「平成20年度全国バイオ団体交流会議」(平成21年1月14日(水)開催)に参加しましたので、会議の様子などを報告いたします。
開催日当日は、千歳空港の降雪が激しく、飛行機が3時間ほど遅れて到着したために、冒頭にあった経済産業省のバイオ関連施策に関しての生物化学産業課 竹廣課長補佐のお話しは聞き逃してしまいましたが、21年度のバイオに関わる予算と生物多様性条約に関連する動向と我が国の対応方針ついての解説があったとのことです。
各地のバイオ関連団体の近況報告では、財団法人バイオインダストリー協会が口火を切って、東北地域バイオインダストリー振興会議、NPO法人バイオものづくり中部、NPO法人近畿バイオインダストリー振興会議、財団法人ちゅうごく産業創造センター(この報告の途中で会場に到着)、財団法人四国産業・技術振興センター、株式会社久留米リサーチパーク、株式会社沖縄TLO、そして遅れて到着の当NPO法人北海道バイオ産業振興協会が報告しました。
各団体とも、委託調査の実施状況報告、各地域のベンチャーなど地元企業支援(産学官連携)活動、各地域のバイオ関連情報などに加えて、海外との協力などのその他特徴的事項が紹介されました。お話が聞けた団体に関して言えば、自会の活動報告以外の地域での産学官連携に関する事例紹介に時間を割いていることが多かったように感じました。なかでも、興味を引かれたのは、久留米リサーチパークの報告で、「福岡バイオバレープロジェクト」の事務局として様々な公的支援策を組み合わせて地域の産業クラスター構築に役立てている事例は面白く、また東南アジアとの距離の近さを利用して海外連携を強めている活動は参考になるものでした。
最後に、ネットワーク形成に関する意見交換がおこなわれました。まず、JBAの塚本専務よりBio Japan 2008の実績の報告と、Bio Japan 2009において各地のクラスター間の連携と、海外の企業・機関との連携を構築する取り組みを強化したいとの提案がありました。これに関連して、JETROから活動の紹介があり、海外との連携構築と関連情報の提供などで協力ができるとのこと。塚本氏からの発言では、Bio Japan以外にも各地で行われているビジネスマッチングの事業でも連携構築の機会があるので、そうした場に適切な講師の派遣などの協力が可能かも知れないとも。これに対して、議長役の冨田HOBIA会長から、各地の様々な事業について有機的な連携をしていくためには、そうした事業のデータベース化が必要ではないかとの提案がありました。近畿バイオインダストリー振興会議から、大阪府と経産局とが協力して「大阪バイオ・ヘッドクオーター」を運営しており、参考になるかも知れないとのことでした。全国的なシステムを構築するには様々な問題点が想定されますが、特にバイオ産業に関連する中央省庁の情報の一元化には旗振り役が必要になるだろうと言うことで、経産省に期待する空気が一同から感じられたのが印象的でした。
(企画運営委員会副委員長 富永一哉)
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地域バイオ育成推進講座in北見が開催されました
開催日:2009年1月16日
開催会場:北見市 オホーツク木のプラザ
参加者:若い農家、栄養士、加工企業、一般の方、等の多彩な50余名。
*活発な議論が交わされました。
統一テーマ:
『いまジャガイモがおもしろい、新品種の開発と新しい育て方、そして食べ方』
講演の概容は次の通りです。
マスコミを対象とした遺伝子組換えに関する勉強会
場所:北海道大学100年記念会館第1会議室
(札幌市北区北9条西9丁目)
*会費は無料です
<プログラム>
18:00~18:10 開会挨拶
特定非営利活動法人北海道バイオ産業振興協会
会長 冨田 房男
18:10~19:40 講演:佐々 義子 氏
「世界と日本(特に北海道)の組み換え作物に関する動きの違いを考える」
19:40~20:00 質疑応答
講師略歴:
1978年 立教大学理学部物理学科卒業
1997年 東京農業大学工学部物質生物工学科卒業
1998年 同 大学大学院修士課程修了
2002年 財団法人バイオインダストリー協会
( バイオテクノロジーの普及とパブリック・アンダースタンディングに取り組む)
