HOBIA NEWS No.290

目次
●  私立大学環境保全協議会平成23年度環境保全フォーラム
  『環境保全をめぐる大学・企業の役割』
―グリーンニューディールの実現をめざして―
●  お知らせ
  ■  産総研本格研究ワークショップ
「北海道の総合バイオマス利用~産総研からの提案~」のご案内
●  編集後記
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●  私立大学環境保全協議会平成23年度環境保全フォーラム
  『環境保全をめぐる大学・企業の役割』
―グリーンニューディールの実現をめざして―
 NPO法人北海道バイオ産業振興協会副理事長 東海大学教授
                     西村 弘行 氏

 去る10月6日(木)13:30-17:00札幌ガーデンパレスホテルにおいて参加者31名で表題の環境保全フォーラムが開催された。以下その模様を以下に述べる。
わが国は過去、高度経済成長期以降、「大量生産・大量消費・大量廃棄」型の経済社会の中にありましたが、1980年代の軽薄短小の時代に資源循環型社会の構築が重視されてきた。わが国の新成長戦略にグリーンイノベーションが掲げられるなか、本年3月11日の東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故によって地球環境を意識した新しいエネルギー政策の構築が喫緊の課題となっている。道内地域においても同様の課題をかかえているが、さらに膨大な量の陸海産業廃棄物が排出されており、有効な再資源化が望まれている。
 私立大学環境保全協議会(現在、大学151校、企業63社加入)は、1985年以来、各大学における一般廃棄物の分別回収、実験室における排水処理や重金属・有機溶媒などの毒物・劇薬処理などに関して情報交換をして成果を上げて来た。さらに、学生に対する環境意識の醸成と環境活動に対する教育指導を行うなど社会人基礎力の向上に努力している。
 さて、今回のフォーラムにおける課題は、産学官連携で、いかに環境静脈産業を育成し、雇用創出(グリーンニューディール)を実現させることができるかである。道内で莫大に排出されるホタテガイ内臓組織(ウロ)からいかに低コストでカドミウムを効率良く除去するかが古くて新しい話題で、バクテリアと酵素を組み合わせることにより効率よく除去することが明らかになった。
 次に、(株)静内衛生社で開発された浄化槽シーディング剤で、Bacillus属を中心とした複数種のバクテリア群で構成され、さらに固形化に成功し、数々の特許を取得している。また、普及率も上昇しており雇用の創出を実現させている。さらに全国ネットで展開している環境企業の三友プラントサービス(株)から排出者である企業の社会的責任について言及され、ゴミ処理システムについて提案がなされた。最後に環境基本法について説明があり、話をまとめた。
 また、行政サイドの経済産業省より循環型社会・低炭素社会構築について国の施策から北海道内の廃棄物処理状況までわかり易く話された。大学側から題、北海道医療大学におけるエコキャンパスについて教職員と学生が一体となって取り組んでいること、さらに、北海道大学からサステイナブルキャンパス構築に向けて、環境・エネルギー対策の実践と成果について話題が提供された。
 熱意ある講演と多数の質問で予定時間を30分弱オーバーしてしまった。今回、NPO法人北海道バイオ産業振興協会の共催で実施した環境保全フォーラムは、参加者からの評価が高かった。

●  お知らせ
■  産総研本格研究ワークショップ
「北海道の総合バイオマス利用~産総研からの提案~」のご案内
 
 バイオマス利用に係る技術開発の現状を概観すると共に、広大な土地を有し、日本一の農業生産量を誇る北海道において、私共が考えるバイオマスの有効利用法について提案し、産総研が北海道の皆様とどの様な連携ができるかを探ってみたいと思います。
   
■ 開催日時:平成23年11月15日(火)13:00~17:00
■ 開催場所:札幌ガーデンパレス階 孔雀の間
  (札幌市中央区北1条西6丁目 TEL:011-261-5311)
■ 参加料:無料(交流会費2,000円)
■ 講演概要:
 基調講演『バイオマスエネルギー産業の動向と将来展望』
    三菱商事株式会社 新エネルギー・電力事業本部
                     澤 一誠 氏 
    北海道バイオエタノール株式会社 常務取締役
                     藤井俊幸 氏
    
 産総研の研究紹介
  ● バイオマス資源のエネルギー利用
  バイオマス研究センター 副研究センター長    平田悟史
  ● エタノール生産向上のための酵母の改質技術  
    生物プロセス研究部門 研究員   佐原健彦
               主幹研究員 扇谷 悟
  ● バイオマスからの基礎・機能性化学品の製造 
     環境化学技術研究部門 副部門長  北本 大
  ● 経済性評価から見たバイオマスの有効利用形態
   バイオマス研究センター システム技術チーム長
                                                                              美濃輪 智朗
  ● 産総研からの提案~北海道バイオマス利活用モデル 
  バイオマス研究センター 研究センター長 坂西欣也
■ 受付   事前のご登録をお願いいたします。
    定員に達した場合は、会場の都合により締切となる
               場合があります。
 
  [ お申し込み・お問い合せ先 ]
  独立行政法人産業技術総合研究所北海道センター
   北海道産学官連携センター(担当:永石・佐々木)
   TEL:011-857-8406 FAX:011-857-8901
   E-mail:sgk-workshop@m.aist.go.jp
  詳細は下記URLをご覧ください。https://unit.aist.go.jp/hokkaido/topic/111115WSreaf.pdf
 

●  編集後記
秋から冬へと変わろうとしています。北海道の次の季節は、突然やってくる感じがします。
写真撮影を趣味にしている私にとっては、結構忙しい。紅葉を追っていた時期が終わり、冬景色を追いかける時期となりました。北海道は、どの季節も美しい。
  

編集担当 HOBIA企画委員 黒田一寛

 
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NPO法人 北海道バイオ産業振興協会

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