登別市にある(株)望月製麺所が、平成20年度北海道中小企業総合支援センターのファンド事業【市場対応型製品開発支援事業】に採択されたので、その経緯や開発計画をご紹介します。
事業計画:「新品種調理用トマトを基材とし、野菜等の栄養・機能性成分を重視した「道産小麦パスタに適するプレミアムトマトソース」の開発
㈱望月製麺所は、「地産地消でおいしいECO」の合い言葉の下、「もっちゃんの麺でイキイキ健康生活!」をモットーに、下記のような経営理念を持っている。
1:生産者の顔が見える麺製品づくりへのこだわり
2:フードマイレージと食の安全・安心の観点から、外国産小麦を使った大手製麺所の麺との差別化に取り組む
3:農商工連携で良質の小麦を生産し、北海道産小麦の製麺技術の向上を図る
4:小麦本来の味がして弾力があり、もちっとして食感の麺を提供し、外国産小麦の食感・食味にならされた消費者に対して北海道産の小麦の良さを啓発する
5:伊達市、壮瞥町、登別市の学校給食に地元産小麦を使用した麺を提供している
北海道産小麦100%を使用して、製造が難しいとされてきた「生パスタ」の商品化に成功した一方で、国内市場のパスタ用ソースのほとんどは、外国企業や国内大手企業の乾麺向けの大量生産品で素材の多くは外国産トマトであり、北海道農産物を品質の高さ・安心・安全の証とする消費者ニーズに応えるに至っていない。
望月製麺では、食の安全性が揺らぎ、若い女性層の健康・美容志向増大、中・高齢者層の生活習慣病への不安の拡大の状況を踏まえ、道産小麦100%を使った生マスタ専用トマトソースの開発に着手。
開発は、ソース食材の生産・調達から製造までのトレーサビリティ実現、ソース基材・副材に道産野菜・豆を使用した“野菜・豆の栄養・機能性を重視したトマトソース”づくりを中心として取り組み、一般加工品市場のほか「健康志向食品市場」への進出を目指すものである。
また、北海道産100%素材を使って野菜・豆由来の栄養・機能性成分を重視した道産生パスタに適したトマトソースを次のとおり開発し、健康志向市場への進出を図る。
①トマトソース基材は、道産の新品種調理用トマト「シシリアンルージュ」の100%で調製されたジュース液・冷凍湯剥ホールを使用し、基材の均質化を図る。
②完熟トマトを使用し、生食トマトに約1.5~3倍の栄養・機能性成分(グルタミン酸、リコピン、GABA、ペクチン)含有を実現する。
③さらに基材から製造した“トマト酢”を配合し、トマト風味・機能性の強化を図る。
④副材は北海道産野菜・豆を使用し、その栄養・機能性成分から旨味、甘味、酸味、辛味、色味、風味を調味・配合するとともに、その機能性成分“GABA”の増加を図る。
平成21年度も引き続き、試作等を繰り返し販売に向けて取り組んでいく予定です。
資料:トマトソース開発概念.ppt
平成20年度北海道中小企業応援ファンド事業採択企業一覧:
http://www.hsc.or.jp/gaiyo/jisseki/H20fund_2th.htm
㈱望月製麺所:
http://www.mochizuki-seimen.com/