GMジャガイモからのデンプン分解酵素

ベーターアミラーゼは、完全なデンプン分解の一つのキー酵素である。この酵素は、工業的に重要なものであり、特に麦芽糖の生産、発酵食品、アルコール飲料の製造に常用である。ベーターアミラーゼの活性は、その至適温度である60°Cまでは温度上昇に連れて活性が上がる。しかしその温度を超えると構想は変性して、活性が止まり、変換率が下がる。そこでこの温度を超えたところでも活性を保持したベーターアミラーゼは、大規模応用では極めて重要なものである。
台湾の研究者たちは高温度安定性のあるベーターアミラーゼを発現するGMジャガイモを開発した。科学者たちは、高温菌のアミロパスト(デンプン貯蔵小器官)と空胞に家から単離した4個のキメラ遺伝子を発現を狙って研究を行なった。23個の組換えジャガイモの品種を得たが、いずれも高いベーターアミラーゼを蓄積した。しかし、野外試験では、塊茎の発生と形成に悪影響があった。これは恐らく代謝系の変化に問題があったと考えられる。研究者は、塊茎形成への影響を最小にする遺伝子の導入を検討している。
 本件に関しては下記のサイトのPlant Science で見ることができる。http://dx.doi.org/10.1016/j.plantsci.2008.04.001