Category Archives: ISAAA(国際アグリバイオ事業団)

アグリバイオ最新情報

国際アグリバイオ事業団アグリバイオ最新情報
2012 年4 月30 日
世界
世界の科学者が気象変動の中での食糧安全保障課題に取り組んだ
PAARLBERG 氏のコメント: 遺伝子組換え作物は高収量が得られる
アフリカ
乾燥耐性トウモロコシが2012 年英国気象週間賞を受賞
バイオテクノロジーでナイジェリアのワタ生産が急上昇

南北アメリカ
メキシコは更に4 種の遺伝子組換えトウモロコシ品種のパイロット試験を承認
アルファルファ新品種が酪農産業を大きく上昇させる
ホウレン草の遺伝子が壊滅的な柑橘類の病害を止めると期待される
アジア・太平洋
CIMMYT はバングラデシュにUG99 カビ病に抵抗性の小麦を導入
フィリピンは、成功裏に進んでいる遺伝子組換え作物規制政策開始10 周年を祝った
日本の北海道バイオ産業振興協会(HOBIA)は、アジアの遺伝子組換え作物についてミニシンポを開催
南ミンダナオ大学(フィリピン)Bt-ナスの圃場試験開発を歓迎
フィリピンにおける遺伝子組換え作物の導入及び商業栽培のやり方
ヨーロッパ
アブラムシが忌避する遺伝子組換え小麦
植物を使うワクチン生産研究者が2012 年イノベーター賞を受賞
ヨーロッパで遺伝子組換えジャガイモの試験が継続されている
ヨーロッパ食品安全機構(EFSA)が遺伝子組換えトウモロコシの安全性を確認
組換え作物分野外のニュース
ヒトの皮膚細胞から誘導幹細胞(iPS)を創成
研究
Bt-イネはクモの捕食性や健全性に何ら障害を与えない
報告書など
メキシコ科学アカデミーが遺伝子組換え生物の責任ある利用に関する書籍を出版
世界
世界の科学者が気象変動の中での食糧安全保障課題に取り組んだ
持続可能な農業と気象変動に関する委員会の最終報告書は3 月27 日にロンドンでの「危機下にある惑
星」に関するカンファレンスの間に発行された。「気象変動に直面する中での食料安全保障の達成」と
題する報告書は、気象変動に直面する中での食糧安全保障を達成するために食糧システムに変換するた
めの行動指針を提供している。
Sir John Beddington が議長を務める委員会は、13 カ国からの指導的科学者で構成されている。食事内
容の変化、貧困、天然資源の劣化と作物収穫量の減少、食品供給システムの非効率性、農業投資のギャ
ップ、グローバル化した食品貿易方式、食料生産補助、食品価格の乱高下との間の相互関連性を含む世
界的な食料システムの主なる要素と誘因要素について見直した。その結果、人類の持ちうるあらゆる選
択肢を使って食料需要を満たすことと地球気象安定化のために見直さなければならないと結論した。
以下の7 推奨項目がこの委員会から政府、国際機関、投資家、農業生産者、消費者、食品企業、研究者
が着手すべきものとして提言された。
1. 世界規模でまた各国で食糧安全保障と持続可能な農業を施策に取り込むこと
2. 次の十年に持続可能な農業と食料システムに世界的規模で大幅に投資を上げること
3. 温室効果ガスの排出や農業の他の環境への悪影響を軽減しながら持続可能な農業生産を強化するこ

4. 人口と気象変動と食糧不安に対して最も脆弱なセクターを支援するために特定のプログラムや政策
を開発すること
5. 基本的な栄養上のニーズが満たされていることを確認し、世界的に健全で持続可能な食事パターン
を促進するために食料の獲得および消費パターンを再構築すること
6. インフラ、農業慣行、加工、流通、家庭の習慣を対象に、食料システムにおける損失や食料廃棄物
の削減を図ること
7. ヒトや生態系の次元を包含する包括的な、共有、統合情報システムを創成すること
2050 年にどうやって全世界の人々を食べさせられるか:気象変動期におけるアクションプランと題する
短いビデオもこの期間中に発行された。委員会の最終報告とその主要な背景研究に関する詳細は、以下
のサイトにある。http://ccafs.cgiar.org/commission
PAARLBERG 氏のコメント: 遺伝子組換え作物は高収量が得られる
今日のいわゆる米国の在来農法は、1960 年代のそれと”劇的に異なる”と米国の政治学者Robert
Paarlberg 氏が述べた。Paarlberg 氏は、ワシントンのJohns Hopkins 大学での講演で、今日の高い作
物の収量に効果を上げた一つの大きな要因がバイオテクノロジーを通じての病気と害虫抵抗性作物の商
業生産であると述べた。トウモロコシや大豆などの遺伝子組換え作物は、除草剤や農薬を使用せず、害
虫や雑草に抵抗性をもち、その結果の収量増加によるものとしている。
“食と農に関する文化戦争” に関する議論の中で、Paarlberg 氏は、遺伝子組換え種子の使用を含む近
代的な農業が、少ない肥料と水そしてより少ない殺虫剤を使用して、収量を増加しえたと指摘した。
詳しくは以下のサイトにある。
http://iipdigital.ait.org.tw/st/english/article/2012/04/201204053331.html.
アフリカ
乾燥耐性トウモロコシが2012 年英国気象週間賞を受賞
英国の国際開発省(DFID)の”アフリカの乾燥耐性トウモロコシ”(DTMA)プロジェクトが最優秀イノベ
ーター賞として英国の気象週間賞を受けた。この賞は、アフリカの乾燥耐性トウモロコシを開発するプ
ロジェクトへの支援が認められた結果である。
2007 年から2011 年の間のアンゴラ、ベナン、エチオピア、ガーナ、ケニア、マラウイ、マリ、モザン
ビーク、ナイジェリア、タンザニア、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエを含む13 のプロジェクト参加国
で従来の育種を通じて34 種の乾燥耐性トウモロコシ品種の開発と普及に焦点を当てたプロジェクトであ
る。
“このトウモロコシ品種は、近年のように暑く、乾燥した条件下での完全不作と飢餓に対する保険のよう
なものだ” とほぼこの半世紀間トウモロコシを栽培してきているタンザニアMorogoro の79 歳の
Rashid Said Mpinga 氏が言っている。また彼は、”良質なトウモロコシの種子がなければ、十分な収入
もなく、生活もできない”とも言っている。
このプロジェクトは、国際トウモロコシ小麦改良センター(International Maize and Wheat
Improvement Center 、CIMMYT)と国際熱帯農業研究所(IITA)の共同で開始され、Bill & Melinda
Gates Foundation (BMGF)とHoward G. Buffet Foundation (HGBF) と米国国際開発局( United States
Agency for International Development 、USAID)の共同資金支援によるものである。
報告は、以下のサイトにある。http://dtma.cimmyt.org/index.php/information-tools/usefullinks/
155-drought-tolerant-maize-wins-2012-uk-climate-week-award.
バイオテクノロジーでナイジェリアのワタ生産が急上昇
“Bt ワタの種子の使用は現在ナイジェリアで栽培されている非バイオハイブリッド品種よりも優れた収
率が得られる。” とナイジェリア国立バイオテクノロジー開発局の局長(NABDA)Bamidele Solomon 教
授は言った。
Solomon 教授によると、ナイジェリアは現在、年間ワタ12 万トンを生産しているが、これはかっての生
産量30 万トンの半分以下である。また、ナイジェリアの繊維製造ユニットが70 年代と80 年代の250 に
比べて現時点ではわずか25 ユニットである。
Solomon 教授は、バイオテクノロジーを活用して、ナイジェリアのワタ生産を増やし、ワタ産業の衰退
を防ぐことを提案した。更に続けて、より多くの栽培者、農家がBt ワタを利用することでナイジェリア
国内の繊維産業の原料供給を増やすべきと述べた。
詳しくは、以下のサイトにある。http://cottonmarketnews.com/2012/04/02/use-of-bt-cotton-canboost
yield-in-nigeria-expert/?utm_source=rss&utm_medium=rss&utm_campaign=use-of-bt-cottoncan-
boost-yield-in-nigeria-expert.
南北アメリカ
メキシコは更に4 種の遺伝子組換えトウモロコシ品種のパイロット試験を承認
DAS-Ø15Ø7-1、MON-ØØ6Ø3-6、DAS-Ø15Ø7-1、およびDAS-Ø15Ø7-1xMON-ØØ6Ø3-6 の組換え品種のパイロット
テストの承認をメキシコ政府が与えた。全てのパイロット試験は、Tamaulipas 州で行われ、総面積7.55
ヘクタールで実施される。
承認の詳細は2012 年3 月23 日にメキシコ政府が公表した。この公表には2011 年に申請された11 の申
請については、まだ承認がまだ下りていないことが示された。
米国農務省GAIN 報告は、下記のサイトにある。
http://gain.fas.usda.gov/Recent%20GAIN%20Publications/Mexico%20Approves%204%20Additional%20G
E%20Corn%20Pilot%20Tests_Mexico_Mexico_3-25-2012.pdf.
アルファルファ新品種が酪農産業を大きく上昇させる
アルファルファ新品種NR-Gee は、牛農場に環境への影響を少なくし、牛乳の生産を向上させることがで
きる。このアルファルファ新品種は、難消化性繊維の割合が低く、炭水化物とペクチンの割合が高いの
で乳量を上げることになる。
“より多い摂取量と高い消化率:この組合わせは、酪農業界にとって非常に重要な影響を与えることにな
る。”と植物育種と遺伝学の上級研究員Julie Hansen 氏が述べている。
さらに、N-R-Gee は、青枯病、バーティシリウム病、萎ちょう病、炭疽病と疫病根腐れなど、東北地域
で問題になる多くの病気に耐性があることが判明した。このような病気への抵抗性は複数年にわたって
年間利用するアルファルファでは特に重要である。
原報道は以下のサイトにある。http://www.news.cornell.edu/stories/March12/NewAlfalfa.html.
ホウレン草の遺伝子が壊滅的な柑橘類の病害を止めると期待される
“柑橘類の緑色化病は、細菌性の病気で木脈管系または篩部に影響を受けてものである。”とWeslaco の
Texas AgriLife Research and Extension Center の植物病理学者Erik Mirkov 博士が言っている。”こ
の現象は、樹木の水分と栄養を摂取することを基本的に止めることになるので樹木は死ぬことなる。”
とも述べている。
ホウレン草から柑橘類に2 つの遺伝子を導入することで研究チームは柑橘類の緑色化病またはグリーニ
ング病(HLB)に対して抵抗性を付与できた。温室実験とフロリダ州でのフィールドテストはすぐに実施
される予定である。研究者はまた、ホウレン草の一方の遺伝子が他よりも効果的だが、単独よりも一緒
の方がよく働くことがわかった。
このニュースの詳細は、以下のサイトにある。http://agrilife.org/today/2012/03/26/transgeniccitrus
trees/
アジア・太平洋
CIMMYT はバングラデシュにUG99 カビ病に抵抗性の小麦を導入
バングラデシュ、ケニアなどの発展途上国を含む世界の多くの地域で小麦に壊滅的な影響を与えるUg99
(カビ)症に起因する損失は、国際トウモロコシ小麦改良センター(International Maize and Wheat
Improvement Center 、CIMMYT)が新しく開発したさまざまの品種で制御することができる。Francolin
と呼ばれる新しい小麦の品種はすべてのUg99 株に抵抗性を示すだけでなく、バングラデシュ、エル、バ
タン、メキシコで使われている品種より10%高い収量が得られる。
CIMMYT は、USAID の種子増殖プログラムから支援を受けて新品種の開発をバングラデシュ農業研究所作
物研究部で取り組んできた。Hashi(最初にこの国に導入されたUg99 耐性小麦品種と2 つの新しい品種
は2012 から13 年に総小麦面積の5%以上で栽培されることが期待されている。
ニュースの詳細は以下のサイトにある。http://www.bloomberg.com/news/2012-03-26/cimmytintroduces
wheat-tolerant-to-ug99-fungus-in-bangladesh.html.
フィリピンは、成功裏に進んでいる遺伝子組換え作物規制政策開始10 周年を祝った
農業行政命令第8 号(DA AO 8)が2002 年に発効されて十年後、フィリピンの農業と経済が継続的に遺
伝子組換え作物の商業化と産業利用のメリットを享受している。DA AO 8 制定後10 年の効果をPasay
City.のダイヤモンドホテルで1012 年4 月3 から4 日に記念式を行った。
DA AO 8 は、現代のバイオテクノロジーを利用して得られた植物および植物製品の輸入と環境への放出
の規則を定めたものである。
農務省長官Proceso Alcala 氏はその祝辞のなかで、フィリピンでの10 年にわたる組換えトウモロコシ
の商業栽培がもたらした経済及び環境への利点を賞賛した。また、彼は、トウモロコシ産業は組換えト
ウモロコシなしには、約40 万人のフィリピンのトウモロコシ農業生産者がこの技術の恩恵を受けること
も、また8 億ペソの利益を受けることもなかったと述べた。長官は、また国のバイオ安全規制を国際基
準に基づいていることを改めて表明した。
Candida Adalla 博士(農務省バイオテクノロジープログラム事務局長)は、一貫性のあるバイオテクノ
ロジー政策の結果、農業が遺伝子組換え作物の貢献によって継続的に成長していると述べた。彼女はま
た、フィリピンの公共部門からの遺伝子組換え作物の最近の状況を発表した。中でも最も先進的なもの
は果物やナスノメイガ耐性のBt ナス、パパイヤリングスポットウイルス(PRSV)耐性およびパパイヤの
熟成遅延、ビタミンA に富んだゴールデンライスを上げた。Bt ナスとゴールデンライスは、国のさまざ
まな地域で圃場試験が行われている。一方、遺伝子組換えパパイヤは、開放系栽培に向けて試験が計画
されている。
政府機関関係者や科学者、研究機関、民間セクター、国際機関からの参加者があった。初日は、公共お
よび民間の両部門の新しい遺伝子組換え作物の開発状況について、そして二日目は、害虫抵抗性の管理
に焦点を当てた。DA AO 8 の導入と実施に尽力したキーパーソンにも敬意がはらわれた。
フィリピンでの組換え作物の開発に関する詳しい情報は、以下のサイトにある。
http://www.bic.searca.org 。また、以下のアドレスにメールして下さい。bic@agri.searca.org.
日本の北海道バイオ産業振興協会(HOBIA)は、アジアの遺伝子組換え作物についてミニシンポを開催
2012 年3 月20 日に、北海道バイオインダストリー協会(HOBIA)は、「農業:現状と未来」に関するミ
ニシンポジウムを北海道大学で開催した。冨田房男博士(北海道大学名誉教授、ISAAA 日本バイオテク
ノロジー情報センター(NBIC)代表は、「世界のGM 作物の現状」を報告した。彼は、GM 作物は、現在
世界で1 億6 千万ha の商業的栽培されており、しかもその半分はアジアである。アジアは今後急速な人
口増加が予想されている。遺伝子組換え作物は、農業生産性と二酸化炭素排出量の削減の観点から環境
保護に適していると述べた。
北海道の農業生産者の宮井能雅、大館国昭、馬場広之の諸氏は、2012 年1 月の終わりにフィリピンを訪
れた。彼らは、フィリピン当局、国際稲研究所(IRRI)のバイオテクノロジー研究部門や温室を訪問、
更にPampanga 地域の組換えトウモロコシ農業生産者の概要説明を聞いて、意見交換を行った。また、フ
ィリピンでの遺伝子組換え作物の導入によって、急速な生産性向上と所得の増加があり、同時に安全か
つ効果的な害虫管理技術をもつことをできるようになったことを喜んでいた。
原報告(日本語) は、財界さっぽろ(5 月号, p.188) 、または、以下のサイトに連絡下さい。
“Zaikai Sapporo Noguchi” noguchi@zaikaisapporo.co.jp. 日本の組換え作物情報については、以下の
サイトの冨田房男教授に連絡下さい。f.tomita@isaaa.org
南ミンダナオ大学(フイリピン)Bt-ナスの圃場試験開発を歓迎
フィリピン南ミンダナオ大学(USM)は、さまざまの果実の雑種とナスノメイガ(EFSB、Leucinodes
orbonalis)抵抗性のBt ナスとの受粉に関する様々な圃場試験を新たに行うことに期待をかけている。
2012 年3 月26 日にUSM 学長Jesus Antonio Derije 氏は、University of the Philippines Los Baños
Foundation Inc. (UPLBFI)と国際アグリバイオ事業団(ISAAA)との共同研究者会議で繰り返し述べた。
USM は、政府の規制ガイドラインに従ってBt-ナスに関する研究と北Cotabato にある大学の敷地の複数
点での圃場試験を行うことを支援することに決めている。このプロジェクトは、教育、研究、拡張、お
よび資源創成を行うための大学の任務の一部となっている。
Emma Sales 博士(USM の学内バイオ委員会の議長)は、以下のように述べている。「試験は、Bt ナスの
有効性と利点に関する科学的事実を得るために実施されるべきである。」また、Edwin Paraluman 氏、
ゼネラルサントス市からの遺伝子組換えトウモロコシ農業生産者は、ナス農場1ha からの収益は、トウ
モロコシの2 ha と同等であると推定している。”利益がBt トウモロコシで上がっているのだから、Bt
ナスからはもっとあがる“とも言った。
かなりの化学殺虫剤の投入を減らす研究の成果であるBt ナス·テクノロジーは、農業生産者、消費者、
環境にとって助けとなる。
フィリピンのBt ナスの開発については、以下のサイトを見て下さい。http://www.bic.searca.org 。ま
た、以下のサイトにメールして下さい。bic@agri.searca.org.
フィリピンにおける遺伝子組換え作物の導入及び商業栽培のやり方
フィリピンロスバニョスの大学の研究者によると、フィリピンのいくつかの州で組換えトウモロコシの
導入と採用が、同業者間での検討システムをとる方がよりよいと結論された。これは、どのように遺伝
子組換え農業生産者が組換え品種を導入し、また作物の導入や知識を共有するにあたってその意思決定
に農業生産者間での知識の理解の共有がどう図られたかを2011 年に調査・解析を実施した結果である。
Cleofe Torres 博士らは、収量や所得の増加を含む導入後の農業生産者の生活の変化に注目した。種苗
技術者が遺伝子組換え作物の導入のためにこれを植えるために農業生産者に説明することが重要な役割
を果した。取引業者は、種子の購入とその他の投資に資本投入ということで貢献した。組換えトウモロ
コシ農業生産者は、これを植え続けることに大きな関心を示した。また他の組換え作物、例えば組換え
Bt ナスの商業栽培なども先取りしている。
組換え作物の導入行程:フィリピンルソンでの組換えトウモロコシ導入経過に関する研究が、書籍とし
てCollege of Development Communication, UP Los Baños (CDC-UPLB)、国際アグリバイオ事業団
(ISAAA)、農業に関する大学院研究のための東南アジア地域センターから出版された。そのコピーは、
以下のサイトから無料でダウンロードできる。
http://www.isaaa.org/resources/publications/adoptation_and_uptake_pathways_of_bioech_cro
ps/download/.
ヨーロッパ
アブラムシが忌避する遺伝子組換え小麦
アブラムシをおびえさせて近寄らせないとともに捕食者を集めて食わせてしまい現在害虫を制御するた
めに使用される殺虫剤に代わる形質の遺伝子組換え(GM)小麦の圃場試験がイングランドで現在行われ
ている。
小麦は、アブラムシに攻撃されているときにアブラムシが放出する同じフェロモンを放出する。フェロ
モンは、パニック発作を誘発し、アブラムシは、最終的に植物体を離れる。フェロモンは、アブラムシ
を離れさせるだけでなく、作物の第二防衛線を提供し、アブラムシに卵を産む小さな寄生蜂を引き付け
る。寄生蜂の卵は、内部からアブラムシを食べて、作物にいるアブラムシを減少させる。また、緑色の
アブラ虫とブユと呼ばれるアブラムシは、同様に作物に害を与え、病気を拡がらせる。
小麦は、ペパーミントの植物からの遺伝子を用いて変更され、春は様々な東部イングランドの
Rothamsted 研究施設で圃場試験が行われた。試験では、Cadenza という春播小麦品種がもちいられてい
る。
詳細は以下のサイトにあるhttp://www.rothamsted.ac.uk/Content.php?Section=AphidWheat/.
植物を使うワクチン生産研究者が2012 年イノベーター賞を受賞
バイオテクノロジー及び生物科学研究院(The Biotechnology and Biological Sciences Research
Council 、BBSRC) は、George Lomonossoff 教授とFrank Sainsbury 博士の植物用いるワクチンと薬理
活性タンパク質の生産に関する研究に対して2012 年の先進研究者としての栄誉を与えた。この研究は、
これまで植物で行われていたものよりもはるかに速く且つ高いレベルの生産を行えるものである。
受賞者は、植物をバイオリアクターとして使うことに革命的な成果を上げ、ワクチンや医薬品タンパク
質を植物で商業的に生産することを実現化した。医薬品会社(Medicago)は、Lomonossoff とSainbury
両博士の創成したシステムを使って各種のワクチンや治療用タンパク質を開発中である。
このシステムは既にバイオ医薬品会社Medicago を含む多く商業分野にライセンス供与されている。
Medicago は、すでに現在開発中のワクチンや治療用タンパク質の数の主要な生産プラットフォーム技術
として使用している。
ニュースは、以下のサイトにある。http://www.bbsrc.ac.uk/news/people-skillstraining/
2012/120329-n-innovator-of-the-year-2012.aspx
ヨーロッパで遺伝子組換えジャガイモの試験が継続されている。
BASF は、ドイツ、スウェーデン、オランダ各地で1 ha のGM ジャガイモ試験を継続することを明らかに
した。1 月にBASF の遺伝子組換え研究を米国に移転を決定したが発表は、今行われた。BASF は、圃場試
験を行うことために欧州連合(EU)の承認プロセス申請中であると言った。
Peter Eckes 氏(BASF Plant Science 社長)は、承認申請と共にそのための種子生産も進んでいると述
べた。”BASF は、植物バイオテクノロジーは、将来の技術であると確信している。”と付け加えた。
今年の試験には、澱粉用ジャガイモのModena と疫病抵抗性のFortuna が含まれている。試験は、スウェ
ーデンのSkane 、Halland 両州で、ドイツではAxony-Anhalt 州で行われ、オランダではGelderland,
Drenthe とNoord-Brabant 地方で行われる