2002年 特定非営利活動法人「くらしとバイオプラザ21」主任研究員
現在に至る
事務局長 竹川 勝雄
Tel・Fax:(011)706-1331
E-mail:takekawa@hobia.jp
会長 年頭ご挨拶 ~「変」から「変革」・「変身」・「変容」の年へ~
HOBIA会長 冨田房男
会員の皆様におかれましては平安な新年を迎えられたこととお慶び申し上げます。これからの1年、そして、その先のために十分に英気を養われたことと拝察申し上げます。
さて、昨年(2008年)を表す言葉として「変」が選ばれたことを考えるとなかなか心穏やかでないのであります。確かに、2008年は、オイルを例にとっても大幅な価格高騰そして年末には急激な下落という波の激しい年でありました。まさしく、あらゆるものが乱高下した「変=へん」な年でした。また、米国の経済危機は、これまでに例を見ない大「変」なものであることは知られているところです。この「変」は、自由経済と雖も規制が必要であることを示したとも言えるもので、「自由=勝手ではないことが示されたと思います。
翻って、科学の世界でもさまざまのことが倫理的問題を含め、ある規制の中で行われるべきことは当然のことと思われます。ここで、私は、我々のように「科学」・「技術」を主な担当としているものには、自然「科学」に基本をおいた考え方をとり、客観的に物事を眺め、十分な理解をして進むことが最重要基盤であると改めて肝に銘じているところです。つまり、「科学」とは、反証されうる仮説のみが科学的な仮説であり、そのような仮説で組み立てられた体系である。」と説いたSir Karl Poppperの言葉が、「的を射た」ものであると考えます。常に、検証に曝され、フィードバックされて、はじめて仮説が定説になるのであります。重要なことは、このようなプロセスが踏まれてきたかどうかで物事の判断を下すべきと考えます。このことは、社会「科学」でも同じであると思います。単なる「好き嫌いの感情論」では、解決はできないことがたくさんあるのです。
このような視点に立つと、バイオの世紀といわれる21世紀がスタートして既に9年目。20世紀の生物科学の成果を生かさなければならない中にあって、現在の日本、そして北海道は、どこに立ち位置を見出しているのか、全く情けない思いが致します。「BSE」・「組換え作物と食品」などなど、バイオに関連したものへの一般の理解は、遅々としています。特に、北海道は、退歩していると思うほどです。我々の努力が足りないのも事実ですが、行政、政策立案者にも、一考を要する時期にあると思います。
北海道は、バイオを基盤にしていること、いわゆる、一次産業が主体であることは誰もが知っていながら、さっぱり、対策が実行されていないのであります。20年も前に打ち上げた「北海道バイオアイランド」構想は、どこへ消えてしまったのか。2008年の経験に学び、これからは、「化石燃料依存社会」から「再生産可能な炭水化物、即ちバイオ依存社会」にパラダイムシフトすべきであり、北海道こそそれが出来るところなのです。
私は、今年こそHOBIAは、「変」ではなく「変わる」・「変える」ときと考えています。そのためには、もう時間がない。遠い未来も見なければならないが、直ぐ先を見る必要があります。具体的には、研究部会、即ち「食と健康」、「環境」の両部会を実際に動かすことが大切と考えます。それには、組織改革も考える必要があるでしょう。1月19日には、日韓バイオマス・バイオエネルギーシンポジウムを開きます。これを初めとして、様々な具体的な動きを皆様とともに考え、実行して行きたいと考えています。繰り返しますが、今年は、2008年の「変=へん」を、変えましょう。
皆様のご健勝とご健闘を祈念申し上げるとともに、HOBIAの活動を共に進めるようにご協力・ご支援をお願い申し上げます。
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―近畿バイオインダストリー振興会議交流会の講演概要―
全国バイオ産業ネットワークフォーラムが、JBAの支援の元、NPO法人近畿バイオインダストリー振興会議の主催で、平成20年11月17日(月)に大阪科学技術センターの中ホールで開催された。参加者は全国各地から68名も集まり、非常に貴重な情報交換の場となっていたので、サマリー発表の部の様子を講演順にお知らせする。