Category Archives: 活動紹介

―近畿バイオインダストリー振興会議交流会の講演概要―

全国バイオ産業ネットワークフォーラムが、JBAの支援の元、NPO法人近畿バイオインダストリー振興会議の主催で、平成20年11月17日(月)に大阪科学技術センターの中ホールで開催された。参加者は全国各地から68名も集まり、非常に貴重な情報交換の場となっていたので、サマリー発表の部の様子を講演順にお知らせする。

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平成20年度バイオインダストリー振興団体全道会議、並びに、地域バイオ育成推進実行委員会、開催のご案内

平成20年度バイオインダストリー振興団体全道会議を次の通り開催しますのでご案内申し上げます。また、全道会議終了後、直ちに同じ場所で、地域バイオ育成推進実行委員会を開催します。
各団体におかれましては、予め、日程のご調整をお願いいたします。
開催日時:平成21年3月6日(金)13:00~17:00
開催場所:北海道経済産業局 6階第3会議室
会議進行予定:

1、バイオインダストリー振興団体全道会議
2、地域バイオ育成推進実行委員会

「バイオマッチング広場・地域バイオ育成推進講座」 実施報告

講演1)
「大豆の栄養研究の最前線とキッチンを結ぶ工夫」
(管理栄養士・榊 房子 氏(株)ダイエット.F代表・北海道大豆研究会世話人)
 大豆の栄養効果に関する世界の研究の現状。管理栄養士によるヘルシーなレシピーの紹介。メタボ対策と大豆利用の工夫などお話しいただきました。
病院の管理栄養士23年働き、病院食を担当。栄養士の技術の出口の対象者は、患者さん。その後、外部からの栄養指導の要望が多くなって、独立してダイエットFを立ち上げ。面接とメール指導で、体重減少を実感できるメタボ指導を、企業を中心として指導業務を展開。   以下はご講演概要。
 本日は、大豆の話題です。まずは、北海道での大豆の消費拡大と言いたいのですが、北海道は、大豆を食べていない地方です。全国平均59g/日で、北海道42gと低いレベルです。北陸や南九州は、70gに達しています。豆類100g以上を食べることをめざしています。牛乳も大豆も北海道が一番の産地なのに道民が食べていないのです。

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「北海道バイオ・ステージの講演要旨」

第24回北海道バイオ・ステージは、「アレルギー原因食材と安全食品への対応」をテーマとした2つの講演、並びに、「HOBIAアグリ事業のご紹介」を、平成20年11月6日(木)、アクセスサッポロを会場に、約30名の参加により開催されました。講演要旨は次の通りです。
・演題:「特定アレルゲン物質の測定法」
講師:日水製薬株式会社 診断薬マーケティング部マーケティンググループマネジャー
                     田中 誠司 氏
食物アレルギーは、時に重篤な症状を示し、生命にかかわる重要な疾患とされている。そこで平成9年に当時の厚生省により「食物アレルギー対策検討委員会」が発足され、食物アレルギーの実態と誘発物質の検討が開始された。本委員会では、次いで平成13年の特定原材料の指定を行い、継続した活動の中で、平成20年に“えび”と“かに”の表示が2年間の猶予期間を設け、義務化することを定めた。
食物アレルギー患者は全人口の1~2%存在し、誘発されるアレルゲンの濃度としては、mg/mL濃度レベルでは確実に誘発し、μg/mL濃度レベルでは誘発に個人差があり、ng/mL濃度レベルではほぼ誘発しないと言われている。そこで、数μg/mL濃度レベル以上の食物アレルゲンを含有する食品においては、全ての流通段階で表示が義務化されることとなった。このように微量なアレルゲンを管理するにはコンタミネーションを含めた、日々の工程管理が重要となり、そのためにも高感度・高精度な食物アレルゲンの検知法が必要である。
日水製薬株式会社では、従来の食物アレルゲンの高感度検知法の販売は勿論のこと、近年表示が義務化された、“えび”と“かに”由来のタンパクであるトロポミオシンの高感度検知法であるEIA試薬(酵素免疫測定法試薬)の開発を行い、FAテストEIA-甲殻類「ニッスイ」という商品名にて販売を行っている(図1)。本試薬は感度・再現性に優れている反面、プレートリーダー等の高価な装置が必要となる。そこで、日々の工程管理等に利用可能な、簡易試薬であるFAテストイムノクロマト-甲殻類「ニッスイ」という商品も合わせて開発を行い販売中である。イムノクロマト試薬は定性試験であり、簡易迅速に“えび”と“かに”由来の食物アレルゲンの有無をチェックできる。
EIA試薬とイムノクロマト試薬の2種類は両試薬のメリットとデメリットを有するため、ニーズに合わせた使い分けを実施することで、日々の食物アレルゲンの残存リスクコントロールに有用であると考えられる。

