目次
● TPP問題と道内アグリ・フーズ改革
NPO法人北海道バイオ産業振興協会副理事長
東海大学副学長(北海道キャンパス担当) 西村 弘行 氏
● バイオインダストリーの現状と課題
(一般財団法人)バイオインダストリー協会(JBA)
専務理事 塚本 芳昭 氏
● お知らせ
■ 国際微生物学連合2011札幌会議(IUMS 2011 Sapporo Congress)開催
● 編集後記
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● TPP問題と道内アグリ・フーズ改革
NPO法人北海道バイオ産業振興協会副理事長
東海大学副学長(北海道キャンパス担当) 西村 弘行 氏
日本経済は、2008年のリーマン・ショック以降、低迷が続き、東日本大震災と東京電力福島原子力発電所事故でさらに厳しい状況下に置かれている。経済不況の打開策として、菅直人首相は「明治の開国に続く『平成の開国』は、元気な日本の復活になる」としてTPP(環太平洋連携協定)への参加をにおわせた。しかし、TPP参加国は関税撤廃が原則で「参加すれば農業は壊滅する」との異論が続出している。特にお米など高関税作物や食品の国内保護策で、これまで主要なアグリ・フーズ産業は守られている。農林水産省は、農家に対する支援がなければ「TPP参加で農業生産額は4.1兆円減少する」と試算している。このような賛否両論のうずまく中、『平成の開国』を実現させるためには、北海道農業を中心とした早急なるアグリ・フーズ政策の改革が必要である。全国の農業者の多くは低所得、高齢化、後継者不足で苦境に陥っている。
わが国の農業政策では、TPP参加どころか、農業生産の脆弱化で食料自給率も低迷を続ける。この打開策として戸別所得保障制度で農業生産者に対し補助金を拡大しようとしているが、短期間、限られた生産者に対し直接所得保障することを否定はしないが、全体化するには国の財政も厳しく、再び農業生産者の依存体質が続くことになる。
そこで自立し、国際競争に勝ちうる北海道農業を構築するには、生産効率を上げるための農地集積や圃場条件の整備が不可欠である。農業生産基地北海道は、アメリカやオーストラリアほどではないが、大規模農業の適地である。このような農地環境下、一次生産の省力化と生産物の低価格化を実現させることが可能である。それには情報技術(IT)を活用した農業生産方法が考えられる。すなわち、衛星の利用で全地球測位システム(GPS)や地理情報システム(GIS)を導入した無人の農業用ロボットを使うことで省力化と生産コストの低減化が実現できる。この分野で活発に研究しているのは、北海道大学大学院農学研究科の野口 伸教授で、「ロボットが走行すべき経路を地図として持っていると、耕うん、中耕・除草作業、病害虫防除作業、そして収穫まで無人化できる」と強調している。まさにこのような研究をより早く実用化させることが重要で、TPP参加の前に、大型予算を組んで省力化と生産コストの低減化を実現することが急務ではなかろうか。
次に、一次生産物の高付加価値化が必要で、米や小麦やその他の主要な農産物の特色ある高機能性成分を増加させる品種改良(育種)が重要で、実現可能である。例えば、動脈硬化予防成分であるケルセチン類(ポリフェノール類)や男性ホルモン増と体脂肪燃焼効果を持つ含硫アミノ酸を主成分とするタマネギの場合は、これらの成分を増加させる品種改良は可能である。
すでに、ケルセチン類の高含有タマネギの育種に(有)植物育種研究所(栗山町)で成功し、「サラサラレッド」の名で品種登録されている。一方、土づくりなどの技術で有機農産物や無農薬農産物の生産も成功しており、より安全で安心な食材を道内で確保できる。このように、市場ニーズに合致した農産物を道内で生産できれば国際競争に勝ちうる農業が実現する。
さらに、農産物の加工技術で高付加価値化を検討する必要がある。この場合、ただ加工食品にすれば付加価値が上がり、売れると考えるのは危険である。いわゆる市場ニーズに合致した加工食品を製造しなければならない。売れる食品開発の基本要件は、①科学的に証明された機能性 ②美味しい ③安全性と安心性 ④利便性 ⑤デザイン性 ⑥マーケティングによる消費者ニーズ価格 である。要するに、販路・流通戦略を包含した技術経営(MOT)能力が問われる。
以上のようなアグリ・フーズ分野の改革で国際競争力を確立し、北海道経済を上向きにしたいものである。
● バイオインダストリーの現状と課題
(一般財団法人)バイオインダストリー協会(JBA)
専務理事 塚本芳昭 氏
