Category Archives: ISAAA(国際アグリバイオ事業団)

作物バイオ最新情報 2009年10月

ニュース

世界

• FAOは農業への投資の増加が必須と述べた 
• 食糧保障への気候変動のインパクト 

• 2009年度世界飢餓指数
• Borlaug博士を讃える受賞者ホール 
 

南北アメリカ

• Genuity SmartStaxの試験でトウモロコシオタバコガに効果があることを示した 
• ARSは、病害耐性でアフラトキシン汚染のないトウモロコシ品種を提供
•メキシコはGMコーンの試験を承認
 
ヨーロッパ
• アジアはバイオテク及び知識運用に挑戦する必要がある
• 組換え作物のインパクトに関する国際会議
• GMワタと従来のワタとの収量の比較
• 日本は、2500万米ドルを国際イネ研究に投資
• タイの組換えパパイヤの事前分析
• GM青いバラが来月日本の市場に現れる
• オーストラリアの科学者がコムギふ枯病耐性小麦品種を特定したAsia Needs to
 
アジア太平洋

• Mon89034 x NK603輸入に対するEFSAの意見
• 遺伝子組換えトウモロコシ品種は在来種よりも影響は少ない
• 王立協会の報告は世界的な農業の持続的強化を提案

研究
• 小麦遺伝子をトウモロコシ胚乳で発現すると湿式粉砕の効率が上がる
• ササゲの遺伝子地図が解明された
• 組換えDNAとBtタンパク質の野生のイノシシとシカに摂取・散乱後の行方

バイオ燃料補遺
• バイオ燃料用のトウモロコシ生産の水質へのインパクト
• 植物のスベリン生合成のキー酵素がストレス耐性バイオエネルギー作物への道を開く
• バイオエネルギー作物の直接・間接土地利用の温室効果ガス放出へインパクト
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ニュース

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*世界 *

FAOは、農業への投資の増加が必須と述べた 
世界的な農業生産は、さらに増える23億人を食べさせるために、2050年までに70パーセント成長しなければならない。この課題に対処するために、研究開発へのより多くの公共投資、新技術の広範囲にわたる採用、農業技術と品種の多様性が、必要である。この視点は、食糧農業機関(FAO)によるローマで開催した2050年にはどのようにして世界中に食させるかについての高度専門家によるフォーラムの結果をTechnology Challenge紙上に発表した。FAOは、引き続き努力すべき分野を以下のように示した。

  • 農業投資の農家の利用性を向上
  • 改良品種の普及
  • 農業への研究開発投資の強化
  • 「収量格差」の解消


FAOフォーラムは2009年11月16-18日の食糧保証世界サミットの準備会である。


FAOからのプレスリリースは、以下のサイトにある。
http://www.fao.org/news/story/en/item/35686/icode/

食糧保障への気候変動のインパクト 
気候変動がもたらすと考えられる食糧安全保障の上の結果は、何だろうか?人間の幸福のために否定的な結末をなくするようなやるべきことは、何だろうか?「途上国における気候変動の農業への影響への対応策に関するレポート:そのためのコストは?」が国際食料政策研究機関(IFPRI)から出版された。それによると気候変動は、農業及び人類の暮らしにネガティブな影響が出るとしている。「子供たちの健康と良い暮らしに対するネガティブなインパクトが出ないように十分なカロリーを保証するには$7.1-7.3億USDにのぼる非常に大きな農業生産への投資が必要であるとこのレポートで述べている。
気候変動シミュレーションによる作物生産モデルによると以下のような指摘がなされている。
・   発展途上国で気候変動が主要穀物の収穫減少をもたらす。特に南アジアで大きな影響が予想される。

  • 気候変動は、この地域での潅漑作物への影響は様々と予想されるが、南アジアの潅漑作物の全ての収穫量が大きく減少すると予想される。
  • 気候変動は、最も重要な作物である。イネ、コムギ、トウモロコシ、ダイズに更なる価格上昇をもたらす。

2050年に得られると考えられるカロリーは気候変動がないとしたものよりも低下するのみならず、もう既に2000年のレベルよりも途上国全域で低下している。

全報告を以下のサイトから入手できる。 http://www.ifpri.org/publication/climate-change-impact-agriculture-and-costs-adaptation

2009年度世界飢餓指数
コンゴ民主共和国、ブルンジ、エリトレア、シエラレオネ、チャドとエチオピアを含む約29カ国は、飢えが切迫したかとても切迫に近いレベルがある。その上、13カ国は、1990年以来より高い飢えレベルにあった。飢えの高い率は、男女不平等に強くリンクしており、特に読み書きの能力と教育受けられることと強くリンクしている。国際食糧政策研究所(IFPRI)、Welthungerhilfe氏とConcern Worldwide氏による2009年度の世界飢餓指数は、これらのことを示している。
「低収入の国は、食物と財政危機によって損害を与えられている。」と、報告の筆頭著者で広報の責任者であるクラウスフォングレンマーが説明した。また、「この危機が極めてはっきりと貧しい人々の購買力と収入増強の機会を減少している。つまり、この人々はその収入の70%を食糧に使い、一方食糧か価格が数年前から上昇しているのである。」と述べている。

IFPRI のプレスリリースは以下のサイトにある。 http://www.ifpri.org/pressrelease/2009-global-hunger-index-calls-attention-gender-inequality-need-empower-and-educate-wom

Borlaug博士の名誉を讃える受賞者ホール
米国、アイオワ州の前デモイン公立図書館世界食糧賞財団に移転され、Borlaug博士の人道的遺産を讃えてthe Norman E. Borlaug 受賞記念ホールへと変わる。
「受賞者ホールは、ノーマンボーローグ博士の遺産と精神が22世紀にも飢えとの戦いにおいてボーローグ博士のような業績を上げ続けることになる。」と、Kenneth Quinn大使(世界食糧賞財団会長)が述べた。
世界食糧賞財団のウエブサイトによると2980万ドルをかけて受賞者ホールが復旧されると、この建物は、偉大な農業上の成果を讃える博物館:Borlaug対話として知られているNorman E. Borlaug国際シンポジウムの開催場所;若手の為の世界農業賞機構;飢えと食糧安全保障の上で双方向展示を特徴とする教育施設;そして、その他の会議やコミュニティホールとしての利用として使われることになる。

詳しい情報は以下のサイトにある。http://www.worldfoodprize.org/press_room/2009/october/building-dedication.htm

*南北アメリカ *

Genuity SmartStaxの試験でトウモロコシオタバコガに効果があることを示した 
遺伝子組換え(GM)コーンの進行中の実地試験によるとGenuity SmartStaxは、中西部米国のコーン農民がオオタバコガに対抗できる見込みを与えた。試験は、オタバコガの被害が大きい東部カンサスで作物にオオタバコガ耐性を組み込んだものと組み込まなかったものの比較という形で行われた。
遺伝子組換えGenuity SmartStaxは、オオタバコガ耐性と種の除草剤耐性の遺伝子を組み込んであり、雑草の制御がよく行われ、かつ二次的なcorn ear diseaseの感染も減少した。その上Chism Craig氏、モンサント社の技術開発代表、はこのコーンが遅めに植えられると南部から移動してくるオオタバコガの被害を受けやすいことを観察した。子の試験でこの組換えコーンが遅く植えたコーンに対する虫害によりよい耐性を示した。この組換えコーンは、2010年には3-4百万エーカー導入される予定である。

詳しいプレスリリースは以下のサイトにある。http://monsanto.mediaroom.com/index.php?s=43&item=755

ARSは、病害耐性でアフラトキシン汚染のないトウモロコシ品種を提供
米農務省の農業試験場(Agricultural Research Service、ARS)の研究者は、ナイジェリアに拠点を置く国際熱帯農業(IITA)研究所と協力して、アフラトキシン汚染に対する抵抗の6種の新品種を開発した。アフラトキシンは、ヒトに対する最も有力な発癌物質の一つである。アフラトキシンは、落花生類、カッサバ、ヤムイモとコーンでアスペルギルス属真菌(特にA. flavus)によって生産される。
「これらの6品種は、研究所室内と実地試験でアフラトキシン蓄積を抑制した。」と、Robert Brown(ARS植物病理学者)が述べた。「これらの品種は、南部コーン黒葉枯れ病と南部のコーンさび病に対する抵抗を含む商業的に望ましい形質をもっていることも示された。」
ハイブリッドコーン品種は、IITAのBrown氏とAbebe Menkir氏の協力による10年余の成果である。協力者は、まず最初に探索選抜実験を行い、次いで米国の一番アフラトキシン耐性のある品種と中西部アフリカで発見したアフラトキシン耐性とを併せた。
Brown氏はカーネルタンパク質(PR-10)も特定した。そして、アスペルギルス属耐性コーン品種のそのタンパク質はA. flavusのmRNAを分解することでこのカビの生育を疎がすることを発見した。これらの結果は、このタンパク質がA. flavus成長とアフラトキシン汚染に対してコーン抵抗で重要な役割を演ずるかもしれないことを示します。

詳細は以下のサイトにある。http://www.ars.usda.gov/is/AR/archive/oct09/corn1009.htm


メキシコはGMコーンの試験を承認
メキシコの政府は、国で最初の遺伝子組換えコーンの最初の圃場試験を承認した。農業省(SAGARPA)と環境(SEMARNAT)省の共同声明によると、圃場試験は「特定の地域(他の収穫から全く隔離される)に限られていて、政府による厳重にモニターされた条件」下で試験される。しかし、圃場試験を行う会社や機関及び実施する場所には言及していない。両省は、35の許可証申請がなされていると述べた。
メキシコは世界の4番目に大きなコーン生産国で、国連食糧農業機関(FAO)によると毎年約2250万トンを生産している。

声明(スペイン語)は以下のサイトにある。t http://www.presidencia.gob.mx/prensa/?contenido=49586


* アジア太平洋 * 

アジアはバイオテク及び知識運用に挑戦する必要がある
農業関連分野の挑戦、例えば食糧安全保障、環境持続性、気候変動やエネルギー保障は、アジア諸国にとって引き続き実施しなければならないものである。これらの挑戦は、考えられるオプションとして作物バイオテクノロジーに向けられるものである。アジア諸国は、バイオ関連知識を生産性の向上、プロセスの流れにおけるギャップ特定化など製品開発から利用までにおいて十分に活用する必要がある。このようなことに対して知識運用が重要であり、それがイノベーションを生み、生産性の向上に向けての実行が可能ならしめるところである。これらがタイ、バンコクで行われた農業バイオテクノロジーにおける知識運用:アジアにおける経験に関する国際会議の中身である。
Dr.Thira Sutabutra、タイ国研究会議議長の基調講演で知識運用が、各国での知識共有を促進する一連の流れ構築することに重要なことであると強調した。ワークショップのテーマは以下の通りだった:農業バイオテクノロジー、知識運用(KM)、農業バイオテクを運用するためのバイオセーフィティ政策、KMのための能力建築とKMとネットワークを構築するための基盤整備。
80人以上の参加者は、KMのための現在及び潜在的イニシアティブが議論されたワークショップに出席した。これらは、学習する素地の促進、知識資源を得るための方策の改善を通しての知識利用と知識の交換と創造を行う知識創造基盤作りを含むものである。オーガナイザーは、農学分野の大学院と研究を行う東南アジア地域センターと国際アグリ事業団(ISAAA)であった。

ワークショップの詳しい情報は、以下にメールを出して下さい。 jap@agri.searca.org.

組換え作物のインパクトに関する国際会議
来るべき希望と見込みを測る:組換え作物の社会経済学的及び環境へのインパクト評価と題する国際会議が2009年9月29,30日にバンコックで開催された。この会議は、参加者と組換え作物のインパクト評価の専門家がインパクト研究成果及びそれらのインパクト特性を評価するツールに関する議論を行える場を提供した。議論の重要な結果の、3は、以下のようになる。インパクト評価は、発展途上国で限られた組換え作物で行われた; 実行されたのは、中国を含む、3カ国である;直接的な影響だけに集中した。そのうえ、組換え作物が如何に持続可能な農業を促進するかという環境へのインパクト評価への努力は少なかった。適当な「標準的な手順」または方法論の必要性もハイライトされた。これまでのインパクト評価研究は、まだ狭い範囲に限られていて、管理効率改善、改善された産出高の保証、昆虫や病害による被害が少なくなるという平穏な心などの間接的な便益が取り上げられていない。
会議はアジアから90人の参加者があった、また会議の組織委員会は、東南アジア地域センター(SEARCA) 、国際アグリ事業団(ISAAA)、国際食糧政策研究機構(IFPRI)であった。

会議の要旨集についてはDr. Mercedita A. Sombilla (masombilla@agri.searca.org) または、 Ms. Roberta V. Gerpacio (rvg@agri.searca.org).と連絡を取って下さい。

GMワタと従来のワタとの収量の比較
農務省がKununurraの近くの農業および食糧省GMワタ試験をオーストラリアほかの商業的ワタと行ったと西オーストラリアの農業省がプレスリリースを行った。で言いました。Penny Goldsmith氏(研究部役員)は、試験した品種のワタの商業レベルでの収穫は1ヘクタールにつき9.7 balesで、2007-08のオーストラリアの平均(9.3 bales)よりわずかに高かったと述べた。「15の遺伝子組換えワタの品種は、4月に研究圃場に植えられた。すべてがRoundup除草剤抵抗性、オオタバコガとタバコガ抵抗性の組み合わせのものであった」と幼虫と芽を食う毛虫さらに抵抗性を与える遺伝子の組合せを運んだ」とGoldsmith氏が述べた。
Goldsmith氏によると、Ordでのワタの栽培は1974年に主要害虫場が制御不能になったため断念されていた。「その後開発される新しい遺伝子組換え品種が、全州で導入されている」とも述べた。
西オーストラリアの農業食糧省は、オーストラリアの95%のワタは、組換え品種であり、そのほとんどが輸出されていると述べた。

全報告が以下のサイトにある。t http://www.agric.wa.gov.au/PC_93631.html?s=1001


日本は、2500万米ドルを国際イネ研究に投資
旱魃耐性で高収量のイネを開発を促進するために2000万米ドルをそして更に500万米ドルをアフリカのイネ研究専門家のextensionトレーニングのために投資すると日本が決めたとIRRIの専門家がプレスリリースで述べた。資金提供は、IRRI、アフリカライスセンターと彼らの全国パートナーに提供される。
「国際イネ研究への大幅な支援増加を日本が決めたことは、地球規模での食糧保障に直面している時のものとして重要であり、特に気候変動のような大きな脅威に直面している時のものとして場である。」と、IRRIの理事会議長のElizabeth Woods博士が述べた。また、「基金を増加する日本の決定は歓迎するものであり、世界のコメを消費する人々に十分なコメを確保するために日本で我々の共同研究者ともに働くことを楽しみにしている」とも述べた。

プレス発表は、以下のサイトにある。 http://beta.irri.org/news/index.php/press-releases/japan-commits-$25-million-to-international-rice-research.html


タイの組換えパパイヤの事前分析
タイが遺伝子組換え(GM)テクノロジーの使用を認可することになるならば、6億5000万ドルから15億米ドルの経済的向上を遺伝子組換え作物導入の最初の10年以内に生み出せる。これらの利益は、小規模のパパイア農民に主に生じて、輸出市場の損失さえも回復できる。これらは、Kasetsart大学のOrachos NapasintuwongとAuburn大学(USA)のGreg TraxlerによるタイのGM パパイヤ導入の記事:事前インパクト評価のハイライトである。
輸出市場の損失と健康と環境へのリスクに対するタイの懸念は、著者によると、タイでのバイオテクノロジーの支援の不確実性と決断の欠如につながるものであった。

e-journal AgbioForum の全文と他の記事を以下のサイトから得られる。http://www.agbioforum.org/v12n2/v12n2a05-napasintuwong.htm

GM青いバラが来月日本の市場に現れる
日本のサントリー社は、世界初の青いバラを売りはじめると発表した。20年以上の研究の成果である青いバラは、1本2,000-3,000円(22-33米ドル)で発売中である。
栽培者は数千年の間も各種のバラを育成してきた。例えばさまざまの大きさの花や色彩のものを育成してきた。しかし、バラには青い色素が本来欠如しているので、青いバラは不可能と同義になった。園芸家は、青いバラを植物育種における神聖なgrailとしてきた。ビクトリア朝時代には青いバラは、不可能への挑戦を意味した。Rudyard Kipling氏でさえ、青いバラに対するどうしようもない不可能な願望の詩を作った。
オーストラリアのFlorigene社と共に、サントリーは、パンジーとツクバネアサガオからelphinidin(青い色素)の合成に重要な役割を果たす酵素を規定するフラボノイド3’5′-ヒドロキシラーゼとアントシアニン5-アシルトランスフェラーゼ遺伝子をバラで発現することによって、不可能を可能にした。
プレスリリースによるとサントリーは、新しい品種アプローズ(Applause)を「特別な行事(例えば結婚記念日と誕生日)での豪華なプレゼントとして推薦されるもの」として発表した。

詳細は以下のサイトにある。 http://www.suntory.com/news/2009/10592.html

オーストラリアの科学者がコムギふ枯病耐性小麦品種を特定した
真菌Fusarium pseudograminearumに起因する小麦と大麦のコムギふ枯病は、オーストラリアで毎年790万オーストラリアドル(7100万米ドル)の損失を与えている重病である。オーストラリア連邦科学研究機構(CSIRO)の研究者は、現在、この恐れられる病気に抵抗力がある小麦と大麦品種を特定したと述べた。
CSIROのChunji Liu博士と共同研究者は、世界中から集めた2400品種以上の小麦と1000品種の大麦を調べ、この真菌病に抵抗力があるものを探した。「クラウンRotに抵抗を示す小麦と大麦品種の抵抗性を在来種に導入する予備育種を行っており、育種会社に送り込むように進めている」とLiu博士が言った。病気と戦う上で小麦と大麦の品種を開発することは、重要な戦略である。輪作は、フザリウム感染症には限定的な効果しかない。その理由は、雑草類に残った菌が輪作されたときにまで残って再感染するからである。
Liu博士は、CSIROの科学者がフザリウム属の侵入機構、感染症への抵抗機構、遺伝子レベルでの防御機構や収量減少に関する研究を行っていると述べた。

原報告は以下のサイトにある。http://www.csiro.au/news/Rot-resistant-wheat-could-save-farmers-millions.html


*ヨーロッパ*

Mon89034 x NK603輸入に対するEFSAの意見
モンサント社の害虫耐性または/及び除草剤耐性GMトウモロコシMon89034 x NK603を食品および飼料として市場に出すこと及び輸入や加工についての科学的意見がEFSAから報道された。
そして、供給用途は重要です、そして、モンサントによる処理アプリケーションはヨーロッパのFood Safety局(EFSA)によって最近発表されました。EFSA GMO Panelは、GM植物とそれから派生する食物と飼料のリスク査定に関する科学パネルに出ている指針と多重形質を持つGM植物のリスク評価のための指針にに従って適正に応募された申請書を審査した。
概要によるとEFSA GMO パネルは加盟国で取り上げている科学的なコメントに対するトウモロコシMON89034 x NK603に関する現在得られている知見からみて、トウモロコシMON89034 x NK603がヒトと動物の健康と環境に対する潜在的影響に関するその非GM対応植物と同じ安全性があると考えるとしている。または、EFSA GMO パネルは、その意図的な利用によってヒトと動物の健康と環境に対する潜在的影響に関する前後関係の環境に関してどんな悪影響を及ぼしもしそうにないと結論した。


詳細は以下のサイトにあります。:http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902910348.htm


遺伝子組換えトウモロコシ品種は在来種よりも影響は少ない
従来のコーンと対比してGMコーンにより起こりうるインパクトについてEUの支援のもとに環境アセスメントをスペインのGirona(スペイン)で行った。12のコーン畑には2004年にGMコーンを植え、次のシーズンに従来の種で植えた。その結果によると自生したGMコーンはヘクタール当たりの30本以下であり、少ないことが示された。花粉飛散範囲が従来のコーンより非常に短いので、花粉分散も限定されている。従って交雑は極めて低い。
偶発的GM種子の混入は、0.016から0.16%の範囲にあり、これはヨーロッパの法律の0.9%の十分に下にある。レポートは偶発的なGMの存在が非常に低いと結論し、それゆえに、標識化は必要ないとした。そのうえ、交雑と偶発自生は、農業技術によって簡単に制御できるので、リスクはほとんどないと考えられるとした。

報告は以下のサイトにスペイン語である。at http://www.fundacion-antama.org/noticia/la-probabilidad-de-impacto-del-ma-z-mg-sobre-el-convencional-es-muy-baja

王立協会の報告は世界的な農業の持続的強化を提案
「環境に悪影響を与えず、しかも耕作地を増やさないで収量を上げる世界的農業における持続的な強化策」が必要である。「利益の飛躍:科学と世界的農業の持続的強化」と題する英国王立協会報告に取り上げられている最重要点である。
この研究では、農業、国際発展、保護生物学と植物科学専門家による専門調査委員会によって行われ、食用作物に対するに生物科学の貢献を調べた。生産を上げるには多様な技術が必要であるとの総合的な提言を結論とした。その主なるものは以下のようにまとめられる:

  • 英国学術会議(RCUK)は、世界的な食糧保障への学術分野横断的な挑戦を優先的に行うべきである。かなりの成果を上げるには少なくとも10年間に20億ポンドの予算確保が必要である。
  • RCUKは生態学に基盤をおいた研究と作物の改良や土壌管理に視点をおいた農学及び関連した科学への支援を増やすべきである。
  • 大学は資金提供機関と共同して食用作物の持続的増強に関連する;例えば農学、植物生理学、病理学と総合植物学、土壌科学、環境微生物学、雑草学、昆虫学などの課題の減少を逆行させることが必要である。

