「バイオジャパン2007」 参加報告

9月19日から3日間パシフィコ横浜で開催された、「バイオジャパン2007」の内容について報告します。


 今年は、パシフィコ横浜で9月19日から3日間開かれた。主催は、JBAをはじめとする社団法人、公式スポンサーはメルクとロッシュ、加えて多数の共催企業によって成立し日経BP社の運用である。
 展示会とセミナーで構成されており、来場者数は、3日間で延べ1万6千人を記録したが、2005年横浜より少し減少している。
 セミナーは、今回も重要課題は医薬関連で、最近盛んになってきたバイオ燃料や知財あるいは環境関連であった。有名企業からのセミナーのほかに、ベンチャー企業の「ビジネスパートナリングプレゼンテーション」も本会の特徴であり、小ぶりの部屋で熱心な情報交換や売り込みが行われた。
 熱変化型カラムなど分析機能を向上させる機器や取り扱いの便利な細胞培養器具などバイオ開発支援機材の展示も多かった。これらの商品は、同時に展示しているバイオ関連企業へ直接会場でアピールできて商談成功率も高いのだろうと思われる。
 台湾がまとまった大きなブースを出していた。小企業が多くベンチャー精神も盛んで、加えて新幹線で便利になった島南部のサイエンスパークは、国が積極的な支援を始めている。久留米市のベンチャーは、メダカ受精卵の初期発生段階に発現している2千遺伝子をcDNAアレイとして、環境の影響を受けやすい遺伝子への影響を評価が可能としている。
 私的なことであるが、昨年会ったスイスの会社もまた参加していた。ペプチド関連化合物を開発し糖尿病などの治療薬として開発している会社だ。昨年は、バイオジャパンをきっかけに、その会社に発注をかけ、国内価格よりもとても安価で購入した。
 展示会場内には数十名集まれるプレゼンの場所がもうけられ、ワークショップが次々に開かれた。そこで興味を持った商品やサービスがあれば、その会社のブースへ行って、より詳しく内容を知ることができる、あるいは発注することができるという仕組みであった。
 中小企業のみならず、展示では出し切れない商品や加工技術を持っており、関連性のある企業でのお困りごと引き受けやコラボレーションの相談が進んでいた。スコットランドも今年も積極的な売り込みをかけている。ウイスキーの試飲コーナーを設けて人を集めて情報のミキシングに貢献していた。
 国内の大きな展示は、明治製菓が、新たなオリゴ糖を売り込み、味の素は改めてグルタミン酸ソーダをはじめとするアミノ酸の有用性を展示していた。環境保全技術は、トリハロメタン類(第一種特定有害物質)の土壌中の溶液ガスの分析技術や、それに続く低減化技術とセットとしたビジネスとして定着した感がある。地域のバイオ集積地、神奈川、神戸、NPO近畿バイオの展示も目をひいた。
 北海道からは14社が出展した。ノーステックが、とりまとめ、ポスターなど全体のデザインを統一して、すっきりとした展示となった。参加は、㈲A-HITBio、㈱オンコレックス、㈱化合物安全性研究所、㈱ジェネックラボ、日生バイオ㈱、㈱バイオマテックス、バイオマテックジャパン㈱、㈱ホクドー、北海道STS㈱、北海道曹達㈱、㈱ラボ、マクロテック㈱、㈱メディカルイメージラボ、㈱ロム。
 何回か参加しているとお馴染みになった企業もあり、昨年からの互いの発展状況などに探りを入れつつ励まし合う場面もあった。具体的な商談を効率よく進めることができる。社員数が限られるベンチャーがうまく使うことができる催しでもある。海外からは、ストレートな商談が多く、英語での説明を付けるのがBioJapan の攻略法と思えた。  (文責:淺野 行藏)