近年バイオ医薬を中心にバイオテクノロジーの成果が産業化に結び付く事例が多く出つつある。日本の製薬企業もオープンイノベーションに舵を切り、バイオベンチャーと製薬企業の提携事例も目立つようになってきた。潮目は着実に変わってきたように思える。今後は技術ポテンシャルが高まりつつある中国、韓国等のアジア諸国を巻き込んだオープンイノベーションを引き起こし、アジアの活力を日本の復興、再成長に結びつけることが重要な課題となる。ここではバイオテクノロジーの産業化の現状およびアジアにおけるオープンイノベーション推進に向けての国際的な動き等について紹介する。
日本のバイオ産業の生産高は、兆432億円(2010) に達した。その41%がバイオ医薬だ(ワクチン6.4%を含む)。次に農業食品が30%、化学品が10%を占めている。高付加価値の医薬が重要な位置を占めており、日の丸印の医薬品はさらに増加すると見ている。流れも変わってきた。2000年までは、エリスロポエチンやヒト成長ホルモンが主要な製品であったが、その後、抗体医薬の急速な市場拡大で、市場そのものが倍になった。医薬は研究段階から開発段階へ入っており、2000年以降候補物質は急増して多数がすでに臨床試験に入っている。
ベンチャー企業の動向:バイオベンチャーの数は、2006年の587社をピークに伸びは止まった。しかし、ベンチャー企業は新薬開発に重要な役割を持っており、新薬候補とされている400物質について調べてみると半数がベンチャーを絡めた開発が進んでいる。ここ数年ベンチャーが開発した候補物質を大手医薬が購入するライセンスするなど活発化している。オンコリスバイオファーマの抗HIV薬をブリストルマイヤーが2400億円で購入したり、北海道のイーベックの抗体製造法をベーリンガーマンハイムが、千百万ユーロでアライアンスして開発に進むなど大きく飛躍する例が相次いでいる。問題は、日本の製薬でなく海外の製薬が日本のベンチャーの技術を評価していることである。慌てた日本企業も国内へも重点を置き始め、武田、キッセイ、富士フイルム、エーザイなどが日の丸ベンチャーの開発物(技術)に対価を支払いだした。
化成品:OECDの予想では、バイオによって製造される化成品の出荷額は、1兆4千億ドル(2010)から兆1830億ドル(2025)へと増加し、中でも特殊化学品の伸びが大きいとしている。
農業:遺伝子組み換え作物の作付けは、一貫して右肩上がりで、2010年は年前に比べて生産面積は倍になって1億48百万ヘクタールと日本の全耕作面積のなんと300倍に達して、耕作農家数も1540万に達している。以前は先進国での先付けが多かったが、近年は発展途上国でも作付け面積が急速に増加している。
高齢化:日本を筆頭として急速な高齢化人口の増加が問題である。中国の高齢化は2020年頃から急上昇して2050年には高齢化率はアメリカを抜いて日本に迫る。
オープンイノベーション:バイオの分野でも世界の開発競争の大きな流れに「オープンイノベーション」がある。自社内だけにクローズすることなく、自社知財を他社にも使用させるとともに他社知識を積極的に導入して開発速度を加速する。国境を越えたオープンイノベーションの大きなうねりが渦巻き始めた。躊躇することなく積極的な参加が必要である。躊躇している間に日本とばし(Japan passing)になってしまう気配さえある。特にアジアの食との間でのオープンイノベーションが必要である。JBAでは、オープンイノベーションの促進を図ることに注力する。各国のバイオ関連団体の実施するオープンイノベーションのためのイベントへの相互協力を積極的に進める。JBAの関連するすべての活動の基本概念をオープンイノベーションの活発化としたい。ビジネスマッチングの機運も格段に上向きで、Bio Japanのビジネスパートナーリンク面接数も、年々増加しており2010年は前年の倍の千件を超えた。本年のBioJapanは、10月4~日横浜で開催する。参加をお待ちしております。
● お知らせ
■ 国際微生物学連合2011札幌会議(IUMS 2011 Sapporo Congress)開催
IUMSの会議は、3年に1回世界各地で開催されてきている世界最大の微生物に関する会議です。IUMSは、細菌学及び応用微生物学(BAM)、真菌学(Mycology),ウイルス学(Virology)の3部会で構成されていて、日本も過去にはかなりの頻度でいずれかの分野の会議を開催してきましたが1990年のBAMとMycol.の合同会議を最後に21年開催されていませんでした。21年振りの久しぶりの会合となります。世界各地から5000人近くが集まると期待しております。
場所:コンベンションセンター(地下鉄東札幌駅下車)
日時:前半(9月6日から10日)は、BAMとMycol.