プレスリリースは、以下のサイトにある。http://www.reuters.com/article/2012/04/05/us-germanygmo
basf-idUSBRE8340Y120120405.
ヨーロッパ食品安全機構(EFSA)が遺伝子組換えトウモロコシの安全性を確認
ヨーロッパ食品安全機構(The European Food Safety Authority 、EFSA)は、モンサント社のMON810
トウモロコシは、2010 年の栽培期からのデータに基づいて人の健康や環境への悪影響を持っていないこ
とを見出した。
上市後の環境モニタリング(PMEM) 報告書(2010 年)についての欧州の規制当局トップの科学的意見に
よるとMON810 がヒトや動物の健康、または環境に有害な影響を持っていないと結論づけた。EFSA の遺
伝子組換え生物(GMO パネル)もPMEM 報告書の成果は、先の2009 年栽培期のMON810 トウモロコシの評
価知見を裏付けるものと述べた。
報告書は、”申請者から提出されたデータ2010 年のモニタリング報告書から、EFSA GMO パネルは、
2010 年の栽培期にトウモロコシMON810 の栽培による環境、ヒトと動物の健康に悪影響認められなかっ
た。”と述べた。
EFSA の科学的意見は全て以下のサイトにある。
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/2610.htm
組換え作物分野外のニュース
ヒトの皮膚細胞から誘導幹細胞(iPS)を創成
慶應義塾大学研究者赤松和土、岡野榮之両氏は、ヒト皮膚細胞から神経幹細胞を創成し、短期間で神経
に変換する新しい方法を報告した。
両氏は、4 つの異なる遺伝子をヒト細胞に導入してヒトの誘導多能性幹細胞(iPS)を創生した。細胞は、
一週間培養し、その後は異なる培養培地に移して3 日間培養を続けた。合計約2 週間の培養で神経細胞
に分化した。これまでの方法では約半年かかっていた。脊柱派壊マウスにこの神経細胞を移植したとこ
ろ一定期間後、マウスは再び歩くことができた。
詳しくは以下のサイトを見て下さい。
http://mdn.mainichi.jp/mdnnews/news/20120329p2a00m0na007000c.html
研究
Bt-イネはクモの捕食性や健全性に何ら障害を与えない
害虫抵抗性のBt イネの商業栽培の実施について議論の対象になっているのは、主に非標的生物、即ち害
虫の制御に生態学的役割をもっているウンカの捕食者や寄生捕食者に対する安全性に対する懸念である。
Zhehiang 大学の研究者であるJun-Ce Tian 氏とその共同研究者は、潜在的な影響を識別するために三生
物系バイオアッセイを行った。即ちCry1Ab 蛋白発現のBt イネとその害虫トビイロウンカ( Nilaparvata
lugens)の幼虫とその寄生捕食者である地上クモ( Pardosa pseudoannulata)の系である。研究者は生存率、
発育時間、Bt イネ及び非Bt イネを食する幼虫を捕食するクモの産卵に意味のある差を見出せなかった。
捕食性クモの内臓や機能試験の詳細解析を行ったが、Bt イネおよび非Bt 水田で変わらないことがわか
った。
ここで使用したBt イネ系統は、地上クモの生存率、発育時間、産卵について実験室内と圃場の両方のと
も全く悪影響を及ぼさなかったと結論づけた。
公開報告は、以下のサイトにある。
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0035164.
報告書など
メキシコ科学アカデミーが遺伝子組換え生物の責任ある利用に関する書籍を出版
メキシコの科学アカデミーのバイオテクノロジー委員会は、「遺伝子組換え生物(GMOs)の責任ある使
用」を出版した。その内容は、作物の科学的な現実、遺伝子組換え食品、安全性、およびその利用及び
応用に関するものである。この本は、バイオテクノロジーが人類の進歩に役立つ強力な科学的ツールで
あることを一般社会が理解することの助けとなることを願ったものである。主なる内容は以下の通りで
ある。:
•バイオテクノロジーへのアプローチ- 遺伝子改変をするために使用される技術についての説明
•科学的な根拠– GM の人間、動物、環境への安全性を確保するために適用する研究と規制
•責任ある利用と応用- 技術の基本である科学的知識の責任ある利用に関する重要事項
この本には、さまざまの付録、用語解説、本技術に関する歴史と重要な事実の表、WHO における組換え
食品の位置がついている。この本(スペイン語)は、以下のサイトからMetropolitan Autonomous
University of Mexico を通して入手できる。
http://www.uam.mx/librosbiotec/uso_responsable_ogm/uso_responsable_ogm/.
また、詳細は、以下のサイトから得られる。http://fundacion-antama.org/la-academia-mexicana-delas
ciencias-publica-la-obra-didactica-%e2%80%98por-un-uso-responsable-de-lostransgenicos%
e2%80%99/.

アグリバイオ最新情報 2012 年 2 月 28 日

世界
農業の新たなビジョンの報告書が出た ISAAAは、遺伝子組換え作物2011グローバルデータをフィリピンで発表 「ニューグリーンバイオ」に関する国連報告書(BATS) 名古屋議定書に92カ国の署名達成

南北アメリカ
農業生産ブームのブラジル
TwinLink®社のワタの技術が米国での全権利を取得 Bayer CropScience社とTEXAS AGRILIFE社は小麦の品種改良に取り組む 西部大平原の農業生産者は、モンサントのDROUGHTGARDTMを植える準備を進めている

アフリカ
農業大臣がタンザニアは、遺伝子組換え栽培の準備ができていると言った
タンザニアは、遺伝子組換え作物の利用計画をバックアップ

アジア太平洋
オーストラリアの遺伝子組換え大麦試験は、期待の持てる結果だった
日本の科学者はイネの代謝に関する遺伝学に光をあてた
中国の農業副大臣は、遺伝子組換え技術の必要性をみている
インドは、Btワタの新品種を承認
オーストラリア遺伝子技術の規制局は、遺伝子組換え小麦と大麦の試験にOKを出した
遺伝子組換え作物に関するEUの承認の遅延
フィリピン地方公務員がバイオテクノロジーセミナーに参加

ヨーロッパ
ヨーロッパにおける遺伝子組換え作物の実地試験の規制:その概論
ヨーロッパの指導者は、遺伝子組換え技術はヨーロッパに必要と言っている
EUは、遺伝子組換えダイズ、MON 87701 x MON89788の輸入及び加工しても安全とした

世界
農業の新たなビジョンの報告書が出た
世界経済フォーラム(WEF)(独立した国際組織)は、行動指針を「農業の新たなビジョンを行動に移す:変換の始まり」と題する報告書をまとめた。「変換の始まり」は、国家の指導者たちが、世界レベルでまた各国レベルの両方での協力を加速し、拡大するのに役に立つ。報告書は、McKinsey and Companyと共同でWEFが農業イニシアティブのための新しいビジョンを打ち出すために作成したものである。
特に報告書の焦点は、「世界および地域の利害関係者が新たなビジョンの目標を達成するために取るべき具体的な行動が求められていることに呼応したもので、世界の経済成長、世界の食料安全保障と環境の持続可能性を市場原理に基づいて開発すること」にある。
農業の新たなビジョンは、次の3つの目標を10年間で20%改善する目標を設定している。:経済成長と機会、食糧安全保障と栄養、及び地環境の持続可能性。このイニシアティブは、26の世界中のパートナー企業によって先導されている。
この報告書は、以下のサイトからダウンロードできる。http://www3.weforum.org/docs/WEF_FB_NewVisionAgriculture_HappeningTransformation_Report_2012.pdf
ISAAAは、遺伝子組換え作物2011グローバルデータをフィリピンで発表

 遺伝子組換え作物の栽培は、2011年には1996年の170万ヘクタールから94倍の増加の1億6000万ヘクタールとなり、最近の歴史の中で最も速く導入された作物技術である。これまでの記録となる1670万農業生産者が栽培し、その90%以上が発展途上国の農業生産者であった。これらのデータは2012年2月7日に国際的ウエブサイトにハイライトを公表した国際アグリバイオ事業団(ISAAA)報告書43号(世界の遺伝子組換え作物の商業栽培に関する状況:2011年)にある。 アジア、アフリカ、ラテンアメリカの一連の発表の内、第一弾はハイアットホテル、マニラ、フィリピンで開催された。 ISAAAの創設者および会長Dr. Clive Jamesは、ISAAA報告書43号の著者でもあり、遺伝子組換え作物で成功体験を上げているブラジルなど発展途上国について述べた。フィリピンは、2011年に遺伝子組換え作物を60万ヘクタール以上の栽培をしたバイオメガ国にある。地元の科学界、地方自治体、非政府組織、民間企業、農業生産者、規制当局、メディア専門家のメンバーが公表に出席し、遺伝子組換え作物の導入の継続的な増加の喜びを表明した。 フィリピンでの遺伝子組換え作物からの大きな利益の確証をイサベラ州地方農業オフィサーのDanilo Tumamao氏が同州での2003年以来のトウモロコシ産業の発展をもって示した。Danilo Tumamao氏は、また州が旱魃耐性イネおよびトウモロコシ、冠水耐性イネ、耐病害虫性のBtナスなどの気候変動に特対応力のある他の遺伝子組換え作物の栽培に期待を寄せていると述べた。 政策計画担当農業次官Segfredo Serrano氏はまた、フィリピンの遺伝子組換え作物の商業化を10年の経験を共にしている。また農業次官Segfredo Serrano氏は、農務省の現代のバイオテクノロジーに関する非常に大きな関心は、フィリピン農業の特徴である島国で広大な土地はなく、様々な自然環境に対応するには技術の開発依存する必要があると述べた。更に彼は、「知的資源を利用」、即ちその成果である技術が必要であり、農業生産者や技術の恩恵を受ける利害関係者の能力向上の必要性強調した。 Emil Q. Javier博士、(国立科学技術アカデミーNAST)の長官は、歓迎の辞の中で政府の努力を通じてバイオテクノロジーの重要な進展があったことを繰り返し述べた。 「だから我々は、現代のバイオテクノロジーを応用して農業の近代化を行うことで継続した発展を期待している……そして最後にゴールデンライスが食卓に載ること; また遺伝子組換えBtナスが、そしてもちろんリングスポットウイルス耐性パパイヤパパイヤも食卓に載ることを期待している。」とも述べた。さらにフィリピンの農業バイオテクノロジーの発展には、第一に、植物産業局の規制ユニットを作り、恒久的に人材を配置し、適切な実験施設をも設け、あらゆる支援ができるようにすることだとJavier博士は、追加した。 閉会の辞で、Gil Saguiguit, Jr.博士(Southeast Asian Regional Center for Graduate Study and Research in Agriculture (SEARCA)の理事長)は、食品の生産性を向上させ、持続可能な農業を促進する技術と実践を支援するセンターの意向を表明した。彼はまた、広報の重要性と「バイオテクノロジーに関する真の姿を一般に広めることの重要性。」を強調した。 このセミナーは、 ISAAA 、NAST、Biotech for Life Media and Advocacy Resource Center (BMARC) 、 SEARCA. の共催で行った。

「ニューグリーンバイオ」に関する国連報告書(BATS)
「回復力のある人々、回復力のある惑星:選び甲斐のある未来」と題する報告で地球の持続可能性に関する高レベルのパネルが持続可能な発展を実践し、経済政策の中で維持することために56項目の勧告を表明した。2010年8月に国連事務総長によって設立され、22人のパネルメンバーは、フィンランドのTarja Halonen大統領と南アフリカの大統領Jacob Zumaが共同で議長を務めている。
「不況にさらに滑りこむ可能性のある中で、政策立案者はこの困難な時代をどう進むかについてのアイディアを渇望している。我々の報告書は、今世界を包つむ複数の危機があり、持続可能な開発これまでになく重要である。」と大統領Zumaが述べている。
「回復力のある人々、回復力のある惑星」の中では、では、持続可能性の問題について意思決定するのに不可欠なガイドとしての科学の重要性を強調している。更に「新しいグリーンバイオテクノロジー」が、「農業生産者が気候変動への適応、害虫に対する抵抗性を改善、土壌の肥沃度を復元して農村経済の多様化に貢献することを可能にする貴重な役割」を果たすと追加している。
プレスリリースは以下のサイトにある。http://www.un.org/gsp/sites/default/files/event_attachments/Addis%20Launch-Press%20Release.pdf. ダウンロードは以下のサイトから出来る。 http://www.un.org/gsp/report
名古屋議定書に92カ国の署名達成 16カ国が最近名古屋議定書に署名した。

