HOBIA NEWS No.283

目次
●  江口良友初代会長への惜別のことば
●  環境保全フォーラム開催報告
●  お知らせ
  ■  『関西バイオビジネスマッチング2011』について
●  編集後記
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●  江口良友初代会長への惜別のことば
        
 HOBIA(北海道バイオ産業振興協会)の生みの親である江口良友初代会長が2010年11月12日に満89歳の誕生日を目前にしてお亡くなりになりました。誠に残念なことです。
 江口良友先生は、北海道大学農学部農芸化学科応用菌学教室を1944年9月(当時は戦時下のため繰り上げ卒業があった)にご卒業になり、その後、武田薬品工業株式会社を経て、1972年に50歳の時に北海道大学農学部農芸化学科微生物工学教室の教授に就任され、その当時農学部としては全国的にも珍しい微生物工学分野の教育・研究を切り拓かれました。
その当時は、我が国の発酵工業の隆盛期であり、まさに最先端の領域を切り開いておられました。即ちバイオサイエンス・バイオテクノロジーが盛んになってきたころでもありました。
将来を見越すとこの分野の知識・技術の拡がりが我が国、特に北海道には重要な分野になるとのお考えから、北海道バイオ産業振興協会の基になった北海道バイオインダストリー懇話会を創設され、1985年4月より毎月定例の講演会でバイオの当事者にお話を頂き、討論する会をもち、月にHOBIC NEWS(Hokkaido Bio-Industry Conversation News)を創刊されました。
「全会員のご協力により、本誌が会員相互を結ぶ縦糸と横糸の機能を果たすように発展することを期待いたします」との江口先生のお言葉が印象に残ります。
 北海道バイオインダストリー懇話会は、1990年9月に北海道バイオ産業振興協会に発展的に改名し、今日に繋がります。会員誌もHOBIA NEWSと改め、更に充実したものへと発展しました。
 私は、1989年北海道大学に教授として赴任すると同時にHOBIAに入会して、江口先生のお手伝いをさせて頂きました。先生のお言葉にあり、それを具現化すべく北海道を「バイオアイランド」と呼び、これにふさわしいグランドデザインをされました。このプランは、「北海道こそがバイオサイエンス・バイオテクノロジーを利活用し、その発展に寄与するとともにそこを基盤とする産業を興すべき」との考えに要約できます。その考えに沿って働いてきましたが、なかなか江口先生のお立てになるような目標に達しないという焦燥感がありました。創設者の江口先生におかれては我々以上の思いがあったことと思います。江口先生の生前に何ら成果をお示しできなかったことが極めて残念であり、申し訳ない気持ちで一杯です。
それどころか、組換え作物栽培禁止条例までできてしまい、真に申し訳ない気持ちです。
 先生のお考えになられたことは、引き続き挑戦してまいりますので、どうか私どもを見守っていただきたいとお願いいたします。HOBIAの会員は、江口先生の教えを代々伝え、かならずよい成果を先生の墓前に捧げることができるよう働くことをお誓いいたします。
心からHOBIA創設者・初代会長江口良友先生のご冥福をお祈りいたします。         
                 HOBIA理事 冨田 房男
 
●  環境保全フォーラム開催報告
 
今年度開催した環境保全フォーラム『廃棄物処理システムの構築と循環資源利用戦略』には、事務局(2名)、講演者(4名)を合わせて参加者53名で、平成22年11月24日(水)午後、札幌ガーデンパレスで開催されました。
主催は、私立大学環境保全協議会(現在 大学150校、企業61社)で、後援団体の中にHOBIAが入っており、HOBIA会員の参加のもとで実施されましたので、HOBIA環境部会の一つでもありました。
わが国は過去、高度経済期以降、「大量生産・大量消費・大量廃棄」型の経済社会の中にありましたが、1980年代の軽薄短小の時代に資源循環型社会の構築が重視されて来ました。わが国の新成長戦略にグリーンイノベーションが掲げられる中、道内地域の環境・エネルギー問題は益々重要性を増しています。環境保全の課題は今や産学官連携で取り組まねばならず、環境静脈産業の育成と雇用の創出が急務となっています。
各大学では、一般廃棄物の分別回収、実験室における排水処理や重金属・有機溶媒などの毒物・劇薬処理さらに医療系廃棄物処理に関して情報交換をしながら適正処理を検討しています。一方、道内には、膨大な量の陸海産業廃棄物が排出されており、有効な再資源化が望まれています。このような状況下で、産学官連携で環境保全に取り組むことが益々重視され、その一環でフォーラムが開催されました。
当日は、活発な質疑応答があり、環境関連企業からは、また開催してほしい旨の要望がありました。
               HOBIA副理事長 西村 弘行

  
●  お知らせ

■  『関西バイオビジネスマッチング2011』について
かねてより募集しておりました『関西バイオビジネスマッチング2011』参加企業について、去る11月16日(火)に開催されました企画運営員会において協議の上、HOBIAとしての支援先を決定いたしましたので、ご報告します。
 

1)株式会社エコニクス(創薬関連、診断・検査試薬などの部)
2)株式会社アミノアップ化学(機能性食品、化粧品などの部)
 
なお、同事業は以下のような日程・場所で開催されます。一般参加は、2011年1月28日(金)が申込み締め切りですので、参加をご希望される方は下記のURLをご参照の上、お申し込みください。
2011年月日(月)10:00~18:00
     (対象分野:創薬関連、診断・検査試薬など)
2011年月日(火)10:00~18:00
     (対象分野:機能性食品、化粧品など)

開催場所 千里阪急ホテル「クリスタルホール」・「仙寿の間」
        (大阪府豊中市新千里東町2-1-D-1号、
                                         TEL 06-6872-2211)
申込先URL:http://www.kinkibio-matching.biz/schedule.html
 

●  編集後記

いよいよ師走ですね。この時期になると必ず登場する挨拶です。
12月は、師のみならず皆忙しいと感じていると思います。日本人は、けじめの時に何もかも終わりにして年を越したい。皆がそう思うから関連する人も皆終わらないといけなくなって。全体が本当に忙しくなってしまうのでしょうね。
 正月のわずかな休みに落ち着いて、じっくり考え事でも出来ればと思います。
でも、じっくり呑んじゃう方なんですけどね・・・。
 

編集担当 HOBIA企画委員 黒田一寛

 
 
 
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