない。」(しかし、この本もブラジルが温室効果ガス縮小の目標に対応することを示しています)、(3)「ブラジルのサトウキビ-バイオエネルギーへの生産の成功は、それがエタノールの高水準、ヘクタール当たりの7,000リットルのエタノールと肥料と化学製品の低い入力に対する電気(ヘクタールにつき6.1MW時間)をもたらすことができたという事実である。」、本内容に関する詳しい情報と注文は、Wageningen Academic PublishersとBioenergySite Bookshopウェブサイト(上記のURL)から得られる。

 

第108回例会 開催案内

テーマ「世界の農業生産動向と私たちの食生活」
 
日時:平成21年4月23日(木)14:00~16:30
場所:札幌アスペンホテル
札幌市北区北8条西4丁目5番地(札幌駅北口西通り) Tel011-700-2111
 
講演1 14:10~15:20
『食品の安全は脅かされている?』
~問題の所在はどこに?GMOにフォーカスして~
伊藤潤子氏
生活協同組合コープこうべ 参与・元理事、兵庫県・食の安全安心と食育審議会委員

 

コープこうべは、『生協』の発祥地。生協に30年関わり、組合員のための食品開発・販売を行ってきた。消費者から見た食の安全の視点から、現在の食の現状を解析するとともに、兵庫県の食に関する姿勢も紹介する。
 

講演2 15:20~16:30
『組換え作物の世界現況とこれから』
クライヴ・ジュエムズ博士(Dr. Clive James)
国際アグリバイオ事業団(ISAAA)理事長
 
組換え作物の栽培は1億ヘクタール、1千万農家に達した(2006)。育種技術も進歩を続け、オメガ-3、高リジン、旱魃耐性など高機能性食材が、生産可能となった。日本の自給率の向上や世界の飢えを減らす価値ある技術となってきた。(同時通訳付き)


 

コーヒータイム(交流会) 16:40~17:20
 
参加費 会員 無料、非会員 1,500円、非会員学生500円
コーヒータイム会費 16:40~17:10 1,000円

 
参加申し込み メールお問い合わせフォーム (件名参加申し込み、お名前、ご所属、ご連絡先を記載ください)

日本モンサントセミナーのご案内

 4月7日に、モンサント・カンパニー本社から副社長を招き、乾燥耐性作物や第二世代除草剤耐性大豆など新しい遺伝子組み換え作物の話を含め、環境負荷の少ない持続可能な農業に遺伝子組み換え作物がどのように貢献できるか、というテーマで添付のセミナーを開催いたします。
皆様の積極的なご参加よろしくお願いいたします。

 

テーマ:モンサント・カンパニーが世界に提唱する「持続可能な収量増加構想」

     ~乾燥耐性、第二世代除草剤耐性等は今なぜもとめられているのか~

日時:2009年4月7日(火)13:30~16:00

会場:ベルサール八重洲 Room DE

    (〒103-0028 東京都中央区八重洲1-3-7 八重洲ファーストフィナンシャルビル2F)

ご案内:Ivitation.pdf

URL: http://www.monsanto.co.jp/

平成20年度全国バイオ団体交流会議参加報告

 「平成20年度全国バイオ団体交流会議」(平成21年1月14日(水)開催)に参加しましたので、会議の様子などを報告いたします。
開催日当日は、千歳空港の降雪が激しく、飛行機が3時間ほど遅れて到着したために、冒頭にあった経済産業省のバイオ関連施策に関しての生物化学産業課 竹廣課長補佐のお話しは聞き逃してしまいましたが、21年度のバイオに関わる予算と生物多様性条約に関連する動向と我が国の対応方針ついての解説があったとのことです。
 各地のバイオ関連団体の近況報告では、財団法人バイオインダストリー協会が口火を切って、東北地域バイオインダストリー振興会議、NPO法人バイオものづくり中部、NPO法人近畿バイオインダストリー振興会議、財団法人ちゅうごく産業創造センター(この報告の途中で会場に到着)、財団法人四国産業・技術振興センター、株式会社久留米リサーチパーク、株式会社沖縄TLO、そして遅れて到着の当NPO法人北海道バイオ産業振興協会が報告しました。
各団体とも、委託調査の実施状況報告、各地域のベンチャーなど地元企業支援(産学官連携)活動、各地域のバイオ関連情報などに加えて、海外との協力などのその他特徴的事項が紹介されました。お話が聞けた団体に関して言えば、自会の活動報告以外の地域での産学官連携に関する事例紹介に時間を割いていることが多かったように感じました。なかでも、興味を引かれたのは、久留米リサーチパークの報告で、「福岡バイオバレープロジェクト」の事務局として様々な公的支援策を組み合わせて地域の産業クラスター構築に役立てている事例は面白く、また東南アジアとの距離の近さを利用して海外連携を強めている活動は参考になるものでした。
最後に、ネットワーク形成に関する意見交換がおこなわれました。まず、JBAの塚本専務よりBio Japan 2008の実績の報告と、Bio Japan 2009において各地のクラスター間の連携と、海外の企業・機関との連携を構築する取り組みを強化したいとの提案がありました。これに関連して、JETROから活動の紹介があり、海外との連携構築と関連情報の提供などで協力ができるとのこと。塚本氏からの発言では、Bio Japan以外にも各地で行われているビジネスマッチングの事業でも連携構築の機会があるので、そうした場に適切な講師の派遣などの協力が可能かも知れないとも。これに対して、議長役の冨田HOBIA会長から、各地の様々な事業について有機的な連携をしていくためには、そうした事業のデータベース化が必要ではないかとの提案がありました。近畿バイオインダストリー振興会議から、大阪府と経産局とが協力して「大阪バイオ・ヘッドクオーター」を運営しており、参考になるかも知れないとのことでした。全国的なシステムを構築するには様々な問題点が想定されますが、特にバイオ産業に関連する中央省庁の情報の一元化には旗振り役が必要になるだろうと言うことで、経産省に期待する空気が一同から感じられたのが印象的でした。
(企画運営委員会副委員長 富永一哉)