後半(12日から16日)は、Virol.の会合が持たれます。
公開講演会:9月9日16:30~公開講演会:高峰-北里シンポジウム
(応用微生物学の先駆者であり科学者の楽園を作った高峰譲吉博士と病原細菌学
の開祖である北里柴三郎の業績を内外の方に語ってもらう。)
市民公開講演会:9月11日10:00から16:00
(インフルエンザウイルスから環境浄化など病原性微生物から有用な微生物に至る)
公開のものは、通訳付きで、参加料も無料です。
この他にHOBIAの会員である専門家向けには、有料(参加登録料金30,000~40,000円)で感染症などの病原性の世界から、アミノ酸発酵などの有用産物の発酵生産、バイオエタノールなどのエネルギー生産、微生物よる重金属などの有害物質の除去など多くの専門分野の発表が招待講演、シンポジウム、ポスター発表などが実施されます。どうか多くのHOBIA会員の参加をお願いいたします。また、周りの皆さんには是非とも公開講演会など一般向けのものがあることをお知らせください。是非とも以下のホームページをご覧ください。http://www.congre.co.jp/iums2011sapporo/data/general.html
最後に、HOBIA企業会員の皆様に少額(\10,000-から)で結構ですのでご支援を賜りますようにお願いいたします。名誉理事長の冨田房男、 または副理事長 浅野行蔵 宛 としてHOBIAにご連絡下さい。
皆様のご参加・ご支援をお待ちしております!!
● 編集後記
まだ猛暑が続く中、早くも立秋を過ぎてしまいました。北海道も暑いのは、お盆迄でしょうか。夏は夏らしく、冬は冬らしくないと自然の恵みは得られませんね。
新聞によるとアメリカでは、バイオエタノール向けの伝子組み換えトウモロコシの商業栽培が認可されたと報道されていました。これはαアミラーゼという酵素が高濃度で含まれており、でんぷんを糖化するαアミラーゼの添加工程とPH調整が省かれるそうです。
まさに農業の工業化。北海道も世界に遅れないようにしたいものです。
NPO法人北海道バイオ産業振興協会副理事長
東海大学副学長(北海道キャンパス担当) 西村 弘行 氏
日本経済は、2008年のリーマン・ショック以降、低迷が続き、東日本大震災と東京電力福島原子力発電所事故でさらに厳しい状況下に置かれている。経済不況の打開策として、菅直人首相は「明治の開国に続く『平成の開国』は、元気な日本の復活になる」としてTPP(環太平洋連携協定)への参加をにおわせた。しかし、TPP参加国は関税撤廃が原則で「参加すれば農業は壊滅する」との異論が続出している。特にお米など高関税作物や食品の国内保護策で、これまで主要なアグリ・フーズ産業は守られている。農林水産省は、農家に対する支援がなければ「TPP参加で農業生産額は4.1兆円減少する」と試算している。このような賛否両論のうずまく中、『平成の開国』を実現させるためには、北海道農業を中心とした早急なるアグリ・フーズ政策の改革が必要である。全国の農業者の多くは低所得、高齢化、後継者不足で苦境に陥っている。
わが国の農業政策では、TPP参加どころか、農業生産の脆弱化で食料自給率も低迷を続ける。この打開策として戸別所得保障制度で農業生産者に対し補助金を拡大しようとしているが、短期間、限られた生産者に対し直接所得保障することを否定はしないが、全体化するには国の財政も厳しく、再び農業生産者の依存体質が続くことになる。