議定書は、遺伝資源取得と生物多様性条約にその利用により生ずる利益の公正かつ衡平な配分へのアクセスに関するもので、これで合計92カ国となった。議定書に署名した最新の国は、カンボジア、チャド、コートジボワール、エジプト、エル
サルバドル、ギニアビサウ、ホンジュラス、アイルランド、ケニア、レバノン、モンゴル、ナイジェリア、モルドバ共和国、セネガル、タイ、ウクライナである。 議定書は、署名のために1年前に開いていたが、2012年2月1日署名のために閉鎖された。これは、50回目の寄託90日後に発効する。 「これらの91カ国と欧州連合(EU)の署名によって、持続可能な開発に関するユニークな法的手段が発効することになる。まだ署名をしていないすべての国に「地球上の生命の保全」を署名のために開いてからを20年目の記念すべき2012年までに署名することを要請する。」とAhmed Djoghlaf氏、生物多様性条約事務局長、が要請した。
プレスリリースは、以下のサイトにある。http://www.cbd.int/doc/press/2012/pr-2012-02-03-abs-en.pdf
南北アメリカ
農業生産ブームのブラジル
ブラジル政府の予測作物の面積は2010/11の6200万ヘクタールから2020/21には6800万ヘクタールになるとされている。最高の成長率は大豆とサトウキビと期待されている。生産ブームの契機の一部は遺伝子組換え品種の急速な導入による。
Celeresコンサルティング社によると遺伝子組換えトウモロコシは現在総面積作付面積の83%を占めると予想され、現在の65%を上回る。ブラジルは、米国よりもより多くの主要穀物生産国になると予想されるのは、米国が現在8%の成長率にあるのに、ブラジルは、ほぼ27パーセントの平均成長率だからである。2010年の世界の農産物の輸出におけるブラジルのシェアは9%と推定されているが、 これは過去最大で、10年前の5%だった。対照的に、これまでの輸出国である米国、カナダ、EU、オーストラリアなどはそのシェアは過去10年間停滞している。
詳しい情報は以下のサイトにある。http://www.fas.usda.gov/info/IATR/012412_Brazil/
TwinLink®社のワタの技術が米国での全権利を取得
Bayer CropScience社は、ワタへのTwinLink技術利用に関する米国環境保護庁(EPA)の登録を受けた。この新技術は、鱗翅目害虫への抵抗性とグルホシネートアンモニウム除草剤耐性の両方を複合させている。実用化時に当たりTwinLinkはGlyTolと、Bayer社のグリホサート耐性のスタック(重ね合わせ)をとして利用できるようになる。
Bayer社はTwinLinkとGlyTolをスタックした最初のワタの品種は、2013年までに米国で実用化され、一方、主要輸入国の規制当局の承認は、申請中である。現時点では、TwinLinkは、オーストラリア/ニュージーランド、ブラジル、カナダ、米国で承認されている。追加の承認は、世界各地で規制当局に申請中である。
詳しくは以下のサイトにある。 http://www.bayer.com/en/news-detail.aspx?newsid=15650
Bayer CropScience社とTEXAS AGRILIFE社は小麦の品種改良に取り組む Bayer CropScience社とTEXAS AGRILIFE社(テキサスA&M大学システム、College Station、テキサス州の一部)が、小麦品種改良と商業化に関する契約を締結しました。目標は、現在小麦生産に不利な地域で生産できるようにすることである。 研究チームは、収量増加とともに、旱魃耐性、病害抵抗性と品質向上に品種改良の焦点を当てる。小麦の急速な遺伝的改良を促進するための分子育種ツールの開発は、従来法と現代育種法の両方の組み合わせで行われる。
プレスリリースは、以下のサイトにあります。 http://www.press.bayer.com/baynews/baynews.nsf/id/EDB866CA86DF6E0CC12579A7003BCE80?open&ccm=000
西部大平原の農業生産者は、モンサントのDROUGHTGARDTMを植える準備を進めている モンサント社のDroughtGard™ハイブリッドの農場試験が米国の西部大平原で、この春開始される。この試験の承認は、旱魃耐性形質品種が2011年12月米国農務省の規制緩和後にモンサント社に出された。 DroughtGardハイブリッドは、農学的推薦特性に加えて旱魃耐性の特性を持っているGenuity®コーンに属している。 2012年春の試験では、モンサントはGenuity®VT Triple PRO®, Genuity® VT Double PRO® 及び Roundup Ready® Corn 2をDroughtGardハイブリッド用農業形質品種の品揃えとして計画している。 「DroughtGardハイブリッドは、試験において強力な性能を示し、競合製品を上回る利点を実証している。」また「我々のこの時期の農場試験は、農業生産者がこれらのハイブリッドの性能を見るために、そして、我々が商業的意思決定をできるような情報のフィードバックを得られることに焦点を当てている。」とDroughtGardハイブリッドマーケティングのリーダーのMark Edge氏が述べている。
原報告は、以下のサイトにあります。 http://monsanto.mediaroom.com/index.php?s=43&item=1020
アフリカ
農業大臣がタンザニアは、遺伝子組換え栽培の準備ができていると言った
農業、食料安全保障と協同組合担当大臣、Jumanne Maghembe教授は、タンザニアは、遺伝子組換え作物を導入する準備ができていると2012年2月6日Dar es Salaamでの国際会議で参加者に語った。
「我々は岐路に立っており、科学への扉を閉じないようにすることが重要だとしている。また、我々が何かに自分自身を閉じるべきではないことがますます明らかになりつつある。」とも述べ、更に「気象パターンが変化して突然、すべての雨が、一週間に降ってしまうことが起こることに対応して、新しい作物を開発する必要がある。」とも彼は言った。
東部·南部アフリカにおける穀物農業システムの持続的強化に関する会議が、国際熱帯農業研究所(IITA)の主催で開催された。それには18の国際研究機関からの参加者が出席した。
タンザニアは現在、バイオセーフティ規制の枠組みに焦点を当てて、遺伝子組換え作物を許可するかどうかを議論している最中である。
詳しい情報は以下のサイトにある。 http://allafrica.com/stories/201202070750.html
タンザニアは、遺伝子組換え作物の利用計画をバックアップ
タンザニアは、遺伝子組換え作物の研究を開始するための初期措置を講じている。これらの初期手順では、農業省と遺伝子組み換え作物が国内で承認されるにあたって、農業生産者と消費者を保護する安全法に関する担当副大統領との議論が含まれている。
農業大臣Jumanne Maghembe氏によると、このアクションの目的は、農村コミュニティのために農業を近代化し、経済成長を促進することである。彼はまた、「特に不確実な気象パターンに直面しているこの時には、遺伝子組換え作物の使用に厳格であった時代は終りだ。」と述べた。
詳細は以下のサイトにある。 http://allafrica.com/stories/201202140152.html
アジア太平洋
オーストラリアの遺伝子組換え大麦試験は、期待の持てる結果だった
オーストラリア植物ゲノム機能解析センター(ACPFG)の研究者は遺伝子組換え大麦の圃場試験ではよい結果があったといっている。 Corrigin、西オーストラリア州での最初の年の試験では、耐塩性品種の可能性を試験している。
ACPFG研究者Stuart Roy氏によると低塩濃度の地域では、遺伝子組換え大麦が非組換え大麦よりも20から30%高い収量が得られ、より高い塩濃度地域では、収量が50から70%植物個体あたりの穀粒収量が向上した。とのことである。
原報告は、以下のサイトにある。http://sl.farmonline.com.au/news/nationalrural/grains-and-cropping/barley/gm-barley-trial-success/2430826.aspx
ACPFGの中央拠点はアデレード大学のウェイトキャンパスにあり、研究拠点は、南オーストラリア州、クイーンズランド州、メルボルン大学にある。
日本の科学者はイネの代謝に関する遺伝学に光をあてた
日本の独立行政法人理化学研究所植物科学研究センターの科学者たちは、彼らが開発した高度な質量分析パイプラインを使用して米粒の代謝化合物を分析するために大規模な研究を行った。チームは、アミノ酸、脂質、フラボノイドを含む131米代謝物を同定することができた。彼らはまた、代謝物のレベルは主に環境要因によって影響されることが分かった。その結果は、選択的に
特定の代謝産物の生産を増加させた品種を育種するために利用出来るので、作物の栄養価を高めるために使用することができる。
詳細は以下のサイトにある。 http://www.riken.jp/engn/r-world/info/release/press/2012/120208_2/index.html
中国の農業副大臣は、遺伝子組換え技術の必要性を認識している
発展途上国では、食料安全保障を強化、農業生産者の収入増加、貧困根絶が重要である。農業における遺伝子組換え技術の応用で高収量と病害虫耐性のある新品種の育種を加速することができる。Li Jiayang博士(農業副大臣、中国農業科学アカデミー(CAAS)の理事長)は、クライブ·ジェームズ博士( 国際アグリバイオ事業団、ISAAAの創始者、会長)とRandy Hautea,博士(ISAAA、ISAAAグローバル·コーディネーター)との2012年2月9日の北京での会合で同じ考え方であることを認めた。
ジェームズ氏は、遺伝子組換え技術が発展途上国における食糧安全保障を確保するために極めて重要な方法であると述べた。ブラジル、アルゼンチン、インドは農業バイオテクノロジーにより多くの投資を行っている。これらの地域では、遺伝子組換え作物の品種と栽培面積数は毎年増加している。スペインなどEU諸国はまた、農薬の使用を削減し、食糧生産を増加させる組換えトウモロコシとジャガイモ栽培を推進している。ジェームズ氏は、疫病耐性ジャガイモとゴールデンライスなどの遺伝子組換え作物は、世界からより大きな注目を集めると述べた。
双方はまた、G20会議とバイオセーフティが共通の関心分野であるとして、これらについて意見交換を行った。この会議にはまた、Wang Ren 教授( Vice President of CAAS, Lin Min教授( Director-General of Biotechnology Research Institute of CAAS )及び Huang Dafang 教授( Director of China Biotechnology Information Center.)が出席した。
このニュースは、以下のサイトにある。 http://www.moa.gov.cn/zwllm/zwdt/201202/t20120210_2479195.htm
インドは、Btワタの新品種を承認
インドの遺伝子工学承認委員会(GEAC)は、公共および民間機関の協力により開発されたBtワタの新品種の商業栽培を承認した。新品種は、以前に実用化されたBtワタの収量に比べて30%の収率を増加すると期待される。開発者は、地元のワタ品種Sankar6 とSankar8にBacillus thuringiensisから害虫抵抗性遺伝子を挿入することにより、新品種を作成した。
「Sankarに導入したBt遺伝子は、より環境に優しく、しかも我々の気候に適している。我々は、これが他のBtワタ品種に比べてより害虫抵抗性であることを期待している。この品種はより大きなワタのサイズを与えるとともにその数も増えると期待される。」とRaghavendrasinh Jadeja氏(インドにおけるBtワタの進歩的な農業生産者)は言った。
詳細は、以下のサイトにある。http://article.wn.com/view/2012/02/16/Centres_panel_approves_new_Bt_Cotton_seed/
オーストラリア遺伝子技術の規制局は、遺伝子組換え小麦と大麦の試験にOKを出した
遺伝子技術規制局(オーストラリア)は、穀物の栄養素、成分組成、病害耐性、ストレス耐性を遺伝的に変更した遺伝子組換え小麦と大麦の系統に限られた、管理された開放試験承認を連邦科学産業研究機構(CSIRO)に出した。
試験は2012年5月と2017年6月からオーストラリア首都特別地域の1つのサイトで行われる。そこで圃場条件下で栽培した組換え小麦と大麦系統の農業生産力と穀粒の質を評価する。組換え小麦と大麦は、市販のヒトの食品や動物飼料に使用されない。
決定の詳細は以下のサイトにある。http://www.ogtr.gov.au/internet/ogtr/publishing.nsf/Content/dir111
遺伝子組換え作物に関するEUの承認の遅延
EuropaBioは、「安全な遺伝子組換え作物に関する承認の不当な遅延」に関する文書を公表した。この中には、EUの承認プロセスの意思決定段階にある申請中の製品のリストが含まれている。結果は、法的に定められたスケジュールと管理実践の間に矛盾があることを示している。
文書は、2005年にEFSAの承認を得ており、委員会は最大2ヶ月間の制限処理時間にもかかわらず、上訴委員会で投票を何時するか決まっていない1507のトウモロコシの例を挙げている。以前に委員会レベル(最大裁定日数は3ヶ月で設定)で投票をするのに1452日間要した先に例がある。
文書を以下のサイトからダウンロードできる。
http://www.europabio.org/sites/default/files/position/gm_approvals_status_february_2012.pdf
フィリピン地方公務員がバイオテクノロジーセミナーに参加
フィリピン、パンガシナン州政府から200名以上職員が、パラワン島プエルトプリンセサで2012年2月17日の「気候変動時機における食料安全保障と持続可能な農業に向けた農業バイオテクノロジーに関するセミナー・ワークショップ」でバイオテクノロジーとBtナスについて学んだ。
科学者や規制当局は、以下について議論を重ね、紹介をした。即ち、フィリピン及び世界の遺伝子組換え技術シナリオ;遺伝子組換え技術の科学的基礎及び応用、フィリピンでの規制の枠組み、公共部門の取り組み、遺伝子組換え作物の世界的な可能性とそのインパクト。また、農業生産者側の話題提供者から遺伝子組換えトウモロコシの栽培の経験とパートナーシップについての話もあった。
参加者は自州の農業生産者へのBtナスの導入に関心を表明した。ワークショップでは、パンガシナン州当局は、主要な利害関係者の間でバイオテクノロジーの利点とポテンシャルの認識と理解を高めるために地域の人々に情報を提供するアウトリーチ活動の必要性があると結論した。同様に、地域の政策立案者は、遺伝子組換え技術の進歩のための要件として、遺伝子組換え技術に
関する適切な政策を決めることである。フィリピンの農業発展のツールとしての遺伝子組換え技術を認識し、冠水や乾燥耐性また病害虫耐性のある作物の商業化に期待をかけていた。
ヨーロッパ
ヨーロッパにおける遺伝子組換え作物の実地試験の規制:その概論 ヨーロッパの実地試験の規制についての概論がSonia Gomez-Galera氏らによってPlant Biotechnologyに掲載された。報告書によると、EUの実地試験規制は、最も厳しいものである。しかしながら、EUで行われ、どの組換え作物の試験報告からは負の環境影響なかった。 したがって、著者らは、以下のように勧告している。即ちEUは、遺伝子組換え作物に関連するリスクは、「これまで各国及び地方政府によって提示され、強制されてきた狭い制限に閉じ込めていた許容レベルは減少すべきである。即ち、同等の従来種の作物を栽培することのリスク以上のものはない。」とした。著者らは、国及び地方の意思決定プロセスへの関与が官僚の複数の層を追加することでプロセスをより複雑にしている。」と強調している。
概論は以下のサイトからえられる。 http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1467-7652.2012.00681.x/full
ヨーロッパの指導者は、遺伝子組換え技術はヨーロッパに必要と言っている
ヨーロッパは食糧生産の問題に対応するために新しい技術を必要としている。「ヨーロッパで新技術の可能性の錠前を解除しなければ、農業生産者は、これから直面する食糧生産の課題においてその役割を果たすことができなくなる。」とJulian Little,博士(農業バイオテクノロジー評議会の議長)は、述べている。
全国農業者組合(NFU)のAndrea Graham博士はこれに加えて以下のように述べた。「残念なことに、英国の農業生産者は、今ではヨーロッパ以外では当たり前のことになっているある種のバイオテクノロジー(遺伝子組換え技術)に手をつけることを拒否し続けている。これは、世界市場での競争力へのインパクトまた一方、この新技術による潜在的な環境上の利点および他の肯定的な特性を失っている。我々は、ヨーロッパでの遺伝子組換え作物関する科学的根拠に基づく意思決定プロセスを早急にもち、英国の農業生産者が、現在および将来の課題を解決するためのツールボックスの一つとして、この技術を取り込めることを許容すべきである。」
この報告は、以下のサイトにある。http://www.abcinformation.org/index.php?page=news#114
EUは、遺伝子組換えダイズ、MON 87701 x MON89788の輸入及び加工しても安全とした
遺伝子組換え生物に関するEFSAパネルは、「遺伝子組換えダイズMON 87701 x MON89788について加盟国が提起した科学的なコメントに対処し、これから利用者となる関係からみて、人間と動物の健康と環境への影響は、対応する従来種と同等の安全性を示す情報がある。」という判決を下した。
この遺伝子組換えダイズ品種は、食品や飼料としての使用、輸入および加工処理に関するリスク評価を行った。この品種は、害虫抵抗性及び除草剤(グリホサート)耐性を二つの品種、MON 87701 x MON89788の従来の交差法で育種したものである。この第一代種(F1)は、遺伝子を1コピーあるか新しく導入された形質に関して、半接合体(二倍体中に対をなさない染色体がある状態)である。
リスク評価の詳細は以下のサイトにある。http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/doc/2560.pdf

アグリバイオ最新情報 2011年12月

 世界
作物収量の緩慢な増加が世界レベルでの食糧安全保障に影響を与えるGM作物の健康影響評価によると、GM作物は、健康に有害作用を示さない発展途上国で農家の農産物収量を改善するアグリバイオテク
 

南北アメリカ
アルゼンチンでの遺伝子組換作物の15年後の経済的影響
バイオ燃料に関する日米遺伝学・化学研究
エコノミスト誌: バイオテクノロジーは、農作物産出高向上に関与できた
University of California, Riversideの科学者達は旱魃耐性作物造成の青写真を見出した
アルゼンチンは、GMトウモロコシ品種DP-098 140の栽培を承認した
栄養価の高いGMダイズは、USDAで規制撤廃された
 