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報告は、以下のサイトからダウンロードできる。 http://royalsociety.org/document.asp?tip=0&id=8825

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研究
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小麦遺伝子をトウモロコシ胚乳で発現すると湿式粉砕の効率が上がる
トウモロコシの種子のテクスチャーは、(それは固い胚乳と柔らかい胚乳の割合に依存)さまざまの最終用途、例えばデンプンの収量、乾燥粉砕或いは湿式粉砕による粉化などに影響を与える重要な形質である。トウモロコシの実は、テクスチャーに基づいて一般的なクラスに分けが行われる:フリント、ポップコーン、粉、デントとスイートなど。より柔らかいテクスチャーのデントは湿式粉砕にこうてきであり、米国の飼料でないものの最大ものである。米国では、ほとんど大部分が湿式粉砕である。デンプンの抽出率が高い柔らかいハイブリッドトウモロコシ品種の開発はトウモロコシ加工業者にとって価値の高いものである。
モンタナ州立大学とワシントン州立大学の研究者は、胚乳で特異的に発現する小麦由来のpuroindoline遺伝子((Pina and Pinb)を入れてトウモロコシの種子のテクスチャーを変え且つ湿式粉砕効率が良くなった品種を開発した。PINタンパク質のトリプトファンの多い領域がPINが澱粉顆粒面脂質と結合するのを可能にしてこびりつきがないように働いている。
トウモロコシの種子のテクスチャー分析によるとPINの発現で澱粉とタンパク質の間の接着力を減少させて、トウモロコシ種子の硬さを著しく減少させた。研究者はまた澱粉澱粉純度に悪い影響を与えることなく平均4.86%デンプン収量が増加することを見出した。
Plant Biotechnology Journal isの全報告を以下のサイトから取れる。http://dx.doi.org/10.1111/j.1467-7652.2009.00438.x



ササゲの遺伝子地図が解明された
カリフォルニア大学リヴァーサイド(UCR)の科学者を指導者とする研究チームは、ササゲ(Vigna unguiculata)の高精度のコンセンサス連鎖地図を解明した。ササゲはタンパク質が豊富なマメ科作物で約1億人の食糧や経済を支える役割を果たしている。その丈夫な性質からササゲはアジア、ラテンアメリカ、特にサブサハラ地域のように旱魃の起こりやすいところで食糧保障するための鍵作物となっている。その重要性にもかかわらず、オーファン作物とみなされ限られた遺伝子解析が行われているにすぎない。
研究者は、何千ものマーカーを特定している183,000以上の発現配列のタグ(ESTs)に関する配列データーを統合した。これらのESTsについてSNP探索から約10,000の高い信頼性のあるSNPを得て、これをもとにIllumina GoldenGate遺伝子アレイを開発した。次に6種の地図作成用の集団からの741の組換え交配種にアレイを当てはめたところ、約90%のSNPsがササゲの役に立つ遺伝子マーカーであると判明した。約900のこれらのマーカーがコンセンサス遺伝子連関地図に落とし込めた。出来上がった地図は、11の連鎖グループからなる680cM(センチモルガン)あり、平均のマーカー距離は0.73cM であった。ササゲは、ゲノムレベルではダイズに「かなりの数の遺伝子が種の間で保存されている」とUCRのIllumina GoldenGate氏が述べた。「ササゲ染色体のマーカーを見ると、マーカーのDNA配列に基づいてダイスのゲノムと相互比較をすることができる。そして、これらの種の間で得られた情報の相互交換が可能になる。たとえばササゲの重要な情報をダイズに移すことやその逆も可能になる。」とも述べている。

原報告は以下のサイトにある。t http://www.universityofcalifornia.edu/news/index.php
公開されているPNASの報告は以下のサイトにある。http://dx.doi.org/10.1073/pnas.0905886106



組換えDNAとBtタンパク質の野生のイノシシとシカに摂取・散乱後の行方
自然保護のためのドイツ連邦アカデミーからの資金提供を受けて、ミュンヘン工科大学(TUM)の研究者は、ダマジカ(Dama dama)とイノシシ(Sus scrofa)がどのように遺伝子組換えトウモロコシを代謝するかを詳細に調べた。特に科学者は組換え作物の残渣がシカやイノシシの肉に蓄積するか、またこれらの動物が糞便を通して広げたかどうかを調べようとした。TUMの科学者によると、いずれのものも答えは、いいえだった。
Heinrich Mayer氏と共同研究者は、屋外の構内に住んでいるダマジカに餌をやり、野生イノシシを小屋に入れて続けて数週間遺伝子組換えトウモロコシ殻とトウモロコシ種子を与えた。摂取されたDNAの分解性を調べるために、GM-トウモロコシの特定の遺伝子の断片を見つけるために、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用い、また、ELISA法でCry1Abタンパク質の検出も行った。
ダマジカの消化管、内臓、血と筋肉からのサンプルは、すべて組換え構成要素の存在が陰性だった。「結論として、GMトウモロコシ摂取後、cry1Abに固有の遺伝子断片もCry1Abタンパク質もダマジカの消化管で見つけられず、GMトウモロコシは完全な消化されたことが示された。」と、Mayer氏と共同研究者がEuropean Journal of Wildlife Researchに掲載された報告に書いた。研究者は、GMトウモロコシの遺伝子の小さな断片をGMで育てられたイノシシの消化管に発見た。しかし、消化管の外側に、科学者は全く痕跡を見つけられなかった。
Mayer氏と共同研究者は、また糞便から出芽できる無傷の実を集めた。彼らは、イノシシはGMトウモロコシの未消化の実を0.009%、在来種は、0.015%をそのまま排出したと報告した。ダマジカは、トウモロコシを十分に消化した。:1粒も無傷で発芽できるものはみつからなかった。

European Journal of Wildlife ResearchMammalian Biologyに掲載された報告はそれぞれ以下のサイトから得られる。http://dx.doi.org/10.1007/s10344-007-0104-4http://dx.doi.org/10.1016/j.mambio.2008.07.002



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バイオ燃料補遺
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バイオ燃料用のトウモロコシ生産の水質へのインパクト
http://ascelibrary.aip.org/vsearch/servlet/VerityServlet?KEY=JOEEDU&smode=strresults&sort=chron&maxdisp=25&pjournals=IJGNAI%
2CJAEEEZ%2CJAEIED%2CJBENF2%2CJCRGEI%2CJCCOF2%2CJCCEE5%2CJCEMD4%
2CJLEED9%2CJENMDT%2CJOEEDU%2CJGGEFK%2CJHEND8%2CJHYEFF%2CJITSE4%
2CJIDEDH%2CJMENEA%2CJMCEE7%2CJPCFEV%2CJPEPE3%2CJSENDH%
2CJSUED2%2CJTPEDI%2CJUPDDM%2CJWRMD5%2CJWPED5%2CLMEEAZ%
2CNHREFO%2CPPHMF8%2CPPSCFX&pyears=2009&possible1=Chaubey%
2C+I&possible1zone=author&OUTLOG=NO&viewabs=JOEEXX&key=DISPLAY&docID=1&
page=1&chapter=0
(全文入手には購読契約する必要があるかもしれない) http://www.thebioenergysite.com/news/4632/more-corn-for-biofuels-would-hurt-water

Purdue大学の農業・生物工学部(アメリカ合衆国)の研究者は、米国における輸送に使われるバイオ燃料に向けてのトウモロコシの増産に伴う土地の運用の変化が長期にわたる水質に与えるインパクトを定量的に評価するためのモデルアプローチを行った。
コーンの連作を行う土地は、コーンとダイズの輪作を行う土地と比較しsて水質レベルの低下がみられた。コーンの連作によって水中の窒素、殺菌剤とリン濃度は、より高かった。Indrajeet Chaubey氏、共同研究者で農業・生物学工学準教授、によるとコーン-大豆輪作からコーン連作へのシフトは、より高い沈殿物損失をもたらす。翻ってみるとこれは「より多くの殺菌剤とリンが沈殿物とともに動いて水に入るためであろう」ということになる。モデルの結果も「バイオ燃料に向けてのトウモロコシの増産に伴う土地の運用の変化が長期にわたる水質に与えるインパクトにさらなる研究がひつようである」ことを指摘している。研究の詳細は彼らのEnvironmental Engineering(上記のURL)ジャーナルで発表された報告から得られる。

植物のスベリン生合成のキー酵素がストレス耐性バイオエネルギー作物への道を開く
http://www.pnas.org/content/early/2009/10/21/0905555106.abstract?sid=64206e6b-4244-40fc-8697-4c5efcff3ab2
(全文入手には購読契約する必要があるかもしれない) http://www.thebioenergysite.com/news/4760/enzyme-to-help-biofuel-crops-in-harsh-environments

スベリン(suberin)は、陸生植物の種子の細胞壁と根系にあるポリエステルポリマーである。それは病原体または有害物質に対する保護バリアの働きする、その一方で、水と栄養分の摂取を容易にする。スベリンは、また植物が環境ストレス(例えば乾燥であるか高い塩性の土)対抗する重要な役割があることも報告されている。モデル植物のシロイヌナズナ使って、Brookhaven National Laboratory(アメリカ合衆国)の科学者は、hydroxyacid hydroxycinnamoyltransferase(HHT)という酵素がスベリン生合成のためのもので、スベリンが不足している植物は「野生型より非常に液中で塩をよく透過する」ことを観察した。「スベリンは、植物が陸生するのに適合するのに重要な役割を演じている」ことをあきらかにした。Brookhavenの生物学者Chang-Jun Liu氏によると、「重要な生合成酵素を特定して、スベリン生産を理解することは、特にバイオエネルギー作物のために提案された痩せた土地での植物の栽培に重要になる。」としている。バイオ燃料作物が痩せた土地で生長するのを可能にすることは、食糧生産のために肥沃な土地を確保する助けになる。研究のもう一つの面白い点はスベリンpolyphenolicsが同じ生合成前駆をリグニン(リグノセルロースバイオマスでセルロース繊維を囲んでいる堅い化学的ラッピング)と共有することが示されたことである。しかし、両者は、異なる酵素によって作られる。このことは、処理しやすく且つバイオ燃料にし易いオーダーメイドのバイオエネルギー作物を開発すると同時に「光合成の炭素の回路を変更してカーボン-吸収に向け直す」方向に向かうことになる。」完全な調査は、PNAS(上記のURL)に発表される。

バイオエネルギー作物の直接・間接土地利用の温室効果ガス放出へインパクト
http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/1180251
(全文入手には購読契約する必要があるかもしれない) http://www.thebioenergysite.com/news/4801/carbon-impact-of-biofuel-displacing-food-crops

バイオ燃料に関連した問題のうちの1つは、バイオエネルギー生産に直接または間接に土地を利用することに起因するかもしれない温室(GHG)放出の大きさである。直接の土地利用に伴う放出は、「バイオエネルギー生産だけに起因する土地からの発生」、一方間接的な土地利用による放出は、「耕地または牧草地でバイオ燃料生産が他の土地での農業活動を置き換えるので、更なる土地利用の変化とカーボン損失の全体としての増加を引き起こスことに起因」する。アメリカ合衆国、ブラジル、中国からの科学者の国際的チームは、拡大される21世紀の世界的なセルロースバイオエネルギープログラムによる想定される土地利用変化シナリオによる直接的および間接的な影響に起因する温室効果ガス(GHG)放出物に関する検討を行った。経済と生物地球化学を組み合わせたモデルを使用して以下の結論をえた。(1)間接的な土地利用への変化による大きな温室効果ガス放出物は、「世界的なバイオ燃料プログラムの想定外の結果」による。そしてこれらの結果(もしも特に、これらが森林を取り除くこと)が「問題解決よりむしろ気候変動問題」を付け加えることが現実になりえる。()将来バイオ燃料作物を栽培するためにより多くの肥料を投下すると温室効果がより高い亜酸化窒素が二酸化炭素を凌ぐ排出をすることになりえる。(3)「森林を保護して、窒素肥料の利用を最善にすることを促す世界的な温室効果ガス排出方針は、バイオ燃料生産に伴う温室ガス放出を激減させることになる。
完全な研究報告は、Science(上記のURL))の10月号で発表される。

「世界の遺伝子組換え作物の商業栽培に関する状況:2009年」要旨

クライブ・ジェームズ博士(ISAAA創設者・理事会会長)

ノーベル平和賞受賞者の故ノーマン・ボーローグ博士に捧げる

ISAAA 概要書第41号は、遺伝子組換え作物の商業栽培が初めて行なわれた1996年以来、筆者が執筆する年次状況報告の14冊目に当たる。第41号は、ノーベル平和賞受賞者でありISAAA創設に寄与したノーマン・ボーローグ博士に献呈されている。この要旨は、2009年の主な変化を端的にまとめたものである。詳細はhttp://www.isaaa.orgを参照のこと。

遺伝子組換え作物のもたらしている穀物、経済、環境、福祉におけるたゆみない堅実な向上の結果、2009年の遺伝子組換え作物の栽培を手がけた大規模、小規模な農家は25カ国で1,400万人となり、栽培面積は1億3,400万ヘクタール(3億3300万エーカー)と過去最高に達した。これは2008年と比較して7%、900万ヘクタール(2200万エーカー)の増加になる。「形質ヘクタール」※で考えると、2008年の1億6,600万ヘクタールから8%、1400万ヘクタール増加して1億8,000万ヘクタールになった。これは1996年と比較すると実に80倍であり、遺伝子組換え作物は近代農業史において最も急速に普及した農作物技術と言える。この増加は、世界各地の生産者が遺伝子組換え作物に寄せる大きな信頼を反映している。1996年以来、生産者が継続的に遺伝子組換え作物の栽培面積を増やしてきたのは、遺伝子組換え作物が多大な恩恵をもたらすからである。

※複数の形質を併せ持つスタック品種について、栽培面積×形質数で算出したもの。例えば、2つのBt特性を併せ持つスタック品種では、形質ヘクタールはその作物の栽培面積の2倍とカウントする。

栽培面積は、遺伝子組換え主要作物4種類すべてにおいて過去最高に達した。大豆は、世界全体の栽培面積9,000万ヘクタールのうち4分の3以上が遺伝子組換えになり、ワタは同3,300万ヘクタールのほぼ半分を占めるようになった。トウモロコシは同1億5,800万ヘクタールの4分の1超、ナタネは同3,100万ヘクタールの5分の1以上を遺伝子組換えが占めている。遺伝子組換え作物の主要栽培国においては、2008年も主要作物における採用率が高かったが、2009年も引き続き栽培面積が増加した。たとえばインドでは、Bt(害虫抵抗性)ワタの採用率が2008年の80%から2009年には87%に上昇した。カナダでは遺伝子組換えナタネの採用率が2008年は87%だったが、2009年には93%にまで上がっている。遺伝子組換え大豆は全ての遺伝子組換え作物の栽培面積1億3,400万ヘクタールの52%を占め、最も普及率の高い作物である。形質別に見ると除草剤耐性が全体の62%を占め最も多い。スタックも遺伝子組換え作物の21%と重要性が増してきており、現在11カ国(うち8カ国は発展途上国)で採用されている。

遺伝子組換え作物を栽培している25カ国(ドイツは2008年に栽培を中止、2009年からコスタリカが栽培開始)の内訳は、発展途上国が16カ国、先進国が9カ国である。上位8カ国はいずれも栽培面積が100万ヘクタールを超え、アメリカ(6,400万ヘクタール)、ブラジル(2,140万ヘクタール)、アルゼンチン(2,130万ヘクタール)、インド(840万ヘクタール)、カナダ(820万ヘクタール)、中国(370万ヘクタール)、パラグアイ(220万ヘクタール)、南アフリカ(210万ヘクタール)、となっている。残る2,700万ヘクタールを栽培する国は、面積の多い順にウルグアイ、ボリビア、フィリピン、オーストラリア、ブルキナファソ、スペイン、メキシコ、チリ、コロンビア、ホンジュラス、チェコ共和国、ポルトガル、ルーマニア、ポーランド、コスタリカ、エジプト、スロバキアとなる。1996年から2009年までに栽培された遺伝子組換え作物の累計面積はおよそ10億ヘクタールとなっている(正確には9億4,990万ヘクタール、23億エーカー)。
注目すべきは、世界全体の栽培面積のほぼ半分(46%)を発展途上国が占めていることである。2015年までには先進国全体の栽培面積を超え、5割を超えると予測される。2015年はミレニアム開発目標達成の年であり、飢餓と貧困を半減させることが目標の一つとなっている。遺伝子組換え作物はすでにこの目標達成に大きな貢献をしているだけでなく、将来に向けて計り知れない可能性を持っている。

また遺伝子組換え作物の栽培に従事する1,400万人の農家のうち、90%に当たる1,300万人は小規模で資源に乏しい農家である。こうした生産者はBtワタなどの遺伝子組換え作物の栽培によってすでに恩恵を受けており、近い将来に商業化予定の遺伝子組換えイネなど新しい作物からも利益を得られる可能性がある。

2008年のISAAA概要書では、遺伝子組換え作物の新しい波が訪れると予想していたが、2009年にはこれが早くも現実のものとなりはじめた。それを決定づけたのが、2009年11月27日、中国政府が国内で開発し、権利を保有するBtイネおよび高フィターゼトウモロコシに関して、バイオセーフティ証明書を発行したことである。これによって作物登録の道が開かれ、2~3年後には商業化が可能になると思われる。イネは世界で最も重要な作物であり、中国国内だけで1億1,000万世帯(1世帯の構成人数を4人とすると4億4,000万人)の生産者が、直接的な利益を得ることができる。さらにアジア全体で2億5,000万世帯、10億人いるとされるイネ生産者も恩恵を受けることができるだろう。イネ生産者の平均栽培面積は3分の1ヘクタールで、世界でも最貧の生活を強いられている。しかしBtイネによって生産性が向上すれば、貧困は緩和されると同時に農薬使用量も減らすことが可能となる。気候変動が起きている現在において、持続可能な社会の構築にも貢献できるはずである。イネが食用作物として最も重要であるとしたら、飼料作物として重要なのはトウモロコシである。遺伝子組換えによる高フィターゼトウモロコシをブタに与えると、リンの吸収率が高くなって成長が促進され、さらに排泄物のリン含有量も減るため、汚染も減らすことができる。経済発展が著しい中国では食肉需要も増加している。現在、中国国内ではブタ5億頭(世界全体の半分を占める)、ニワトリやアヒルなどの家禽が130億羽飼育されており、高フィターゼトウモロコシの導入によって家畜飼料の質の向上が期待される。高フィターゼトウモロコシは、中国だけで1億世帯(4億人)もいるトウモロコシ生産者にも直接的な利益をもたらすはずである。イネとトウモロコシは世界全体にとっても重要な作物であり、また中国の影響力が強まっている現状を考えると、アジアのみならず世界の発展途上国にとって中国の経験が参考になるかもしれない。遺伝子組換え作物を積極的に取り入れる中国の姿勢は他の発展途上国のモデル的役割となり、食糧自給率の引き上げや農薬に頼らない持続可能な農業、さらには飢餓と貧困の軽減にも貢献できると考えられる。イネとトウモロコシは、それぞれ食用、飼料としてきわめて重要な作物であるため、中国政府主導で開発された2種類の遺伝子組換え作物は、中国はもちろんのこと、アジアや世界にも多大な影響を及ぼすものと思われる。

概要書第41号には、ジョン・ベネット博士による特別寄稿「遺伝子組換えイネ ― その現状と将来の展望」も収録されている。ベネット博士はオーストラリア、シドニー大学生物科学大学院名誉教授である。

2009年の注目すべき変化は、ブラジルがアルゼンチンを僅差で抜いて、世界で2番目の遺伝子組換え作物の栽培大国となったことである。2008年から2009年の同国の栽培面積は560万ヘクタール、率にして35%増加したが、これは世界のどの国よりも大きい伸びである。ブラジルが遺伝子組換え作物の世界的リーダーであり、将来に向けた成長の牽引役であることは間違いない。また世界最大のワタ生産国であるインドは、2002~2009年の年間にBtワタ栽培がめざましい成功を遂げ、採用率は2009年で87%に達した。Btワタはインドのワタ生産に革命を起こしたと言っても過言ではない。インドのBtワタ生産者が得られた経済的利益は2002年から2008年までで51億米ドル(4,590億円)にもなる。Btワタへの転換によって殺虫剤使用量も半減し、また収穫量も倍増した。かつてワタの輸入国だったインドは、いまや主要輸出国となっている。インド初の遺伝子組換え食用作物になると期待されるBtナスは、インドの監督機関によって商業化の勧告が行なわれ、現在は政府の承認を待っているところである。アフリカ3カ国でも引き続き前進が見られた ―2009年にという高い成長率を達成した南アフリカ、それにブルキナファソとエジプトである。ブルキナファソにおけるワタ栽培面積は、年には8,500ヘクタールだったが、年には11万5,000ヘクタールと14倍に急増した。前年比1,353%という伸び率は2009年の世界最高である。

2009年は、第1世代から高収量の第2世代への交代が行なわれた年でもあった。ラウンドアップ・レディー・2イールド大豆は、多くの開発者が研究してきた新しい種類の遺伝子組換え作物の第1号で、2009年にはアメリカとカナダで1万5,000人以上の農家が植え付けを行なった。栽培面積は50万ヘクタールを上回る。

遺伝子組換え作物に関する最新の世界的な影響評価によると、1996年から2008年までの経済的利益は519億米ドル(4兆6,710億円)となっている。その2大要因は生産コストの減少(50%)と、収量増加(1億6,700万トン、50%)である。とりわけ後者に関しては、仮に遺伝子組換え作物を採用しなかった場合、同じ収量を得るためにはさらに6,260万ヘクタールの農地が必要だったという試算結果が出ている。つまり遺伝子組換え作物は、土地の効率的利用を可能にする重要なテクノロジーなのである。同様に1996年から2008年までのあいだに殺虫剤の使用量は8.4%減少した。有効成分換算で3億5,600万kgの減少である。また遺伝子組換え作物によるCO2固定化は2008年だけで144億kgとなり、これは自動車700万台を減らしたのと同じ効果とされる(Brookes and Barfoot, 2010、近刊)。

