世界的食糧確保に関するFAOのより高度のコンファレンス

 政府の代表及び国連の首脳が集まって6月3日から日にわたってローマでハイレベル代表による世界食糧確保に関する会議が行なわれる。世界の指導者がローマにあつまり食糧の生産量に最も影響を受けやすい国々で必要とされている農業生産の向上に必要な緊急施策の同意に至るように望まれており、同時に貧者を食糧の高騰から守ることも必要であるとFAOの部長であるJacques Diouf氏が報道している。
サミットで準備している重要な政策は、食糧が高価格であることは、公的或は私的な両面か ら農業への投資を増やす絶好の弘毅であるとしている。この会議では、貧しい農家を助けるための農業研究を支援することを呼びかけている。
 政策の詳細は、以下のサイトから得ることが出来る。
http://www.fao.org/fileadmin/user_upload/foodclimate/HLCdocs/HLC08-inf-1-E.pdf or
FAOの見解のプレスリリースは、以下のサイトにある。http://www.fao.org/newsroom/en/news/2008/1000847/index.html

油椰ゲノムの第一次報告が出た

 Synthetic Genomics Inc. と Asiatic Centre for Genome Technology (ACGT)は、油椰ゲノムのドラフト配列データー及びアノテーションを完了したと発表。また、ジャトロファの塩基は入れる解析結果も発表した。
 両社は、ゲノム、生理学、生化学の立場からジャトロファの研究を深めており、よりクリーンなしかも再生可能な油糧作物として好適なものとしている。ジャトロファは、魅力的なバイオ燃料源であり、耕作不適地に栽培可能であり、しかも食用ではない利点がある。
詳細なプレスリリースが以下のサイトにある。http://www.syntheticgenomics.com/press/2008-05-21.htm

–北京にグローバルバイテク研究センター設立 2008年5月

アグリビジネス会社であるSyngentaは、中国北京のZhongguancun生命科学パークにニュウーバイテク研究・技術センターを開設する予定。この施設は、大豆やトウモロコシのGM作物の初期評価、野生種に関する研究を行なう。作物の特性については、収量改善、旱魃耐性、病害制御、バイオ燃料への利用に関するものを含む。施設の完成は2010に予定されているが、初期の試験はこの夏から開始する。
 Syngentaは、Hebei省にある種子会社 Sanbei Seed Co. Ltdと共同事業を既に終わっている。これらは北京の遺伝学及び進化生物学研究所との年間の共同研究を行なう。ここではトウモロコシ、大豆、小麦、甜菜、サトウキビなどの主要作物について、新たな農業特性を開発する研究を行なう。
Syngenta社のプレスリリースは、以下のサイトにある。http://www.syngenta.com/en/media/press/2008/04-17.htm

-世界的食糧確保に関するFAOコンファレンス 2008年5月

世界の食糧確保、気候変動、バイオ燃料の課題に対する挑戦についての高い見地からの会議がこの6月にFAOの支援で開催の予定。各国の首脳がこれらの現在の問題について各国への支援策や国際社会での策を論じ、持続的な解決策を見出すように議論する予定である。その主なる課題を以下に示す。

  • 世界の食糧確保について、供給と消費の両面から、また政策と市場構造についての新しい方策の策定
  • 食糧確保、気候変動、バイオ燃料間の関係についてよりよい理解を図る
  • 食糧確保のための気候変動と持続的バイオ燃料に関する国際的了解 を得るため方策を策定
  • 世界の食糧確保、特に食糧の価格に関する政策、戦略、方策についての討論とその取り込み
  • 世界食糧確保とそれに必要な行動指針に関する宣言を出す。

会議に関する更なる情報は下のサイトにある。http://www.fao.org/newsroom/en/focus/2008/1000829/index.html

作物バイオ最新情報 2008年5月 トピック目次

2008年5月

ニュース
世界
-世界的食糧確保に関するFAOコンファレンス
–北京にグローバルバイテク研究センター設立
-油椰ゲノムの第一次報告が出た
-世界的食糧確保に関するFAOのより高度のコンファレンス
 
南北アメリカ
-霜耐性小麦遺伝子が同定された
-Btコーンが標的でない節足に影響があるか:メタ分析
-GEが窒素利用効率の改良に関わってきた
-シロアリに対抗する遺伝的殺虫剤の開発が進んだ
 
アジア・太平洋
-組換えワタの規制のある開放利用
-作物を使ってのプラスチック生産工場
-GMバナナの規制及び制御下での開放利用
-タイにおける共同カッサバ生産
-バイエル社は耐病性イネを開発した
-ICRISAT:スイートソルガムは、ミラクルバイオ燃料作物かもしれない
-インドのGEACは、公共体がBtワタ品種を開放利用することを許可
-パキスタンは、インドからのBtワタの種の利用を承認

ヨーロッパ
-スペインでのBtトウモロコシの状況

研究
-第二世代のバイオ作物のための転写制御因子の制御について
-イネの収量向上に関与する遺伝子が同定された
-GMジャガイモからのデンプン分解酵素
-子宮がんワクチンがGMタバコで発現された
-GMスイッチグラスからの生分解性のプラスチックポリマーについて