アジア太平洋
BIOTECHTOONS;バイオテクノロジーの有用性と可能性を表現した論説カートゥーン
科学者は、アジアで茶色ウンカに共同で戦う
GMOスクリーニングのための新しい分析法
フィリピンは、ジェノミクスを利用した開発挑戦にステップアップする
中国がGMOについてのコンセンサス文書を公開
オーストラリアの科学者は、GM小麦研究を強化
カッサバの大規模なゲノム配列決定のための協同研究
イネの品種改良を早めるために栽培種と野生種の50の塩基配列をやり直した
中国のGM小麦の展開
 

ヨーロッパ
上級裁判所は、フランスの遺伝子組換え禁止は、不法であると公表
GM作物の導入に対するヨーロッパの農家の対応
 

研究
GMトウモロコシが離乳したての動物ブタにある食事の影響
科学者は、BT毒素の働きバチに対する影響を評価した
大麦遺伝子群を発現している遺伝子組換え桑は、ストレス耐性を強化した
科学者は、ジャガイモ・ウイルスY抵抗性の源として、野生のジャガイモを使った
多重抵抗性遺伝子は、ジャガイモの葉枯れ病に幅広い抵抗スペクトルを与える
 
組換え作物範囲外の話題
ダイズの成分がガン放射線療法の効果を強化
 

世界
作物収量の緩慢な増加が世界レベルでの食糧安全保障に影響を与える作物収量の増加がより緩慢になっており、これが世界レベルでの食糧生産の未来に深刻な影響を与える。 特に、デンマーク、フランス、フィンランドやスイスのようなヨーロッパ諸国での収量増加の潜在力があるにも拘わらず収量が減少していることが目立ってきた。スイスのチューリッヒのETHの Robert Finger氏が食糧安全保障について俯瞰した論文「作物収量のギャップをなくそう」をNature誌に発表した。
 


Finger氏は、市場を機材、肥料とこれらに関連した投資の意欲減少による寄与因子と考えた。 また、環境破壊を減少することを狙った農業政策もまた収量の成長を減らすように働くとした。 十分な世界レベルでの十分な食糧生産を確実にする収量ギャップを埋めるために、Finger氏は特に低い収入国におけるより大きなインセンティヴを提案している。

原報告は以下のサイトにある。http://www.nature.com/nature/journal/v480/n7375/full/
 

GM作物の健康影響評価によると、GM作物は、健康に有害作用を示さない長期及び数世代にわたる動物へのGM飼料が与える健康への影響評価試験:journal Food and Chemical Toxicologyに発
表された総説によるとGM作物は、栄養学的にその非GM親作物と同じであり、食品としても飼料としても同等に安全であると発表された。

英国のNottingham大学のSnell Chelsea氏と共同研究者は、GMのトウモロコシ、ジャガイモ、大豆、米またはライ小麦を含んでいる飼料投与の動物の健康に与える効果に関する24の研究データを集めて総合的に検討した。一般的に、統計的に有意な違いがある因子はなかった。少しの違いはあったが、通常の変動の範囲内で、生物学的であるか毒物学的に意味のある違いはなかった。

90日間のOECD 試験指針適切であり、GM飼料の健康への影響をみるのに適切で、十分と判断できた。基礎研究での実験指針を調和させることが評価研究の質を上げると勧めた。
原報告は以下のサイトにある。http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0278691511006399
発展途上国で農家の農産物収量を改善するアグリバイオテク
スイスの持続的農業のためのSyngenta財団のVivienne M Anthonyと Marco Ferroniの両氏が、発展途上国の農家の農産物収量を改善するのにアグリバイオテクが重要な役割を果たすと報告した。アグリバイオテクが、発展途上国、特に中国、インドと他のアジア、アフリカ中・南部で急速に導入されている。分子育種が研究進展を支援したがその後の新しい品種の導入は遅かった。そこで著者らは助けました、しかし、新しい種類の発散は同時に遅かったです。 このように、著者は作物遺伝学の成果である種子が農家に行き渡るシステムの改善が必須であると勧めている。
詳細は以下のサイトでご覧ください。
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0958166911007312.
 
南北アメリカ
アルゼンチンでの遺伝子組換作物の15年後の経済的影響
鉄工所財団の上級独立研究者Eduardo Trigo博士とCEOグループは、最近「アルゼンチンでの遺伝子組換作物の15年後の経済的影響」と題する報告を行った。研究によると、GM作物の導入によって生じた1996~2010年の間の総利益は、723億6300万米ドルになる。生み出された利益は以下のようにまとめられる。
グリホサート耐性ダイズ、利益は651億5300万米ドルであり、生産コスト(主により少ない耕起と従来より少ない選択的な除草剤使用による)の引き下げに起因するものが32億3100万米ドルと栽培面積の拡大によるものが619億1700万米ドルである。 増加した利益は、農家へ72.3%、輸出税と他の税としての政府へ21.3% ? そして、技術の提供者(種子と除草剤)へ6.5%の分配率となる。

トウモロコシ、害虫抵抗性と除草剤抵抗性技術は53億7500万米ドルの総利益に対して、農家へ68.2%、政府への11.4%と技術の提供者(主に種子)への20.4%の分配率だった。
害虫抵抗性と除草剤耐性ワタでは、全利益18億3400万米ドルに対し、農家へ96%、技術の提供者(種子と除草剤)へ4%の分配率だった。

「アルゼンチンの組換え技術の導入は、疑いなく非常に成功だった」と、ArgenBioの専務取締役、Gabriela Levitus氏が述べている。は)は言いました。 「弊社製品が勝ち残り、しかも国際的な価格がよかったが、アルゼンチンがまさにそれを受け入れる準備ができていたからである。世界クラスの育種家がおり、訓練されて革新的な農家、そして、そこには先駆的な管理システムを作り出す政治的意思がはたらき、これらが当初からアルゼンチンにGM作物を安全に導入することを保証したからである。」とも述べた。
原報告は、以下のサイトで読めます。
http://www.argenbio.org/adc/uploads/15_anos_Estudio_de_cultivos_GM_en_Argentina.pdf
 
 バイオ燃料に関する日米遺伝学・化学研究
米国(アイオワ州立大学、カリフォルニア大学デイビス校とロサンゼルス校、とニューヨークにあるBoyce Thompson植物研究所)の大学と日本(東京大学、大阪大学と京都大学)がSamuel Roberts財団と協力のもとで低炭素社会に向かう技術開発することを始めた。科学者達は、澱粉より強いエネルギーを効率よく作れるよりそして良質な脂質を生産するように植物を改変する事を含むさまざまの研究を実施する。このように、より効果的なしかも良質なバイオ燃料、バイ
オ燃料よりも費用対効果がよいバイオ化学製品を生産するために、これらの植物が利用される。
「我々は、よりよく生物学(植物の)を理解して、それをポジティブな特質を予測する観点からのより実現性の高い科学としようとしている。」と、生化学、生物物理学と分子生物学のBasil Nikolau教授が述べた。また更に「それらの得られた知見を利用して、我々が望むように植物を変えられる。」と述べた。
この詳しい情報は、以下のサイトで得られる。 http://www.news.iastate.edu/news/2011/dec/nikolau
エコノミスト誌: バイオテクノロジーは、農作物産出高傾向に関与できた
オハイオ州立大学農業経済学Carl Zulauf教授は、直線型形収量傾向にある統計証拠が示すところはバイオテクノロジーが生産を飛躍的に増加させるのに一役担っていることを示しているという報告を発表した。 彼はトウモロコシ、ダイズ、ワタ(米国で最も広く植えられている三種の組換え作物)の収量を調査して、まだ組換え品種のない11種の従来作物のそれとを比較した。収穫量について比較した彼の結果では、米国ですでに組換え作物が商業化された1996-2011の14種の作物の収量データーは、従来育種技術だけが使われた1940-1995年と比較して高い値を示した。

Zulauf教授によると「1996年以後の三種の組換え作物の収量は、増加傾向を示している二に対して組換え品種が限られているものはその半分よりも少なかったことがこの分析でわかる。」としている。 「バイオテクノロジーがトウモロコシ、ダイズ、ワタの高い収量傾向の理由であるとこの調査から言えないが、直線型形収量傾向が関係があるという結論に矛盾しないことを、示している。」述べている。
原報告は以下のサイトにある。 http://cornandsoybeandigest.com/seed/biotechnology-could-contribute-field
crop-yield-trends. 全報告文は以下のサイトから取れる。 http://aede.osu.edu/biotechnology-and-us-crop-yield
trends.
 
University of California, Riversideの科学者達は旱魃耐性作物造成の青写真を見出した
Sean Cutler氏を代表とするUniversity of California, Riversideのチームは、旱魃耐性作物造成のための青写真を見出した。
植物が旱魃にさらされると、レセプターと呼ばれている一連のタンパク質を活性化することによってストレスと戦って、生き残りを図る。 レセプターは、アブシジン酸というストレスホルモンで活性化される。そして植物が生き残るためのさまざまの有益な変化にもたらす。 その中には、脱水を避けるために、成長を一時的に停止して、水の消費を減少させるために葉面のガード細胞を閉じるなどがある。
「レセプターは細胞の指揮者で、アブシジン酸受容体はストレス寛容性を引き出す特定の交響曲を演奏することになる。」と、Cutler氏(University of California, Riverside のゲノムバイオロジーに関する研究所のメンバー)が言った。また 「どのように自由にオーケストラを動かすかがわかってきた。」と言った。
Cutler氏とその共同研究者のカトラーとアブシジン酸受容体の機能の発見は、その旱魃ストレス耐性植物開発に重要なものであるところから「2009年度の重要進展事項」選ばれた。この発見によって旱魃耐性作物の開発が現実味を帯びてきた。
プレスリリースは以下のサイトにある。 http://newsroom.ucr.edu/2807.
 

アルゼンチンは、GMトウモロコシ品種DP-098 140の栽培を承認した
GAT4621(グリフォセート・アセチルトランスフェラーゼ)とZM-HRA(改変トウモロコシ由来アセト乳酸塩シンターゼ)を含むGMトウモロコシ品種DP-098は、アルゼンチンでの商業化が承認された。 トウモロコシは、グリフォセートとアセト乳酸塩シンターゼ除草剤(例えばスルホニル尿素とイミダゾリノン)に対して耐性を示す。
承認書は、以下のサイトにある。
http://www.minagri.gob.ar/site/agricultura/biotecnologia/55OGM_COMERCIALES/index.php
 

 

栄養価の高いGMダイズは、USDAで規制撤廃された
モンサントのVistive(r)Gold soybeansとして登録されていた MON 87705、が米国農務省(USDA)の規制撤廃承認を受けた。この遺伝子組換えダイズは、 飽和脂肪をかなり少なくし、モノ不飽和脂肪を増加したダイズ油を生産できる。
「Vistive(r)Goldダイズの入手については、農家が栄養的に改善されたダイズ油の経済的で持続可能な源を消費者と食品会社に届ける体制がすぐできるようになる。」とし、また、モンサントの世界的なテクノロジーが食品規格の形質をリードするともJoe Cornelius氏が言った。
このこのUSDA規制撤廃は、米国における規制プロセスを完了させるものであり、モンサントが重要なダイズの輸出の必要な規制管理を得るまで厳しい指針のもとで圃場試験と種子の生産を米国内で行えるものとするものになる。食品医薬品局は、2011年1月に協議プロセスを完了した。 この品種は、また、カナダでも使用することが承認された。
ニュースリリースは以下のサイトにある。 http://monsanto.mediaroom.com/vistive-gold-usda-deregulation 規制に関しては、以下のサイトでみれる。 http://www.gpo.gov/fdsys/pkg/FR-2011-12-16/pdf/2011-32323.pdf
 

アジア太平洋
BIOTECHTOONS;バイオテクノロジーの有用性と可能性を表現した論説カートゥーン遺伝子組換え作物の有用性と可能性が、「BiotechTOONS」で芸術的な、二次元の論説カートゥーン(漫画)で表された: バイオテクノロジーに関する漫画家のためスト」は、フィリピンで2011年11月の第7回ナショナルバイオテクノロジーウイークの一部として開催された。コンテストは国際アグリ事業団(ISAAA)、農業の大学院学習及び研究のための東南アジアバイオテクノロジー情報センター(SEARCA BIC)とフィリピンの国際カートゥーン、コミックス、aとアニメーション社(PICCA)との共同主催として行われた。 BiotechTOONSは、遺伝子組換え作物の有用性と可能性にたいするフィリピンの漫画家の展望をとらえた。
コミックからシュールなものまですべての分野にわたったが、遺伝子組換え作物が農業への顕著な貢献をして、また将来への可能性を持つというメッセージをすべての作品に表されていた。BiotechTOONSエントリは、持続可能な農業、より安全な食用作物、食糧不安との戦い、気候変動の影響と戦って、農家の収入の増加、遺伝子組換え作物の利用を通してのより楽しい将来を次世代に提供するとの話題をカバーした。
現在フィリピンで栽培が許可されている遺伝子組換え作物であるGMトウモロコシがBiotech TOONSで繰り返されている主題です。今後有望な Btナス、ゴールデン・ライス、Btワタと熟成遅延性ウイルス耐性パパイアなどのGM作物が賢いキャラクターとして姿を現した。 一部の漫画家も旱魃や洪水に耐性作物をユーモラスな芸術表現を通して気候変動に強力な遺伝子組換え作物を開発する際の現代のバイオテクノロジーの力を強調して表現していた。

科学者は、アジアで茶色ウンカに共同で戦う
茶色ウンカ(BPH)とBPHによって伝搬するウイルス病に対する抵抗を強化するさまざまの戦略に取り組むために、いろいろの国からの研究者がIRRI(International Rice Research Institute)に集まった。 BPHは、過去5年南及び東南アジア諸国で流行を引き起こした。 会議に参加した研究者は、中国、インド、インドネシア、フィリピン、タイ、ベトナムと日本出会った。
参加者は、さまざまのBPH懸念に対処するために異なるBPH問題提起と個々の活動を提示した後に、the Global Rice Science for Partnership(GRiSP)に計画を提案をすることとなった。提案した計画には、マーカー利用戻し交配育種の利用や他のゲノム・ツールの使用を含めてある。農家に配布できる育種材料を開発するための知識ベースによる速い育種プラットホームを確立しようとするものである。

IRRI所長代理Achim Doberman氏は、農家と消費者の要望に応える生産物指向型のアプローチを出すよう研究者に要望した。
原報告は以下のサイトにある。http://irri.org/news-events/irri-news/partnership-to-achieve-brown-planthopper-bph-resistance-begins.
 

GMOスクリーニングのための新しい分析法
中国の科学者は、食品または食事に存在するGMOを検出する新しいスクリーニング方法を開発した。 この新しいスクリーニングアプローチは、90上の承認GMO品種に使うことができるQuadruplex PCR分析である。 それは、およそ80の目標コピーの探索ができる高い特性と感度がある。 米国穀物検疫所、Packers and Stockyards Administration(GIPSA)の実用プログラムから得た人工GM試料をについて開発された分析法が、うまく使えることがわかった。
分析方法の研究報告は以下のサイトにある。http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0308814611016803.

フィリピンは、ジェノミクスを利用した開発挑戦をステップアップする
フィリピンのローカル科学界のメンバーは、フィリピンのゲノムセンター(PGC)の記念すべき創設をするために、2011年11月28日に会合した。 PGCは、2009年フィリピン大学(UP)につくられていた。
PGC所長Dr. Carmencita Padillaによると、PGCは「持続可能な基盤を建設するために、科学者と研究者のコアグループをつくり、フィリピン及び海外の科学センターとの協力と協同研究を行ってきた」とされる。
フィリピン大学(UP )学長Alfredo Pascual氏は、歓迎挨拶の中で、PGCのホストになることに自信があり、これが大学にとっての一里塚になると言った。大学は、ゲノミックスを通して役に立つ解決法を生み出すことができるとも言った。 一方、フィリピン科学技術省長官Mario Montejo氏は、その基調演説において科学技術省、UPと科学界が一体となってPGCの活動を支えると言った。
PGCの国際顧問委員会のメンバーも、「ゲノムセンターの設立に当たっての課題と機会」について講演した。そこで 健康、農業、薬発見とバイオエネルギーのための生物多様性、法的課題と民族性とゲノミクス研究に関連した倫理、法律、社会問題は、PGCの優先順位の高い領域であるとした。
詳細は、以下のサイトにある。 http://www.pgc.up.edu.ph for more information. http://www.bic.searca.org または e-mail bic@agri.searca.org. のサイトにはフィリピンのバイオテクノロジーの新しいものが紹介されている。
 

中国がGMOについてのコンセンサス文書を公開
中国は、農業省科学との技術開発センターが編集翻訳したGMOコンセンサス文書(第1巻)を公式発行した。OECD(経済協力開発機構)によって書かれた本は3部から構成されている。: (1) 米、小麦、トウモロコシ、ワタ、ダイズとカノーラの生物学に関するコンセンサス文書、(2)これらの作物の新しいGM品種についての重要な食物/飼料栄養分と反栄養分に関するコンセンサス文書と(3)Bt-作物の安全情報に関するコンセンサス文書GMOs 管理室の中国語の報告は以下のブログサイトにある。http://aqpjcn.blog.163.com/ .
 