2009年現在、遺伝子組換え作物を栽培する25カ国の人口を合わせると、世界の総人口の半数以上(36億人、54%)になる。栽培面積は1億3,400万ヘクタールで、世界の耕地面積全体(150億ヘクタール)の9%を占める。

遺伝子組換え作物の種子の市場規模は、2009年には世界で105億米ドル(9,450億円)だった。また遺伝子組換えの種子を用いて生産された収穫物の市場規模は、2008年にはトウモロコシ、大豆、ワタを合計して1,300億米ドルであり、年10~15%の割合で成長すると見込まれている。

1996年以来、食用および飼料用の遺伝子組換え作物の輸入や環境放出(栽培等)を法的に認可しているのは、遺伝子組換え作物を2009年に商業栽培している25カ国と、それ以外の32カ国を加えた計57カ国である。これまでに24作物、155の系統、計762の認可が出された。日本で開発された青いバラも2009年に認可が下りている。

2010年から2015年にかけては、遺伝子組換え作物の新しい潮流が生まれるものと期待される。第一に優先されるべきは、責任の所在が明確でコスト効率が良く、迅速で適切な規制システムの運用である。遺伝子組換え作物の開発・承認・採用に対する政治的な決意、経済や科学の面からの支援はますます強まっている。遺伝子組換え作物が世界的に採用される流れは慎重ながらも楽観的な状況であり、2005年にISAAAが予測したように、2006年から2015年までの商業化第二の10年間に、栽培国数、農家、栽培面積のいずれも倍増することは確実である(ISAAAは、2015年までに遺伝子組換え作物を栽培する国は40カ国、農家は2,000万人、栽培面積は2億ヘクタールになると予測している)。国際社会、とりわけアジア、ラテンアメリカ、アフリカの発展途上国のニーズに対応するために、新しい遺伝子組換え作物の供給は今後も拡大を続けると思われる。2010年から2015年までの実現が期待される、新しい遺伝子組換え作物/形質を一部紹介する。アメリカとカナダの、3つの形質を付与する8種類の遺伝子を持つSmartStax™トウモロコシ(2010年)。インドのBtナス(2010年)は政府の承認待ちであり、フィリピンのゴールデンライス(2012年)はバングラデシュおよびインド、さらにはインドネシアとベトナムでも採用される予定。中国では、遺伝子組換えイネと高フィターゼトウモロコシ(2~3年以内)。乾燥耐性トウモロコシ(アメリカでは2012年、サハラ砂漠以南のアフリカでは2017年)。窒素利用効率(NUE)が高い遺伝子組換え小麦は5年のうちに商品化される予定。

2008年に起きた食糧危機(30を超える発展途上国で暴動が発生し、ハイチとマダガスカルでは政権が崩壊した)を受けて、国際社会では食糧と安全保障に関する深刻なリスクへの認識が深まり、ドナーグループや国際的な開発機関、科学界、さらには発展途上国の指導者のあいだで遺伝子組換え作物を支持する動きが高まってきた。また生命を支えるという農業の本質的な役割と、公正で平和な国際社会に貢献する農業の価値についても、あらためて認識されつつある。とくに「従来の育種方法とバイオテクノロジーを併用して作物生産性を持続可能な形で強化し、食糧自給率と食糧安全保障を確保する」必要性が声高に叫ばれている。

ノーマン・ボーローグ博士が小麦で緑の革命を成功させたのは、ひとえにその高い能力と不屈の精神、それにひとつの目標 ― 単位面積当たりの小麦の生産性を引き上げること ― に焦点を定めた賜物である。またボーローグ博士は、あくまで実際の農業生産現場レベルでの生産性(実験農場レベルではなく)、国レベルでの生産性、また最も重要なこととして、それが平和と人道に貢献しているかどうかを評価して研究開発の成否を判断した。今から40年前の1970年12月11日、ノーベル平和賞受賞に際してボーローグ博士が行なったスピーチのタイトルは「緑の革命、平和と人道」だった。博士が40年前に果敢に挑んだこと ― 作物の生産性を高めること ― は今日我々がめざしていることと完全に一致する。ただし当時はなかった気候変動に直面する現在は、水や化石燃料、窒素など資源への依存を減らしながら生産性を倍増させる必要があり、課題はさらに困難になっている。遺伝子組換え作物に関わる国際社会が一致団結して「大きな挑戦」に取り組むことこそが、ノーマン・ボーローグ博士が築いた豊かな遺産に敬意を表する、最も適切かつ崇高な方法であろう。地球の東西南北のすべての半球において、官民セクターが足並みを揃え、少ない資源で遺伝子組換え作物を最大限に活用する努力を行なうべきである。ミレニアム開発目標で誓ったように、2015年までに貧困と飢餓と栄養不良を軽減することを最終的に目指さなくてはならない。偶然ではあるが、遺伝子組換え作物の商業化第2期にあたる10年は2006年から始まっており、終了するのが同じ2015年である。

締めくくりに、10億人を飢えから救ったノーマン・ボーローグ博士の言葉を引用する。博士が遺伝子組換え作物を熱心に支持したのは、作物の生産性を高め、貧困・飢餓・栄養不良を解消し、平和と人道に貢献できると見抜いていたからだ。博士はこう述べている。「この10年間に植物バイオテクノロジーは大きな成功を収めてきました。この技術は世界中で農作物の収量を高めると同時に、農薬使用を減らし、豊かな土壌の亡失あるいは土壌浸食を食いとめることに貢献しています。バイオテクノロジーの恩恵と安全性は、世界の総人口の半分以上を占める国々で、この10年間に証明されています。しかし、いまだに効率の悪い旧式の栽培手法しか選択肢のない国々もあり、これから求められるのは、そうした国の指導者の勇気です。かつての緑の革命、そして今の植物バイオテクノロジーは、増え続ける食糧需要を満たしつつ、未来の世代のために環境を守る上でも大いに役に立っている」。

全文は概要書第41号「世界の遺伝子組換え作物の商業栽培に関する状況:2009年」

作物バイオ最新情報2009年9月

世界

– 組換え小麦: 世界的な要望 
– 緑の遺伝子技術は発展途上国の貧困を減少 
– ISAAA はノーベル平和賞のNorman Borlaug氏(1914 – 2009)を悼み、哀悼の意を
捧げる 
– 国連報告: MDGゴール達成に世界はやや未達しそうである 

– FAO: 世界は、2050までに70%増の食糧が必要である 
世間の声に変化: 作物バイオ技術の政策決定者の話
 

アフリカ
– アフリカの科学へのより大きな投資と共同の呼びかけ 
– FAOによると旱魃でアフリカの数百万人が飢餓状態 
 
南北アメリカ

– USDAは、遺伝子組換えパパイヤの規制を緩和 
– 殺虫剤によらない大豆アブラムシの防除 
– ブラジルが新しい遺伝子組換えコーン品種を承認 
– Pioneer H-Bred, Asoyia は、超低リノレイン酸大豆の拡大に同意 

 
アジア太平洋

– Mahyco Inksは、lactin遺伝子について Bose 研究所との契約にサイン
– OGTR遺伝子組換えワタの商業栽培についてコメントを求めている 
 
ヨーロッパ

– 遺伝子組換え作物のケースバイケースリスク評価への手持ちデーターの効率的利用 
– Bayer CropScienceとPerformance Plants Inc は、旱魃耐性ワタについて契約 
– EUの遺伝子組換え作物に対するゼロ許容の方策は、経済に極めて悪影響を及ぼす 
– 英国スーパーは、遺伝子組換え食品を避けることはほとんどできない 

– 遺伝子組換え作物は気候及び環境変動を助ける 
– CIRAD は、バナナの全遺伝子配列を決定 

研究

– ゴシポールのないワタ種子の圃場試験は良い結果だった 
– ブラシノステロイドは、植物から残存殺虫剤を除くのを助けている

– 遺伝子組換えエンドウマメはニワトリの病気に対する保護作用がある 
– ジャガイモの遺伝子の第一段階の解析が発表された 

バイオ燃料補遺

– 代謝工学によるTrichoderma reesei のセルラーゼの増産 
– 東南アジアのバイオ燃料市場は上昇する 

– 小規模バイオエネルギー政策: 途上国における有用性のケーススタディ

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ニュース

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*世界 *

– 組換え小麦: 世界的な要望 
世界中で環境と農民フレンドリーな組換え作物の採択は、より高い生産高、生産コスト低下と品質向上が得られ、農民に相当な利益をもたらした。12年前の導入の以来、今日の組換え大豆、コーンとカノーラは、広くその地位が確立されて、世界的に相当な経済的インパクトを与えてきた。同じ利益を得るために、オーストラリア、カナダとアメリカ合衆国の小麦栽培者の9つの組織は、市場に出ていて遺伝子組換え小麦(GM小麦)の導入で歩調を合わせるとの共同声明を最近出した。
数種のGM小麦品種は、危険なマイコトキシンを生産するFusariumの問題をなくし、旱魃及び高温ストレスに耐性で、穀物澱粉組成が変わり腸の病気、糖尿病と肥満の発生を減らすために開発された。GM小麦が商業化されるまでにおよそ6~10年かかるだろうが、その実現は飢えと貧困の縮小に重要なインパクトを与えると考えられる。
スペイン語での報告は、以下のサイトにある。 http://www.fundacion-antama.org/noticia/trigo-modificado-geneticamente-una-demanda-global


– 緑の遺伝子技術は発展途上国の貧困を減少 
遺伝子工学の進歩は、発展途上国の小規模農民がテクノロジーの利便を容易に得られるようにすぐに利用できなければならないと、Martin Qaim氏の指導による調査に述べられている。インドでのBtワタの直接的および間接的な影響についての広範囲なデータと複雑な分析法を駆使した結果によると、インドで500万人以上の小規模農民がBt綿の栽培によるインパクトを受けた。農業での便益は、農村地帯でかなり収入を増やした。全体で1年につきほぼ20億米ドルの利益が得られた。そして、それの60%は困窮線の下にある家庭にもたらされた。特に女性の雇用増加による利益があげられる。
Qaim氏は、しかし、小さな農民へのこれらのテクノロジーの移転が十分に研究されてから、実行されなければならないと強調しました。「事実は、第一世代のGM作物がすでに貧困縮小に貢献したことで、これらの発展途上国での大きな可能性があるということも強調できる。」とQaim氏が言った。
報告はドイツ語で以下のサイトにある。 http://www.uni-oettingen.de/en/118836.html


– ISAAA はノーベル平和賞のNorman Borlaug氏(1914 – 2009)を悼み、哀悼の意を捧げる 緑の革命の父、ノーベル平和賞受賞、途上国の小規模で資産のない農家のチャンピオン、世界食糧賞の創設者である。
ノーマンボーローグ博士(貧しい者のための農業発展の象徴)は、95才で2009年9月12日に早逝されました。米国アイオワ州Crescoの農家に生まれ、飢えと貧困と戦い、高収量で病気耐性半矮性小麦の開発に関する先駆的研究、及び遺伝子組換え作物を利用することへ強い支持に関して個人的にも専門家としても農業分野に大きな足跡を残した。
1970年に、「この年代の他のどの人よりもパンを飢餓にある世界に提供するのを支援した。ここでパンを提供することで世界平和がもたらされるとのこと、そして人口爆発と食糧生産の劇的な競争に明るい見解をもてるようにした。」との結論をもって、ノーマンポローグ博士にノーベル平和賞が与えられた。
10億人を飢えから救ったことでノーベル平和賞を与えられることに、ノーマンボーローグは、我々に述べたことは「これで一寸だけ時間稼ぎが出来た。」ということである。そして、作物技術の改善への継続的な投資が明日の世界に食糧を供給できることになるための「必須のもの」であるとも述べた。は世界中の友人に「ノーム(ボーローグ博士の愛称)」として慕われていたが、ノームは、遺伝子組換え作物の熱心な主唱者でした。そして、それを彼は将来の食糧安全保障を確実にするために必要な技術の1つとして見ていた。そして、「過去の10年にわたって、我々は植物バイオテクノロジーの成功を目の当たりにしてきた。このテクノロジーは世界中の農民がより高い産出高を生じるのに役立っています、その一方で、農薬使用と土壌侵食を減らした。バイオテクノロジーの利益と安全は、世界の人口の半分以上の国で過去の10年にわたって証明されてきた。我々が必要とするものは、農民がまだ以前でより効果的でない方法を使用するほか仕方がないそれらの国のリーダーによる勇気です。グリーン革命と現在植物バイオテクノロジーはより多くの食糧生産の求めに応ずることができるのであり、これが将来の世代のための環境維持を図ることになるのである。」との見解を述べている。
2000年にボーローグ博士は、ISAAA創設者で議長であるクライブジェームズ博士とGlobal Coordinatorでフィリピン政府官僚ランディホーティアを伴って、フィリピン科学技術アカデミー(NAST)で会合をもち、食糧安全保障と科学が果たす必須の役割に関して彼らの意見と経験を共有を図った。この際に、ボーローグ博士はNASTの名誉会員となった(下の写真)。フィリピンへのこの訪問の間、ノーマンボーローグは、世界知識(Global Knowledge)センター(KC)の設立を通してISAAAの新しい知識共有システムの構築を支援した。ISAAAの知識センターの一つの役割は、電子メールでのISAAAのKnowledgeセンターニュース、Crop Biotech Update (CBU)、であり、現在200カ国650,000に読まれており、毎月5,000人増加している。現在200カ国に毎週650,000人の加入者に配布されて、1ヵ月のおよそ5,000で成長している。ノーマンボーローグは、世界中で、彼の個人の暖かさと完全性のため、そしてISAAA家族の非常に特別なメンバーとして、何百万もの貧しい人々の生活の改善への彼の独特の貢献として常に記憶されています。
下の自由詩は、クライブジェームズ博士(ISAAAの創設者で会長であり、前副CIMMYT会長(メキシコ))が30年来の師であり、個人的な友人でもあったノーマンボーローグ博士に捧げたものである。そして、その人は30年間の彼の師と個人の友人でした。自由詩は、Huexotzin氏によって書かれる韻文の改作である。Huexotzin氏は、メキシコのTexcocoの皇太子であり、1484年頃に亡くなったその曽祖父である有名なアステカ王Nezahualcoyotlの孫で、両者とも詩人であり植物学者であった。メキシコに対するノーマンボーローグのものすごい愛情があれば、彼は多分非常にTexcocoの後代の皇太子でソノーラのヤーキ渓谷で50年以上働いたことを名誉とし、誇りに思うに違いない。彼はヤーキ渓谷のことをしばしば「これは、私が本当にくつろいだと感じるところと私が安心しているところです」といっていた。

ノーマンボーローグ、1914 – 2009
「天国のパン – 我々がもう要らないというまで、我々に食させてください」
あなたは、私が死ななければならないと私に話します
私が育てるのを手伝った数100万のように
何か私の名前の残っているもの
何か私の名声の記憶されているもの
しかし私がメキシコで育てた小麦はまだ若い
してヤーキ渓谷遺伝子は、まだその人道的な歌を表している
「天国のパン」は、公式出来事(例えばダイアナ皇太子妃の葬式)で歌われる有名な英国の賛美歌で、ノームが生きた主要なゴール:飢えの緩和を捉えたものだ
      その他の多くの参加コメントが以下のサイトにある。http://www.worldfoodprize.org/press_room/2009/sept/borlaug-tributes.htm; http://normanborlaug.blogspot.com/2008/02/legacy-of-norman-borlaug.html#comments;とhttp://www.voanews.com/english/2009-09-13-voa14.cfm.
Dr. Borlaugのノーベル賞受賞講演は以下のサイトにある。http://nobelprize.org/nobel_prizes/peace/laureates/1970/borlaug-lecture.html


– 国連報告: MDGゴール達成はやや未達に終りそうである 
「危機的時期における開発に向けての世界的協同の強化」と言う国連レポートは、政府が発展途上国が貧困から抜け出すための財政的援助がかなり不足するようになる」ことを明らかにしました。「財政的経済危機が始まる前に、我々は発展のためにグローバルパートナーシップを強化することを計画した」と、ニューヨークの国連本部のレポートの開始の副事務総長アシャ-ローズMigiroが言いました。「我々は、現在、危機にあって、難しいゴールにポーズをとるためには、新しい後押しを必要とする。」と述べた。
国連のMillennium Development Goal(MDG)GAPタスクフォースによって策定されたレポートは、経済協同開発機構(OECD)のために国際通貨基金(IMF)、世界銀行、世界貿易機関(WTO)と機構を含む20カ国を国連機関がまとめて、援助、取引と負債の上で世界的な責任を追って、重要な薬とテクノロジーへのアクセスに関して進歩に続くために、2007年に事務総長Ban Ki-Moonによって作成された。
プレスリリースの詳細は以下のサイトにある。http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=32073&Cr=mdg&Cr1

– FAO: 世界は、2050までに70%増の食糧が必要である 
世界食糧生産は23億人と見積もられた新たな増加に対応する為に2050年までに70パーセント増加しなければならないと、国連食糧農業機関(FAO)が今週始めに言った。食物と動物用飼料に必要な穀物生産は、2050年までに約30億トンに達すると予測される。これは、穀物生産高がほぼ10億トン(今日は、21億トン)増大しなければならないことを意味する。FAOは、肉生産高が2050年までに億トン以上も増大しなければならないと言った。食物を求める要求は、人口増加と同様に上る収入の結果として増大することになる。
収穫生産増大の90パーセントがより高い産出高から来ると予測されていて、FAOは「主にサハラ以南のアフリカとラテンアメリカなどの発展途上国でおよそ1億2000万ヘクタール耕地を拡大しなければならない。」推定した。FAOは、「エネルギー価格と政策により、バイオ燃料向けに農業生産物の需要を増やすことになる。」とも言っている。
Hafez Ghanem FAO会長代理は、「2050年までに食糧については、世界的の可能性は比較的楽観的である。」言った。しかし「その時までに世界で誰にでも十分食べるようには自動的になるものではなく、相当の重要な挑戦をしなければならない。」と加えた。FAOは進行中の戦略を練るために2009年10月12-13日にローマで専門家のフォーラムを「2050年の世界食料供給法について」開催する。
議論の報告書は以下のサイトにある。http://www.fao.org/fileadmin/templates/wsfs/docs/Issues_papers/HLEF2050_Global_Agriculture.pdf


世間の声に変化: 作物バイオ技術の政策決定者の物語
政策決定者またはいわゆる高い意識の公衆は、ディベートの枠組み、政策の策定、「世論の影響、作物バイテクに関するより大きな認識の形成と理解により強く関与しようとしている。これらの政策決定者-農民、メディア、政策立案者、科学者、研究者、宗教指導者、工業部門代表、学生とその他は、バイオテクに関するディベートの方向と深みとそしてテクノロジーの受容性、導入、持続性を最終的に決めようとしている。
国際アグリ事業団(ISAAA)は、変化の声(作物バイオテクを伝える:政策決定者からの物語)Brief 40)を出版した。様々の聞き手が科学コミュニケーション運動に反応するかをハイライトして、作物バイオテクに関する総体的な声を築き上げようとするものである。
両方の出版物は以下のサイトからダウンロードできる。http://www.isaaa.org/kc/inforesources/publications/voicesofchange/brief-40-brochure-web.pdfhttp://www.isaaa.org/resources/publications/briefs/40/


*アフリカ *

– アフリカの科学へのより大きな投資と共同の呼びかけ 
モハメドH. A.ハッサン氏、第三世界科学アカデミー(TWAS)専務取締、は「アフリカの大学は改良・強化されなければならない、そして、各々のアフリカの国には少なくとも1つの世界クラス大学がなければならない。」というメッセージをアジスアベバ(2009年9月1-4日、エチオピア)で行われた途上国における基礎科学強化の為の地域及び統合的協力に関する会議で述べた。彼は、さらにアフリカの科学基盤(基金)の欠如を嘆き、国際的資金提供組織に多くのアフリカ諸国で基礎科学研究に資金を供給することで重要な役割を演じ続けるよう要請した。
ハッサン氏は、地域的国際的な協力が十分なレベルにあると教育の質とアフリカの研究の質を上げるのを助けるためになならないと強調した。「アフリカ大陸の科学者を世界的な科学界に溶け込ませて、アフリカの科学者が大陸の最も挑戦的な現実の問題の科学に拠点を置く解決を追い続ける十分な機会を創成する段階を踏んで行かねばならない。」と結論した。
報告は以下のサイトにある: http://www.twas.org/

– FAOによると旱魃でアフリカの数百万人が飢餓状態 
雨の不足による不作は、エルニーニョの影響が既にすでに深刻な食糧不安状況を悪化させていることと合わさって、東アフリカの食糧不安は深刻なものに既になっていると、国連食糧庁(FAO)がレポートで述べている。数100万が不安定な食物とすでに考えられるウガンダの2009年の最初の収穫高は平均レベル以下と予測されていて、4回連続した不作を意味している。FAOは、北ウガンダのAcholi地域だけでも、穀物生産が平均のおよそ50パーセント以下と推定されると述べた。
見通しは、近隣のケニヤでも厳しい。トウモロコシ収穫(年間生産の80%占める)は、正常レベルの28%以下の184万トンと推定される。すでに減少する穀物国家備蓄の減少で近隣諸国への輸出禁止と持続的な高い穀物価格は、事態をより悪くすることになっている。FAOは、エチオピアにも同じ予想をした。降雨の減少により、最もひどい地域では最高75%の収穫損失となった。
原報告は、以下のサイトにある。 http://www.fao.org/news/story/en/item/35570/icode/

