「平成18年度 全国バイオ団体交流会議」参加報告

本年1月11日(木)、JBAの事業である標記会議が虎ノ門パストラルホテル(東京都港区)において開催され、HOBIAからは、会長と事務局長が出席しましたので報告します。
まずJBAの地崎専務による開会挨拶後、「全国バイオ団体交流会議」会長である冨田房男HOBIA会長が議長に選出され、議事を進行した。
全国から10団体(HOBIA、東北地域バイオインダストリー振興会議(TOBIN)、(財)木原記念横浜生命科学振興財団、長野県工業関係バイオテクノロジー研究会、NPOバイオものづくり中部、NPO近畿バイオインダストリー振興会議、中国地域バイオ産業推進協議会[(財)ちゅうごく産業創造センター]、(財)四国産業・技術振興センター、沖縄TLO、NPOくらしとバイオプラザ21)と、経済産業省、中部経済産業局、近畿経済産業局、(財)バイオインダストリー協会(JBA)の参加者で、13時から17時まで休み無しの濃密な会議でした。各団体の熱心な取り組み状況を以下に記します。

【バイオインダストリー協会 地崎修専務】 

昨年は、安倍内閣が発足して、教育と健康とイノベーショの3つ
をキーワードとしている。教育については先行して実施されており、今年は健康とイノベーションが主体となる。健康と言っても人の健康ばかりではなく、その大元である環境の健康も重要なものとなる。従って、安倍内閣ではバイオをしっかりやることを提言している。19年度予算はまだ数値が出ていないが、バイオを反映した予算が組まれると思われる。バイオを推進するためには地域内の連携は勿論地域間での連携も重要である。本年は、これに向けた活動を進めたい。

【HOBIA冨田房男会長】 

地崎専務から話があったように、バイオが非常に重要なものの一つと大きく位置づけられており、我々地域のバイオ振興に携わる者としても是非ともそのように進めたいと考えている。また、北海道にある産総研に世界初の閉鎖型植物工場(植物栽培設備)が1月12日に竣工し、第2種の植物を使った医薬品製造も始まるので、今年は世界に先駆けた研究開発にかなりの進歩があるものと思っている。

【経産省生物化学産業課、八山幸司氏】

バイオ関連施策:医療、健康に関する政府の動きとして、①イノベーション25戦略会議の設置がある。これは、医薬、工学、情報工学等の分野における2025年までの長期戦略指針の策定で、2006年10月に設置され、2007年5~6月頃に取りまとめる予定である。②新健康フロンティア戦略が設置された。これは、技術と提供体制両面からのイノベーションを通じ、健康寿命延伸を目指すため2007年から10年間の行動計画を策定するもので、2006年12月に
設置され、本年度中に取りまとめる予定である。
平成19年度バイオ関連予算:対18年度比2%増の221億円が計上されている。ポイントは「医療分野におけるイノベーションの創出・加速」であり、健康安心プログラムとして、19億円を新設して、基礎研究から応用研究への橋渡しを促進する事業が予定されている。

【平成18年度JBAの主要事業】 


バイオジャパン2006開催結果報告と2007開催要綱について江口有部長から、②安全・環境部会の活動状況「GMO(遺伝子組み換え体)に関わる動向」について清水栄厚部長から、③知的財産権を巡る動きについて藪崎部長から、④バイオベンチャー支援活動について三村邦雄部長からそれぞれ報告があった。

<<各地域のバイオ団体から状況報告>>

【東北地域バイオインダストリー振興会議(TOBIN) 西野徳三氏】 バイオテクノロジー講演会、ハイテク研究会、シンポジウム等の講演会・セミナー事業を開催したほか、バイオラボ訪問・バイオ企業見学会・バイオサロン等を実施して会員相互の交流を促進した。

【(財)木原記念横浜生命科学振興財団 若林和彦氏】 生命科学の応用による産業化の支援や生命科学に関する人材の育成、派遣及び紹介(研究者の派遣、有料職業紹介事業)等横浜・神奈川地域におけるバイオクラスター形成の中核機関として様々な事業を展開した。

【NPO近畿バイオインダストリー振興会議 遠山伸次氏】 JBA
の受託事業として、HOBIAとの交流事業・全国バイオ産業ネットワークフォーラムを開催。自主事業として、新しい食の産業振興に関する研究会を発足させ、3回の研究会開催している。産業クラスター事業として、ネットワーク形成事業、新商品・技術評価事業を展開している。また、連携促進事業として、先端バイオ技術のワークショップ、シンポジウムを開催する等、様々な事業を展開している。

【(財)ちゅうごく産業創造センター 砂谷誠一氏】 機能性食品研究交流会や医療機器開発研究交流会などを開催し、企業と研究者のマッチングを図っている。また、産学官連携新産業創出研究会を組織し、年4回の研究会を開催して、地域新生コンソーシアム等の国のプロジェクトに応募できるよう支援している。

【(財)四国産業・技術振興センター 田中道恵氏】 健康工学フォーラムを開催し、研究成果の事業化や新たな応用研究に繋げるきっかけ作りを図っている。また、四国の高い技術力を、更に効果的に経済的価値に転換し、産業クラスター形成の一助とするため、MOTショートスクールを開催した。

【沖縄TLO 照屋輝一氏・宮里大八氏】 沖縄特有の生物資源の活用を目指し、琉球大学中心の産学官連携協議会を設立し、活動を開始したところである。

【NPOくらしとバイオプラザ21 佐々義子氏】 くらしとバイオについて考えるきっかけを作り、普通の市民と目線を合わせた会話が出来るような場を提供することを目指し、全国各地でバイオカフェを開催している。

【長野県工業関係バイオテクノロジー研究会 岡崎光雄氏】 信州バイオ産業ネットワーク形成推進フォーラムを開催し、各企業の事例発表を行うほか、各種の講演会や関連研究機関の見学会等5回の研究会を実施した。

【NPOバイオものづくり中部 武田穣氏】 起業支援や、バイオベンチャーに対する展示会出展・発表会への支援、中小企業に対する販路開拓支援、特許出願支援、人材紹介等幅広く支援活動を実施している。

HOBIAの活動報告は、既にHOBIAニュースで報告したので省略します。
(文責:川村洋城)