オーストラリアの科学者は、GM小麦研究を強化
オーストラリアの連邦科学工業研究機構(CSIRO)は、遺伝子管理室に232のGM小麦品種と41の大麦品種を申込んだ。首都地域での最初のGM作物実地試で「雨水依存」、旱魃の起こりやすい、真菌類による病気の起こりやすい環境でどれくらいうまくいくかを証明することになった。
そのうえ、CSIROは、小規模のヒトと動物への食用試験をGM小麦から小麦粉を作ってテストする許可を求めている。 その提案は、以下のようになる: 「CSIROの管理下で慎重に制御された、小規模の動物と人間の栄養的な食用試験を数種のGM小麦と大麦品種に由来する粉で実施するものである。」
CSIROは、ヒトでGM作物を試験する具体的な計画がないと強調した。 「研究プロジェクトがそのステージに至れば、我々はヒト試験を行う許可を申込んだ、しかし、我々にはヒト試験を今行う案はない。」と、報道官のOwen Craig氏が述べた。
全文は、以下のサイトにある。 http://www.allaboutfeed.net/news/australian-scientists-push-for-gm-wheat12472.html?cmpid=NLC|AllAboutFeed.net|25-nov-2011|Australian%20scientists%20push%20for%20GM%20wheat
 
カッサバの大規模なゲノム配列決定のための協同研究
2009年の熱帯農業研究センター(CIAT)からの最初のカッサバゲノムのドラフト配列の発表に続いて、CIATとShenzhenにある北京ゲノム研究所(BGI)の間の新しい大規模共同のプロジェクトで地域固有種、改善した品種、実験的な品種、野生種を含む5,000カッサバ遺伝子型の塩基配列を決定した。
CIATの作物研究部門Joe Tohme博士は、エコ効果的な農業の研究を通して熱帯地方の飢えと貧困を軽減するセンターの使命にむけての協力の重要性を強調した。 「この協同研究は、カッサバ研究を押し上げて、何百万もの小自作農農民のために作物改善を速める先例のない機会を意味する。」と、彼は言った。 「この作業はカッサバの重要性を確立するのも助け、この研究の正しい認知と研究支持が正しいとの評価を与えることになる。」とも言った。
この新しいイニシアティブで、科学者はアフリカとアジアへの米州にその起源があることと価値ある情報からこの作物の進化とアメリカ起源からアフリカやアジアへの分布についてより良い理解を得るとともに育種家が新しい生産システム、新しい市場、そして、気候変動への適合のために新しい特性を探したり、変更するために役に立つ必要な情報をもつようになる。
しい情報は、以下のサイトにある。 http://en.genomics.cn/navigation/show_news.action?newsContent.id=8957

イネの品種改良を早めるために栽培種と野生種の50の塩基配列をやり直した北京ゲノム研究所(BGI)は、によってresequencedされました栽培種と野生種の50の塩基配列をやり直した。 Nature Biotechnologyにも出版される研究は、イネゲノム全体の変化パターンを調査して、650万の高品質シングルヌクレオチド多形性(SNP)を得た。
「高品質の変化データは、機能バリエーションの識別を容易にして、マーカーを使った育種と遺伝子マッピングに役立。」と、報告の筆頭著者であるXun Xu、BGIの副所長が言った。
この研究で得たデーターは、イネの作物化の歴史とイネの品質と収量を改善するための農学的に重要な遺伝子の速い同定のために重要な情報を提供することになる。昆明動物学研究所、中国科学院、中国科学院の大学院大学、植物学研究所、中国科学院の生命科学大学、ローザンヌにあるEcole Polytechnique Federale de Lausanne (EPFL)、その他とBGIは共同している。
より詳細は、以下のサイトにある。 http://en.genomics.cn/navigation/show_news.action?newsContent.id=8959

 

中国のGM小麦の展開
中国農業科学院の科学者であるLanqin Xiaと共同研究者は、Journal of Experimental Botanyに中国でのGM小麦の現状を報告した。 彼らの報告によると、相当豊富な財源が中国政府から遺伝子組換え作物の研究開発にされた。 プロジェクトのゴールは、商業化にふさわしい安全で、正確で、効果的小麦遺伝子変換システムを使用して作物の改善する方法を生み出すことにある。研究開発計画の主要な面の1つは、小麦の遺伝的改善である。 遺伝子組換え作物の作付ヘクタール数の増加とGM作物の容認が中国で勢いがついている要因と思えると著者らは述べている。このようにして、中国及び世界の他の地域は、幅広くて安定した基盤をGM小麦の将来の成長に提供している。

報告は、以下のサイトにあります。
http://jxb.oxfordjournals.org/content/early/2011/12/14/jxb.err342.abstract.
 

ヨーロッパ
上級裁判所は、フランスの遺伝子組換え禁止は、不法であると公表最高裁判所(The Conseil d’Etat)は、2008年のフランスの遺伝子組換え作物(GM)の栽培禁止を違法であると最近決めた。EuropaBioプレス・リリースで、Carel du Marchie Sarvaas氏(ヨーロッパ緑のバイオテクノロジーの会長)は、以下のコメントを発表した。「ヨーロッパの最も高い裁判所とフランスの最も高い裁判所からのこれらの判断は、はっきりと1つのメッセージ出している。を送ります: 遺伝子組み替え作物の禁止は、政治的ドグマに基づくことができません。 両方の判断が述べるように、しっかりした科学的な証拠(フランスと他のヨーロッパ諸国が提示しなかった)なしで、遺伝子組換え作物を禁止することはできない。」
Sarvaas氏は、更にフランスの農家が収入の増加、害虫からの被害と減農薬を含むバイオテクノロジーによって得らる事ができた利益を4年の間逃したと付け加えました。 EU JRCリサーチセンター報告によると、この4年間に農家は、「得られたと想定される収入の4000万ユーロを失い、飢餓にある世界の必要を助けることができた370,000トンのトウモロコシの生産ができなかった。」とのべた。
プレスリリースの原文は、以下のサイトにある。http://www.europabio.org/agricultural/press/highest-courtsfrance-and-eu-confirm-france-s-ban-gm-crops-illegal

GM作物の導入に対するヨーロッパの農家の対応
ECジョイント研究センターのFrancisco J. Arealとそのチームは、EU農家のGM作物の導入に対する対応を調査分析した。 彼らは、農家を2つの集団に分類した ? 除草剤耐性GM作物挿入容認派と拒否派。その結果によると、経済的問題即ちより良い収入の保証と農業経費の引き下げが想定容認派と拒否派とも最も励みになる理由であることが示された。
研究者は、共存政策の実施が導入容認派の対応にネガティヴに働き、実際EUでの除草剤耐性GM作物導入の邪魔になるかもしれないことがわかった。
plant biotechnology journal に発表された研究報告は以下のサイトにある。
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1467-7652.2011.00651.x/abstract.
 

研究
GMトウモロコシが離乳したての動物ブタにある食事の影響
動物飼料へのGM作物の利用は、世界中で遺伝子組換え作物の導入が増加するにつれて、増加している。 しかし、肉用と搾乳動物の飼料としての遺伝子組換え作物の使用の増加は、人間の健康へのあるかもしれない危険のために一般の懸念にもつながっている。 そこでアイルランドの動物及び草地研究開発センターのMaria Walsh氏と共同研究者が免疫反応と離乳したてのブタの成長に関してGMトウモロコシ(MON810)を与えた影響を評価した。 彼らはまたブタのさまざまの臓器でのトランスジェニックDNAとタンパク質の行き先も辿った。
ブタの1つの群れはGMトウモロコシを含む飼育し、対照として相当する非GMトウモロコシを飼料として与えた。 どんなにこれらが重要であるとわからなかったとしても、研究者はブタの免疫反応に少しの変化を認めが有意差がなかった。
ブタの成長は、GMトウモロコシを飼料としても影響を受けなかった。 科学者は、離乳ブタにcry1Abまたは遺伝子移動を臓器や血で証拠を見つけられなかった。
これに関する公開論文は以下のサイトにある。http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0027177.
 

科学者は、BT毒素の働きバチに対する影響を評価した
Bt作物の商業栽培の前にBt殺虫タンパク質の対象外昆虫に対する影響を評価することは、必要である。 ミツバチが天然界と農業システムの非常に有益な昆虫であるので、Bt作物の潜在的影響をみるための重要な種の1つである。 そこで中国農業科学院のPing-Li Dai とその共同研究者は、砂糖シロップにCry1Ah毒素の異なる濃度を加えて、働きバチに食べさせる実験を行った。 彼らの狙いは、毒素が働きバチの生残、花粉の消費、低咽頭腺の大きさに影響を与えるかを致死あるいは亜致死効果で見ようとした。
Cry1Ah毒素の異なる濃度との砂糖混合を与えられるミツバチ(Apis melifera ligustica and Apis cerana cerana)の生存には、有意差がなかった。また、毒素を食べるミツバチと通常の砂糖シロップで育てたものの寿命にも有意差も見つからなかった。花粉消費量は、Apis melifera ligustica and Apis cerana ceranaの両者で有意差がなかった。 Cr1Ah毒素を食べるミツバチには低咽頭腺(ミツバチの自分のテリトリー決定に重要な役割を果たす。)の重さに有意差がなかった。
研究報告は以下のサイトにある。thttp://www.springerlink.com/content/th7667372162l505/.
 

 

大麦遺伝子群を発現している遺伝子組換え桑は、ストレス耐性を強化した
持続可能な農業で最も重要な面の1つは、さまざまの生物学的及び非生物的なストレスに耐える作物の能力である。従来育種技術とマーカーによる選抜が桑の品種改良に用いられてきたが、これでは長い期間がかかりすぎる。そこで絹農業のために桑のストレス耐性を改善するために遺伝子組換え技術を使った。デリー(インド)大学南CampusのVibha Checker博士と共同研究者は、アグロバクテリウム属による形質変換法で大麦遺伝子(Hva1)を導入した。
遺伝子組換え桑は、旱魃と塩分により良い耐性を示した。 大麦Hva1の過剰発現は、耐冷性も付与した。 遺伝子組換え品種は、同質遺伝子系統と相似形態をもっていたが、成長が早く、旱魃、塩と冷温に耐性が強化された。遺伝子組換え作物は、圃場試験で非作物よりも全体的なパフォーマンスでよい結果を示した。
要旨は以下のサイトにある。http://www.springerlink.com/content/y4147111h5316617/.
科学者は、ジャガイモ・ウイルスY抵抗性の源として、野生のジャガイモを使ったジャガイモ・ウイルスY(PVY)は、塊茎品質と収量全体にわたりひどい損害与えるジャガイモの悪名高い病原体である。 PVYに対する抵抗がある数種の野生のジャガイモが確認されているが、栽培品種には抵抗性のあるものがなかった。
ホスト因子eIF4E-1の特定の領域のアミノ酸置換がさまざまの作物に抵抗性をもたらすとわかったので、JR Simplot社のHui Duan氏と共同研究者は野生のジャガイモ発現される関連遺伝子の塩基配列決定した。
研究者によるEva1とされるeIF4E-1の新しい型が3つの野生の種(すなわち、Solanum coense、S. demissumとS. etuberosum)で見つかった。栽培種ジャガイモ(S. tuberosum)と相同性を比較するとアミノ酸置換がタンパク質の異なる場所で見つかった。 Eva1も、感染に必要とされるウイルスタンパク質VPgと結合することができなかった。 これらの結果からEva1が栽培品種の遺伝子内変化でPVYに対する抵抗性を発現すると考えられる。
研究論文は以下のサイトにある。 http://www.springerlink.com/content/nw271tu6j8361r48/.
 

 

多重抵抗性遺伝子は、ジャガイモの葉枯れ病に幅広い抵抗スペクトルを与える
葉枯れ病は、真菌Phytophthora infestansに起因するジャガイモの悪名高い病気の1つである。これまでの研究から、 メキシコのジャガイモ種Solanum demissumが葉枯れ病に対する抵抗性遺伝子の良い源であることが、明らかになった。
Wageningen大学のHyoun-Joung Kimとオランダの研究センターは、他の研究者と共に、研究室及びフィールドで幅広い抵抗スペクトルを示す抵抗性遺伝子R8とR9に関する詳細な情報を得る研究を行った。彼らはMastenbroek(Ma)R8とR9クローンを感受性のある植物と交差し、両親とその子孫について病原体認知特性、落ちた葉の分析と遺伝子特有マーカーの検討を行った。
4つの抵抗性遺伝子が、MaR8で見つかった。一方、7つがMaR9で見つかった。彼らは、多くのR遺伝子を積み重ねることで葉枯れ病症の発症を遅らせることを見つけた。 抵抗性遺伝子としてのR8だけで複数の抵抗性遺伝子を含んでいる植物と類似した遅れを与えたことは、目覚ましいことであった。
「非スタッキング(異種積み重ねをしない)」アプローチが新しい葉枯れ病耐性の開発に抵抗性遺伝子の組合せを生み出すことに役立つと、科学者は結論しました。
要旨は以下のサイトにある。 http://www.springerlink.com/content/52x881847733m058/.
 

組換え作物範囲外の話題
ダイズの成分がガン放射線療法の効果を強化ダイズの自然の無毒の構成要素イソフラボンが、がん患者の治療に役立つことがわかった。Wayne State University、医学部のGilda Hillman博士をリーダーとし、Barbara Ann Karmanos Cancer Instituteとの研究がNutrition and Cancer(2010)に最初の研究報告が掲載された。それは、放射線療法とダイズ錠剤で治療した前立腺ガン患者の臨床試験でガンの周りにある通常の非ガン組織の細胞・組織への放射線に起因する損害を減らしたというものである。
さらに研究するために、国立癌研究所からの347,000ドルの2年の補助金のもとでこのグループは、マウスで非小細胞肺がんについて、イソフラボンによる影響を研究した。 journal adiotherapy and Oncologyに発表された論文によると、イソフラボンが電離放射線により感受性にすることができた。正常細胞にはないガン細胞にある放射線で活性化された生き残り経路の抑制を通したものである。
放射線療法の間、腫瘍組織の-殺害を最大化し、且つ正常細胞を保護ずる方法論がとられると臨床医はヒトに対する放射線療法とダイズイソフラボンを複合してすることで治療の面でも経済的にも利益をもたらすことができる。
詳しくは、以下のサイトにあるニュースをご覧ください。
http://www.sciencenewsline.com/medicine/2011121914100003.html

 

最新作物バイオテク 2010年5月

世界
米国は「食糧供給の将来」についてイニシアティブを提示

気象専門家が食糧保障問題に挑戦 - 気象変動への挑戦アフリカ
FAOは、アフリカの食糧安全保障に向けてのより一層の努力を呼びかけた
基礎的農業研究に基本的基金を投入

アフリカ
ケニアが国立生物安全機構を発足
バイオ肥料として役に立つ土壌細菌と真菌

南北アメリカ
米国農務省研究所の科学者が紋枯病に遺伝抵抗性を同定した
オレイン酸含有量の高いダイズ油が2012年に市場にでる
米国食品医薬品局(FDA)は Vistive Gold ダイズ油を承認
ホテイアオイの生物的制御が発表された
「食糧供給の将来(FTF)」戦略の一部としての生体成分強化

アジア太平洋
中国の科学者が初めて組換え作物の経済インパクトを多種作物、大規模に評価を実施
中国政府高官がバイテクを取り上げた

ヨーロッパ
英国の学者がカラス麦について研究した
より健康に良い新しい小麦品種
英国環境・食糧・農村地域省(DEFRA

英国、ドイツ、米国の新聞による組換えに関する概念の枠組み形成について
 
研究
塩処理下での米の香りと収量減少との関係
ピーナッツにおけるアフラトキシン耐性と旱魃耐性の関係

世界

米国は「食糧供給の将来」についてイニシアティブを提示
米国政府はシカゴ評議会によって開催された国際問題シンポジウムで、「食糧供給の将来」に関するイニシアティブを提示した。これは世界飢餓と食糧安全保障に対する政府の義務を再確認するためのものだ。米国国際開発庁長官のDr. Rajiv Shahは、政府の食糧安全保障計画を発表し、バラク・オバマ大統領陣営の世界飢餓と食糧安全保障の行動計画である「食糧供給の将来」指針を公表した。
「食糧供給の将来」は飢餓や貧困を減らすため、国の計画予算を調整し、持続的多様な政策決定者間の協力関係を醸成する。このイニシアティブは農業生産、研究、そして国際的な食糧供給の増大と食糧価格の低下に向けて市場を改善するように資源投入をするものである。オバマ大統領は、2009年のイタリア、ラクイラで開催されたG8サミットにおいて、今後三年間、最低でも35億ドルを農業発展と食糧安全保障に投資することを誓約した。他の資金供与者による資金は18.5億ドルにも上る「食糧供給の将来」につながる食糧安全保障プログラムの資金となった。
政府からの報道機関への詳細は以下のサイトにある。http://www.america.gov/st/texttrans-english/2010/May/20100520164738eaifas0.9879354.html
 
気象専門家が食糧保障問題に挑戦 - 気象変動への挑戦 
砂漠化、海面上昇、淡水源の枯渇、そして壊滅的な自然災害は気候変動の影響で発生した環境問題であり、これらは国際的な食糧安全保障と供給を崩壊させる危険性がある。そこで、国際食糧政策研究所(IFPRI)の気象変動研究者達はアフリカやアジアの農業従事者にこれらの問題に順応し、緩和する技術が必要であると提言した。気象専門家、科学者、政策決定者、そして農業従事者達は昨年5月4日、ナイロビの農林業センターで開かれた「気象変動に対応した食糧安全保障構築に向けて」の会議でこの食糧安全保障と気候変動に対する挑戦に取り組んだ。この会議は気象変動、農業と食糧安全保障(CCAFS)プログラムの一環で、本プログラムは世界の農業を気象変動によって生じる様々な障害に適応し、さらに農業によって生じる温室効果ガスを削減することを目的としている。
「農業従事者の生活を向上させるため、我々は環境に優しく、安定した食糧供給を確保する手段を見つけなければならない。この会議はその為に重要な役割を持つ。」とCCAFSの会長であり、会議の主催者の一人であるTorben Timmermann氏が語った。CCAFSは開発途上国食国際農業研究顧問機構(CGIAR)と地球システム科学パートナーシップ(ESSP)が共同で立ち上げた10年間のプログラムである。
原報告の詳細(オランダ語で)は以下のサイトにある。http://www.life.ku.dk/Nyheder/2010/960_nairobi.aspx.
 