*南北アメリカ *

– USDAは、遺伝子組換えパパイヤの規制を緩和 
科学的な徹底的なチェック、市民のコメント、環境アセスメントの後、米農務省の農業動植物健康検査機構(APHIS)は、それが条項X17-2に指定される遺伝子工学による(GE)パパイアの規制緩和するとした。組換えパパイアとその後代種は、現在、APHISによる規制なしで自由に流通・栽培ができる。
フロリダ大学はGEパパイアを規制撤廃するために嘆願書をAPHISに提出した。これはパパイアリングスポットウイルス抵抗性に組換え育種したものである。
更なる情報は以下のサイトにある。 http://www.aphis.usda.gov/biotechnology/fr_notices.shtml
 
–        殺虫剤によらない大豆アブラムシの防除 
Bryony Bonning 氏とAllen Miller氏をリーダーとするアイオワ州立大学の環境ストレスへの植物応答研究センターの研究者は、アブラムシに対する抵抗性を組み込んだ大豆を開発している。大豆アブラムシ発生はアイオワ州で億5000万米ドルを超える歩留まりの低下を起こしており、また、殺虫剤での制御に6400万米ドルかかっている。研究者は、このように、哺乳類に全く害がなくアブラムシのみに致命的である遺伝子を大豆に導入する方法を考案した。
1つの戦略は、完全な毒素を昆虫の消化器系によって壊されないまま体腔に導入することである。Miller氏 とBonning氏は植物ウイルスコートタンパク質を最近特定し、それが食べられてもアブラムシの体腔へと完全なまま通過する。彼らは毒素をウイルスのコートタンパク質と融合させて複合型毒素コートタンパク質がアブラムシによって食べられても破壊されていない致死的毒素はアブラムシ体腔に入ることになる。
「(潜在的な)経済効果は、総体として巨大である。」と、Bonning氏が言った。「殺虫剤使用が少なくなる。そのうえ、殺虫剤適用のための化石燃料使用も少なくなる。」農家は効果的な大豆アブラムシ制御のもう一つの策を手にすることになると彼は、強調した。
報告は以下のサイトにある。 http://www.news.iastate.edu/news/2009/sep/GIVFAphids

-ブラジルが新しい遺伝子組換えコーン品種を承認 
バイオ安全性に関するブラジルの全国技術委員会(CTNBio)は、新しい遺伝子組換え(GM)コーン3品種のブラジルでの商業リリースを承認した。つコーン品種(モンサントとSyngentaによって開発された)は、害虫抵抗性とグリフォサートを主成分とする農薬に対する耐性を重ね合わせた特性がある。3種目のGMOコーン(Syngentaによって開発された)は、害虫抵抗性だけを含む。今回の承認で9品種のGMコーンがブラジルで承認されたことになる。2008年に組換え作物作付が1580万ヘクタールとなり、ブラジルは世界の3番目に大きな組換え作物生産国である。
より詳しい情報は以下のサイトにある。http://www.ctnbio.gov.br/


– Pioneer H-Bred, Asoyia は、超低リノレイン酸大豆の拡大に同意 
パイオニアHi-Bred、デュポンビジネスとAsoyia社の間の新しい拡大合意が大豆栽培者に大きな便益をもたらすことになる。新しい合意書によるとパイオニアの品種(1%リノレイン酸という超含量)をRoundup ReadyとするAsoyia 者の品種を用いる大豆プログラムに導入できることになるので地理的に広い範囲をカバーできることになる。
「食品会社と消費者はより好ましい油糧製品を探索しており、大豆栽培者がその解決のための一つの解決策をもつことになる。」と、John Muenzenberger氏(特殊オイルのためのパイオニア経営管理者)が言った。「更なるパイオニアYシリーズ大豆の品種とパイオニアとAsoyiaとの拡大した合意書で、我々はこのより健康的な解決策をより広い地理的地域で栽培者とともに働くことができる。」と語った。
より詳しい情報は、以下のサイトにある。http://www.pioneer.com/web/site/portal/menuitem.9afbc9dc33ffe9aa4a624a62d10093a0/

*アジア太平洋 *

– Mahyco Inksは、lactin遺伝子について Bose 研究所との契約にサイン
インド連合科学技術大臣Prithviraj Chavan氏のもとで、Maharashtraハイブリッド種子会社(Mahyco)は、コルカタにあるBose研究所とJorhat のAssam農業大学(AAU)との一連のバイテク移転契約に2009年月28日にNew Delhiで調印した。これらのバイオテクノロジー移転に関する合意書は、コルカタにあるBose研究所で開発されたニンニクのレクチン遺伝子、とJorhat のAssam農業大学(AAU)がインド-スイスバイオテク協同(スイスは開発協同機構(SDC)とインドがイオテクノロジー(DBT)省の協同プロジェクト)の支援のもとに行っている改変したBt遺伝子に関するものである。
これらのバイオテクノロジーを手にすることでMahycoが害虫耐性ヒヨコマメのようなインドの最も重要な商用バイオテク製品を開発することになる。同時に、州立農業大学がインドで資産の少ない農民のために製品を開発することができるようになる。Chavan大臣は、バイオテクノロジーの応用が新世代ワクチン、診断法とバイオ医薬品の利用を通して保健に大きなインパクトを与えている。農業の場合には、遺伝子組換え作物、特にBtワタ、バイオ肥料、バイオ殺虫剤と分子育種技術が作物の質量共に改良されたものにつながるものである。
「国際協力と協同は、インドで最高水準のテクノロジーを革新し、進めて、相互の利益のために大部分の先進国との研究開発作業と最新技術の採用を容易にするために欠かせない。」、大臣が誉め称えた。彼も、公共機関にこの例を模倣して、特に雨に依存する農業状況と旱魃に適している作物の生産性と品質を高める技術を開発を呼びかけた。
インド広報局(PIB)からのプレスリリースは、以下のサイトにある。http://pib.nic.in/release/release.asp?relid=52228
Mahycoに関する上は以下のサイトにある。  http://www.mahyco.com/  
Barwale 財団の情報は、以下のサイトにある。 http://www.barwalefoundation.org/
インドの作物バイテクの情報は、b.choudhary@cgiar.orgk.gaur@cgiar.org にある。

– OGTR遺伝子組換えワタの商業栽培についてコメントを求めている 
Dow AgroSciences Australia Ltdは、遺伝子技術規制局(OGTR)に遺伝子組換え害虫耐性ワタの品種を商業的開放系栽培を申請した。このワタの品種は、商品名であるWidestrikeとしてより知られているもので土壌微生物B. thuringiensisのCry1F Cry1Ac遺伝子を持っている。この遺伝子は、主な鱗翅類幼虫に対する抵抗性を付与するものである。Widestrikeは、米国とブラジルで栽培が承認されており、日本、韓国、メキシコでは、食糧及び飼料用に承認されている。このGMワタに由来する油と綿の綿屑は、2005年にヒトの食品としてオーストラリア・ニュージーランド食品標準局(FSANZ)からも承認された。承認されるならば、Widestrikeは南緯22o南側のオーストラリア南部のすべての綿の生産地帯で栽培できるようになる。
OGTRは、リスク評価とリスク管理プラン(RARMP)が「ヒトの健康と安全に関するリスクは無視できるものであり、また環境リスクも同様である。」との結論を協議するように準備を整えた、OGTRは、現在RARMPについてのコメントを求めている。
詳しくは以下のサイトにある。http://www.ogtr.gov.au/internet/ogtr/publishing.nsf/Content/dir091


-東ティモールに高収量のカッサバを導入
東ティモールのカッサバ栽培者にとってよい知らせである。つの高生産性カッサバの新品種は、『命の種』食糧安全保障プログラムによってこの国で最近リリースされました。東ティモール農水省、AusAIDとオーストラリアの国際農業研究センターの資金を得て、品種改良により主要作物の生産量を上げて、飢餓をなくしようとするプログラムが実施されている。カッサバは東ティモールの重要な主要な作物である。そこでは大部分の人々は慢性的な食糧不足に苦しみ、時には最高6ヵ月の配給制のもとにある。
新しい品種(Ai-luka 2 と Ai-luka 4)は、農民に好評で、現地のカッサバ農家は51-65%の産出高増加を予想している。ウィリアムアースキン氏(「命の種子」プログラムを走らせている地中海農業における豆類研究所(CLIMA)所長)は、「カッサバのような主食が65%くらい高い産出高に増加することは、そこでの生活を一変させる大きなものである。」と力説している。
CLIMAについての詳しいことは、以下のサイトにある。 http://www.clima.uwa.edu.au/

*ヨーロッパ*

– 遺伝子組換え作物のケースバイケースリスク評価への手持ちデーターの効率的利用 
リスク評価は厳しくあるべきである。一方、監査機関バリアが発展途上国で重要な作物に遺伝子工学を応用するのに必要以上に制限しないことや、妨害しないことが不可欠である。効果的な調整意思決定は、承認が求められる国で、当該作物の生物学と生態学に関する公表された情報の有効利用をしなければなりません。またその他の地域で受理された組換え作物に関する調整データーをも考慮するべきである。新しいデーターをとるのは、既存のデーターが十分な確実性で確認されたリスク仮説を保証できない場合に限られるべきである。
スイスのAgroscope Reckenholz-Tanikon Research駅とイギリスのSyngentaの「遺伝子工学による作物の個別的リスク評価に関する既存データーの有効利用」についてスイスのAgroscope Reckenholz-Tanikon 研究所及び英国SyngentaのJ. Romeisとその同僚が、例証としてインドで害虫耐性GMキマメから対象外の生物に対するリスク評価を用いることができるかを記載している。
報告は、Journal of Applied Entomologyに掲載され、以下のサイトから得ることができる。http://www3.interscience.wiley.com/journal/122406516/abstract.


– Bayer CropScienceとPerformance Plants Inc が旱魃耐性ワタについて契約 
CropScience社は、カナダに拠点を置くPerformance Plants Inc.と後者の収量確保技術(YPT)について、排他的なライセンス契約を結んだ。YPT技術は、カノーラで既に圃場試験が終わっている旱魃ストレスの条件での収穫高を保存することに非常に効果的である物である。YPTカノーラは、年の実地試験において最高26%の種収穫高増加を一貫してもたらした。
今回のライセンス契約は、YPT Technologyを使ってtrough tolerant cottonの開発と商業化をカバーするものである。します。Linda Trolinder博士(Bayer CropScience の経営部門であるBioScience の世界全体のワタの研究開発責任者)このPerformance Plantsとの取引関係を歓迎している。特に難しい気象条件でより高い産出高を確実にすることに関して、彼女はPerformance Plantsの革新的なYPTが世界的なワタ市場でさらにCropScience社のリーダーシップを強化に貢献することが期待できるとしている。Performance Plantsの社長、CEOであるPeter Matthewman氏は、「この合意は、我々の品種の商業的な可能性を更に確証するものである。」と言っている。
 詳しくは以下のサイトにプレスリリースがある。http://www.bayercropscience.com/bcsweb/cropprotection.nsf/id/EN_20090901_2?open&l=EN&ccm=500020


–        EUの遺伝子組換え作物に対するゼロ許容の方策は、経済に極めて悪影響を及ぼす 
「遺伝子組換え作物(GMOs)への対応の遅延とその許容度ゼロの方針は、欧州連合の食物供給に悪い影響を与える。」と、月曜日の会議でデンマークの食糧大臣Eva Kjer Hansen氏が言った。デンマークの食糧、農業と水産に関するウェブサイト発表された記事によると、HansenはEU委員会に新しい遺伝子組換え作物承認の速度を上げて、EUの許容度ゼロスタンスに起因している承認されていないGMOsが食品業界起こしている問題を解決するように要請した。
「許容度ゼロ方針の厳正な解釈は、EU全体の食物供給のために深刻な経済影響を及ぼす技術的問題である。」と、Hansenが言った。「我々に原料を輸出する多くの国では、GMO作物の生産高が、大きくしかも増大している。我々がGMOのない原料を輸入しようとすると、これらの国の生産者はますます残留するGMOが彼らの容器の中に輸送初期からないことを保証することが難しいとがわかる。」とも述べた。
更に大臣は、許容度ゼロ方針を支えるための議論は健康関連のものではない点を指摘した。「私は、委員会ができるだけ早く問題の解決することを望む。」と、彼女が言った。
原報告は以下のサイトにある。 http://www.fvm.dk/Default.aspx?ID=18488&PID=169747&NewsID=5742

– 英国スーパーは、遺伝子組換え食品を避けることはほとんどできない 
英国の大きなスーパーマーケットチェーンが政府官僚に遺伝子技術なしで作られた十分な原料が世界市場で得られないと不満を声に出すようになった。「スーパーマーケットは、GM食物の市場参入への道を開く」と表題をつけた報告が英国日刊テレグラフが公表した。ここで、植物油や油脂は既に大部分がGM大豆から出来ていることを明らかにした。入手可能な非GM原料は、すでに、価格上昇につながっている。
しかし卸売業者の英国協会は、食品は、既に英国の消費者がGM食品に対して受容するようになっているにもかかわらず非GM原料を使って製造され続けられている。英国の食品標準局による現在の評価は、2003年以降最も低く、インタビューされる人の4%だけがGM食品について懸念を示したに過ぎない。
詳しい報告は以下のサイトにある。 http://www.gmo-compass.org/eng/news/464.docu.html


– 遺伝子組換え作物は気候及び環境変動を助ける 
デンマーク人は、EUのなかでGM食品について最も精通していると感じている;彼らは遺伝子技術に最も低いリスクにある消費者でもあると認識しているとデンマークの食糧・農業・水産省からの新しいレポートに述べられている。報告は、また遺伝子組換え食品(GMO)が気候変動に対抗する植物を生産する有望な方法であると認めている。GMOsに関連した可能性とリスクの更なる研究にとって、食糧省は、農業(食物)の、そして、気候変動の影響を軽くするために、DKr 6500万をバイオテクノロジーの使用の研究に提供した。
「我々には十分な情報がないので、遺伝子技術を選ばないことは、我々として賢明でない – これらのテクノロジーには、気候と環境に関して我々と向き合っている挑戦に応ずることと同じく十分な食糧供給の問題に貢献できる可能性がある。」と、デンマークの食糧・農業・水産大臣Eva Kjer Hansen夫人が述べた。
レポートの結論は、デンマーク工業連合と協同して食糧・農業・水産省によって組織された会議で提示された。
レポートは以下のサイトにある。http://www.fvm.dk/News_display.aspx?ID=18488&PID=169628&year=2009&NewsID=5754

– CIRAD は、バナナの全遺伝子配列を決定 
途上国の為のフランス農業研究(CIRAD)とEvryのGenoscopeは、年以上にわたるバナナゲノムの600メガベースを解読するための協同生かを最近発表した。バナナは、サハラ以南のアフリカと太平洋の多くの発展途上国の重要な主食のうちの1つである。それはしかしパナマ病(fusariosis)、黒い葉線またはsigatoka(cercosporiosis)、あるいは『バナナBunchy Top Virus』に起因する病気を含む大きな病気によって脅かされている。バナナのゲノム配列は、耐病性、収穫高と栄養特性の品種改良に向けての特徴を確認するのを助ける大きい貢献である。
科学者は、Generation Challenge Programme(GCP)と大きなDNA断片 (BAC libraries), 分子マーカーと遺伝子地図をもつさGlobal Musa Genomics Consortium (GMGC)の支援とさまざまの分子ツールとCIRAD が開発した資源を利用して研究している。完全なシーケンスが次の年以内にインターネットで全く自由に利用できることが望まれている。
プレスリリースは以下のサイトにある。http://www.cirad.fr/en/actualite/communique.php?id=1173

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研究

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–        ゴシポールのないワタ種子の圃場試験は良い結果だった 
種子中により少ないゴシポールを生じる遺伝子組換えワタ品種の圃場試験で、先に行われた実験室及び温室でのこの品種が世界中の何百万もの貧しい人々のタンパク質の重要な源になることができるとの結果を確かめた。ゴシポールは、害虫を防ぐためにワタによって生産される有毒物質である。それ故に長くヒトや動物が利用できなかった。年間世界綿実生産高はおよそ4400万トンあり、その22%がタンパク質であることが示された。
新しい組換えワタ品種が、RNA干渉を使ってテキサスAgriLife Researchで、Keerti Rathore博士と同僚によって開発された。学術的ジャーナルでまだ発表されていないが、Rathore博士は、組換えワタ品種は世代の試験を温室で終了しており、今年は、小規模の圃場試験を行ない同様の結果を得ている。「我々は、植物の葉、花の器官と種を分析した」と、Rathore博士が言った。「ゴシポールと関連した防御化合物の濃度は、芽、葉と花で普通のワタと同様だったが、種ではゴシポールが超低レベルにあった。」とも述べている。
Rathore博士は、ゴシポールのないワタ品種の安定性を確かめるために圃場試験研究を続けると言った。また彼は、この合成物が低濃度の他の品種も試験していると述べている。
原報告は以下のサイトにある。 http://agnews.tamu.edu/showstory.php?id=1399
 Rathore博士のゴシポールのないワタ品種開発に関する原報告は以下のサイトにある。 http://dx.doi.org/10.1073/pnas.0605389103


– ブラシノステロイドは、植物から残存殺虫剤を除くのを助けている
中国の浙江大学の科学者は、作物へのブラシノステロイドの使用が植物が特定の残存農薬を除くのを助けることができると報告した。「ブラシノステロイドは、人間のおよび環境で農薬暴露のリスクを低下させるのにふさわしい有望な、環境にやさしい、天然物質であると考えられる。」と、Jing Quan Yu博士と同僚がJournal of Agricultural Food and Chemistryに発表した。
ブラシノステロイド(BR)は、植物成長と分化で重要な役割を演ずる一群の30個以上のステロイド化合物である。20年前最初に確認されて以来、これらの化合物は、環境ストレスへの応答や、細菌・菌類・ウィルス病原体に対する植物防御にも関係することがわかってきた。
研究者は、キュウリを24-エピブラシノリド(EBR)(1種のBR)で処理し、それから植物をchloropyrifos(CPF)(幅広いスペクトル市販殺虫剤)を含むさまざまの農薬を散布した。EBRは植物でかなり農薬の毒性と残留量を減らしたことを研究者が見出した。EBR処理は、P450モノオキシゲナーゼとグルタチオンS-転移酵素遺伝子のような農薬解毒に関与する遺伝子発現を増加に相関していた。これは、BRがこれらの農薬の代謝系を調整することによって農薬に対する植物の耐性を強化することを示唆している。
この報告は以下のサイトにある。 http://dx.doi.org/10.1021/jf901915a


– 遺伝子組換えエンドウマメはニワトリの病気に対する保護作用がある 
ドイツの研究者がコクシジウム症(チキンの重要な病気でEimeria属の原生動物に起因する)に対して抗体を表す遺伝子が組換えられたエンドウの品種を開発した。このコクシジウムによる下痢症は、世界中で鶏産業に24億米ドルの年間の損失を引き起こしている。無毒性であるか減毒性Eimeria株による予防接種戦略が50年の間通常使われてきた。しかし、寄生虫の大規模な生産は比較的面倒で高価である。家禽に組換え作物に抗体を発言させて飼料として食べさせることは寄生性感染症を予防する費用効果がよいアプローチであると、科学者は、信じている。。
Sergej Kiprijanovと同僚は、鶏の飼料で普通のエンドウを供給したより、寄生虫に抗体を含むエンドウ(飼料に細かく切って混ぜ込む)を食べさせると鶏がコクシジウム症にかなりかからなくなることがわった。プレスリリースでは、Kiprijanov博士は、「直接予防接種の方法と比較して、ここで記述される受動免疫法は、商業的に行いうる簡単で非侵襲性の方法である。生産コストは比較的やすい上に、現在の農業技術を利用できる。しかもこれは他の抗寄生虫剤と一緒に使えるものである。」と述べた。
BMC Biotechnology の公開報告書が以下のサイトにある。 http://www.biomedcentral.com/imedia/2111458107274596_article.pdf?random=454013
詳しい情報は以下のサイトにある。 http://www.biomedcentral.com/bmcbiotechnol/


– ジャガイモの遺伝子の第一段階の解析が発表された 
ジャガイモゲノムの最初のドラフトDNA塩基配列は、Potato Genome Sequencing Consortium(14カ国からの39人の科学者の国際的チーム)からリリースされた。得られた青写真は、ジャガイモ育種に革命を起こすものであると科学者は述べている。ジャガイモゲノムがわかることで、ジャガイモ研究者がジャガイモの収穫高、品質、栄養価と耐病性を向上させる上で大きな助けとなると予想される。
ジャガイモ(トマト、ナスとコショウの近縁作物)は、世界の3番目に重要な作物である。ジャガイモは非常に適応力が大きく、多種多様な気候と地域で栽培できる。少なくとも7000年の間栽培され、アフリカとアジアの多くの地域でも最近重要性を増した。
ジャガイモゲノムは12本の染色体があって、億4000万の塩基対であると推定され、ヒトゲノムのおよそ4分の1のおおきさである。ドラフトシーケンス(95%の全ジャガイモ遺伝子をカバーする)はhttp://www.potatogenome.net/で誰でも利用できる。しかも次の6ヵ月以内に改訂版が出ることになっている。
詳しくは以下のサイトにある。 http://www.potatogenome.net/images/2/2e/PGSC_Press_Release_0909.pdf


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バイオ燃料補遺
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– 代謝工学によるTrichoderma reesei のセルラーゼの増産
http://www.biotechnologyforbiofuels.com/content/pdf/1754-6834-2-19.pdf

