HOBIA NEWS No.295

目次
●  バイオキャンプ in サッポロ
●  BioJapan2012報告
●  お知らせ
 ●  グリーンテクノバンク・北方系機能性植物研究会
    北の機能性作物活用シンポジウム
    『道内食資源を活用したヘルス・イノベーション戦略』
 ●  地域バイオ育成講座(ビジネスExpoにて)
●  編集後記
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●  バイオキャンプ in サッポロ
実施報告と12月の研修のご案内
月~9日の3日間、北大農学部の学生実験室にて高校生を中心とした青少年のためのバイオ講座を開きました。高校生が自分自信で、高校の設備ではできないバイオ実験をする、と言うのが特徴です。最近は、高校の中には、文科省のスーパ-サイエンスコースのクラスを設定している高校もありますが、そのレベルを超えた大学2年生の研修のレベルに近い研修内容です。教師がやっている実験を見るのでなくて、自分の手で全てを実施すると言うところも、理科好きの高校生の好奇心のポイントを突きます。
プログラムは、1日目「大腸菌に蛍光タンパク質遺伝子をいれてみよう」大腸菌にサンゴやクラゲの蛍光タンパク質の遺伝子を入れて,光る大腸菌を作ります。2日目は、「大腸菌の蛍光観察」実際に大腸菌が蛍光を発するか,紫外線を当ててみたり,顕微鏡で観察したりして調べます。「DNAでお酒に強いか弱いかを判定してみよう」自分のほおの細胞からDNAを取り出して,アルコールの代謝に関係する遺伝子の形をPCRと言う方法で調べてみます。3日目、「大腸菌からDNAを取り出してみよう」大腸菌から,プラスミドというDNAを取り出して,入れたはずのDNAが入っているか調べます。
 参加した高校生へのアンケートの感想欄から拾ってみると、

バイオキャンプ2012.JPG

「昼食を学食で食べて、現役大学生の話を聞くのがとても楽しかったし、ためになった。」「使ったことのない機械をたくさん使い、大学へ行きたい気持ちがより高くなった。」「やる作業は真新しいことばかりであっという間の3日間だった」と好評でした。
遠くは釧路から参加した高校生もいましたが、参加者は残念ながら5人に留まりました。北海道の高校の夏休みは短く、加えて、月はじめは夏期講習会が集中していたのです。後日高校の先生と相談してわかりました。高校生にとって夏は休みはないのです。高校の先生と連絡を取って、冬休み中に開催することとなりました。
12月26日から28日まで回目の研修を行います。改めて道内の高校には案内パンフレットを送付する予定です。
              HOBIA 副理事長 企画運営委員長 浅野行蔵

●  BioJapan2012報告
10月10~12日、例年同様パシフィコ横浜で開催され、参加企業550社参加者1万千人超に達した。HOBIAブースは、ノーステックの総合ブースにて、更新したパンフレットと新規のパネルで展示致しました(写真)。

BioJapan2012.jpg

今年のBioJapanは、従来と比べて派手さは少なくなったが、マッチングの工夫が多々仕掛けられているのが特徴です。多数のベンチャーそして内外の大手企業の出展があり商談が進んだようです。
 開催直前に山中教授のノーベル賞受賞が発表され、再生医療が話題の中心となりました。山中教授と日経宮田さんの対談、いくつものセミナーで再生医療が討議されました。一見進んでいる様に見える日本だが、実用化への進行度は世界と比較すると日本は、とても遅い。実際の治療への治験数を比較すると、アメリカが頭抜けてトップで3桁の適応数だが、遅れて始めた韓国にも治験数も桁となっており、日本は、未だ1桁で圧倒的に負けている。なんとしたことか(宮田)。重要な問題を提起している。日本で、リスクと利益のバランスの考え方に問題がある。
 経産省生物化学産業課長の江崎氏は、再生医療、なかでも患者の細胞を利用した再生医療は、アレルギーなどの問題を出すまでもなく、その患者にしか効果がない。それを薬事法の考え方をもとに知見適応の是非を判断するのが間違っている。個別の医療行為である。再生医療は、最終の適応は、医療の現場であるが、細胞を増やしたり分化させたりする業務は、それを専門とする専門企業でないとできない。しかもそこは薬事法の考え方で律すべきではない。経産省は、再生医療の周辺産業は、大きく広がると予想しており、薬事法とは切り離して発展できるように仕組みを作って行くと意欲を示しました。
 再生医療関連企業で作る(社)再生医療イノベーションフォーラム(FIRM)では、問題点を共通化している。
 JBA主催の「全国バイオ関係者会議」は、用意された部屋に入りきれないほどの大盛況であった。中身も熱い議論が続いた。(宮田、江崎)創薬は、付加価値の高い産業部門で、ここを攻めないと行けない。しかし、現状は圧倒的な輸入超過となっている。医薬医療の輸入超過額は、兆円を超えている。企業の戦略の建て方と科学の発展の方向性の見方、そして日本の制度、日本人の考え方の問題が、現在を作っていることを認識して未来への舵を切らないと行けない。
全国で展開されているクラスター、横浜、北陸、近畿、沖縄からの発表、文科省からの評価など話された。宮田さんからは、“言ってみれば、駅のおみやげ物をたくさん作った。一つ一つは、なかなか素晴らしいものがある。しかし、おみやげ物でどこまで産業活性化や雇用回復ができるのか”、と根本問題の指摘があった。また、県単位の小さなクラスターが中心で、圏外との連携が推奨されている。ならば、全国一致でやったらどうなるの、という指摘もされた。
                    HOBIA 副理事長 企画運営委員長 浅野行蔵
 