FAOは、アフリカの食糧安全保障に向けてのより一層の努力を呼びかけた
国連食糧農業機関(FAO)長官のJacques Diouf氏は、アフリカの食糧安全保障の現状についての懸念を表明した。FAOの第26回アフリカ地域会議大臣級会合の開会の言葉で「サハラ以南のアフリカでは、2009年以降、億6500万以上の人が栄養失調状態にあり、人口の30%が飢えに苦しんでいる。」と語った。彼はこの現状は、関係者の直ちに間断ない改善が必要であると強調した。また、この状況は小規模農家を支援し、農家畜産を強化するチャンスであると語った。
アフリカは水不足や先進的な農業機器を得られないなど、様々な農業問題を抱えている。そしてDiouf氏によると、これに加えて、資金の過少投資がアフリカの栄養失調と飢餓の原因の一つである。安定した食糧供給と安全保障のためには、今後40年間で有意に食糧供給率を伸ばさなければならない。近年のこの大陸農業の発展と成功を考慮すると、これは決して難しい問題ではない。
全報告は以下のサイトにある。http://www.fao.org/news/story/en/item/41994/icode/
 
基礎的農業研究に基本的基金を投入
 国立科学財団(NSF)は農業開発のための基礎研究(BREAD)プログラムの初年度に15もの助成金を給付した。ビル&メリンダ・ゲイツ財団が立ち上げたこの5年間のプログラムの目的は、発展途上国の農業問題を解決する、持続的で科学的根拠に基づいた農業問題の解決に向けたことを編み出すことをねらったものだ。
 NSFは、この助成金は科学者達が、「小規模農家が直面している問題に新しい独創的な技術や研究アプローチで切り込む助けになる。」ものに授与された。例えば、ワシントン州立大学、パデュー大学、ウィスコンシン大学、パキスタンのCOMSTAS大学、インドのパンジャブ農業大学、そしてパイオニア・ハイブリッドは旱魃条件下でも収穫量を増やす、新規の矮化遺伝子を同定するプロジェクトがあげられる。」
「世界中の優れた科学者達を引き込むことで、BREADプログラムは農業が抱える深刻な問題に独創的に取り組む事ができる。」また「そうして生まれた解決策は、多くの小規模農家が収穫量を増大して所得を増やし、飢餓と貧困から自分自身で抜け出す助けとなるだろう」と、ビル&メリンダ・ゲイツ財団の農業発展プログラムの副長官Rob Horsh氏は話した。
 この助成金は42の米国研究機関とケニア、南アフリカ、マラウイ、オーストラリア、コロンビア、メキシコ、スイス、デンマーク、パキスタン、インド、パプアニューギニア、英国を含むの共同研究機関に給付された。また、開発途上国食国際農業研究顧問機構(CGIAR)や民間企業の研究者も一部のプロジェクトに参加する。
NSFメディアリリースは、以下のサイトにある。http://www.nsf.gov/news/news_summ.jsp?cntn_id=116932
また2010年度のBREAD助成金の全リストは、以下のサイトにある。http://www.nsf.gov/bio/pubs/awards/bread10.htm.
 
アフリカ

ケニアが国立生物安全機構を発足
 ケニアの高等教育科学技術大臣William Ruto氏は、2010年月13日にケニア私物安全機構(NBA)を発足した。機関の立ち上げ演説で、大臣は、政府が生物安全法に基づき、かつ透明性のある方法でバイオテクノロジー分野での事業を行うことにしたと話した。またそのためには国民の協力が第一である。大臣は、ケニア国民は本機関が国のバイオテクノロジーを向上させる事を待ち望んでおり、特に遺伝子組換え生物及びその産物の規制が大切であるを強調した。
NBAの立ち上げは生物安全法のの主要事項である。この機構は、著名な科学者、主要省庁の事務次官、生物安全室の長官、農業従事者、消費者、民間企業の代表者といった幅広い政策決定者からなる機構である。
大臣は、全世界が飢饉、貧困や病気の軽減においてバイオテクノロジーが果たすべき役割は大きいことを認識していると話した。農業、ヒトの健康、畜産業、貿易、工業、環境管理におけるバイオテクノロジーの安全な応用が、開発に向けての最上の選択肢の一つである事は既に示されている。インドや中国はBtワタの様に、新しい技術を利用して利益を得るため、バイオテクノロジーの商業的能力を駆使し、最高位の政治、技術レベルで周到な政策決定を下した。またアフリカにおいて、バイオ技術作物の商業生産に資金投入した国は南アフリカ、エジプト、ブルキナファソだけであったと指摘した。ブルキナファソではBtワタは生産高を30%増加でき、農薬の使用を約半分に削減し、農家の所得を高めることができた。
Hon. William Roto氏は、来年までにBtワタの栽培を導入し、ケニア国内の綿工業を活性化させるため、ケニヤの農業者を助ける協奏的努力を呼びかけた。また、ケニアは人口増加に見合った食糧生産を可能にするため、適切な技術の導入を検討すべきだと指摘した。
更なる情報は、ケニア生物安全機構のHarrison K. Macharia氏に以下のサイトでコンタクトしてください。harimacharia@yahoo.com
 
バイオ肥料として役に立つ土壌細菌と真菌
国際熱帯農業研究センター(CIAT)は「地下生物多様性の保存および持続可能な管理」(CSM-BGBD)プログラムを設立した。本プログラムは地下生物多様性を利用して食糧安全保障を向上し、農家の所得を増やす目的で、ブラジル、コートジボワール、インド、インドネシア、ケニア、メキシコとウガンダの7カ国の研究者達によって実施される。
彼らの研究結果から、土壌真菌および細菌を農業に利用することで作物の収穫量が50%以上増加することが分かった。例えばケニアで実施された試験では、根粒菌を接種した土壌で栽培することで、大豆の収穫量が40-60%増加した。さらに、土壌に肥料と共にトリコデルマ属の真菌を加えることで収穫量は2倍に増大した。これらのバイオ肥料を導入することで農家はコスト削減でき、水と栄養利用を効率よく改善できる。
プレスリリースは、以下のサイトにある。http://www.unep.org/Documents.Multilingual/Default.asp?DocumentID=624&ArticleID=6573&l=en&t=long.また、CSM-BGBDプロジェクトの詳細は以下のサイトにある。、http://www.bgbd.net/.
 
南北アメリカ

米国農務省研究所の科学者が紋枯病に遺伝抵抗性を同定した
 紋枯病は米の穀粒品質と収穫量に深刻な影響を及ぼす病気で、紋枯病菌(Rhizoctonia solani)によって起こる。米農務省農業研究所は、紋枯病の耐性遺伝子の同定に成功した。
植物病理学者のYulin Jia氏と共同研究者は、紋枯病の発病をコントロールしていると考えられる遺伝領域として初めて発見された領域qShB9-2を同定し、確認した。Georgia Eizenga氏のチームはつの可能性の高い品種を発見し、何種かを国内種と交配させ、新たな耐性遺伝資源を作り出した。同様に、Shannon Pinson氏は紋枯病に耐性を持つ米を作る遺伝子を持つクロモソーム領域を組換え近交系の遺伝子から発見した。
紋枯病の研究開発に関する最新の報告は以下のサイトにある。http://www.ars.usda.gov/is/pr/2010/100504.htm.
 
オレイン酸含有量の高いダイズ油が2012年に市場にでる

オレイン酸含有量が多い大豆油は、加工過程でトランス脂肪酸を生成する水素添加を必要としないため、健康に良いとされている。パイオニア・ハイブリッド社は、2012年までに、この大豆油をPlenishTMという製品名で一般販売する事を目標としている。この組換えダイズは、現在市販されている商品に比べ、飽和脂肪酸が20%少ないという特徴も持つ。
PlenishTMは今年末に米国規制認可を受け、2011年にオイルテストとフィールドテストを行い、最終的に2012年に商品化される予定である。「大豆油の品質を向上する事は我々の挑戦の半分に過ぎない。我々はさらに、生産者達の栽培意欲を高められる品種、オレイン酸含量が高く、かつ従来の大豆と収穫量が変わらない品種を開発しなければならない。」と、研究者のSusan Knowlton氏は話した。『我々は、油の品質と圃場試験のこれまでの結果に喜んでいる。』とも語った。 
パイオニア・ハイブリッド社のプレスリリースは以下のサイトにある。http://www.pioneer.com/web/site/portal/menuitem.2ef674038413d5e663816381d10093a0/
 
米国食品医薬品局(FDA)は Vistive Gold ダイズ油を承認
米国食品医薬品局(FDA)は、モンサント社に対し、ビスティブ・ゴールド大豆を原料とした大豆油を安全食品認定(GRAS)する旨の回答書を発行した。食品会社は、飽和脂肪酸含量が低く、トランス脂肪酸が少ない、あるいは含まない特徴を持つダイズ油を使用した各種食品の開発及び試験が可能になった。
 「健康食品の需要は近年ますます高まっており、本製品はそれに見合った原料供給を可能にすることになる。」とモンサントの世界の油糧を先導するRoy Fuchs氏がのべた。「ビスティブ・ゴールドの開発により、消費者にダイレクトに健康効果をもたらす、次世代の大豆生産を垣間見ることができる。我々はさらに、本製品の発売後、市場でプレミアム価格が設定され、農家が利益を得ることを期待している。」とも語った。
プレス・リリースによると、モンサント社は官公庁への申請手続きを既に完了している。規制プロセスが終了すれば、本製品は各食品会社で原料として利用される事が可能になる。
全報告は、以下のサイトにある。http://monsanto.mediaroom.com/index.php?s=43&item=841
 
ホテイアオイの生物的制御が発表された
 Megamelus scutellaris(半し類:ウンカ科)を利用したホテイアオイ(Eichhornia crassipes)の生物的防除が、フロリダとアルゼンチンのブエノスアイレスに拠点を置く米農務、省農業研究部の昆虫学者らによって研究された。ホテイアオイは繁殖力が強く水辺で多くの問題を引き起こす水草であるが、これがウンカの幼虫、成虫の餌となることが発見された。この発見から、ウンカ虫は従来の除草剤に代わる効果的な手段として期待されている。
 ウンカ虫は移動性が高く、高度に管理されたシステムでも生存できるため、現在の除草プログラムにうまく適用できると研究チームは確信している。さらなる研究から、ウンカは宿主特異性が高く、在来種や他の経済的に重要な生物種に害を及ぼす危険性はない事が明らかになった。
詳細は 、以下のサイトにある。http://www.ars.usda.gov/is/pr/2010/100518.htm
 
「食糧供給の将来(FTF)」戦略の一部としての生体成分強化

米国政府によるFTF戦略の立ち上げにあたり、USAID長官のDr. Rajiv Shah氏は、農業による栄養改善のためには、Harvestplusの寄与が不可欠であると強調した。主要食物の栄養価を高めることはFTF戦略の一つであるが、これはHarvestPlusの、微量栄養素を含む主要生産物を強化するという目標と一致している。HarvestPlusにより生産される生体成分強化作物の一つに、ビタミンAを豊富に含むオレンジ色サツマイモがある。この生体成分強化作物はアフリカ国民の健康状態と経済的福祉を増進させる目的で、国際ポテトセンターと共同で開発された。HarvestPlusはまた、ルワンダと生体成分強化豆を、インドとトウジンビエを共同開発しており、FTF戦略においてHarvestPlusに期待される役割は大きい。
全体の報告は以下のサイトにある。 http://www.harvestplus.org/content/biofortification-aligned-new-us-%E2%80%98feed-future%E2%80%99-strategy 
 
アジア太平洋

中国の科学者が初めて組換え作物の経済インパクトを多種作物、大規模に評価を実施
 中国農業科学院(CAAS)植物防疫研究所は、初めて組換え作物の経済インパクトを多種作物、大規模に評価を完了した。結果は2010年月14日のサイエンス・オンラインで発表された。
 中国北部で10年間にわたって行われた農場試験の結果、Bt(Bacillus thuringiensis)ワタの栽培によりカメムシ科の昆虫(異翅目カメムシ科)の個体群レベルが徐々に増加し、ワタや他の作物に害を及ぼす事が明らかになった。より具体的には、Btワタがカメムシの発生源となり、Btワタの栽培により殺虫剤を使用しなくなった事で個体数が増加したという。従って、Btワタの栽培には害虫処理体制の改善がアグロ・ランドスケープレベルで必要であり、この害虫の発生と拡大の責任を負わなければならない。
 本研究により遺伝子組換えBt(Bacillus thuringiensis)ワタの長期間での非標的害虫への影響が明らかになり、遺伝子組換え耐虫性作物が昆虫個体群の進化に及ぼす影響を解明する理論的基礎が構築された。そして主要害虫を持続的にコントロールする理論と技術の必要性が示唆された。
 全報告は以下のサイトにある。http://www.sciencemag.org/cgi/content/full/sci;science.1187881
 
中国政府高官がバイテクを取り上げた
 2010年月19日から20日にかけて、北京の科学技術委員会の主催で第三回国際バイオテクノロジー・農業サミットが開催された。「中国の農業成長への科学技術、特に現代バイオテクノロジーの寄与率はこの30年で27%から51%に上昇している。」中国の農業技術拡張サービスセンターの長官Dr. Xia Jingyuanはサミットでこう発言した。
 北京科学技術委員会の副長官Yang Weiguangもまたバイオテクノロジーの必要性を認識しており、「農業科学技術の発展のコアとなる種子産業の進展には、バイオテクノロジーの力が必要である」と話した。300人以上の政策決定者、研究者、起業家、そして政府や公営、民間企業の代表者、マスコミがサミットに参加し、農業科学技術の成果と国内需要について、そして政府指導の下、農業バイオテクノロジー企業を設立する事について討論した。
サミットの詳細は以下のサイトにある。http://bas.newlife.org.cn/?lang=en 中国のバイオテクノロジーに関する情報は、中国バイオテクノロジー情報センターのProf. Zhang Hongxiang氏と以下のサイトでコンタクトをとって下さい。zhanghx@mail.las.ac.cn
 
ヨーロッパ

英国の学者がカラス麦について研究した
英国では、カラス麦の改良品種の開発プログラムでアベリストウィス大学の生物科学、環境及び地域科学研究所(IBERS)に4.9Mユーロが投資された。この5年間のプログラムで、バイオテクノロジー・生物科学研究会議(BBSRC)、英国環境・食糧・農村省(Defra)、ウェールズ議会政府、スコットランド政府が資金提供している。
「カラス麦は植物病や雑草問題が少なく、穀物ローテーションにおいて重要な間作作物である。小麦と比較して少量の肥料で育ち、限界地域でも生育できる。また栄養価の高い飼料であり、農場でも栽培できる。我々は植物遺伝学の基礎研究と植物育種技術をうまく融合し、食糧、水、エネルギー安全保障及び環境維持という課題に対処するべく、商業的に実現可能な改善種を開発している。」とIBERSのカラス麦育種プロジェクトリーダーのDr Athole Marshallは話した。  
Marshall氏はさらに、「本研究には最新のゲノム科学技術が適用される。分子学的知見と従来の植物育種技術の融合、そして研究・産業パートナーによる新品種の評価と組成分析の結果は、新しいカラス麦品種が多くの最終消費者の要求に見合ったものであると証明してくれるだろう。」と加えた。
アベリストウィス大学からのプレスリリースは、以下のサイトにある。
http://www.aber.ac.uk/aberonline/en/archive/2010/04/au0810/
 
より健康に良い新しい小麦品種
小麦の各栄養成分の含有量は種によって様々であり、中には通常の4倍もの栄養価値を持つ種が存在する。食物繊維、ビタミン類、ミネラルを多く含む小麦を開発するため、2005年6月、EU第6次研究・技術開発枠組み計画(FP6)の「食品の品質と安全」分野でHEALTHGRAINプロジェクト(FP6)が発足した。このプロジェクト名は、「Exploiting Bioactivity of European Cereal Grains for Improved Nutrition and Health Benefits」(ヨーロッパの穀物農業を活性化し、栄養と健康効果を高める)の文字の組み合わせを取って命名された。
本プロジェクトは今月で終了するが、プロジェクトの研究者達は小麦育種計画に利用できる食物繊維、トコフェロール(ビタミンE)、そしてステロールのMarker(標識)を同定したと報告した。さらに、彼らは育種家、穀物商人、製造加工業者、そして栄養価改善小麦の識別ラインに関わる全ての食品産業業者に応用可能な、近赤外線測定法及び抗体などの新しいツールを開発していると報告した。
報告の詳細は以下のサイトにある。http://cordis.europa.eu/fetch?CALLER=FP6_NEWS&ACTION=D&DOC=4&CAT=NEWS&QUERY=0128d9078418:af4c:7cdc92c2&RCN=32129
 
英国環境・食糧・農村地域省(DEFRA)
英国環境・食糧・農村地域省(DEFRA)は、英国ノリッジ、ジョン・インネス・センターのセインズブリー研究所に対し、ジャガイモの葉枯病に耐性を持つGMジャガイモの試験研究の認可を下した。英国の環境への影響に関する諮問委員会(ACRE)はGMジャガイモ適用の評価を行い、提案された試験が環境及び人体に有害な影響を与えないという結論を下した。ただし、GMジャガイモを試験場に残留させない、収穫されたジャガイモは食用及び飼料用に利用しないという条件が合意に含まれている。 
ニュースは以下のサイトにある。http://ww2.defra.gov.uk/2010/05/21/defra-approves-gm-potato-trial/更に詳しいセインズブリー研究所からの申請と法的内容は以下のサイトにある。http://www.defra.gov.uk/environment/quality/gm/regulation/registers/consents/index.htm.また、申請に対する助言は、以下のサイトにある。http://www.defra.gov.uk/acre/pdf/advice/acre-advice-10-r29-01.pdf.
 