Hypocrea jecorina(Trichoderma reesei)は糸状菌類で、酵素セルラーゼを多量に生産することが知られている。セルラーゼは、バイオ燃料エタノール発酵のためにリグノセルロースバイオマスのセルロース分子を単糖に分解するために使われる酵素である。トリコデルマ属が高いセルラーゼを生産することは知られていたが、分子生物学レベルで、さらに多くのセルラーゼ生産をするための改良は行なわれていなかった。セルロース生産と最近のゲノム配列に関する新しい知見をもとにした代謝工学によってセルラーゼ生産能力向上を「狙い撃ちした改良」で行なえるようになった。「代謝工学」は、ある狙った物質の生産を上げる為に細胞内の代謝経路を遺伝的及び生化学的に最適化する技術である。近年では、オーストリアウィーンの工科大学化学工学研究所遺伝子工学・応用生化学研究分野の科学者は、最近、このようなことがトリコデルマ属で行えることを概説した。公開アクセスジャーナル(Biotechnology for Biofuels)の彼らの論文でこのカビのセルラーゼ生産制御と代謝工学をまとめ、代謝工学による狙い撃ちした改良の戦略を概説した。
Genetic and Metabolic Engineering は、以下のサイトにある。http://www.ejbiotechnology.info/content/vol1/issue3/full/3/http://en.wikipedia.org/wiki/Metabolic_engineering
Trichoderma reesei (Hypocrea jecorina) の微生物分類学は以下のサイトにある。 http://www.uniprot.org/taxonomy/51453


– 東南アジアのバイオ燃料市場は上昇する 
http://www.biofuelreview.com/content/view/1985/1/

Biofuels Digestウェブサイトは、東南(SE)アジアのバイオ燃料市場の予想と機会を分析するレポートを溶接した。「東南アジアのBioethanol 市場」と題する報告は、次世代のバイオ燃料のための「生産促進」が地域でおよそ16億米ドルの収益を生み出すと述べている。SEバイオ燃料市場のこの予想される成長の牽引要素は、以下の通りである。(1)最近の工業成長による大きな市場形成、(2)「新加入者の増加」)と(3)「最高の市場位置決めのための激しい競争」。巨大な市場の可能性はバイオエタノールの利益の認識の不足と高いエタノールの混合に起因するかもしれない潜在的問題の解決を改善することを見つける必要性によって少なく見積られていることも報告されている。

– 小規模バイオエネルギー政策: 途上国における有用性のケーススタディ 
ftp://ftp.fao.org/docrep/fao/011/aj991e/aj991e.pdf
http://www.thebioenergysite.com/articles/285/benefits-from-small-scale-bioenergy-initiatives
http://www.thebioenergysite.com/articles/310/ethiopia-ethanol-stoves

バイオ燃料生産とその利用に関する多くの国策は、ほとんどが輸送用燃料の為の大規模生産に関係したものである。しばしば見られたシナリオは、エネルギー作物(大きな栽培地で生産されるか地域の契約栽培農家から得ることになっている。)を処理する大規模バイオ燃料生産施設を想定している。この場合の地域開発への便益は、地域の農民が原料になる作物を耕作し、それを大規模バイオ燃料生産工場に売ることによる付加的収入によるものである。小規模バイオエネルギー施策の焦点は、村落規模でのバイオ燃料生産とその村落での直接利用(料理とか地域での発電など)にあるが、その他に地域における生活の質の向上を目指すこともある。オ国際連合食糧農業機構 (UN-FAO) ときれいなエネルギーのための政策創成システム(Policy Innovation Systems for Clean Energy Security、PISCES)によるレポートは、15の興味あるケーススタディを上げている。そこには、小規模地域バイオエネルギー施策が途上国の小さな集落の生活の質を向上するのを助ける例も含まれている。この施策は持続的に地域の自然、財政、人間性、社会的、物理的な基盤を押し上げることが示されている。レポートも事例研究から学分ことができることを洞察をし、成功事例の成功要因を分析している。これは、小規模バイオエネルギー施策を実施するにあたり、その地域の要素設定に大いに役に立つ読み物でもある。報告に期されている事例には、エチオピアのエタノールストーブ、インドJatropha電化と地方の種族の村のバイオディーゼル揚水ポンププログラムが上げられている。

2009年8月 ニュース

世界

– FAO は世界サミットに向けた新食糧安保構想を提唱
 
アフリカ
– Sahel での除草剤耐性イネのインパクト評価  
– OFABがエジプトで発足 
 
南北アメリカ

– 馬の尾(アカザなどを含む雑草)の遺伝子構造解析完了 
– EnrichTMは穀物への燐の利用を増進する 
– プエルトリコがバイオテクノロジー促進法に署名 
– 甚大な被害を及ぼす “Cruise Sheep ウイルス” ワクチンをタバコで生産

– 究極の旱魃耐性芝生/ Pasture Grass  を創生
 
アジア太平洋

– フィリピンは冠水耐性イネ品種を開放系栽培へ 
– Monsanto と Dowの8形質導入コーンの輸入を日本が同意 
– Malaysian Biotech Corp は、農業バイテクに関するバイオ投資白書を発表  

– アジアの農民がバイオテクノロジーに賛意を表明 
– 霜害耐性穀物品種開発の育種家支援プロジェクト

– 遺伝子組換え作物のオーストラリアでの真の姿を AFAAが述べた 
– 中国での遺伝子組換えイネはどうなっているか? 
– 台湾が更に他の組換えトウモロコシ品種を承認
– 日本とEMBRAPAが旱魃/高温耐性大豆について協力 

 
ヨーロッパ

– ベルギーで遺伝子組換えポプラの試験が開始 
– EFSA は、組換えトウモロコシ MON810 を再評価

-胴枯れ病耐性ジャガイモがもうすぐ出現するか 
– ヨーロッパは医薬生産遺伝子組換え植物の開放系栽培の指針を公表 
-英国では消費者は遺伝子組換え食品をそれほど心配していない


研究

– 遺伝子組換えトウモロコシは線虫を集めて強力なハムシモドキを殺す
– タバコでの組換えタンパク質を増加させる新しい機構
– 代謝制御工学による植物中のビタミン B6 含量の増加 

– ひどい損害をもたらすイモチ病耐性の遺伝子を発見 
– 遺伝子組換え作物からの心臓に優しい油 


バイオ燃料補遺

– セルロース分解能を改良するためのTrichoderma reesei おける交雑の利用
– “ロゼッタ酵素、Rozettazyme”: セルロースからのエタノール生産のための合成セルロソーム 
– “不合格“スイカジュースの飼料または/及びアルコール発酵の窒素補給剤としての利用 
– 固定床発酵用に改良した微生物は、バイオ燃料であるブタノールの生産を改善した

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ニュース

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*世界 *

– FAO は世界サミットに向けた新食糧安保構想を提唱
食糧農業機関(FAO)は、FAOと国連のメンバーの外務、共同開発、農業を担当する大臣にローマで2009年11月に行われた食糧保証に関するサッミト宣言を考慮するようにとの文書を送った。
世界食糧保証サミットの目的と可能な合意決定を定めるのに力を発揮した事務局は、2025までに飢餓の完全解消と2050には92億人になると予想される世界の人々に確実に、十分で安全なしかも栄養も十分な食糧を供給することを提唱に盛り込んでいる。文書で取り上げられている事項は、新しい実効ある世界食糧保証制度、途上国での農業生産への公私の投資の増加、研究組織およびその能力育成の構築、食糧の質と安全性、そして、植物及び動物の害虫や病気の国境を越えた移動管理に関する提案を含むものである。
FAOのプレスリリースは、以下のサイトにある。 http://www.fao.org/news/story/en/item/29219/icode/

*アフリカ *

– Sahel  での除草剤耐性イネのインパクト評価  
サハラ以南のアフリカの農民は、特にセネガル川バレー(SRV)で、除草剤耐性技術を採用できるならば、大幅に利益を得ることがでる。これは、Crop Protectionジャーナルに発表された予想析法の結論である。アフリカのライスセンター(WARDA)のMatty Demont氏と共同研究者とセネガル農業研究所(ISRA)は、SRVへの除草剤耐性イネの総価値は、へクタール当たり€22から €26(36から43米ドル)に相当し、農民は、ヘクタール当たりその内16ユーロ(26米ドル)または3分のを得ることになる。また、農工業は、ヘクタールあたり6から10ユーロ(10乃至17米ドルを得ることになる。研究者は、「助成支給された化学製品と比較的安い除草労賃を利用できるのが農民であることを考えると、農工業の利益は極僅かである」と述べている。
報告は以下のサイトにある。 http://dx.doi.org/10.1016/j.cropro.2009.05.012


– OFABがエジプトで発足 
アフリカ農業バイオ技術公開フォーラム(OFAB)のエジプト部会が、先週、カイロで始まった。OFABは、主要な農業バイオ政策決定者にネットワーク、知識と経験の共有の機会を与え、アフリカの農業に科学と科学技術の利点を導入するに当たっての新しい共同の方策を検討した。政府当局、メディア、科学者と民間の代表が、この開設に出席した。
 Mohamed El Garhy 教授(農業研究センター(ARC)の副所長)は、「バイオテクノロジーは、農業部門の大きな手助けとなる」、そして「バイオテクノロジーの応用がアフリカでの農業分野が直面している各種の挑戦への大きな助けになる」と述べた。Ahmed Bahieldin教授(農業遺伝子工学研究所(AGERI)の所長)は、アフリカの農業分野が直面している最も重要な挑戦と如何にエジプトがそれらを支援できるかについて議論した。彼は統合的戦略の使用を強調し、バイオテクノロジーの使用に高い優先度があるとした。Randy Hautea博士(国際アグリ事業団、ISAAA)の国際コーディネーターは、エジプトと北アフリカでのバイオテクノロジーの情報伝達におけるエジプトバイオ情報センター(EBIC)の役割を強調した。

OFAB-エジプト部会は、アフリカ農業テクノロジー財団とISAAA AfriCenterとの共同協定を通して運営されることになる。
 OFAB立ち上げについての詳細は、 Ismail Abdel Hamid 氏( isamail@isaaa.org.)と連絡を取ってください。


*南北アメリカ *

–  馬の尾(アカザなどを含む雑草)の遺伝子構造解析完了 
馬の尾は、世界中で問題になっているアカザなどの雑草を含むAmaranthus属に属している。馬の尾という雑草の遺伝情報は、イリノイ大学のKeckセンターでpyrosequencing法で最近同定された。この技術は、通常、完了する年以上がかかるゲノム配列に革命をもたらした。Pyrosequencingに使う機器は、並行して小さい反応セルの全てで配列反応を行い、1 7時間半で配列決定が完了する。
馬の尾のゲノム配列はウェブサイトから入手できて、雑草の研究に利用できるとともにそれがどのようにして出現し、栽培植物との相違点、各種近縁及び遠縁の雑草との関連及び除草剤抵抗性出現の考えうる進化とメカニズムの研究に利用できる。
より詳しいプレスリリースは、以下のサイトにあります。 http://www.aces.uiuc.edu/news/stories/news4860.html

– EnrichTMは穀物への燐の利用を増進する 
燐は、植物の通常の発育成長に必須の元素である。自然界では、無機体の燐は、極端なpHレベルでは他のイオンと結合しているため植物が容易に利用できない。Seed Enhancements and Nutrients for Precisionと言う会社が発見したシュードモナスの新しい種は、土壌中の無機体燐を利用できる形態にするものとして農家が利用できるようになった。
 EnrichTMとして市場に出されるバクテリアは、その生き残りのために特に燐を必要とする。これは無機燐を可溶化する有機酸を生産し、そのうえ有機リン酸塩の利用性を強化する酵素を生産する。このようにして、これはそれ自身が必要とする環境を作り、植物が利用できるように土壌中の燐の量を増やす。
 詳しいプレスリリースは、以下のサイトにあります。 http://www.precisionlab.com/itemimages/enrich_release.pdf


– プエルトリコがバイオテクノロジー促進法に署名 
プエルトリコ知事Luis Fortuno氏は、「プエルトリコの農業バイオビジネスの促進及び開発に関する法律した。」。また、プレスリリースでは、Sharon Bomer Lauritsen氏、(食糧及び農業バイオ工業機構(BIO)取締役副社長、以下のようにのべた。「プエルトリコ立法議会とFortuño知事の協同で連邦の農業バイオ研究開発を促進する法律に署名したことは、彼らの複合リーダーシップと先見性を讃える。」
Lauritsen氏は、更に以下のように述べた。「新しい法律は、どの自治体のその地域で統制しようとする試みを先取りするものである。プレルトリコをふくむ16以上の州政府(プエルトリコを含む)が農業バイオテクノロジーを統制しようとする試みを先取りするようしたものである。北アメリカも農民及び我々の加盟会社が異なっている規則と標準の混ざり合いを同じテクノロジーに適用することがないようにしたものである。」
 Bioのプレスリリースは以下のサイトにある。 http://bio.org/news/pressreleases/newsitem.asp?id=2009_0812_02


– 甚大な被害を及ぼす “Cruise Sheep ウイルス” ワクチンをタバコで生産
  H1N1インフルエンザウイルスの最近の発生で、科学者と市民は、ウイルスがどれくらい速く新しくて危険な形に突然変異することができるかを再び思い知らされた。しかし、ワクチンの発見と生産は、そんなに速くなく、まだ高くつくプロセスである。感染症センターとアリゾナ州立大学ワクチン学のCharles Arntzen 氏は、特にノロウイルスまたは「cruise sheep virus」と戦うために、遺伝子工学処理をした植物で、これらに対抗するワクチンを作ることを研究した。「このウイルス病は極めて危険性が高く、病院閉鎖、保育所や年輩者の日中の保養施設の正常な日常業務、ビジネス勤務予定、を破綻せしめるものである。」とArntzen 氏が述べた。
研究チームは、直径25ナノメートル(ノロウイルスと同じサイズ)についてタバコ植物で「ウイルスのような」ナノ粒子をデザインした。小粒子は、ウイルス本来の外側タンパク質だけからなる。これは、 人間の免疫系によって認識されるものであるが、感染性のある物質は全くない。
Arntzen氏は、アメリカ化学会の第238回年会でこのワクチンは12乃至18ヶ月ごとに投与して新しい型のノロウイルスに対抗力を向上できると発表した。Arntzen氏は、植物バイオテクノロジーがノロウイルスとインフルエンザウイルスのように突然変異しやすいウイルスに対抗するのに安価で、より速くワクチンを製造するユニークな方法を提供できると述べた。
詳しくは、以下のサイトのプレスリリースにあります。 http://portal.acs.org/portal/acs/corg/content?_nfpb=true&_pageLabel=PP_ARTICLEMAIN&node_id=222&content_id=CNBP_022762&use_sec=true&sec
_url_var=region1&__uuid=66ff3fde-325e-425a-b5c7-e0db4f1372cb


– 究極の旱魃耐性芝生/ Pasture Grass  を創生
旱魃に非常に耐性であるであるブルーグラス類似の芝生またはpasture grassを育種することは、米国農務省ウッドワード(オクラホマ)の農務省南部平原農業研究所の遺伝学者Jason Goldman氏とその共同研究者のゴールである。これは、小麦と他の一年生作物に代わるものとして南部大平原の多年生の涼しい気候での飼料用牧草を育種する計画の一部でもある。
育種計画はテキサスブルーグラスの高温と旱魃抵抗性をblue grassの新品種を作ることを狙っている。そして、ケンタッキーblue grassの優れた芝特徴と種子生み出すことを狙っている。そのうえ、ハイブリッドは真に確実にしている同一の子孫を実らせるケンタッキーブルーグラスの能力も保持していなければならない。
研究者は、芽のDNAサンプルからブルーグラスハイブリッドであることが確実な9つのDNAプライマーを同定した。これらのマーカー(目印)も、他のblue grassとテキサスブルーグラスの子孫を追跡するのに使える望ましい形質か好ましくない形質かを検討するための目印とすることで望ましいか好ましくない形質との関連性を見るのにも利用できる。
詳しいことは以下のサイトのプレスリリースにあります。: http://www.ars.usda.gov/is/pr/2009/090817.htm


*南北アメリカ *

– フィリピンは冠水耐性イネ品種を開放系栽培へ 
フィリピンの種子工業会議(NSIC)は、国で最初の洪水耐性のイネ新品種は異邦利用を承認した。NSIC Rc194(別名Submarino 1)は、インドの品種(FR13A)から国際イネ研究所研究所(IRRI)とカリフォルニア大学-デイビスによって発見された冠水耐性遺伝子を導入したIR64である。
新しいイネ品種(従来法で育種開発された)は、しばしば台風に見舞われる国の農民にとってよい知らせである。Submarino 1には、IR64と同じ収穫高(およそ4.5t/ha)であるが、10日間完全に冠水されても成長熟・結実できる。
フィリピンライス研究所(PhilRice)は、Submarino 1を広めており、育種家向けの種子に0.3 haを、この雨季(2009年度)のための種子に0.5 haを割り当てた。今年の2009の雨期(WS)は、実を結びます。フィリピンライス研究所は、2010年の雨季向けの商業栽培用の種子を農民に分けられるようにすると言っている。
詳細は以下のサイトにある。 http://www.philrice.gov.ph/index.php?option=com_content&task=view&id=877&Itemid=1

– Monsanto と Dowの8形質導入コーンの輸入を日本が同意 
モンサント社とダウAgroSciencesは、新しい形質(害虫耐性、除草剤耐性)遺伝子組換えコーンであるSmartStaxの輸入の完全な承認を日本政府から受けたと発表した。SmartStax は、以前に米国の環境保護局とカナダの食品管理局(Food Inspection Agency、CFIA)から、認可承認を受けている。プレスリリースでは、モンサントとダウは、「SmartStaxコーンの食物、飼料と環境への安全性について、個々に検査を受け、日本で政府機関承認を得た。」と言った。
SmartStax(モンサントとダウとの2007年の共同開発製品)は、地上及び地下の両方の害虫に対する抵抗性を減らすリスクを大きく減少させる形質を取り込んでいるとされる。両社は、来年400万エーカー以上の組換えコーンを市場に出す予定である。
プレスリリースは、以下のサイトにある。 http://www.dowagro.com/newsroom/corporatenews/2009/20090731a.htm

– Malaysian Biotech Corp は、農業バイテクに関するバイオ投資白書を発表  
農業は、製造とサービス部門に次ぐマレーシアの成長ための第3のエンジンである。それは、バイオテクノロジーがこの部門の価値創成を変革し、強化するためのツールとして国家バイオテクノロジー施策(NBP)の下の最初の起爆剤としての重要性を認められたものである。NBPの施策公表以来、主に科学、技術、及び革新省とマレーシアのバイオテクノロジー社(BiotechCorp)によって、この施策を実現するために政府が様々の努力を行ってきている。
これらの努力への最新の追加事項は、農業部門に関する包括的な情報をまとめて白書アである。これで世界と地域でのシナリオの概要が示された。本白書は、潜在的投資家と協力者のために農業バイオテクノロジー部門に関連したいろいろな面に関する直接の情報を提供するものである。ここにまとめられた領域は、作物、天産物、家畜、海産物及び農業である。白書は、この領域の鍵となる成功要因、ビジネスチャンスと研究開発に関することを論じている。
より詳しい内容は以下のサイトにある。 http://www.biotechcorp.com.my またはマレーシアバイオ情報センターのMahaletchumy Arujanan氏(maha@bic.org.my)に連絡を取ってください。

–  アジアの農民がバイオテクノロジーに賛意を表明 
アジアの農民は、世界中のバイオテク作物を栽培している1300万人の農民に代わって現代のバイオテクノロジーがどのように彼らの生活を変え、その農地のよりよい管理の助けになっているかを話した。つのアジア諸国からのバイテク農民が、植物科学工業会社を代表するCropLife Internationalの地域支部のCropLife Asiaによって開催されたフィリピンでのパン-アジア農民交流会議2009に集まった。そして、農民は、食物、飼料、燃料と繊維保証の世界的な挑戦における遺伝子組換え作物の優位性を農業バイテクの専門家からの説明を受けた。
「農民は、BtとGM技術の最大の受益者である」と、Saturnina Halos博士(農務省のバイオテクノロジー顧問のチームの議長)が言った。農民交流プログラムは、Quirino州の高地の遺伝子組換えコーン農場の視察で終わった。「私は、私の仲間の農民に、GMが人類にとって非常に重要であるので、遺伝子組換え作物の善悪についてを伝えたます。」と、Supat Cherdsang氏(タイからの農民リーダー)が言った。
フィリピンの農業バイテクについての最新情報は、以下のサイトある。http://www.bic.searca.org または以下のサイトにメールで問い合わせ下さい。bic@agri.searca.org.


