アジアでのGM食品がこの地域での質の良い食品の急伸する需要のもとで更に増加することは極めて可能性の高いことである。「アジアは、GM作物と食品によって拓かれた道に沿って新しいクラスの製品を生み出すバイオテクノロジーの利用で世界をリードする力がある。」とシンガポールのナンヤン技術大学にある国立科学及び科学教育研究所のPaul Teng博士が語った。
Asian Pacific Journal of Clinical Nutritionに著した総説でTeng博士は、組換え作物の利用によるバイオ除虫剤、バイオ肥料などのバイオ農業へのアグリバイオ利用が、その第一の波である。これらに続いて直ぐにバイオ農業又はバイオ作物で医薬品の製造、エタノールやディーゼル油の生産が加わり、さらに多様な用途が考えられる複雑な炭化水素の生産や土壌、大気、水の中の毒物や望ましくない化学物質を吸収するようにしたバイオリメディエーションへのバイオ植物の利用が入ってくると考えられる。
詳しくは以下のサイトでDr. Paul Tengに問い合わせ下さい。
paul.teng@nie.edu.sg
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オーストラリアでGMバナナが規制の下で開放栽培される
クイーンズランド技術大学(QUT)は、オーストラリア遺伝子技術規制室(OGTR)から病害耐性バナナ17品種の規制の下での開放栽培の承認を得た。開放系栽培は、クイーズランド州Cassowary Coast地域で2008年月から2010年4月の間に毎年最大1.4 haの試験が行なわれる。GM品種は、線虫(C. elegans)から得た病害微生物に抵抗性を示すと奇異対されるcwd-9遺伝子を組換えてある。この遺伝子は、感染によって植物のプログラム死のプロセス(アポトーシス)を阻止するタンパク質をコードしている。また、組換えバナナは、選択マーカーである抗生物質耐性のnotII遺伝子も持っている。
承認を決定するに当たって、リスク評価と管理について十分な相談・議論を、一般市民、州、自治体の長、地域の各種機関と十分に話し合いを行なった。GMバナナは飼料にも食糧にも許可されたものではなく、病害に対する耐性のみを試験するものである。
更なる情報は、下記のサイトにある。
http://www.ogtr.gov.au/internet/ogtr/publishing.nsf/Content/dir079-2007
旱魃耐性GM小麦が規制の下で開放栽培が行なわれる
ビクトリア州第一次産業省がオーストラリア遺伝子技術規制室(OGTR)から旱魃耐性小麦5品種以上の規制の下での開放栽培の承認を得た。開放系栽培は、ビクトリア州Horsham と Milduraの地域で2008年6月から2010年3月の間に毎年最大0.4 haの試験が行なわれる。OGTRは、一般市民、州、自治体の長、地域の各種機関と十分に話し合った結果として決定を下した。準備したリスク評価と管理で、申請された開放栽培は、人の健康や安全又は環境与える影響には問題がないと判断した。GM小麦は飼料にも食糧にも許可されていないものである。
更なる情報名以下のサイトにある。http://www.ogtr.gov.au/pdf/ir/dir080notifc.pdf
札幌と東京でバイオサミットを開催
2008年月日から9日まで開催される北海道洞爺湖G8サッミトに呼応して、この北海道洞爺湖サミットの主要課題である「地球環境の改善をアグリバイオで行なう。」ことを課題としてバイオサミットを開催した。NPO北海道バイオ産業振興協会(HOBIA)が、14の関連学協会とともに、札幌と東京でバイオサミットを開催した。
講演者は、いずれもバイオテクノロジの専門家である。German Spangenberg博士(オーストラリア、ビクトリア州第一次産業省 の上級部長)は、オーストラリアにおけるアグリ農業の拡大策について講演した。国連大学のAbdul Hamid Zakri博士は、規制の適切な適用によってバイテクの恩恵を受けるようにするための様々の国におけるやり方を述べた。米国農務省(USDA-FAS)の Suguru Sato博士は、米国におけるバイテク農業の現状について述べた。また、(独)国立農業・食糧総合研究機構北海道農業センターのYutaka Sato博士は、低温及び旱魃に対応できるイネの組換えによる開発について述べた。東京大学のTakashi Yamakawa博士は、日本におけるGM作物に対する賛成・反対の状況について解析し、同氏の考え方を述べた。国際アグリ事業団(ISAAA)のRhodora R. Aldemita博士は、フィリピンにおけるバイオについてゴールデンライスの開発に焦点を当てた発表を行なった。
バイオサミットの閉会に当たり、北海道バイオ産業振興協会会長冨田房男博士は以下のようにバイオテクノロジーの侵攻のために以下の大会宣言を行なった。
「バイテクが日本の数々の農業問題、を解決する手段を提供するものである。即ち、バイテク及び組換え技術は、単位面積当たりの農業生産の向上、病害虫の制御、新しい生産物の提供、再生可能なエネルギー生産に寄与するものである。」との認識を確認した。
1.遺伝子組み換え技術は日本の農業問題に解決を与えるものである。農産物の生産性の向上、病害虫の制御、新規消費者向け製品の開発、再生可能エネルギー源の開発利用のため、速やかな遺伝子組み換え技術及びそれにより生産された遺伝子組換え植物(GMO)の開発利用を推進する。
2.遺伝子組換え技術に関しての過度に取締まることのない政策及び規制体制を確立する。
3.農業生産者が自由にどのような栽培方法も取れるように、日本における遺伝子組換え技術利用に関する政策を改善する。
4.遺伝子組換え関連方策の決定に一般の人々が参加することを促進し、そのために遺伝子組み換えについてよく知ることが出来るような戦略を立て、強化する。
5.国内において遺伝子組換えの理解を促進するために民間・公共の遺伝子組換え技術を学ぶプログラムの開発・実施を支援する。バイオサミットの詳細は、北海道バイオ産業振興協会、Nippon BICの冨田房男博士(YRL05042@nifty.com)に連絡下さい。
食糧危機はより多くのアフリカの人々を貧困へと追い込む
世界銀行のコモロ、エリアトリア、ケニヤ、ルワンダ、セイシェル、ソマリア担当部長代行であるSanjivi Rajasingham氏は、世界的な食糧及びエネルギー危機が多くの国々の貧困・平等に関する再建・発展計画に大きな後退をもたらした。リベリアでは、この1月の25%の食糧価格上昇によって20万人が貧困層に押しやられた。世界銀行は、世界食糧危機対応プログラムを立ち上げ、115百万ドルを最も厳しい影響を受けたアフリカ諸国に支援することとした。同氏は、世界銀行、世界食糧プログラム、国際家畜研究所の共催による円卓会議で東及び中央アフリカにおける世界的食糧危機について語った。
この会合から様々の指標が提案された。例えば、農業における投資の増加、危機回避の支援、貧農の肥料や高収量作物の種子の入手支援、伝統的根茎作物、穀物及び野菜の生産増強を挙げると共に、食糧流通連鎖、家畜肥育の改良、市場構造及び運営の改良灌漑面積の増加などを挙げた。
東及び中央アフリカ地域への戦略解析や知識発展のコーディネーターであるJoseph Karugia博士は適切な政策及び様々の支援によって食糧の高価格が、農家にとって食糧増産を目指すインセティブになると語った。
詳しい情報については、国際アグリ事業団(ISAAA)AfriCenterのDaniel Otunge (d.otunge@cgiar.org)に問い合わせてください。