・演題:「アレルギー表示と現状」
講師:北海道大学農学研究院
教授 浅野行蔵 氏     
食物アレルギーの問題が、食品の問題のなかで特別な意味を持つのは、アレルギーによって重篤になる人と、何も感じない人との差が決定的に大きく、問題への切実感が、全く異なることに起因している。今年も学校などの給食施設が、原因となって児童のアレルギー事故が、発生している。なかでもソバは、アナフィラキシーショックを起こしやすく、もっとも危険な食品の一つである。1988年には、学校給食で出されたソバを食べた小学生が、死亡するという重大事故が、地元札幌で発生している。公民館でのそば打ち教室も危険なことである。ソバの扱いには、慎重を期す必要がある。製粉会社や製麺工場では、小麦粉が舞っており、職業病としてのアレルギーもある。私の大学でも学生に対して、ネズミをあつかう実験をするサイには、ネズミの毛やダストを吸わないように、指導をしている。
 
・演題:「HOBIAアグリ事業のご紹介
1.農商工連携について
講師:特定営利法人北海道バイオ産業振興協会
フーズ&アグリ・バイオ・ネットワーク事業クラスター・マネジャー      高橋 達夫 氏
農商工連携促進法(国)、中小企業応援ファン
ド(道)のタイアップによる、「製品開発・供給ネットワーク構築」の事例。
1)HOBIAアグリネットワーク事業の特徴は、生産者から製造者まで流れのあるバイオネットワーク構築である。
2)このネットワークはまさに農商工連携であり、H20年スタートの農商工連携促進法(国) 、中小企業応援援ファンド(道)を踏まえ、「道産野菜・果実のピクルス食品開発」や「100%道産素材のトマト食品開発」に係る「製品開発・供給ネット」構築を支援している。
【道産野菜・果実のピクルス食品開発の支援】
①農商工連携事業認定(H20・9)
 (事業名)ホワイトアスパラを活用した食酢と道産野菜のピクルス食品開発
 (事業者)(株)大金(旭川市)/営農集団
ファームホロ(新ひだか町)
②支援ネットワーク
•オホーツク圏食品加工技術センター
•道立 花・野菜技セ(栽培技術)
•名寄市農業セ(栽培技術、普及推進)
•北 大 園芸学研究室(学術研究)
•弘前大 蔬菜花き研究室(学術研究)
•(株)サークル鉄工    (機械開発)
•パイオニアエコサイエンス(株)(資材
【100%道産素材のトマト食品開発の支援】
パイオニアエコサイエンス(株)・農業生産法人㈲「当麻グリーングライフ」のビジネスアイデア(野菜フィトケミカル成分重視)の製品開発・供給ネットについて、国・道のハンズオン支援事業の活用を支援している。

2.種子会社の取り組み(自給飼料の生産)
講師:パイオニアエコサイエンス㈱
園芸種子部三浦信一 氏
パイオニアエコサイエンス(株)が進める「飼料デントコーンの雌穂収穫・サイレージ調製・貯蔵並びに茎葉緑肥利用」(ハイモイスチャーコーン(HMC))のプロモーションの概要。

1)飼料・肥料価格高騰、糞尿処理対策、作付補償制度創設などから、北海道のデントコーン栽培面積が拡大しつつある。
2)道内の畑作用地は30万ha、飼料緑肥用地は6万haであるが、今後、品目横断による畑作物の作付面積減少の可能性がある。
3)また、畑作地への有機物施用の必要性、肥・飼料価格の高騰もあり、今後、畑作農家が「HMC」を栽培し、①茎葉を圃場に還元して緑肥とする②雌穂(実)を収穫し畜産農家に販売する「耕畜連携」ビジネス化が可能となる。
4)「HMC」は完熟収穫・即貯蔵化でき、乾燥後貯蔵よりコストが安く、欧米では古くから乳・肉牛、豚の飼料として利用されている。
5)「HMC」の飼料・緑肥利用システム「生産(畑作農家)→収穫・調製→運搬→給餌(畜産農家)」の構築について、帯広畜産大学・農機具メーカー・釧根地区畑作・畜産農家と共同実験を展開している。
*パイオニアエコサイエンス(株)札幌営業所
 札幌市東区北34条東14丁目酒井ビル
 電話011-748―8721
 URL:http//www.aaaphj.co.jp/

「バイオマッチング広場・地域バイオ育成推進講座」開催ご案内

日時:2008年12月1日(月)15:00~17:30
場所:北海道大学 学術交流会館第3会議室
テーマ: 「大豆の魅力を引き出す」
講演1:「大豆の栄養研究の最前線とキッチンを結ぶ工夫」
報告者:管理栄養士 榊 房子氏((株)ダイエット.F代表、北海道大豆研究会世話人 事務局)
内容:大豆の栄養効果に関する世界の研究の現状。メタボ対策と大豆利用の工夫、など。
講演2:「旭川大豆プロジェクト」
報告者:旭川市ものづくり推進室産業振興室産業振興課
内容:旭川大豆を活用した地域ブランド食品開発
講演3:「十勝産大豆食品開発と豆料理普及」
報告者:(財)十勝圏振興機構
内容:機能性を重視した大豆食品開発と豆料理普及活動
講演4:「北海道の大豆生産の現状と将来」
報告者:西南農場有限会社 代表 宮井能雅
内容:大豆栽培と将来の食環境と農業生産を考察

*皆様のご参加をお願い申し上げます。お申し込みは別紙FAX申込書にてお願い致します。