– 霜害耐性穀物品種開発の育種家支援プロジェクト
オーストラリアは農業・食糧省は、アデレード大学とクイーンズランド州一次産業及び漁業省とオーストラリアの小麦と大麦に対する霜害のインパクト調査の4年計画を協同で実施している。2008年度の霜害は、オーストラリアの穀物栽培者にとって約1億900万ドル(USD 9100万)であった。Grains 研究開発社に資金援助を受けたプロジェクトに関与する科学者は、この調査結果が霜害に抵抗性のある高収量・地域適性のある品種を育種するのに役に立つものと望んでいる。
このプロジェクトは、9品種の大麦と3品種の小麦がこの地域での霜害に対する状況とその遺伝的特性の関係を調べている。「穀物への傷害はいつでも起こるが、月から9月までまたは不稔の結果穂と茎への傷害が最も大きなものである。」と、Ben Biddulph氏(研究リーダー)が言った。「異なる霜による具体的な傷害の範囲がどのようなメカニズムのよるかを理解することが、植物育種家がよりよい霜害耐性品種開発することにつながる」とも言った。
プレスリリースは、以下のサイトにある。http://www.agric.wa.gov.au/PC_93530.html?s=1001

– 遺伝子組換え作物のオーストラリアでの真の姿を AFAAが述べた 
一般市民は、反対する組織化された運動ではなく、遺伝子組換えの科学を良く知るべきである。「すべての遺伝子技術研究とその成果としての製品は、人間の健康と環境安全性を確かめるために、オーストラリアでは非常に厳重に管理されている。一部の人々がこれらの製品を避けるほうを選ぶかもしれないが、彼らは他の人がそれを選択するのを妨害しなければならいのでしょうか?」とPaula Fitzgerald氏(専務取締役、Agrifood Awareness Australia)は、質問している。
「ご都合主義的に無理解と歪曲感をもった遺伝子組換え作物反対運動家は科学を無視している。GM作物の安全性に疑いを起こし、オーストラリアの食物供給の安全性に疑問を投げかけているのはまさに無責任である」と、Fitzgerald氏が言った。オーストラリアのパースはGrains West Expo 2009のサイトで、テクノロジーに関するさまざまの見解を理解することを狙っている。
詳しい情報を得るには以下のサイトにメールして下さい。 AntheaSolomon@afaa.com.au


– 中国での遺伝子組換えイネはどうなっているか? 
遺伝子組換え(GM)米は、すぐに中国の食事の一部になるだろう。「中国は組換えイネの研究に取り組んで、その商業化を強く考慮している」と、農業省担当副大臣のNiu Dun氏が言った。Cao Mengliang氏(中国国立ハイブリッドイネ研究開発センターの分子イネ研究者)と機軸を同じにするもので、同氏は以下のように加えた。「テクノロジーの安全性に関する研究は、完了した。市場にそれを出すべきかどうかに関する議論が、現在最終段階にある。現在、安全証明書が商業化前に必要な最後の事柄である。」
中国日報によると、中国の農業政策センターはGM米が農薬使用を80パーセント削減し、産出高がおよそ6パーセント増加するとのことだ。中国は、現在およそ億トンの米を生産し、2020年までに16億に増大することになっている人口では、6億3000万トンの米が必要である。
全報告は、以下のサイトにあります。 http://www.chinadaily.com.cn/china/2009-08/25/content_8611098.htm

–  台湾が更に他の組換えコーン品種を承認 
台湾の保健省は、国に輸入のためにSyngentaの4形質積み重ねた組換えトウモロコシ製品の輸入を承認。この最近の承認で、DOHは全体で11の形質積重ねトウモロコシ製品の輸入を承認したことになり、これには方法、3方法回、4方法1回の形質積重ね品種も含まれる。米国穀物会議のポートによると、積重ねた品種の最近の承認は、「疑う余地なく米国トウモロコシの輸入をなめらかにする助けとなる。」と述べた。
台湾は、2009年月(昨年と比較して20パーセントの増加)に、423,955メートルトンのトウモロコシを輸入しました。
原報告は以下のサイトにある。 http://www.grains.org/news-events/1871-approval-of-biotech-events-in-taiwan-creates-opportunity-for-us-corn

– 日本とEMBRAPAが旱魃/高温耐性大豆について協力
日本国際農業科学研究センター(JIRCAS)、国際協力事業団(JICA)と日本科学技術事業団(JST)からなる日本政府代表は、のための日本インターナショナルリサーチセンターの日本の政府代表者は、LondrinaのEmbrapa Soja(ブラジル農業研究社と協議をして、旱魃と高温に耐性のある大豆品種の開発プロジェクトに関して詳細を打つあわせることとしている。年計画のプロジェクトに関する議論は、各々の研究活動に対する責任、科学的交換の計画等に関するもので両者が覚書に署名した。
  日本政府による支援は、EMBRAPAがその研究室を改良するためのものである。更にEMPRABA Sojaの研究者であるAlexandre Nepomuceno氏は、「この技術協力プロジェクトで利用できる資源で、圃場試験の実施を拡大できる、またバイオ安全性と旱魃や高温のような環境ストレスに耐性のある大豆の商業品種開発に向けての新しい組換え技術の利用戦略に関する研究の開始が可能になる」と述べた。

ポルトガル語の報告は以下のサイトにある。http://www.cnpso.embrapa.br/noticia/ver_noticia.php?cod_noticia=572

*ヨーロッパ*

–  ベルギーで遺伝子組換えポプラの試験が開始 
遺伝子組換え作物実地試験のベルギーでの禁止は、現在終わっている。フランダースバイオテクノロジー研究所(VIB)は、より少ないリグニンとより多くのセルロースを生産する遺伝子組換えポプラを制御され、管理された開放系栽培のベルギー連邦政府からの承認を得た。それは、2002年以降この国での最初の実地試験である。
ヨーロッパBiotech Newsのレポートによると、実地試験の許可を取得するために、VIBは州(ベルギーの最高裁判所)の会議に行かなければならなかった。2008年月に、それがベルギーのバイオ安全性顧問会議とフランダース地域の環境担当大臣から承認を受け取った後でさえ、VIBの試験申請は拒否されていたものである。
リグニンは、植物に構造的強さと病原体と害虫の予防手段となっている。しかし、リグニンをエネルギーの豊富なセルロースから切り離すことは、時間がかかり、経費もかかる。リグニンの含量を変えた組換え植物は、より安くてより緑の方法でエタノールを作る鍵でありえる。VIB研究者がテストしているポプラの木は、グラムあたり20パーセントより少ないリグニンと17パーセントのセルロースを含む。温室の試験では、遺伝子組換えポプラは従来の品種より50パーセント多くのエタノールを生産することが分かった。
原報告は、以下のサイトにある。 http://www.eurobiotechnews.eu/service/start-page/top-news/?no_cache=1&tx_ttnews%5Btt_news%5D=10354&tx_ttnews%5BbackPid%5D=12&cHash=55358c4963


– EFSA は、組換えトウモロコシ MON810 を再評価
ヨーロッパ食品安全局(EFSA)は、欧州連合で遺伝子組換え(GM)トウモロコシMON810の既存の認可を再承認の申請に関してその科学的な評価をするために2009年9月にこれらに関して決定権をもつ人々を集めている。
市民協会からの先のコメントに応えて、EFSAは以下のような点を示した。

  • GMOパネルは、関連事項に適切な化学的な研究を行ったと確信している。
  • GMOパネルは研究を軽く見たり無視したりせず、 MON810の栽培が対象外の生物である蝶や他の昆虫に副作用を及ぼす可能性は極めて低いと結論した。
  • MON810に存在するか理論的に発見される可能性のある全てのタンパク質を検討し、パネルは、安全性の懸念はないとした。

全文は以下のサイトにある。http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902771813.htm

-胴枯れ病耐性ジャガイモがもうすぐ出現するか? 
150年以上も前にアイルランドで破壊的脅威を起こした胴枯れ病菌Phytopthora infestansは、現在でも世界中のジャガイモ栽培者の脅威である。この病原菌は、栽培者に病原体は毎年栽培者に30億ポンド(50億米ドル)の費用を生産減と科学薬剤のために浪費させている。近年では、英国のDundee大学の研究者は、ワーウィックHRIとアバディーン大学と共同研究を行って、ジャガイモ胴枯れ病をおさえるために新しい戦略の開発で役に立つ重要な病原性遺伝子を特定したと報告した。
Paul Birch氏をリーダーとする科学者は、宿主の防御を抑制する病原菌によって分泌される効果のあるタンパク質を指令している500以上の遺伝子を同定した。そして、これらのタンパク質の中に、同氏らはRXLRという遺伝子群を発見し、これらは、病原菌が宿主に病原体タンパク質を導入する為に必要であることを発見した。「我々は、RXLRの発見に心を躍らせている。これが宿主の内部にタンパク質を導入して植物の防御機構を見つけるためのきっかけになるからである」とPaul Birch氏が述べた。研究者は、彼らの発見が多種多様な植物病(ジャガイモ胴枯れ病だけでない)をおさえる方法の開発につながると期待している。
より詳しくは以下のサイトにある。 http://www.bbsrc.ac.uk/media/releases/2009/090810_potato_blight_looks_promising_food_security.html


– ヨーロッパは医薬生産遺伝子組換え植物の開放系栽培の指針を公表 
ヨーロッパのFood Safety局(EFSA)は、医薬または産業酵素を生産する遺伝子組換え作物の栽培のために最初のヨーロッパのガイドラインを公表した。ガイドラインに従って、申請者は遺伝子組換え植物とその非トランスジェニック対応する植物の違いとこれらの違いが植物の機能と成長に及ぼす影響を特定する必要がある。EFSAは、比較分析が重要であり、特に「人間、家畜と野生動物による意図しない摂取、組換え作物を扱う農民や労働者の取り扱い中の暴露、また周辺に住んでいる人々の露顕」に関しての比較分析が重要であると言っている。
ガイドラインではまた申請者は、環境に組換え作物が漏出することを防ぐ方策を詳述する必要があるとしている。安定して生物活性物質を生産する植物に関しては、申請者は組換え植物が草食されることや潅漑や廃水を通して漏出することを防ぐか、減らす方策を考案する必要がある。申請者は、最悪のシナリオを含むすべての環境状況の下での封じ込め評価のデーターを提供する必要がある。
EFSAは、組換え植物を栽培するにあたっての「リスク」を考慮するだけである。ヨーロッパ医薬局(EMEA)は、植物が生産する物質の安全を評価することを担当することになる。
Nature誌に公表された報告によると、米国食品医薬品局(FDA)と米国農務省(USDA)が設定した規則をこの指針は「馴染むようにした」ものである。  

ガイドラインは以下のサイトから、 http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902783659.htm 、またNature誌の購読者は以下のサイトから詳報を入手できる。 http://www.nature.com/news/2009/090807/full/news.2009.630.html


– 英国では消費者は遺伝子組換え食品をそれほど心配していない
英国食品標準局(FSA)の年4回の諸費者調査によるとほんの21パーセントが食品の組換え作物由来の成分を安全問題にかかわるもと考えているに過ぎない。これは、この調査の直前の結果と比較して、かなり低い。そのうえ、懸念の問題を確認するよう求められてはじめて、インタビューされる人のわずか4パーセントが組換え食品問題をとりあげた。食中毒と食品の脂肪、塩と砂糖の量が回答者の一番上の安全問題だった。これに続いて、33%が食品価格をそして添加物の使用と農薬の残存を食品安全の関心事としてあげた。
報告は以下のサイトにある。 http://www.food.gov.uk/multimedia/pdfs/fsatrackersurvey.pdf


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研究

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– 遺伝子組換えトウモロコシは線虫を集めて強力なハムシモドキを殺す
スイスのthe University of Neuchâtelの研究者は、揮発性の化学物質を出して線虫を集め恐れられている西洋ハムシモドキの幼虫に抵抗性遺伝子を組換えたトウモロコシを開発した。これは、格言に言われる「敵の敵は、友人だ」に当たる。
草食性昆虫に攻撃されると植物は多数の揮発性の化学物質を発する。これらの化学物質は、様々の機能を持っている。その中には、天敵の引きつける力、または科学者が「間接的な防御」と呼ぶものが含まれる。ハムシモドキに攻撃されたトウモロコシは、たとえば、線虫を引きつけるために、(E)-β-カリオフィレン(EβC)を発する。しかし、研究者は数十年にわたる育種の研究後、大部分の北アメリカトウモロコシの品種は、もはやセスキテルペンを発生しなくなり、有益な線虫を引きつける能力を失った。
マックスプランク化学生態学研究所から共同研究者とNeuchâtelの研究者は、オレガノからEβC-シンターゼ遺伝子を取り出し、通常この化合物を発しないトウモロコシ品種に導入した。遺伝子組換えトウモロコシの実地試験は、University of MissouriのコロンブスにあるBradford研究所で行われた。ミズーリのブラッドフォードResearch大学で行われました、そして、ハムシモドキに荒らされている区域で線虫を放出したところ遺伝子組換え体は有意に根の障害が少なくなり、非組換え体よりも60%少ない西洋ハムシモドキ(Diabrotica )成虫が出てきた。
「殺虫剤を使う代わりに、ハムシモドキの幼虫の天敵の使用は、ずっと環境にやさしかった」と、この研究プロジェクトに参加したJörg Degenhardt 氏が述べた。研究者は、商業的に生存可能な品種を開発することができなかったが、遺伝生物学的に害虫抵抗性を強化することが可能であることを示した。
PNASに出版された報告は、以下のサイトにあります。http://dx.doi.org/10.1073_pnas.0906365106更に詳しい情報は既に発表されている人々とは以下のサイトで連絡してください。
http://www.ice.mpg.de/news/prelease/Pressem_Degenhardt2009_en.pdf

 
–   タバコでの組換えタンパク質を増加させる新しい機構
組換え型タンパク質の過剰発現は、植物で望みの表現型を得る戦略のうちの1つである。エラスチン様ポリペプチド(ELP’s)は合成バイオ高分子で、融合ポリペプチドは植物で様々の組換え型タンパク質の蓄積を強化することが示された。ロンドンのAgriculture and Agri-Food CanadaのRita Menassaと同僚は、緑色蛍光タンパク質(GFP)に融和するELPタグを開発して、タバコ細胞の細胞質、葉緑体、アポプラストと細胞質網状構造(ER)で組換え型タンパク質蓄積を増やす際の有用性とその機構の研究を試験した。
 その結果ERがエラスチン様ポリペプチドを蓄えて、かなり組換え型融合タンパク質蓄積を強化した唯一の細胞小器官であることが分かった。そのうえ、新型のタンパク質体が、ERで異種組換え型タンパク質が分解するのを保護する役割を果たすとわかった。これらのタンパク質体は、植物の種子で自然に見つかるプロラミンに基づくタンパク質体に、サイズと形態学が良く似ている。哺乳類の由来のELP-GFP融合タンパク質は、過剰発現の際に植物細胞でこれらのタンパク質体によって保護されているようである。
 詳細は、以下のサイトにある要旨と短報を見てください。l http://www.biomedcentral.com/1741-7007/7/48/abstract



– 代謝制御工学による植物中のビタミン B6 含量の増加 
ビタミンB6は、水溶性ビタミンで3つの形態:ピリドキシン、ピリドキサールとピリドキサミンをとる。B複合体は、重要な生化学反応を引き起こしている多くの酵素の補因子の働く。自分でビタミンB6を合成することができるバクテリアと植物と対照的に、動物はその食事からビタミンを摂取する必要がある。特に高齢層では、ビタミンB6欠乏は、認識機能障害、アルツハイマー病、心血管疾患と様々のガンに関与している。それゆえに、栄養価値改善のために植物中のビタミンB6濃度を上昇させることは、科学者の興味を惹いている。
米国Donald Danforth Plant Science Centerからの研究者は、Plant Biotechnology Journalに代謝工学的にシロイヌナズナの種子中のビタミンB6含量を増やすことが可能であると報告した。遺伝子PDX1とPDX2の過剰発現は、シロイヌナズナでその非組換え対応品種と比較して組換え体では種子で倍多いビタミンB6を蓄えるに至った。Hao Chen とLiming Xiongは、その発見、特に種子が食物や飼料の主体のもので貴重な発見であると報告した。
報告は以下のサイトにある。 http://dx.doi.org/10.1111/j.1467-7652.2009.00433.x


ひどい損害をもたらすイモチ病耐性の遺伝子を発見 日本の科学者が恐ろしいイモチ病に抵抗性を示す遺伝子を特定した。この遺伝子を高収量のイネ品集に導入することで数百万人の食糧を確保できる。

世界的問題
 米は、世界の半分以上の人口を支えている。それは、小麦の次に、世界で番目に広く栽培されている。この作物は、2008年に1億5500万ヘクタール以上に植え付けられた。アジアのおよそ25億人は、大部分はインド、中国、インドネシアとバングラデシュのような発展途上国いる人々は、米とその製品から70%以上のカロリー摂取をしている。そのうえ、アジア(アフリカとアメリカ)の10億以上の家庭は、生計の主なところを米に依存している。 

世界的な米生産は、しかし、多数の難問に直面している。国連食糧農業機関(FAO)によると、病気、害虫と雑草は、30パーセント以上の歩留低下の要因である。イモチ病は、イネで最も重くて広範囲にわたる病気のうちの1つである。真菌Magnaporthe oryzaeに起因し、この病気は田全域に及ぶものである。大部分のイネ栽培品種は、イネイモチ病にかかりやすい。
日本では、福岡修一博士(農業生物資源研究所)によると、200,000トンも、毎年この病気で収穫を失っている。

変容する標的
 Magnaporthe oryzaeは、易しい標的ではない。多数の研究者は、イモチ病に対して抵抗性を示す遺伝子を特定した。しかし、病原体はこれらの抵抗性遺伝子に対して容易に抵抗性を獲得する。その上、これらの遺伝子を備えている米栽培品種は、通常農学的にその農業特性が劣っている。 
 近年では、福岡修一氏をリーダーとする日本の研究者は、イモチ病に対しいてより長続きする抵抗性を示す新しい遺伝子を特定した。遺伝子(pi21)は、重金属結合領域と推定のタンパク質-タンパク質インタラクションをもつと推定されるモティーフのあるプロリンの多いタンパク質をコードしている。それは、日本で長い間日本で栽培されてきたイモチ病抵抗性品種の質的形質部位(QTL)にまで遡ることができる。しかしこの品種は、量が良くないので人気がない。

報告は以下のサイトで続いて読んで下さい。 http://www.isaaa.org/kc/cropbiotechupdate/researchfeatures/default.html#
Novel_Gene_Promises_Durable_Resistance_Against_the_Dreaded_Rice_Blast.htm


– 遺伝子組換え作物からの心臓に優しい油
オメガ-3脂肪酸が豊富な食事が心血管疾患のリスクを減少させることは、多くの調査で示されている。これらの脂肪酸の摂取がメタボリックシンドロームやシンドロームXの徴候を減らすことが示されている。オメガ-3脂肪酸の主な食事の源、特にエイコサペンタエン酸とドコサヘキサエン酸の源は、油の多い魚(例えばいわし、サバとサケなど)である。
Rothamsted Researchと英国のヨーク大学の研究者は、組換えシロイヌナズナや亜麻の種子でオメガ-3脂肪酸を大量に蓄積するように品種を開発した。遺伝子導入植物は、サクラソウ(Primula vialii)からのΔ6-デサチュラーゼ(ステアリド酸の生合成経路の中の重要な酵素)をコードする遺伝子を発現させてある。研究者は、組換え亜麻は、「トリアシルグリセロールの13.4%がステアリド酸であると報告した。この濃度は、唯一の自然な商業植物源(Echium spp.)または組換え大豆油にあるのと同じである」と報告した。
ステアリド酸増量亜麻仁油には優れた健康に有益な特性があると研究者が述べた。Echiumと組換え大豆からの油とは異なり、これにはγ-リノレン酸(心臓の健康保持に良くないと考えられている脂肪酸)が存在しない。しかもオメガ-3/オメガ-6比率が高い特徴がある。
Plant Biotechnology Journal の報告は以下のサイトにある。 http://dx.doi.org/10.1111/j.1467-7652.2009.00436.x



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バイオ燃料補遺
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– セルロース分解能を改良するためのTrichoderma reesei  おける交雑の利用
(以下のサイトにある報告を見るには、購読料が必要です。)
http://www.pnas.org/content/93/15/7755.full.pdf+html?sid=d31224eb-f7dc-4c73-8ad3-4e0d4bc9c224
http://www.livescience.com/environment/090810-ideas-fungus-biodiesel.html
http://www.thebioenergysite.com/news/4319/scientists-force-fungus-to-breed-to-create-biofuel

真菌、Trichoderma reeseiは、大量のセルラーゼ酵素(セルロースエタノール生産のために一般に使われる酵素)を生産するその能力のために、長く認められてきた。セルラーゼ生産のさらにより高いレベルのためにTrichoderma reeseiを改善することの困難さは、この菌が無性生殖をするためとの認識である。「Trichoderma reeseiが無性生殖をするとの仮定中で、この真菌を改善するためには、その遺伝子に変異を与えるには、放射線または化学薬品の量を変える技術に限られていた。」、これは、しかし、ランダムで測できない突然変異を引き起こすだけだった。これに対して、有性生殖微生物は、遺伝物質の交換や混合ができるので遺伝的な改質がやりやすいと報告されている。ウィーン工業大学(オーストリア)からの科学者はTrichoderma reeseiが真菌のもう一つの種Hypocrea jecorinaと遺伝的に同一である証拠を見つけた。しかもそれが有性生殖ができることを見つけた。つの微生物の主要な違いは、「Hypocrea jecorinaは雄と雌の役割をできるのに、Trichoderma reeseiは雄の役割しか出来ない」。つまりTrichoderma reeseiが有性生殖できる可能性を示した。科学者は、この発見が有性生殖能のあるTrichoderma株を用いることでより安くてより良いセルラーゼを作り更にこれを用いてバイオ燃料を作るより費用対効果がよい方法開発へとにつながる期待している。この研究の詳細は、米国科学アカデミー紀要(PNAS)(上記のURL)に発表されている。


-“ロゼッタ酵素、Rozettazyme”: セルロースからのエタノール生産のための合成セルロソーム 
http://biofuelsdigest.com/blog2/2009/08/04/nasa-researchers-assemble-rosettazyme-synthetic-cellusome-potentially-increasing-cellulosic-conversion-efficiency/
http://www.sciencedirect.com/science/journal/01681656

