2008年月日から9日まで開催される北海道洞爺湖G8サッミトに呼応して、この北海道洞爺湖サミットの主要課題である「地球環境の改善をアグリバイオで行なう。」ことを課題としてバイオサミットを開催した。NPO北海道バイオ産業振興協会(HOBIA)が、14の関連学協会とともに、札幌と東京でバイオサミットを開催した。
講演者は、いずれもバイオテクノロジの専門家である。German Spangenberg博士(オーストラリア、ビクトリア州第一次産業省 の上級部長)は、オーストラリアにおけるアグリ農業の拡大策について講演した。国連大学のAbdul Hamid Zakri博士は、規制の適切な適用によってバイテクの恩恵を受けるようにするための様々の国におけるやり方を述べた。米国農務省(USDA-FAS)の Suguru Sato博士は、米国におけるバイテク農業の現状について述べた。また、(独)国立農業・食糧総合研究機構北海道農業センターのYutaka Sato博士は、低温及び旱魃に対応できるイネの組換えによる開発について述べた。東京大学のTakashi Yamakawa博士は、日本におけるGM作物に対する賛成・反対の状況について解析し、同氏の考え方を述べた。国際アグリ事業団(ISAAA)のRhodora R. Aldemita博士は、フィリピンにおけるバイオについてゴールデンライスの開発に焦点を当てた発表を行なった。
バイオサミットの閉会に当たり、北海道バイオ産業振興協会会長冨田房男博士は以下のようにバイオテクノロジーの侵攻のために以下の大会宣言を行なった。
「バイテクが日本の数々の農業問題、を解決する手段を提供するものである。即ち、バイテク及び組換え技術は、単位面積当たりの農業生産の向上、病害虫の制御、新しい生産物の提供、再生可能なエネルギー生産に寄与するものである。」との認識を確認した。
1.遺伝子組み換え技術は日本の農業問題に解決を与えるものである。農産物の生産性の向上、病害虫の制御、新規消費者向け製品の開発、再生可能エネルギー源の開発利用のため、速やかな遺伝子組み換え技術及びそれにより生産された遺伝子組換え植物(GMO)の開発利用を推進する。
2.遺伝子組換え技術に関しての過度に取締まることのない政策及び規制体制を確立する。
3.農業生産者が自由にどのような栽培方法も取れるように、日本における遺伝子組換え技術利用に関する政策を改善する。
4.遺伝子組換え関連方策の決定に一般の人々が参加することを促進し、そのために遺伝子組み換えについてよく知ることが出来るような戦略を立て、強化する。
5.国内において遺伝子組換えの理解を促進するために民間・公共の遺伝子組換え技術を学ぶプログラムの開発・実施を支援する。バイオサミットの詳細は、北海道バイオ産業振興協会、Nippon BICの冨田房男博士(YRL05042@nifty.com)に連絡下さい。
食糧危機はより多くのアフリカの人々を貧困へと追い込む
世界銀行のコモロ、エリアトリア、ケニヤ、ルワンダ、セイシェル、ソマリア担当部長代行であるSanjivi Rajasingham氏は、世界的な食糧及びエネルギー危機が多くの国々の貧困・平等に関する再建・発展計画に大きな後退をもたらした。リベリアでは、この1月の25%の食糧価格上昇によって20万人が貧困層に押しやられた。世界銀行は、世界食糧危機対応プログラムを立ち上げ、115百万ドルを最も厳しい影響を受けたアフリカ諸国に支援することとした。同氏は、世界銀行、世界食糧プログラム、国際家畜研究所の共催による円卓会議で東及び中央アフリカにおける世界的食糧危機について語った。
この会合から様々の指標が提案された。例えば、農業における投資の増加、危機回避の支援、貧農の肥料や高収量作物の種子の入手支援、伝統的根茎作物、穀物及び野菜の生産増強を挙げると共に、食糧流通連鎖、家畜肥育の改良、市場構造及び運営の改良灌漑面積の増加などを挙げた。
東及び中央アフリカ地域への戦略解析や知識発展のコーディネーターであるJoseph Karugia博士は適切な政策及び様々の支援によって食糧の高価格が、農家にとって食糧増産を目指すインセティブになると語った。
詳しい情報については、国際アグリ事業団(ISAAA)AfriCenterのDaniel Otunge (d.otunge@cgiar.org)に問い合わせてください。
マラウイがバイテク国策を承認
