ダニに対しての抵抗性を増したGMパパイヤ

 ハワイ農業研究センターとUSDA-ARS太平洋農業研究センター( Pacific Basin Agricultural Research Center)の研究者がスノウドロップ(snowdrop)レクチン(Galanthus nivalis agglutin [GNA])遺伝子を入れた組換えパパイヤが carmine spider ダニ (Tetranychus cinnabarinus)に対してより優れた抵抗性を示すことを報告した。レクチンは、天然界に存在するタンパク質で特異な炭水化物に結合することが知られており、植物、動物、細菌、カビに存在する。
 Heather McCafferty氏とその共同研究者はKapohoというダニがつきやすい商業品種を組換えた。このグループは、バイオリスティック法で胚形成カルスにGDN-DNAを含むプラスミドを導入した。実験室内での試験では、全体の再生能力は組換え植物を摂食したものはそうでないものの3分の1程度しかなかった。研究者によると、組換え体植物で接触する時間も少なく、この摂食行動もタンパク質の摂食抑制を証明するものだ。
McCafferty氏とその共同研究者は、この組換えパパイヤが他の病害に対する抵抗性の試験を行なう予定である。またGNA発現パパイヤのハワイの生態系への影響も検討する予定である。この報文は、Plant Science journal のサイトhttp://dx.doi.org/10.1016/j.plantsci.2008.05.007.にある。