リグノセルロースバイオマスからのバイオ燃料エタノールの生産において、セルロース分子は、酵素で単糖に分解される(「加水分解される」か、「糖化される」)、続いて酵素によってエタノールに変換される。バイオマス抵抗体とはリグノセルロースバイオマスのセルロース分子の酵素分解に対する抵抗性を示すものを指し、しばしばセルロースからのエタノール生産技術の商業化において主なるボトルネックになっている。セルロソームの利用は、このバイオマス抵抗体を狙った試みをする一つの研究領域である。 分子生物物理学センターウェブサイトでは、セルロソームは「嫌気性菌によって生産される大きな細胞外酵素複合体で、容易に糖類に分解できる細胞壁多糖類(例えばセルロース、ヘミセルロースとペクチン)である」と定義される。「構造的には、セルロソームは、「足場タンパク質」のまわりにいろいろな酵素が配置され形である。近年では、科学者の国際的チームは、セルロソームについているセルラーゼ酵素は、遊離した酵素よりも分解活性が高いと報告している。彼らは、設計した多酵素構造体を 
「rosettazymes」とよんでいる。彼らの研究の詳細は、J. Biotechnologyに発表される。(上記のURL)」
セルロソームに関連するものは、以下のサイトにある。http://cmb.ornl.gov/research/cellulosome/cellulosome-design-for-cellulosic-ethanol


– “不合格“スイカジュースの飼料または/及びアルコール発酵の窒素補給剤としての利用 
http://www.sciencedaily.com/releases/2009/08/090826073546.htm
http://www.biotechnologyforbiofuels.com/content/2/1/18
(上記サイトには全報告のpdf版が収載されている。)

アメリカ合衆国農務省Agricultural Research Service(USDA-ARS)の南部中央研究所の研究者が、「不合格品」スイカジュースがアルコール発酵の直接原料または、窒素補助剤として使えることを発見した。廃棄されるスイカジュースがエタノール生産の原料となる可能性を示す経済シナリオが示された。年間のスイカ収穫のおよそ20%は、「不合格品」(表面の傷や形の悪さ)となる。リコピンとL-シトルリン(健康のための付加価値「機能性食品」)は「不合格品」スイカジュースから抽出できる可能性がある。その量は、およそ加工される「不合格」スイカのトンあたり500リットルになる。スイカジュースは、発酵できる糖を約7%―10%と15~35マイクロモル/Lの遊離アミノ酸を含むと言われている。糖含有量はエタノール発酵のための良い糖原となり、またアミノ酸含有量からエタノール発酵の良い窒素補助剤となる。研究者は、残留アミノ酸を含むリコピンのないスイカジュースが「そのまま唯一の原料として、または、希釈剤、貯蔵補助剤とグラニュー糖または糖蜜への窒素補足として発酵性の原料となる。」こと見出した。「スイカジュースを希釈剤、補足的な栄養剤、と窒素源として用いることで、pH3糖濃度25%(w/v)まで加工した砂糖または糖蜜を完全に発酵できた(g砂糖につき0.36~0.41gのエタノールへの転換)またpH 5では、g砂糖につき0.41~0.46gのエタノール生産、または最高35%(w/v)
の糖濃度まで完全発酵を行った。」

完全な報告は、誰もが利用できるジャーナルウェブサイト(バイオ燃料のためのバイオテクノロジー、上記URL )で入手でる。。

– 固定床発酵用に改良した微生物は、バイオ燃料であるブタノールの生産を改善した
http://aiche.confex.com/aiche/2009/webprogrampreliminary/Paper162963.html
http://researchnews.osu.edu/archive/butanol.htm
http://www.greencarcongress.com/2009/08/yang-20090820.html

ブタノールは四炭素アルコールです。そして、それはその対応する二炭素物(エタノール)より良いバイオ燃料と考えられる。それは、通常、農業原料を使ってABE(アセトン-ブタノール-エタノール)発酵をClostridiaで生産している。ブタノールのより良いバイオ燃料としての特徴(エタノールと比較して)は、(1)より高いエネルギー密度、()より高い疎水性(既存の燃料輸送パイプで水が入らない。;また、より腐食性がなく、より高い濃度でガソリンと混合できる)。しかし、発酵生産微生物へのブタノールの毒性のために、ブタノール生産の商業化におけるバリアは、その低い生産量、低い生産性と低い生産濃度である。低い生産濃度は、ブタノールを発酵ブロスから分離するためのコストを押し上げることになる。オハイオ州立大学からの科学者は、繊維性ベッドバイオリアクター(FBB)で一つの連続的経路での発酵するブタノール生産性と最終生産濃度を改善しようとした。彼らは繊維性ベッドバイオリアクター(FBB)でClostridium beijerinckiiの非胞子形成変異体株を固定して、さらなるブタノール生産を(培地組成と発酵管理に関して)を最適化した。科学者も、「FBBベースの最適化と変異株利用を合わせて、より高いブタノール耐性の方へ向かわせて[ブタノール]生産の高いClostridium beijerinckii株のより急速な造成を行えると言及している。

作物バイオ最新情報 2009年7月

 
世界
– これからの食糧及びエネルギー需要増の速度は農業生産を超えるものと予想 
– G8 国は農業生産を促進する為に 200億米ドルを投入 
– CGIARにおけるバイオテクノロジー研究 
 

アフリカ
– アフリカにおける組換え作物の役割 
– エチオピア議会がバイオセイフティ法を承認 
– タンザニアの農家によると組換え作物の収量増がリスクをはるかに上回重要なものである
 
南北アメリカ
– 米国では組換え作物の導入速度が急になった. 
– メキシコは時代遅れのバイオテクノロジー規制を廃棄 

– ダウ、モンサントは、米国とカナダから SmartStaxの承認を受けた 
 
アジア太平洋
– NAASがインド農業の現況を公表 
-マーカーなしの組換えキャッサバ
– インドのPTTCが組換え作物を守ることになった 
– 中国政府は、報道機関と組換え作物の利点について議論 
– パキスタンでのBtワタ栽培が来年から公式に開始 
– ASFARNETとフイリピンは農業バイオテクノロジーを支援すると宣言 
 
ヨーロッパ

– EUの最先端科学機構が組換えトウモロコシの安全性を再確認  
– ドイツ議会は恒久的組換えトウモロコシ禁止に反対票決した 
– 組換えテンサイの地球環境への効果 
– ドイツの組換えトウモロコシの禁止はその基盤を失ったと科学者が明言 
– 最近の研究成果によると有機食品が従来食品にくらべ健康によいことはない

 
研究
– 微生物の侵襲を防ぐタンパク質を発見 
– ドイツの科学者がウイルス耐性ワイン用ブドウの研究を開始  

– 多様な除草剤が雑草の薬剤耐性獲得を防止 
– 鉄不足に対応できる組換えイネの開発 
– トマトをより甘くするにはある遺伝子の発現を止めることで可能 

 
バイオ燃料補遺
– EU は、再生可能なエネルギー促進計画を導入 
– バイオディーゼルの食糧、エネルギー、環境のトリレンマに関する世論調査を実施
– アジアにとっての持続的バイオ燃料の選択の余地 
 
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ニュース
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*世界 *
 
– これからの食糧及びエネルギー需要増の速度は農業生産を超えるものと予想 
世界のカロリーニーズが次の40年で50パーセント急上昇することになっていることから、世界的な農業に関する計画と投資は、これからきわめて重要になるとの報告が世界の指導的投資銀行の一つであるドイツ銀行がウイスコンシン大学マヂソン校のネルソン環境研究所との共同でレポートされた。レポートでは「米国及びヨーロッパでの農業研究と技術開発は、過去10年間に大きく進歩したが、その進展は世界規模での生産増に未だ繋がっていない。」としている。
論文の共著者であり、ネルソン研究所の研究員であるDavid Zaks氏は、「第一に、我々は産出高を改善しなければならない。」そして、「次に環境問題も考慮して農業により多くの土地を持ち込むこと、そして農業技術に注目することが必要である。」と語った。レポートの著者は、持続可能な方向で世界的な農業生産を増やすために、いくつかの戦略を以下に占めるように提案した。

  • 潅漑、土地の肥沃化、と技術的見地からの農業器材で改善
  • 教育と後方支援を通して新技術をフルに活用できるように「農民能力」向上への投資
  • 森林破壊のない耕作面積の拡大
  • 遺伝子組換えを含む新しい技術の策定

 
原報告は以下のサイトで読める。 http://www.news.wisc.edu/16856 報告の全文を以下のサイトからダウンロードできる。http://www.dbcca.com/dbcca/EN/_media/Investing_in_Agriculture_June_25_2009.pdf
 
– G8 国は農業生産を促進する為に 200億米ドルを投入 
世界の主要な経済からのリーダーは、次の3年にわたり200億米ドルを超える支援を決めた、特にアフリカで、発展途上国が飢えと戦う方法として農業生産を押し上げるのを援助すると誓いました。G8リーダーは、イタリアのL’Aquilaで会って、彼らがより食糧援助に集中しないで、それよりも農民に種子、肥料、他の農業関連のものを支援することでより多くて、より良い作物を生産できるように支援を提供するとした。
Barack Obama米大統領は、3年のプログラムに35億米ドルを提供するとした。「我々は、この援助それ自体を最終目的として見ていない。」と、Obama大統領が言い、更に「我々は、援助の目的はそれがもはや必要でない状況をつくることでなければならないと思っています。」と言った。
共同声明で、G8リーダーは「他の国が首尾一貫したアプローチを通して世界的な食糧安全保障に向けて共通の努力に参加することを呼びかけた。」と述べた。またさらに「農業のために資源を増やして、投資効果を改善することを目指した官民の共同の活動を支援する。」ことも述べた。
国連食糧農業機関(FAO)は、「貧困と飢餓に対応する政策転換を進める。」ことを歓迎した。」FAO会長ジャックは、G8のリーダーが長官がその誓約を具体的な行動に効果的に変換するという確信を表明した。
共同声明は、以下のサイトにある。 http://www.g8italia2009.it/static/G8_Allegato/LAquila_Joint_Statement_on_Global_Food_Security%5b1%5d,0.pdf
より詳しい情報はhttp://www.america.gov/st/peacesec-english/2009/July/20090710112456dmslahrellek0.8607294.htmlhttp://www.fao.org/news/story/en/item/24457/icode/ にある。
 
– CGIARにおけるバイオテクノロジー研究 
CGIAR(貧しい人々のために科学の成果を移転する会員、支援者と15の国際的な農業研究センターの戦略的な同盟)は、「現代のバイオテクノロジーを含むすべての利用できる知識とテクノロジーを利用して、安全で有益な農業産物を開発して、公開すること。」に専念する。これは、CGIARのBiotechnology Researchに公表した記事、AgBioForumでの総論のハルコオオクス(CGIAR学術審議会事務局)の結論である。
オオクスは、最新号と農業と食糧安全保障の変化の記事の中で、CGIARの研究機会に大きな変化があったとしている。記事は、CGIARセンターズで行われた現在の生物工学関連の活動の概要を提供している。それも、CGIARの役割(s)が発展途上国の必要に応じる農業研究を実施するためにバイオテクノロジーを安全で責任が重い使う自由を確実にする際に何が必要かを示唆している。
全報告は、以下のサイトにある。 http://www.agbioforum.org/v12n1/v12n1a07-okusu.htm
 
*アフリカ *
 
– アフリカにおける組換え作物の役割 
アフリカ農業技術財団のDr. Daniel Matarukaの著作「アフリカにおける遺伝子組換え作物の役割」が最近バイテク情報評議会のウェブサイトに収載された。記事は、何百万もの貧しい人々のためになった組換え作物の世界的な作付面積の増加にハイライトをあてた。彼も、ヨーロッパの植民地としての繋がり影響されてきたアフリカ諸国の反GMスタンスについてコメントしている。彼は、GM技術には降雨パターン、長い旱魃期間と先例のない洪水と収穫後に害虫によってもたらされる問題に対処できるものであると強調している。これらの挑戦について述べるために、アフリカのアフリカ農業技術財団は、以下の要項を含むアフリカで農業生産性を強化するいくつかの公私の共同事業を開始した。

  • 0.3から2.5kg/haに収量を増やす可能性があるさや穴をあける害虫(Maruca)に抵抗性をもったBtササゲ
  • アフリカでの穏やかな旱魃のもとで約30%増の収量を上げられる
  • 低い土壌窒素のもとで窒素利用効率がよく生産性の良いイネ
  • 病気が100%近い収穫損失をもたらしている東アフリカ五大湖地域の細菌性萎縮病に抵抗性のあるバナナ

短報は以下のサイトにある。 http://www.whybiotech.com/?p=915#more-915
 
– エチオピア議会がバイオセイフティ法を承認 
エチオピアレビユー誌によるとエチオピア議会は、新しいバイオ政府ティー法を可決した。法律(連邦環境保護局、Federal Environmental Protection Authority(FEPA)によって立案された)には、「人間と動物の健康及び生物多様性を保護することを目的とするいろいろな規則」を含めてある。Teweldeberhan Gebregziabhere氏(FEPA局長)は、この法律は、「地域の特徴を盛り込んだ国際生物学的安全法に基づいたものである。」と述べている。
新しい法律によれば、FEPAはここで国のBiosafety Clearing Houseを確立したことになる。新しい法律は、遺伝子組換え食品の輸送、輸入と生産をFEPAからの同意書面によって行えるようにするものである。
原報は以下のサイトにある。 http://www.ethiopianreview.com/articles/13826
 
– タンザニアの農家によると組換え作物の収量増は、リスクをはるかに上回る重要なものである
国際熱帯農業研究所(IITA)研究所とリーズ大学によって行われた調査によるとタンザニアの農民は、組換え作物のリスクを心配するよりもその生産性の高さにより大きな関心をよせている。例証として病気耐性カッサバを使って、研究者は遺伝子組換え作物への地元の農民の理解と対応を評価したところ、農民は、組換え作物の収量、生育パターン、害虫耐性と耐病性を重要な性質と認識している。
研究者は、また小規模の農民の遺伝子組換え作物の認識と基本的な理解のレベルが非常に低いことを見出した。彼らは、タンザニアでの遺伝子組換え作物の認識を上げることの障害として、スワヒリ語に関連した用語がないことであることを見出した。Caroline Herron氏(IITAの研究者)は、「科学界が正確で客観的な情報を提供することによって農民の認識レベルを上げることが重要で、その結果、彼らが実際に農業を行う上で、遺伝子組換え作物の可能性についての情報を受け、それに基づいて自主的な決定をすることができるようになる。」と述べた。
原報は、以下のサイトにある。 http://www.cgiar.org/newsroom/releases/news.asp?idnews=908
 

*南北アメリカ *
 
–        米国では組換え作物の導入速度が急になった. 
米国の組換え作物の導入に関する農務省の経済研究サービスの報告によると農民が1996年以降広くテクノロジーを採用している。遺伝子組換え除草剤耐性大豆とワタを筆頭に、害虫耐性ワタとコーンがそれに続く選択でした。
様々の組換え作物に関するデーターは、以下のサイトにある。 http://www.ers.usda.gov/Data/BiotechCrops/#2008-7-2.
 
– メキシコは時代遅れのバイオテクノロジー規制を廃棄 
メキシコの農業、家畜、地域開発、漁業、と食品省事務局は、輸入、国内輸送、組換え作物の実地試験の確立に関する植物衛生要件を示した時代遅れのバイテク規制法(NOM-056-FITO-1995)の破棄を発表した。この規制法の重要な特徴は、組換え作物を環境に放出するための植物衛生要件の許可書を得るために必要であった。またこの規則は、これらの物質が州の間で移動する際にメキシコ中央植物健常局に通知することが必須と記載されていた。の動きがプラントHealthのメキシコのオフィス将軍に通知を必要とすると述べました。規則の破棄は、2009年6月23日に実施された。
事務局は、NOM-056が最新の遺伝子組換え生物に関するバイオセイフティー法が制定されたので必要がないと述べた。
米国農務省海外農業サービス局 (FAS) の報告は、以下のサイトにある。 http://gain.fas.usda.gov/Recent%20GAIN%20Publications/Mexico%20Cancels%20Outdated%20Biotech%20Regulation_Mexico_Mexico_6-23-2009.pdf
 
– ダウ、モンサントは、米国とカナダから SmartStaxの承認を受けた 
世界の初めての8個の遺伝子を積み重ねたトウモロコシ、SmartStax、がカナダの食品査察局(CFIA)と米環境保護局(EPA)から承認をうけて2010年の商業化へと進むことになった。SmartStax(モンサント社とダウケミカル社との2007の共同開発品で害虫制御と地上及び地下の害虫の両方のリスクを軽減するものである。つまりオオタバコガの幼虫、アワノメイガ、南西部アワノメイガ、砂糖茎食い虫とアメリカ産行列毛虫ヨトウガの一種の防除のために、ダウのHerculex 1とモンサントのVTプロとを結合したものである。土壌中の害虫からの保護のために、西部、北部とメキシコのハムシモドキの幼虫防除をダウのHerculexでモンサントのYield Guard VTの組合で達成した。  
これらのトウモロコシ品種は、RoundupとLibertyLink除草剤に耐性である。
プレスリリースは、以下のサイトにある。http://monsanto.mediaroom.com/index.php?s=43&item=729
 
 
* アジア太平洋 * 
 
–        NAASがインド農業の現況を公表 
インドの国立農業科学アカデミー(National Academy Agricultural Sciences(NAAS)は、インドの農業状況に関する最初の一連の年報を出版した。NAAS開設の式典で連邦農業大臣Sharad Pawar氏は、緊急の注意を必要とする農業と重要且つ急を要する領域の様々の分野についての状況を説明した。「インドの農業の現況に関する報告は、時宜を得たものであり、政策立案者に現状分析と勧告を与えるものであり、国民に栄養上の保証をあたえるものになる。」と述べた。
出版物は、インドの農業の全体的な状態とこの60年間に農業の達成状況を吹くものである。本書は、以下の6章に分けられている。:農業部門、天然資源、農地へ投資とその管理、農業での生物安全性、方針と機関と農業研究準備)。
NAAS出版物に関する問い合わせは以下のサイトに行ってください。
naas@vsnl.com またはhttps://outlook.irri.org/exchweb/bin/redir.asp?URL=http://www.icar.org.in/news/STATE_OF_INDIAN_AGRICULTURE_04_06_09.htm また、インドのバイテクの進展に関する更なる情報については以下のサイトに問い合わせください。b.choudhary@cgiar.org 及び k.gaur@cgiar.org
 
 -マーカーなしの組換えキャッサバ
タイ・バンコクのMahidol University・理学部・生物化学工学科の科学者がマーカーなしの組換えキャッサバの作製に成功した。広く栽培されているキャッサバ品種“KU%50”を形質転換できるipt-型多重自動形質転換ベクター系(MAT)の効率がはじめて試された。この系は、組換え体の視覚的選択に用いる形態マーカーとしてisopentenyltransferase (ipt)遺伝子を利用するものである。2つの異なるipt-type MAT ベクターを使ってKU52キャッサバの形質転換を行ったところ形質転換効率は19-21%であった。この試験はキャッサバにおけるiptマーカー遺伝子の切り出しを促進してマーカーなしの組換え体を速く作出する最初のRint/RS システムの最初のものである。
このシステムの高効率性によって交雑と種子生産という高価で、時間のかかるプロセスを経ることなしに形質転換の繰り返しによる遺伝子導入を容易に行える。マーカーのない、環境的に安全な、遺伝子組換えキッサバクローンの造成は、組換え技術を食物と食料品以外の産業で用いることについての一般の懸念をも和らげることになる。
より詳しい情報は、バイオ情報センターサイトに(以下に)ある。http://www.safetybio.agri.kps.ku.ac.th/index.php?option=com_content&task=view&id=5688&Itemid=47.
 
– インドのPTTCが組換え作物を守ることになった 
遺伝子組換え科学とそのテクノロジーを農業成長の必要を満たすために、その製品を利用する必要がある。これは、遺伝子組換え作物に関する応用研究の場(the Platform for Translational Research on Transgenic Crops(PTTC))、即ち半不毛熱帯地方為の国際作物研究所(ICRISAT)とインドの生物工学部の間の共同のイニシアティブによるものである。「PTTCは関連した機関の共同の参加を通して潜在的新しい遺伝子工学オプションを評価して、農業生産性を強化することに集中する。」と、Kiran Sharma博士(ICRISAT主任科学者)が述べた。
PTTCはインドのために必要性の高い作物に取り組んでおり、また研究、トレーニングと援助活動のための基本的な基盤形成のための場所である。既存の実験的な専門知識、器材と各々の分野の能力による一連の専門のサテライトセンターが設立された。PTTCは「遺伝子組換え研究開発(材料と情報の交換)において国家で、地域で、国際的なつながりと協同を強化して、トレーニング、協議とテクノロジーの商業化を支援する施設として機能するといえる。」。
PTTC総合ビルディン具は、2010年に完成する最初の基盤で、ICRISATに現在建設されている。
詳しい情報は、 Dr. Kiran Sharma の以下のサイトにある。k.sharma@cgiar.org.
 
