技術研修in遠軽 実施報告

11月3日から5日までの3日間、遠軽町農業技術センターにおいて「遺伝子とはなに? 自分でさわって、その機能を体験しよう」というテーマで研修会が行われました。オホーツク地域の方々を主体とした19名の参加を得て、有意義に無事終えることができました。
本ニュース240号にも寄稿いただいたご縁で、この研修会にインストラクターとして補助下さった竹末氏の感想を紹介し、報告に代えさせていただきます。


様々な職業、年齢層の方に参加して頂き、盛りだくさんの、内容の濃い3日間を過ごして頂けたと思います。
今回は遠征での研修会ということで、大学での講習会とは異なり、遠心機や振盪機などの大型機械から試験管などの小物まで持って行くため、「忘れ物厳禁」というプレッシャーの中で準備を進め、ハイエースに荷物を満載して遠軽に向かいました。万全の準備をしたつもりでも、ヨウ素デンプン反応用のヨウ素液を忘れ、近くの薬局で買ったヨウ素入りのうがい薬で代用したり、ポラロイドカメラが突然故障して、大慌てで直したりと、色々なパプニングがあり、なんとか無事に乗り越えられましたが、ドキドキの連続でした。

お仕事の都合で途中から参加された方もいらっしゃいましたが、初日から参加されている方にピペットマンの使い方や実験の流れを教わるなど、スムーズに実験に参加して頂けたかと思います。大腸菌を培養したチューブを開けた際、「きゃあ臭い」と叫ばれた方もいて、思わず皆で笑ったり、1?lを取るのに真剣になったりと、我々アシスタントが初めて実験をしたときと同じ風景がそこにあったように感じました。実験の結果はどの班も成功しており、形質転換した大腸菌がデンプンを分解する様子や、紫外線を照射して光っている様子を見たときには、「あらー」という驚きの声も聞こえ、皆様に感動していただけたようで準備な
どの頑張りが報われたと思いました。
最終日に参加者から「疲れたけど面白かった」との感想を頂いたことをうれしく思います。日常の暮らしの中では、「遺伝子」という言葉を聞くことはあっても、なんとなく遠い、そして難しいことのように感じていらっしゃる方が多いと思います。今回の研修を通して、正しく作られたDNAを、正しい操作で使用すれば、誰でも遺伝子導入などが可能であることを体験していただけたと思います。これをきっかけに遺伝子の働きなどに興味を持っていただけたら幸いです。今後も様々な地域で、このような研修会が行われると思いますが、機会があればまたお手伝いをさせて頂きたいと思います。
(インストラクター 竹末 信親 記)