●  お知らせ
 ●  グリーンテクノバンク・北方系機能性植物研究会
     北の 機能性作物活用シンポジウム
    『道内食資源を活用したヘルス・イノベーション戦略』
農水産業・食品産業の国際競争力強化を目的に平成23年12月に「北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区」(フード特区)が認定されました。現在までいくつかの特例措置・支援措置が認められて来ましたが、食品の機能性表示に関する特例措置については、「北海道版機能性表示制度」として認定を受ける方向で検討されています。
フード特区戦略達成のため、農水産物の生産(一次)、高付加価値加工(二次)、販路・流通(三次)の一連のプロセスをバリューチェーン(価値連鎖)として構築する6次産業化の実現が喫緊の課題となっています。このような背景から、道内アグリ・フーズ産業活性化を目的にシンポジウムを開催します。
 
日 時:平成24年10月24日(水)13:20―17:30 
                                                                   (開場 13:00)
場 所:KKRホテル札幌 5F「丹頂」
              (〒060-0004札幌市中央区北4条西丁目 
                                                        TEL:011-231-6711)
参加費:無料
主 催:NPO法人グリーンテクノバンク、農林水産省
後 援(予定):経済産業省北海道経済産業局、北海道、
                                札幌市、北海道経済連合会、
                                北海道中小 企業家同友会、
                              (財)北海道科学技術総合振興センター、
        NPO法人北海道バイオ産業振興協会

13:20-13:30 主催者および来賓挨拶
13:30-14:25 基調講演1「地域が支える機能性
        食品の臨床研究~予防医療への展開~」
   北海道情報大学 教授(内科医師) 西平 順 氏
14:25-15:20 基調講演2
                        「道内食におけるイノベーションの可能性」
              小樽商科大学ビジネススクール
                                                                   教授 瀬戸  篤 氏
15:20-15:40 休憩
15:40-16:10 講演1
            「酵素処理アスパラガス抽出物の抗ストレス作用」
                (株)アミノアップ化学  伊藤 知洋 氏
16:10-16:40 講演2
                「きのこの保健機能性および市場動向について」
 道総研食品加工研究センター 研究主査 渡邉  治 氏
16:40-17:10 講演3
                                   「天然物からの生理活性物質の探索」
   北海道大学大学院農学研究院 准教授  松浦英幸 氏
17:10-17:15 閉会挨拶
申込み:NPO法人グリーンテクノバンク
〒060-0002 札幌市中央区北2条西1丁目ピア・1 階
Tel&Fax:011-210-4477
gtbh@almond.ocn.ne.jp  (事務局長・折登一隆)

 ●  地域バイオ育成講座(ビジネスExpoにて)
日 時:2012年11月日 14:00~16:00
場 所:アクセスサッポロ 研修室B 定員42名
    札幌市白石区流通センター4丁目
参加費:無料
主 催:地域バイオ育成講座実行委員会
共 催:北海道バイオ産業振興協会、ノーステック財団、
                北海道
内 容:『食品の新しい働きが判ってきた』
1.ベプチドが食欲や血糖値をコントロールする
北海道大学農学部 食品栄養学 助教 比良 徹 氏
2.腸内細菌;善玉菌とはどんなことをする菌なのか
    北海道大学農学部 応用菌学 教授 浅野行蔵 氏

●  編集後記
先日、北海道経済連合会の視察会で帯広川西農協を訪問してきました。帯広川西農協では、長いもを洗浄から画像処理を使いベルトコンベア上での選別が全自動で行われておりました。
箱詰めは人が丁寧に行い、更にベルトコンベアのラインでおが屑を入れてパッキングして、ロボットによる箱の移設など川西農協は、まさに食品工場です。土もの野菜としては、世界初のHACCPも取得していて残留農薬を自主検査されていると聞いて更に驚きでした。
長いもは、国内では小さいサイズに価値が有るようですが、台湾では薬膳として大型のものが人気とか。現在は、台湾をはじめシンガポール、米国など広い範囲に輸出されているようです。
台湾で人気の長いもジュースを試飲してきました。バナナジュースのようでとても美味でした。参考にレシピを載せておきますので是非お試しください。
材料(4人分):長いも300g、牛乳400cc、砂糖大さじ1杯、氷
作り方:長いもの皮をむき、適当な大きさに切り、材料をミキサーにかけて氷を入れたグラスに入れれば出来上がり。お好みで砂糖を増減、ジャムやレモン汁を入れても美味。
                                     編集担当 HOBIA企画委員 黒田一寛

 
     HOBIAのホームページ http://www.hobia.jp/

NPO法人 北海道バイオ産業振興協会

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