英国、ドイツ、米国の新聞による組換えに関する概念の枠組み形成について
大衆の科学理解誌(The public understanding of Science)は、Framing of Science Issues in Opinion-Leading News: International Comparison of Biotechnology Issue Coverage.(世論をリードする新聞による科学問題の枠組み構成:バイオテクノロジー問題の報道の国際比較)というタイトルの論文を発表した。著者のスウェーデン、ウプサラ大学のThomas Listerman氏は、2000年から2002年にかけて、ドイツ、英国、米国で、現代科学の主要な論題であるバイオテクノロジーが世論をリードする新聞でどのように報じられ、世間にどう認識されているのか、またその認識がどの様に変化したかを調査した。
調査の結果から、メディアの注目度が高まると確かな世論の見直しが起こる事が明らかになった。ドイツではバイオテクノロジーの倫理面での討論が激しくなり、イギリスでは国民の議論が活性化した。一方、アメリカの新聞では科学的、経済的な視点での討論が多く見られた。
詳細は以下のさいとにある。 http://pus.sagepub.com/cgi/content/abstract/19/1/5

研究

塩処理下での米の香りと収量減少との関係
 コメの香りはベタインアルデヒド脱水素酵素2(BADH2)という酵素活性を失うこの遺伝子の遺伝子の欠損に関係がある。植物のBADH酵素群は非生物的ストレスに耐える能力を支援するために存在し、これらの酵素群はグリシンベタイン(GB)の蓄積を行っている。しかしイネが自身でGBを作ることができないのは、BADH2の生産が、高塩濃度などの環境ストレスへの耐性を支援するγ‐アミノ酪酸(GABA)の代謝に関係している。
 オーストラリアの植物保全遺伝センターではTimothy Liam Fitzgerald氏らにより、温室スケールでの実験が行われ、香り米とBADH2を持つ非香り米で、塩への耐性がどの様に異なるかが比較した。結果から、塩水に曝された香り米では成熟種子の生産が大幅に阻害される事が分かった。従って、消費者に通常好まれる香り米は塩分感受性の品種から作られると考えられる。  
全報告は、以下のサイトにある。 http://dx.doi.org/10.1016/j.envexpbot.2010.01.001.

 
ピーナッツにおけるアフラトキシン耐性と旱魃耐性の関係 
これまでの研究でピーナッツの旱魃耐性が収穫前のアフラトキシン汚染に対抗する品種を選ぶ間接的選抜指標に利用できることが示唆されていた。タイのコンケン大学のA. Arunyanark氏らが行った圃場試験で、旱魃および非旱魃状態における交配から得られた140種のピーナッツについて、アフラトキシン耐性の遺伝的が評価が行われた。また、アフラトキシン耐性と乾燥耐性特性の遺伝学的な関係が研究された。研究者たちは、アフラトキシン病原体であるAspergillus flavusの感染、アフラトキシン汚染、バイオイマス、収穫高、バイオマスと収穫高の旱魃耐性指標、SPADクロロフィルメーター示度、比葉面積といった各種関連データを収集した。

結果によると、種子の感染とアフラトキシン汚染への遺伝特性の関与は低~中位のものであった。つまりこれらの形質を改良することは難しいことを意味する。しかし、種子感染とアフラトキシン汚染の遺伝子型は旱魃条件下での旱魃耐性と負の相関関係を持つことが明らかにった。この事実は、旱魃耐性遺伝子型の選抜によりアフラトキシン耐性を高められる事を意味している。また比葉面積とSPADクロロフィルメーターの示度はアフラトキシン耐性の間接的な指標であり、これらの簡易測定が大規模育種プログラムに有効に適用できると考えられる。この研究の要旨は以下のサイトにある。 http://dx.doi.org/10.1016/j.fcr.2010.03.011

最新作物バイオテク 2010年4月

世界
ISAAAから組換え作物の世界情勢に関するビデオとポッド放映が出た
Syngenta社とCIMMYTがコムギ研究促進のために産業とリーディングパートナーシップを設立
査読付報告のまとめ:GM作物の良い影響
組換え作物取引の障害物
バイテク作物が多大な利益をもたらすことを示す研究

アフリカ
ガーナの旱魃耐性・ストライガ抵抗性トウモロコシ
2種のトウモロコシは、アフリカの気候変動に打ち勝つ
バイオセーフティー政策の地域間の整合性をCOMESAが探っている

南北アメリカ
えんどう豆アブラムシ遺伝子分析
多様なコムギについて真菌抵抗性遺伝子を探る
花を長持ちさせる研究ツール
モモDNAの解析が完了
農家のためのGE作物管理
βカロチン含有量を増加した熱帯トウモロコシの栽培
有機栽培と従来型栽培に関するスタンフォードの研究
USDAが害虫抵抗性GMコーンの規制を緩和
GMパパイヤの生産が日本で承認

ヨーロッパ
ヨーロッパ人が農家のバイオテクノロジー使用を支持
Btタバコが池由来の肝臓毒を中和
UKのDEFRAがGMジャガイモの試験を許可

研究
干からびた植物に「命をふきこむ」
2つの利用目的をもつトウモロコシ-食糧・燃料生産に関わる特徴の遺伝子解析-

世界

ISAAAから組換え作物の世界情勢に関するビデオとポッド放映が出た
 国際アグリバイオ事業団(ISAAA)はCourter film and Associatesと共同で遺伝子組換え作物の世界情勢ハイライトに関する6つの短編ビデオを作製した。ISAAAは、これらのビデオを先のノーベル平和賞受賞者であり、飢餓と貧困との戦いに生涯を捧げることで農業分野に足跡を残したNorman Borlaug氏に捧げて作成した。ISAAA創始者兼理事長であり、組換え作物の世界情勢の年度ごとの見直しを記しているClive James博士が集中的、包括的に解析を行い、ビデオシリーズのテーマを6つに分けた。6作すべてのビデオはISAAAのウェブサイト(http://www.isaaa.org)上のビデオストリーミングまたはダウンロード可能なフォーマット、もしくはYouTubeで視聴が可能である。
 ビデオのトピックス
・    Norman Borlaugの遺したもの
・    組換え作物の全世界的導入状況
・    途上国における組換え作物:中国の組換えイネと高フィターゼトウモロコシの重要性
・    組換え作物の世界的インパクト
・    組換え作物の将来見通し
・    ISAAAの役割:知識の共有
ウェブ視聴者はhttp://www.isaaa.org/rss/podcast/default.asp.にアクセスすることで上記の新しいビデオやオーディオファイル、PDFに代わってポッドキャストを利用することもできる。

Syngenta社とCIMMYTがコムギ研究促進のために産業とリーディングパートナーシップを設立
 国際トウモロコシ・コムギ改良センター(CIMMYT)とSyngenta社がGM、非GMハイブリッド、種子と作物保護の組み合わせを含むコムギの品種改良技術の発展のために官民パートナーシップを結んだ。両者は遺伝子マーカー技術革新、Syngenta社とCIMMYTによるコムギ遺伝子多様性へのアクセス基盤の発展、さらに世界的協力による全世界的コムギ増産を目指している。
 CIMMYT世界コムギプログラムのディレクターであるHans-Joachim Braun氏は、全世界のコムギ生産量は、世界的需要が年1.5%以上の増加に見合うように極めて大きな伸びが必要であると述べた。したがって今回の官民協力は農業の世界規模での挑戦を成功させるためにきわめて重要なものとなるであろう。「気候変動の影響と関連づけつつ、我々は更なる食料危機を避け、迫りくる世界人口の増加に備えて世界中の農家を守らなければならない。今回のようなパートナーシップは世界中の農家、豊かなものにも貧しいものにも多大なる利益をもたらすことができる。」とBraun氏は述べた。
詳細は以下のサイトにある。
http://www2.syngenta.com/en/media/mediareleases/en_100406.html.

査読付報告のまとめ:GM作物の良い影響
農家調査に関する49 報の査読付報告のまとめによると遺伝子組換え作物が特に収穫量の増加によって農家に利益をもたらしたことが示された。これは米国マサチューセッツ州BoylstonのJanet Carpenter氏が書いた商業化化GM作物の良い影響を示したNature Biotechnologyのトピックで発表された記事の中で明らかにされたものである。この再調査結果は組替え技術の広範囲に渡る普及を説明するものであると氏は述べている。
 現在商品化されているGM作物の採用・非採用による経済パフォーマンスの違いを収穫高などの項目によって比較した。その結果、途上国の農家は先進国の農家よりも収穫高の増加率が大きいという結果となった。商品化GM作物の第一波は害虫対策がなされていたために収穫高増加は必ずしも収穫能力に依存せず耕地管理の良さに依存したのである。
 Carpenter氏によれば、今後の関心としては積み重ねられた特性の影響と商品化にまで至るであろうキャッサバ、ササゲ、米などのGM作物技術に対する農家の経験値の評価方法が上げられるということである。詳細は以下。
http://www.nature.com/nbt/journal/v28/n4/index.html#cr
Email the author at janet.e.capenter@gmail.com

組換え作物取引の障害物
 全ての農業部門が世界規模で食糧事情を改善するのに惜しみない努力をしていることは疑いようがない。様々な遺伝子組換え作物に100万ドル以上が投資されている。しかし、ほんのわずかなGM作物しか市場には出回わることができないのが現実である。アメリカのJ.R. Simplot CompanyのCaius M. Rommens氏はその原因はGE作物の研究と発展の間の溝にあると説明している。彼はPlant Biotechnology Journalに掲載されたGM作物市場の壁と道筋という論文の中で、GM作物市場の壁となる障害として以下のものをあげた。
・    耕作地での特性の有効性
・    重大な製品コンセプト
・    取引の自由
・    産業支援
・    同一性保持
・    規制認可
・    消費者受諾
氏はまた上述の障害に打ち勝つための有望な解決策を提示した。例えば、積極的な小売と消費者による購入を増やすために、肯定的な消費者を増やして認知してもらう、組換え作物の優れている点のわかりやすく説明することなどをあげている。
詳細は以下のサイトにあります。
http://www3.interscience.wiley.com/cgi-bin/fulltext/123200391/HTMLSTART?CRETRY=1&SRETRY=0

バイテク作物が多大な利益をもたらすことを示す研究
 バイテク作物は世界的に経済面、環境面に多大なる利益をもたらし続けている。これはUKを中心に審査とコンサルティングを行う機関であるPG経済社によって2つの新たな研究としてまとめられた。
 「1996年以降、バイテク作物の受け入れによる殺虫剤利用機会の減少、農家の収入の増加、コーン、菜種、大豆などの低価格化などを通じて農業関連の温室効果ガスの放出量は減少し続けている。」PG経済社のディレクターであり、この報告書の共同著者であるGraham Brookes氏はこのように述べている。「その技術はまた、作物生産量の増加、生産リスクの軽減、生産効率の改善、主要穀物の世界的生産高の増加に大きく貢献している。したがって経済面と環境面の利益のコンビネーションはより効果の出やすい途上国において、世界的農業のサステナビリティと食糧の値ごろ感の改善に効果的な影響をもたらしている。」
 記載内容を一部抜粋
・    バイテク作物は農業由来の温室効果ガス排出量を大きく減少させる。
・    バイテク作物によって1996年-2008年で3.52万トンまで殺虫剤使用量が減少。
・    多くの地域、特に南アメリカにおいて除草剤耐性バイテク作物は除草剤を一切使わない、もしくは使用量を減らした耕作生産システムの普及を促進している。
・    2008年には94億ドルであった農家レベルでの利益が今後13年で520億ドルにまで成長すると概算している。
・    農家の利益をトータルで考えると、生産コストの削減によって50.5%(262.5億ドル)の生産高増加が見込まれている。
全文は以下を参照。http://www.pgeconomics.co.uk/

アフリカ

ガーナの旱魃耐性・ストライガ抵抗性トウモロコシ
 国際熱帯地域農業機構(IITA)とガーナ国立トウモロコシプログラムが開発した4種の旱魃耐性・ストライガ抵抗性トウモロコシが最近ガーナの農家に解禁された。サバンナ農業研究所とガーナ産業研究所との共同でガーナ穀物研究機構から3種の早生系統種であるEVDT-W 99 STR QPM Co、TZE-W Pop STR QPM C0、TZEE-W Pop STR QPM C0 と1つの中生種である旱魃耐性QPMハイブリッドが解禁された。
 「この解禁によってガーナの農家は熟の期、色、タイプだけでなく、上記2つのストレスへの耐性の有無からも品種を選べるようになった。この2つの主なるストレスへの抵抗種は、この地域でのトウモロコシの生産と生産効率の増加を妨げる主な原因に対抗するもである。」とIITAのトウモロコシ育種家Baffour Badu-Apraku博士は言った。さらに食糧農業省のガーナ穀物・豆類開発局のRobert Asuboah博士は状況を楽観視しており、これらの`保険的`作物は乾期でも農家が利益を得るほど生産が可能であろうと考えている。
詳細は下記のサイトにある。
http://www.afriquejet.com/news/africa-news/ghanaian-farmers-get-drought-tolerant-maize-to-boost-production-2010040347069.html
 

2種のトウモロコシは、アフリカの気候変動に打ち勝つ
 アフリカ大陸で約3億人分の食糧生産が期待されるサブサハラでトウモロコシの2つの新品種が栽培されている。どちらの品種も乾燥に強いが一つは従来手法で育種されたもので、もう一つの高生産性品種は遺伝子組換えによって作られたものである。この品種の組換え遺伝子はごく一般的な細菌で、塵から分離されたBacillus subtilisを用いたものである。B. subtilisとトウモロコシはストレス受容器官を補助するCspBタンパク質に対応する共通の遺伝子をもっている。組換え品種は7年後に市場出すことを目指して生物安全性試験が今行われている。
 アフリカでの水効率性の高いトウモロコシプロジェクトマネージャーSylvester Oikeh氏はアフリカでの気候変動の悪影響について警鐘を鳴らしている。気温上昇、旱魃、塩害の増加は農業に深刻な問題をもたらす気候変動の結果である。モンサント社が開発した遺伝子組換えトウモロコシは気候変動によるあらゆるストレスの中でも最大30%の生産高増が期待されている。
原報告は以下のサイトにある。http://www.climatewire.net

バイオセーフティー政策の地域間の整合性をCOMESAが探っている
 東部南部アフリカの商品貿易同盟(ACTESA)、東部中部アフリカの農業研究強化協会(ASRECA)と共同で東部南部アフリカの共同市場の特別部門、生物安全性プログラム(PBS)と国際アグリバイオ事業団のアフリカセンターは、ケニヤのナイロビにて4月19~20日、COMESA構成国のための生物安全性に関する地域ワークショップを開催した。
 議題として多く上がったのは、COMSA農業大臣の発案で持ち上がったCOMESA領域バイオセーフティー政策や指針の草案作りであった。その政策やガイドラインは、遺伝子組換え(GM)作物の商業生産、その貿易、その緊急食糧援助への取り入れを視野に入れたものである。またCOMESA領域内でのコミュニケーション方法とバイオセーフティーロードマップも提案された。
 ワークショップ終盤では後述する内容を含む声明がCOMESAの意見として発表された。
・    政策決定者の意見を取り入れ、遺伝子組換え(GM)作物の商業生産、その貿易、その緊急食糧援助への取り入れに関する整合性のある政策・指針草案を改善すること。
・    地域バイオ案税制と中央集約化GMOリスク評価機構を制度化する。
・    生物安全性ロードマップ草案を支持し、それをよく認識し、そのギャップを認識し、構成員での実施を支持推進する
・    コミュニケーション方法の草案を支持し、長短期に渡るプログラムの提携においてその運用を可能にすることを推進する。
・    専門化による調査委員やGMOリスク管理小委員会の運用支援のための資金援助を支持する。
・    同意した協議事項実行のための長期間のバイオテクノロジー/バイオセーフティープログラム協力を促進する
さらに詳しい情報を知りたい方はGetachew Belay博士(バイオテクノロジー政策アドバイザー長、ACTESA/COMESA)まで以下のサイトにメールして下さい。gbelay@comesa.int

アメリカ

えんどう豆アブラムシ遺伝子分析
 新規配列決定されたえんどう豆アブラムシ遺伝子の解析をマイアミ大学の研究チームが開始した。えんどう豆アブラムシは緑色の小さな虫で、マメ科植物や他の飼料作物の汁液を好むため植物に直接的ダメージを与えたり、ウィルスの媒介者となったりする。この研究成果は、遺伝子アンノテーションと呼ばれる遺伝子座や遺伝的機能の可能性の決定に役立つものであり、その結果植物や微生物の生態学的繋がりや遺伝子制御のベースとして活用されるものである。
 この研究はUSDA国立食糧農業機構が資金支援した。上記の成果はえんどう豆アブラムシの難解な生態を解明するために利用され、他のアメリカ農業に影響を及ぼすアブラムシを制御する手段を模索するのに役に立つものである。

この報道は、以下のサイトにある。http://www.nifa.usda.gov/newsroom/news/2010news/04011_pea_aphid.html