マラウイでバイテクプログラムとその活動を効率よく開始するための枠組みを仕組んだ国のバイテク政策をBingu Wa Mutharika大統領が率いる内閣が承認した。大統領は同時に教育、科学技術大臣でもある。政策を進めることで、大統領は、その政府がバイテクが経済成長と貧困の減少をさせる上で極めて重要な役割を果たすことを認めたことになる。バイオテクノロジーがマラウイの食糧確保、富の創造力をスピーディに上げること,そしてマラウイの成長と発展戦略(MGDS)とヴィジョン2020に基づく社会―経済発展を早急に達成するものあると述べた。この政策は、国の発展を促進し、必要なバイオテクノロジー産物の確保と発展を確実にする骨格を作り上げようとするものである。そして、マラウイが輸入と消費の経済にあることから製造と輸出の経済にかえようとするものである。つまりバイオテクノロジー事業が繁栄して成長することを狙ったものである。バイオの安全確保策は既に2002年以来実施されており、この政策の承認がマラウイのBtトウモロコシ、Bt綿の商業栽培を促進する国策を急速に推進するものと期待される。
詳細な情報はISAAA AfriCenterのDaniel Otunge (d.otunge@cgiar.org)又は、マラウイ研究機構(nrcm@sdnp.org.mw)をご覧下さい。
ブルキナ フソ(Burkina Fuso)がバイテク国となった
数年にわたる規制の下での及び開放系での試験の後で、ついにブルキナ フソがBt綿の商業化を行なった。これは南アフリカ、エジプトに次ぎアフリカで3番目のバイオ作物栽培となった。エジプトは、最近Btトウモロコシ(MON810)の商業栽培を始めた、また南アフリカは、バイオ作物(Btトウモロコシ、Bt綿、GMダイズ)を商業栽培を開始して約10年になる。
ブルキナ国立農業研究所(INERA)とモンサント社は、Bt綿の導入に当たっての種子増殖への道を切り開く商業契約に署名した。モンサントアフリカのKinyua Mbijjewe氏は、15,000 ha に必要な種子は既に導入され、既にブルキナベ農家が植えつけたと確認していると述べた。INERAは、次年度には400.000 haに相当する種子生産を予定している。
ブルキナベ農業者が、南アフリカ、中国、インドの小規模農業者が長年にわたり良い思いをしてきているようについに経済的・農業的組換え綿による利益を得るようになると言えよう。ブルキナ フソ(西アフリカ)とエジプト(北アフリカ)がバイテク国のランク入りしたことで東及び中央アフリカでこのテクノロジーに対して引っ込みがちであったことを止めて新しい試みに挑戦することになる。
より詳しい情報は、ISAAA AfriCenter.のDaniel Otunge (d.otunge@cgiar.org )に連絡を取って下さい。
アフリカ小規模農業者でのGMの利用
日用品価格の上昇と広がる飢饉の中で、アフリカは、経済支援と食糧援助が必要である。ハーバード大学の国際関係のWeatherhead センターの共同研究者であるRobert Paarlberg氏によるとアフリカは、彼ら自身で組換え作物への投資を図るべきであるとしている。Robert Paarlberg氏との面談によると、アフリカは、農業バイオ利用の面で遅れている。アグリバイオに加えてアフリカは野行に関するほかの面でも考える必要がある。例えば、肥料の使い方、電力や他の動力による機械化、潅漑システムを挙げることができる。
GM作物は、南アフリカを除きその受容性は行きわたっていない。南アフリカが予防原則に基づいたGMOを取り込んでいる。これは、アフリカ諸国への消費材の主なるマーケットはヨーロッパにあることと経済支援の大部分がEUから来ていることで、ヨーロッパがGMOについて実施していることを行なっていることの後を受けてのものである。アンチGMOを吹き込まれていることを変えるには、アフリカの研究機関で働いているアフリカの科学者がアフリカでGM作物を開発するべきである。特にアフリカの小規模農業者や慈善団体で支援されている農業者が必要としているものを作製すべきである。
現在の世界的な物価上昇が引き金となってアフリカの農業開発のための経済支援が始まっている。このようなことが続くなら、アフリカが生産性向上を見ないとはありえないことである。
全文は以下のサイトにある。 http://www.harvardir.org/articles/1723/.