– 中国政府は、報道機関と組換え作物の利点について議論 
「遺伝子組換え作物は、生産者か消費者のためになるか?」、これが、北京のPangu 7スターホテルで2009年7月9日に行われた農業へのバイテク応用を把握する為の国際的サービスつとして中国バイオ情報センターと中国バイオテクノロジー学会が共催してメディアワークショップで行われたコミュニケーション実務家の主なる課題であった。貿易と一般及び経営に関係する20人以上のジャーナリストがワークショップに出席しました。「バイオテクノロジーの応用の将来像と農業の持続的発展」は、一般市民/企業と鍵となるメディアの関係の構築とその強化して、良い情報環境を創造しようとするものである。
Zhu Zhen教授(CSBT副会長、ChinaBICの専門家会議のメンバー)が、ワークショップを主催した。Lin Min教授(中国農業科学アカデミーバイオテクノロジー研究所所長)は、中国のバイオテクノロジー研究成果とその応用に関する見通しを提示した。「バイオテクノロジーは、従来のテクノロジーを補完する重要なものである。バイオテクノロジーの工業化に当たっての発展の過程を阻害することはあってはならない。」と協調した。Mike Frank氏(モンサント社副社長、中国領域モンサントの社長)は、海外でのバイオテクノロジー進歩についてのメディアに関してまとめを要約して述べた。講演者は、第一世代の組換え作物は直接的に生産者に利益を与えたが、一方、次世代組換え作物が消費者にも大きくためになると言うことで意見が一致した。

 
中国の農業バイオ工業についての情報はISAAA中国バイテク情報センター(ISAAA ChinaBic )のZhang Hongxiang 教授に以下のサイトで連絡を取って下さい。zhanghx@mail.las.ac.cn
 
 
– パキスタンでのBtワタ栽培が来年から公式に開始 
モハンマドファルークサイードカーン氏(連邦繊維工業担当大臣)によると、パキスタンは来年公式にBtワタの耕作を始める用意を整えた。「この決定はワタの生産を増やすだけでなく、地方の貧困をなくするための役割を演ずることになる。」Khan氏が繊維工業省主催の会議で演説した。パキスタンの農民は、今年自分の手でBt綿を植え付け始めたことになる。
パキスタンは、米国、そして近隣の中国とインドに次いで世界で4番目に大きな綿の生産者である。トップ3カ国は、すべての組換えワタ生産者である。「インドはBtワタに変わってからその産出高を二倍にした。」と、Khan氏が述べた。「しかし、我々はBtワタの可能性に役立ててこなかった。」とも述べた。また、同氏は、Btワタの耕作が女性労働者を国の主流にすることによって社会経済状態によい影響を及ぼすとも述べた。
詳しい情報は、以下のサイトにあります。http://www.pabic.com.pk/15%20July,%202009%20Bt%20cotton%20cultivation%20to.html
 
 
– ASFARNETとフイリピンは農業バイオテクノロジーを支援すると宣言
アジア農民ネットワーク(ASFARNET) – フィリピンは、バイオテクノロジーの食物、飼料と繊維に対する利用を支持する適切な宣言を行った。ネットワークのメンバーと職員は、フィリピン・ラグナ・ロスバニョスで昨年7月22~23日に開かれたその設立会及びとバイオテクノロジーワークショップにおいて宣言に署名した。宣言では、バイオテクノロジーが農業生産問題を減少させる解決策を提供し、組換え作物とその製品についてその食品、試料、環境の安全性をそれらが商業化される前に徹底的に調査されている。従ってこれらは消費及び栽培に当たって安全であると述べられている。このネットワークは、新技術とその製品の導入には「農民の選択」を支援・支持するものである。即ち、様々の領域からの指導策を構築する際のバイオテクノロジーを良く認識することに関与すること及び農業バイオテクノロジーに関して科学者と農民の議論を続けることにある。
3つの主な島(ルソン、ビサヤス、とミンダナオ)からの代表的な農民が遺伝子組換えコーンを彼ら自身の農場に植える最初の経験を共にすることになった。彼ら全員は、この技術から得られるプラスの効果を共有して、さらにこの技術の利点を他の農民と共有すべきと考えた。
2003年に考えられていたように、ASFARNET-フィリピンは、国の農民リーダーと15の地域からの重要な政策決定者から構成されている。ASFARNET-フィリピンの大部分のメンバーは、2003年以降遺伝子組換えコーンを導入し、この技術の使用を活発に主唱している。およそ100,000人の小規模のフィリピンの農民は、2008年に組換えコーンを350,000ヘクタール以上に栽培した。

 
フィリピンにおける農業バイオテクノロジーに関する更新情報については以下のサイトを見るか、 http://www.bic.searca.org 以下のサイトにメールしてください。 bic@agri.searca.org
本件に関する情報については、以下のサイトのインドバイオ情報センターDewi Suryani 氏にメールして下さい。 dewisuryani@biotrop.org.
 
*ヨーロッパ*
 
– EUの最先端科学機構が組換えトウモロコシの安全性を再確認  
ヨーロッパ食品安全局(EFSA)(EUの最高の食物監視者)のGMO パネルは害虫耐性トウモロコシMON810(EUのブロック内で唯一商業栽培が承認されている組換えコーン)の継続的なマーケティングのための安全性と認可更新に当たって新しい科学的な意見を出した。EFSAによると、組換えコーンは「人間及び動物の健康に対する潜在的影響は、その対応する従来の物と同じく安全である。」GMOパネルもそれに注目した。そして、「組換えコーンMON810品種が、その意図した利用の中で適切に利用されるなら環境に悪影響を及ぼすとは考えられない。特に適切な管理方法が採用されて、対象外のLepidopteraへの暴露を軽くするように行われるならば、環境に悪影響を与えるとは考えにくい。」としている。
その科学的な意見を述べるにあたり、EFSAはモンサント(組換えコーンの開発者)によって提供された情報を考慮したものは以下の通りである。EUメンバー国によって提出された科学的なコメント、スペイン管理局とそのバイオセイフティ委員会の報告、そして、Cry1Abタンパク質の対象外の節足動物(例えばミツバチ、水性の昆虫とテントウムシ)対する研究を含む科学雑誌に出ている情報である。
全報告書は、以下のサイトにあります。 http://www.efsa.europa.eu/cs/BlobServer/Scientific_Opinion/gmo_op_ej1149_maizeMON810_finalopinion_en.pdf?ssbinary=true
科学的意見の要旨は、以下のサイトにあります。 http://www.efsa.europa.eu/cs/BlobServer/Scientific_Opinion/gmo_op_ej1149_maizeMON810_finalopinion_summary_en.pdf?ssbinary=true
 
– ドイツ議会は恒久的組換えトウモロコシ禁止に反対表決した 
ヨーロッパのBiotech Newsのレポートによると、ドイツ議会(ドイツ連邦議会)の大多数の議員は、遺伝子組換えコーンMON810の欧州連合の再認可に反対する緑の党の動議を否決した。大多数の議員はまた組換えコーンの永久的な禁止案またドイツにおける組換え凍結に対しても反対をした。MON810(モンサント社によって開発され田害虫耐性コーン品種)は、EUの27-国圏の全域で栽培が承認される唯一の組換え作物である。一方、いくつかのEU諸国(オーストリア、ドイツ、フランス、ギリシャ、ルクセンブルクとハンガリーを含む)は、MON810の栽培を停止している。
原報告は、以下のサイトにあります。
http://www.eurobiotechnews.eu/service/start-page/top-news/?no_cache=1&tx_ttnews%5Btt_news%5D=10268&tx_ttnews%5BbackPid%5D=12&cHash=1716e7d4e0

–        組換えテンサイの地球環境への効果 
世界的な砂糖部門は、組換えテンサイから農民と消費者に生じているかなりの利益を、そしてそれよりも少ないが組換え育種家及び種子供給者にも利益を得ることができることによる。しかし、米国だけが現在このテクノロジーを許容しているだけであるため、残りの世界では組換え作物から利益を得ることができない。AgbioForumに収載しているルーベンのKatholieke大学のKoen Dillenと Eric Tollensの両氏による「EU の変わり行くテンサイ政策による組換えテンサイによる世界的福祉効果」の記事に組換えテンサイがEUで商業化されるならば得られる効果が述べられている。
Dillen and Tollensの両氏は、組換えHTテンサイの1996~2014年間の理論的な世界的な価値が154億ユーロであると推定している。その利益のうち、29%はEU農民、その他の世界の農民と消費者は、31%、そして種子供給者が39%を占めると推定している。
全論文は以下のサイトにあります。http://www.agbioforum.org/v12n1/v12n1a11-dillen.htm

– ドイツの組換えトウモロコシの禁止はその基盤を失ったと科学者が明言 

生物安全性に関する(ZKBS)国の中心委員会によると、遺伝子組換え害虫耐性コーンMON810の栽培のドイツでの現在の禁止は、「科学的根拠がない。」と結論した。ドイツ農業省は、この4月、害虫耐性コーンの潜在的環境影響に関して新しい証拠を提示した。特に対象外の節足動物、甲殻類と軟体動物に対するMON810に関する悪影響を記載した6つの科学論文を取り上げた。これらの研究論文は、ドイツでの組換えコーンの禁止の基になっているもので、これらがZKBSによって分析された。
「すべての入手できる科学的な知見と予防の原則に従って考慮したが、MON810の栽培が環境にいかなるリスクも提示することはない。」と、ZKBSは、研究報告を精細に調べた後に結論しました。GMOでのレポートによると、中心委員会(ZKBS)は、「実験設計の欠陥」または「科学的な内容の質的問題」を見出したとしている。
同様の結論が、Joseph Fourier大学、パリ-Sud 11大学とフランスの国立農業研究所(INRA)の研究者によって研究報告を分析した後に示された。Agnes Ricrochと共同研究者は、Transgenic Researchに収載された報告で、ドイツにおける組換え作物の禁止は、「不完全な参考文献リストで基づいて、広く認められた個別的なアプローチを無視し、そして、リスク査定において潜在的危険と証明されたリスクを混同している。」と結論した。
より詳細の情報は以下のサイトにあります。 http://www.gmo-compass.org/eng/news/455.docu.htmlhttp://dx.doi.org/10.1007/s11248-009-9297-5

– 最近の研究成果によると有機食品が従来食品にくらべ健康によいことはない

消費者は、有機栽培食物の効果があると記載されている健康と栄養的な利点により高い料金を払っている。世界的な有機食品市場は、2007年に470億米ドルの市場があると推定された。しかし、国際的な調査(米国の臨床栄養学雑誌、American Journal of Clinical Nutritionに発表)によると、栄養の少しの違いの証拠も従来法と有機栽培の食物の間に栄養的な違いがないことが明らかになった。Alan Dangour 氏に率いられた衛生学及び熱帯医学に関するロンドン学校からの研究者によると「有機食品の栄養成分に関する科学論文に関するこれまでにない体系的な精査を行った。つまり、過去50年にわたるPubMed, Web of Science, とCAB Abstractsにある関連論文を精査した。」結論である。
重要な栄養分(マグネシウム、カリウム、カルシウムと亜鉛を含む)を有機栽培と従来法栽培のもので同じであることを見出した。しかし、彼らは伝統栽培法によるものには明らかに高い窒素含有量であり、有機栽培のものは、リンがより高い濃度を含むことを見出した。Dangour氏は、これらの違いが栽培方法(例えば肥料の使い方や週各自の熟度など)によるもので、公衆衛生学的な意義はないと述べた。この研究は、英国食品標準局(UK Food Standard Agency)の資金を受けて、その依頼によって実施したものである。
報告は以下のサイトにあります。 http://www.ajcn.org/cgi/content/abstract/ajcn.2009.28041v1 更に詳しい情報は、以下のサイトにあります。http://www.lshtm.ac.uk/news/2009/organicfood.html
 
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研究
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– 微生物の侵襲を防ぐタンパク質を発見 
デンマークのコペンハーゲン大学、カリフォルニア(UC)デイビス大学とカリフォルニア大バークレー校の研究者は、植物にバクテリアが侵入することを感知して、その生育を遮ることを可能にする生化学的に重要な役割を演ずる一群のタンパク質を同定した。動物と違って、植物はいろいろな微生物にさらされても免疫を高まらない。その代わりに、植物は特定の細胞と遺伝的プログラムによって微生物侵入とそれに関連した病気から守るシステムをもっている。現在まで、科学者は1つのタンパク質(RIN4)を同定し、これが植物防御システム作動させることができると発見した。
Gitta Coaker氏と共同研究者は、 RIN4を研究している間に、RIN4と植物細胞内で協同してはたらく6つのこれまで性質の分かっていなかったタンパク質を同定することができた。そのうちの1つのタンパク質(AHA1と呼ばれる)を詳しく研究して、シロイヌナズナの中で免疫反応をする鍵であるkとを発見した。
AHA1は、小孔(stroma)と呼ばれている孔の開閉を制御していることを発見した。この小孔は、葉から水とガスの出入りを行わせるものである。またこれは、細菌など侵入する微生物の通り道でもある。
原報告は、以下のサイトにある。http://www.news.ucdavis.edu/search/news_detail.lasso?id=9149
  PLoS Biology に収載の論文は以下のサイトにある。http://dx.doi.org/10.1371/journal.pbio.1000139
 
– ドイツの科学者がウイルス耐性ワイン用ブドウの研究を開始  
  Grapevine fanleafウイルス(GFLV)は、ワイン用ブドウ生産者の大きな問題である。ウイルスは、歪んで黄ばんだ葉となり、より小さなブドウになる特徴がある恐れれたfanleaaf病を引き起こす。そして、歩留まりの低下に繋がり、そして、極端な場合は収穫がなくなる。フラウンホーファー分子生物学研究所とアーヘンの応用生態学 IMEの研究者は、ドイツで現在ウイルスに抵抗する遺伝子組換えブドウの種類を開発している。つまり、植物に抗体を生産するように変えている。
研究はまだ初期であるが、抗体遺伝子を導入して、モデル植物で発現させている。最初の成績は、修飾された植物がウイルスに最高100パーセント抵抗することを示した。「抗体は、植物の中に非常に効果的に生産されます」と、Steffan Schillberg氏(研究のリーダー)が述べている。「次のステップ課題は、実際のワイン用ブドウで試験し、さらに実地圃場試験を行うことである。」と述べている。
更なる情報は、以下のサイトにあります。http://www.fraunhofer.de/
 
– 多様な除草剤が雑草の薬剤耐性獲得を防止 
異なる除草剤適用戦略を立てることは高価になるかもしれませんが、Purdue大学の研究者によると、このような方法がグリフォセート耐性雑草の割合や密度を大きく減少できることを示した。よく知られている除草剤であるラウンドアップの主成分であるグリフォセートは、不必要な雑草を抑制しておくことに効果的である。ラウンドアップの過剰な使用法は、除草剤に対して耐性を示す雑草の出現につながる。
Bill Johnson氏と共同研究者は、スギナモまたはヒメムカシヨモギ(グリフォセートに対する抵抗が高くなった最初の雑草)について研究した。Bill Johnson氏の調査で、植え付けの前にラウンドアップに加えていろいろな除草剤を使うこと、及びコーンでラウンドアップと他の除草剤を交互に使うことで除草剤耐性スギナモをかなり減らすことができることを明らかにした。彼らの研究は、Weed Scienceの最新号に収載されている。
Bill Johnson氏は以下のように述べた。「グリフォセート耐性スギナモは、圃場で非常に速く出てきた。耐性が最初に見つけられてから2年以内でその密度は、驚異的なレベルに達している… [これは]グリフォセートにのみに依存している雑草管理システムが壊れ始めていることを示している。しかし、グリフォセートに他の除草剤を取り入れるシステムでこれからの相当な期間持続利用可能と言える。」
現報告は、以下のサイトにある。http://news.uns.purdue.edu/x/2009b/090713JohnsonManagement.html

–        鉄不足に対応できる組換えイネの開発 
チューリッヒのスイス連邦工科大学(ETH)の研究者は、精米で6倍多くの鉄を含むイネを開発した。特に米が主なカロリー源であるアジアの発展途上国とアフリカで鉄含量の高い米は、鉄欠乏症と戦う際に重要であることがわかる。世界保健機構によると、20億人以上または世界の人口のほぼ30パーセントは鉄欠乏症に罹っている。鉄の欠乏の結果は、貧血症、精神的な発展遅延と免疫系不全に悩まされることになる。
鉄含量の高いイネは、ニコチンアミン合成酵素(鉄の移動に関与)とタンパク質フェリチン(鉄の貯蔵に関与)に相当する2つの遺伝子を発現する。研究者によると、これらのタンパク質の相乗作用の結果、イネが土からより多くの鉄を吸収して、それを米の実に保存させる。イネは自然に多くの鉄を保持するが、種皮だけにおいてのことである。熱帯または亜熱帯の国では、しかし、種皮は保管のために取り除かれなければならない。
「開花が早めになる以外、鉄含量の高いイネ品種の農学上の特性として収量の変化や農学的特徴に変化はない。」と、Wilhelm Gruissem氏(ETHチューリッヒ生物学部の科学者と共同研究者)は、Plant Biotechnology Journalに報告を公表した。
原報告は以下のサイトにあります。 http://www.ethlife.ethz.ch/archive_articles/090717_Eisen_Reis_MM/index_EN
報告の全文は以下のサイトからのニュースを購読することで得られる。 http://dx.doi.org/10.1111/j.1467-7652.2009.00430.x
 
– トマトをより甘くするにはある遺伝子の発現を止めることで可能 
オーストラリアのニューカースル大学と中国科学アカデミーの研究者は、収量が多く、果実品質がよく、貯蔵日数が長くできるトマトの遺伝子を同定する上で大きな進展を図った。遺伝子(INVINH1)は植物の各部に届けられる糖の量を制御する役割をする。そこで、もしもその発現を阻害できるなら、より多くの糖(ブドウ糖とフルクトース)を種子と果実を含む植物の特定の部分に運ぶことが可能になる。
INVINH1は、インベルターゼ(ブドウ糖とフルクトースに蔗糖を分解する触媒作用をする酵素)の活性を阻害するタンパク質をコードしている。ブドウ糖とフルクトースがエネルギー生成のための重要なシグナル分子であるとともに必須な分子であるのでインベルターゼは、植物の分化と生物的及び非生物的ストレス応答において要の役割を果たしている。   
研究者はトマトでRNA干渉を通してINVINH1の発現を止めることがアブシジン酸によって誘発された老齢を妨げることによって、葉の寿命を長くさせ、そして、蔗糖の分解を高く維持することで果実重量の増大と果実での糖のレベルを高くすると結論した。
Plant Cell に発表された論文を以下のサイトから入手できる。 http://dx.doi.org/10.1105/tpc.108.063719
 
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バイオ燃料補遺
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– EU は、再生可能なエネルギー促進計画を導入 
http://ec.europa.eu/energy/renewables/doc/nreap__adoptedversion__30_june_en.pdf
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/09/1055&format=HTML
http://www.thebioenergysite.com/news/4018/template-for-national-renewable-energy-action-plans

国立再生可能なエネルギー獲得プラン(Renewable Energy Action Plan、NREAP)の案が欧州委員会によって最近発表された。その案の設立には、再生可能なエネルギー法案が必要である。この案は、EUのメンバー国が2020の再生可能エネルギー目標(すなわち再生可能エネルギーの利用が各々の加盟国のエネルギー全体の20%とする。)を達成するための長期再生可能エネルギー獲得計画のためのアウトラインを示したものである。NREAP案は、「行政手続、計画目標、情報とトレーニング、エネルギー基盤開発とこれらを支援する機構、対応の柔軟性などを含む達成可能な国家政策の策定」を行うことを加盟国に要求したものである。この案は、NREAPsの完全遂行を確実にし、そのうえお互いの対比を明確にすることになっている。この案は上記のURL、Europa webサイトから入手できます。
 
– バイオディーゼルの食糧、エネルギー、環境のトリレンマに関する世論調査を実施
http://www.sciencemag.org/cgi/content/summary/325/5938/270
(上記のサイトは、全文を入手するには費用がかかります。)
http://www.greencarcongress.com/2009/07/tilman-20090719.html#more
http://www.sciencedaily.com/releases/2009/07/090716141219.htm

Science誌(上のURL)の7月号の最近の記事にミネソタ大学、プリンストン大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)とカリフォルニア大学バークレー校から米国の科学者の主要なグループによって、「有益なバイオ燃料」の分析とまとめを特集している。この議論は、一年間わたる長い対話と議論をこれらの米国のバイオ燃料の専門家と行ったもののまとめである。バイオ燃料資源は食物と土地資源とを競合する可能性があるので適切な計画とその実施には「多様な有益性」につながる必要がある。バイオ燃料の資源を選ぶには、エネルギー安全保障、温室効果ガス排出、生物多様性と食糧供給の持続性の上で最もプラスの影響を与えるものが鍵となる。多くの「次世代」バイオ燃料資源は低い「ライフサイクル性」がある。そして、これらの資源は食物との競合を最小限にする必要がある。まとめは、以下の再生可能なバイオマス資源に焦点を当てたものになった。(1)農業利用が出来なくなった環境に育つ多年性植物、(2)作物の残渣、(3)木材や森林からの残余物、(4)収穫を二倍することと混合作付け、(5)都市及び工業廃棄物。
 
– アジアにとっての持続的バイオ燃料の選択の余地 
http://www.cleanenergyasia.net/upload/resources/file/file_511.pdf
http://www.earthtimes.org/articles/show/273727,crisis-cuts-viability-of-large-scale-biofuels-production-in-asia.html

米国国際開発局(USAID)の政策要旨によると、現在の世界的な景気の失速は、アジアでの大規模なバイオ燃料生産の可能性を脅かすものである。この地域の現在のバイオ燃料生産設備は、最大能力のほんの一部だけが動いていると報告された。アジア諸国からのバイオ燃料輸入の持続性に関してのヨーロッパで懸念によってさらに難しくなっている。そして、これは輸出需要を減らす可能性がある。USAID 政策要旨では「政府開発援助(ODA)が全体の温室効果ガス放出を減らすアジアで持続可能なバイオ燃料生産を活性化し、食糧安全保障と生物多様性への負の影響を避け、地域社会の社会福祉を進めることができることに持続的選択肢であり、計画の概要であるとハイライトを当てている」。調査結果の主要なまとめは、以下のようになる。(1)低下するか活用されていない土地での持続可能なバイオエネルギー供給の可能性、 (2)バイオ燃料資源栽培では、森林やピート地帯を避け、最小の入力ですむ高い生産性のある土地のみを利用する、(3)「第二、第三世代のバイオ燃料の迅速な採用で食糧安全保障を確実にする、(4)「バイオ燃料イニシアティブには、労働権の強化、土地権利の保護、先住民のための参入方策とバイオ燃料生産証明システムの実施」。