多様なコムギについて真菌抵抗性遺伝子を探る
カンザス州マンハッタンに拠点を置くUSDA農業研究機構の厳冬コムギ遺伝子調査チームが迫ろうとしているのは、Fusarium graminearum抵抗性要因の特定をしようとするはリスクもある育種戦略である。植物分子遺伝学者Guihua Bai氏が率いるこのチームは、中国、韓国、日本から集められた古い‘ランドレース系‘を含む外来コムギ系統に由来する新たな抵抗性因子の特定を始めた。温室で育成した87種のうち、26種が高いFHB抵抗性を示し、15種は真菌毒素デオキシニバレノール(発病中に真菌が合成する物質)のレベルが非常に低かった。
さらに6種はSumai3とも一致しない3つの異なるタイプのFHB抵抗性遺伝子を有していた。(Sumai3とは抵抗性遺伝要素の一種で、アメリカで栽培されているFHB抵抗性コムギに使用されている。)これらの系統種はアメリカコムギ種を栽培するために新たな抵抗性を得る源となるであろう。研究チームは遺伝子ツールを使用して他の遺伝子要因や商業利用の可能な種の選別の速度を上げている。
 詳細は以下のサイトにある。http://www.ars.usda.gov/is/pr/2010/100401.htm

花を長持ちさせる研究ツール
 フロリダ大学とレディング大学(UK)の共同研究機関であるUSDA農業研究機構、作物病理・遺伝学研究部門(カリフォルニア州デイビス)は根本的原因と老化メカニズムを制御する遺伝子を特定したと発表した。カリフォルニア大学(デイビス)で行われた。研究において、Cai-Zhong Jiang氏とMichael Reid氏によって低濃度のチジアズロン(TDZ)を吹きかけることで鉢植えした植物の葉と花の寿命が延びることが明らかにされた。その後‘ウィルス誘発性遺伝子サイレンシング‘またはVIGSと呼ばれる分子技術を用いた研究でTDZの働きのメカニズムやバラ以外の植物でより効果的であることが明らかとなった。
 この方法は目的遺伝子を導入したウィルスを植物に感染させ、感染、非感染植物を比較するもので、植物が元来持っているウィルス侵入に対する抵抗性を利用している。この方法の根拠となる実験はペチュニアをモデルとして行われた。このモデル実験では、色やエチレン生産に関わる配列をウィルスに挿入してサイレンシングさせると、紫色の花に白い斑点が生じ、老化促進物質であるエチレンの生成が抑制される結果が得られた。「ここでの基本的な考えはウィルスを迅速に遺伝子機能を失わせる道具として使うことで老化を操作しようというものである。」とCai-Zhong Jiang氏は述べている。
 より詳しいことは、以下のサイトにある。
http://www.ars.usda.gov/is/AR/archive/apr10/blooms0410.htm
モモDNAの解析が完了
 ラベル(Lovell)ピーチの遺伝子配列解析が完了したとClemoson大学の新報告が伝えている。Clemon大学でAlbert Abbott氏を代表として行われた大規模な研究プログラムの成果である。氏は分子遺伝学分野でのRobert and Lois Coker Trustees Chairであり、遺伝学と生化学分野の教授でもある。このラベルピーチは落葉樹の成長と分化に重要な遺伝子を特定・解析するためのモデル種として選択された。
ラベルピーチゲノムを解析すれば、リンゴやプラムのような近縁種との特徴付けや栄養素を強化させる遺伝子の特定も可能であろうと考えられている。Bryon Sosinski氏(N.C.州立大学園芸科学分野准教授、モモ解析プロジェクト米国コーディネーター)はその活動は世界中(イタリア、スペイン、チリ、ノースカロライナ.州共同ゲノム機構、Clemson・Washington州立大学)に及んでいる、と述べている。
 詳細と報告は以下のサイトにある。
http://www.clemson.edu/media-relations/article.php?article_id=2686

農家のためのGE作物管理
 「アメリカ合衆国における遺伝子組換え作物(GE作物)の持続的農業への影響」という研究はアメリカ国立研究会議から最近報告された。アメリカのGE作物を栽培している農家の多くは実質的な経済的、環境的利益(低い生産コスト、少ない害虫問題、殺虫剤使用量の軽減、在来種よりも生産高の増加)を得ている、と報告されている。今後もさらに農家が環境面での利益を得続けられる多くの可能性がある。
 その報告では他者間で、雑草耐性問題を挙げる政策決定者間の密な連携、雑草自体を操作してコストを削減する方法を模索、除草剤耐性GE作物の作成、さらに‘保護‘エリアでのEPA管理方法のように害虫が耐性を持たないようなやり方を是認するなどを推進している。次にあげる研究が推進され行われている;米国分水界でのGE作物の影響、GE作物の生産を行っていないものも含む全ての農家におけるGE作物効果の度合、畜産産業へのGE作物の影響
この報告のコピーは、以下のサイトから得られるhttp://www.nap.edu。 また報告やニュースリリースは以下のサイトにある。http://national-academies.org/ 
http://www8.nationalacademies.org/onpinews/newsitem.aspx?RecordID=12804

βカロチン含有量を増加した熱帯トウモロコシの栽培
穀物中のβカロチンレベルの制御に関わる自然発生的対立遺伝子が熱帯トウモロコシに導入され、そのβカロチン含有量が5倍以上増加した、とNature Geneticsオンラインで報告された。
 「トウモロコシはラテンアメリカやアフリカにおける主要穀物であり、炭水化物、タンパク質、他様々な栄養素の摂取源となっているが、プロビタミンAの含有量が一般的に少ない」とYan Jianbing 博士(CIMMYT、この研究の代表者である)は述べる。「我々が発見した有望な対立遺伝子はトウモロコシ中のβカロチン量を従来より5倍以上も増幅する働きがあった」と述べている。
 CIMMYTの特集記事によれば、11の研究機関から派遣された21人の国際専門家からなるこのチームはZea mays β-carotene hydroxylase 1(crtRB1)遺伝子の自然変異を調査した。この遺伝子はトウモロコシの果実中のβカロチンを変化させる働きをもつ。彼らが発見したプロビタミンA増強穀物は、crtRB1lycopene epsilon cyclase(lcye)の2つの遺伝子を対立遺伝子座に配置することで15µg/ g(grain)のβカロチンを持つ熱帯トウモロコシを栽培すること成功したのである。
この研究に関するCIMMYTの記事は以下のさいとにある。
http://www.cimmyt.org/english/wps/news/2010/apr/vitaminA.htm

有機栽培と従来型栽培に関するスタンフォードの研究
 有機栽培と従来型栽培方法との違いとはなんであろうか。Clystal Smith Spangler氏とスタンフォード大学の同僚による200以上の研究のまとめが発表された。
・    有機栽培は農薬残渣による汚染のリスクが非常に低い。しかし有機栽培された作物も従来法の作物もその残留農薬レベルは規定値よりも低い。
・    有機栽培は、細菌、重金属、マイコトキシン汚染を含み、安全性や栄養的な質の面で優れた面はない。
・    有機果物と野菜を食べる子供と有機穀物を食べる大人では、従来の食べ物を摂取するに比べてその農薬に対する暴露は少ないと言える。しかし農薬への暴露の度合いは両者とも安全性基準を満たすものである。
・    有機栽培と従来法での肉、卵、牛乳では細菌汚染度合は両者ともほぼ変わらないが、従来方法の肉、卵、牛乳では抗菌耐性細菌が有機栽培のものより多かった。
 報告は以下のサイトにある。http://healthpolicy.stanford.edu/events/is_there_a_difference_between_organically_and_conventionally_grown_food__a_systematic_review_of_the_health_benefits_and_harms/
 
USDAが害虫抵抗性GMコーンの規制を緩和
 慎重な調査と評価を行い、アメリカ農務省動植物健康調査機関(APHIS)はSyngenta Biotechnology, IncのGMコーンの市場導入の規制を緩和した。
 Syngenta社は2007年9月に害虫抵抗性Btコーンの市場参入規制緩和の申し立て書を提出した。2010年1月13日から5月15日までに市民から寄せられた意見である正確な環境アセスメントや植物の害虫リスク査定を通過し、この申立書は受理された。APHISは市民から寄せられた35の意見に対して説明し、そのコーンが米国環境規定に反するような有害な影響を環境にもたらすような要因を一切持たないことを公言した。
 より詳細な報告は以下のサイトにある。
http://www.aphis.usda.gov/newsroom/content/2010/04/ge_corn_resist_insects.shtml

GMパパイヤの生産が日本で承認
 日本はハワイからの遺伝子組換えパパイヤの輸入を承認した。GMパパイヤは今年から日本のスーパーの店頭に並ぶことができるようになった。これはDennis Gonsalves博士(アメリカ農務省太平洋沿岸農業研究センター長(ハワイ、Hilo)兼Cornell大学植物病理学名誉教授)が第63回雑草学西部支部で発表した。
 Gonsalves氏はGMパパイヤ研究のプロジェクトリーダーであり、GMパパイヤは4700万ドルのハワイのパパイヤ産業を支えた。パパイヤはハワイで2番目に多く栽培されている作物であり、そのほとんどがアメリカ本土と日本に輸出されている。ハワイ産パパイヤはその約25~30%が日本に輸出されている。
 原報告は、以下のサイトで見ることができる。
http://westernfarmpress.com/citrus/gm-papaya-wins-approval-0421/

アジア・太平洋地域

フィリピンの生化学者、アジア人初のロレアルUNESCO科学賞受賞
 フィリピン人生化学者にしてアジア人初のロレアルUNESCO科学賞を受賞したLourdes Jansuy Cruz博士(フィリピンDiliman大学海洋科学部)はフィリピン人初にしてアジア人初の女性科学者賞を受賞した。この賞は他4名が受賞している。世界中で千人近いノミネートがあったにも関わらず、Cruz博士はノーベル賞受賞者Gunter Blobel氏率いる審査員による厳正なる審査の結果、その先駆け的研究(海洋巻貝類由来の毒から非中毒性モルヒネを開発した、コノトキシン研究)が評価され、今回の受賞となった。
 30年前、彼女はBaldomero Olivera博士(Utah大学)とConus(フィリピンで発見された海洋巻貝の一種)毒から抽出されるペプチドの単離・特定について共同研究していた。 このペプチドの一つがアメリカのバイオテクノロジー会社であるCognetix Corporationによって開発され、Prialts Ziconotodine(モルヒネに代わる非中毒性物質)が生まれた。現在conotoxinは人の脳の働きを示す生化学的指針として研究に利用されている。Cruz博士は他の4人の受賞者と同様に賞金10万ドルを獲得、3月にパリのUNESCO本部で行われた授賞式に出席した。この名誉ある賞は毎年生命科学分野に貢献してきた大陸ごとの女性科学者に贈られる。
賞の詳細関連情報は、以下のサイトにある。
http://www.unesco.org/new/en/media-services/single-view/news/loreal_unesco_awards_and_fellowships_for_women_in_science_2010_to_be_presented_at_unesco/back/18256/
http://lifestyle.inquirer.net/sundaylifestyle/sundaylifestyle/view/20100314-258476/Filipina-is-first-Asean-winner-of-LOral-Unesco-Science-Award.
フィリピンのバイオテクノロジーについては、以下のサイトからいられる。
http://www.bic.searca.orgまたメールを以下のサイトに送って下さい。bic@agri.searca.org

CSIROが塩耐性デュラムコムギのフィールド試験に成功
 遺伝子組換え塩耐性デュラムコムギの最近の農場試験が高塩分土壌において既存種よりも生産力で勝った。このGMコムギはオーストラリア連邦科学・工業研究機構(CSIRO)の研究チームが開発した。CSIROのRichard James博士によれば、このコムギは親株Tamaroiより25%生産高が増加した。パンコムギと比べてデュラムコムギは塩耐性が低いが高級パスタに必須であるため、高い利益をだしてもいる。
 塩度はオーストラリアのコムギ農家にとって主要な環境問題の一つである。Rana Munns博士率いるCSIRO研究チームの説明では塩耐性遺伝子(Nax1およびNax2)は葉のナトリウムを阻害することによってコムギに有毒な作用を減らしているということだ。
詳細は、以下のサイトにある。
http://www.csiro.au/news/CSIRO-develops-highest-yielding-salt-tolerant-wheat.html

ヨーロッパ

ヨーロッパ人が農家のバイオテクノロジー使用を支持
Eurobarometer研究の中でAssociation Francaise des Biotechnologies Vegetales (AFBV) は、バイテクがヨーロッパで広く受け入れられていることを明らかにした。約77%の報告書がヨーロッパでは、農家がバイテクの先端的優位性を利用することを支持しているという内容であった。フランスでは、76%の国民が好意的に支持、同様にギリシャ、スロバキア、エストニア、チェコ、ハンガリー、スウェーデン、デンマーク、スロベニアでは86%が是認という結果となった。24歳以下の若い世代では81%が是認しており、55歳以上と比べて高い。さらに、バイテクを学んでいる学生、行政高官、サラリーマンは80%以上が好意的に支持しているのに対し、年金受給者、失業者、主婦、自営業者には多少支持の減少がみられた。
 このリポートはバイテクがヨーロッパ市民に広く受け入れられていると結論付けている。しかし、フランス農家の増収のために、技術に関する情報を提供するというさらなるバイテクへの一般市民の取り組みがなされるべきであると結論している。
フランス語の記事は以下のサイトにある。
http://www.presseafricaine.info/article-afbv-77-des-europeens-48585059.html

Btタバコが池由来の肝臓毒を中和
 タバコは非食用作物であり、健康に良くないものとして知られている。しかし、タバコが良い影響も持つことがわかった。Pascal M.W. Drake学術博士のチーム(St. George大学、ロンドン)は有毒な池の浮きカス、特にマイクロシスチンMRの抗体を生産する新たなタバコ品種をつくることに成功した。マイクロシスチンMRはシアノバクテリアから作られる肝臓毒で、飲用水、水泳用水、漁業用水の悪名高い毒素である。
 マイクロシスチン抗体の生産は組換えタバコの葉で作られ、養液培地中に根から分泌される。次の研究段階として、広い水域を浄化する水生植物ハイブリットを開発する。この新たなタバコは組換え植物の一つでしかなく、研究者達は様々な環境汚染物質を浄化する方法を模索している。
 詳細は、以下のサイトにある。
http://www.sgul.ac.uk/media/latest-news/genetically-engineered-tobacco-plant-cleans-up-environmental-toxin

UKのDEFRAがGMジャガイモの試験を許可
環境食糧地域担当省(DEFRA)は、イギリス国内でのGMジャガイモ試験を許可すると発表した。この試験はLeeds大学が行い、シスト線虫類または線状の害虫抵抗性GMジャガイモの開発を目的とする予定だ。これらの害虫はEUによって主要な殺虫剤が規制されてからジャガイモ農家を脅かしていたものである。今回の試験が成功すれば、殺虫剤を使用しないで害虫を除去できることになる。
 Leeds大学のPeter Urwin博士は試験が純粋に学術的なものであり、商業的要素のないことを強調した。計画では2年で試験を終了し、Yorkshireで以前の農場試験を破壊した組換え反対者達から守るために情報は公開しない予定である。
 詳細な情報は、以下のサイトにある。
http://www.defra.gov.uk/news/2010/100401b.htm

研究

干からびた植物に「命をふきこむ」
 蘇生可能シダ(Polypodium polypodioides)を使ってRonald Balsamo氏(Villanova大学生態学准教授)とBradley Layton氏(Drexel大学機械工学准准教授)の連携チームが極端な水分損失した植物の生き残り機構の謎に迫っている。この研究では時間ごとに異なるタンパク質レベルでの関連性を見出す試みを行い、植物組織の気泡中のタンパクの位置を特定したり、それぞれのタンパクの位置を強力な電子顕微鏡を使って決定したりした。
 研究チームはdehydrin(特別な水分を誘引、隔離、集積する働きを持つタンパク質)が細胞壁の近くに存在していることを発見した。実際に水分子で囲まれたdehydrinは細胞膜と細胞壁の間もしくは細胞壁層の間の潤滑油となっていると考えられている。これは細胞壁が乾燥してぼろぼろに崩れるのを防ぐのに大変重要な作用である。植物導管組織もまたこのタンパクの働きによって変形から守られている。その結果、水分が戻るまで完全にその形を維持している。dehydrin遺伝子の特定と他の種への導入が他の植物に旱魃耐性を付与するのに重要なものとなる。
記事の全文は30日間無料で以下のサイトから閲覧可能である。
http://www.amjbot.org/cgi/content/full/97/4/535 その後の問い合わせはいアのサイトのRochard Hund氏にコピーをお願いできる。ajb@botany.org また、この報告は以下のサイトで見ることができる。
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2010-03/ajob-bdp033110.php

2つの利用目的をもつトウモロコシ-食糧・燃料生産に関わる特徴の遺伝子解析-
トウモロコシ茎葉は穀物の代わりにバイオ燃料としてのエタノールを得るのには、その豊富な資源、セルラーゼ特性の優良さから重要である。そのため2030年までに従来の液体燃料の30%に置き換えるという目標を達成するため、燃料用トウモロコシ茎葉の生産性と品質の改善が求められている。ウィスコンシン大学のA.J.Lorenz氏の率いる研究チームはバイオ燃料生産に必要な遺伝子間相互作用を解析するため、トウモロコシ(Zea mays L.)でセルロース由来エタノール生産のための細胞壁形質の遺伝学的研究を行い、セルロースバイオ燃料生産のための特性を遺伝的関係を明らかにしようとしている。
 自家受粉種、他家受粉種の解析結果、栽培と選択を通じてトウモロコシ品質と燃料生産高を同時に改善するのに影響するような不都合な性質はないことがわかった。また構造炭水化物濃度と細胞壁消化性に相互関係のないことが明らかとなった。これは理論上炭水化物変換による質量あたりのエタノール生産量の増加が可能であることを示している。
 この研究の要旨は、以下のサイトにある。
http://crop.scijournals.org/cgi/content/abstract/50/3/842