そこで自立し、国際競争に勝ちうる北海道農業を構築するには、生産効率を上げるための農地集積や圃場条件の整備が不可欠である。農業生産基地北海道は、アメリカやオーストラリアほどではないが、大規模農業の適地である。このような農地環境下、一次生産の省力化と生産物の低価格化を実現させることが可能である。それには情報技術(IT)を活用した農業生産方法が考えられる。すなわち、衛星の利用で全地球測位システム(GPS)や地理情報システム(GIS)を導入した無人の農業用ロボットを使うことで省力化と生産コストの低減化が実現できる。この分野で活発に研究しているのは、北海道大学大学院農学研究科の野口 伸教授で、「ロボットが走行すべき経路を地図として持っていると、耕うん、中耕・除草作業、病害虫防除作業、そして収穫まで無人化できる」と強調している。まさにこのような研究をより早く実用化させることが重要で、TPP参加の前に、大型予算を組んで省力化と生産コストの低減化を実現することが急務ではなかろうか。
次に、一次生産物の高付加価値化が必要で、米や小麦やその他の主要な農産物の特色ある高機能性成分を増加させる品種改良(育種)が重要で、実現可能である。例えば、動脈硬化予防成分であるケルセチン類(ポリフェノール類)や男性ホルモン増と体脂肪燃焼効果を持つ含硫アミノ酸を主成分とするタマネギの場合は、これらの成分を増加させる品種改良は可能である。
すでに、ケルセチン類の高含有タマネギの育種に(有)植物育種研究所(栗山町)で成功し、「サラサラレッド」の名で品種登録されている。一方、土づくりなどの技術で有機農産物や無農薬農産物の生産も成功しており、より安全で安心な食材を道内で確保できる。このように、市場ニーズに合致した農産物を道内で生産できれば国際競争に勝ちうる農業が実現する。
さらに、農産物の加工技術で高付加価値化を検討する必要がある。この場合、ただ加工食品にすれば付加価値が上がり、売れると考えるのは危険である。いわゆる市場ニーズに合致した加工食品を製造しなければならない。売れる食品開発の基本要件は、①科学的に証明された機能性 ②美味しい ③安全性と安心性 ④利便性 ⑤デザイン性 ⑥マーケティングによる消費者ニーズ価格 である。要するに、販路・流通戦略を包含した技術経営(MOT)能力が問われる。
以上のようなアグリ・フーズ分野の改革で国際競争力を確立し、北海道経済を上向きにしたいものである。
● バイオインダストリーの現状と課題
(一般財団法人)バイオインダストリー協会(JBA)
専務理事 塚本芳昭 氏
近年バイオ医薬を中心にバイオテクノロジーの成果が産業化に結び付く事例が多く出つつある。日本の製薬企業もオープンイノベーションに舵を切り、バイオベンチャーと製薬企業の提携事例も目立つようになってきた。潮目は着実に変わってきたように思える。今後は技術ポテンシャルが高まりつつある中国、韓国等のアジア諸国を巻き込んだオープンイノベーションを引き起こし、アジアの活力を日本の復興、再成長に結びつけることが重要な課題となる。ここではバイオテクノロジーの産業化の現状およびアジアにおけるオープンイノベーション推進に向けての国際的な動き等について紹介する。
日本のバイオ産業の生産高は、兆432億円(2010) に達した。その41%がバイオ医薬だ(ワクチン6.4%を含む)。次に農業食品が30%、化学品が10%を占めている。高付加価値の医薬が重要な位置を占めており、日の丸印の医薬品はさらに増加すると見ている。流れも変わってきた。2000年までは、エリスロポエチンやヒト成長ホルモンが主要な製品であったが、その後、抗体医薬の急速な市場拡大で、市場そのものが倍になった。医薬は研究段階から開発段階へ入っており、2000年以降候補物質は急増して多数がすでに臨床試験に入っている。
ベンチャー企業の動向:バイオベンチャーの数は、2006年の587社をピークに伸びは止まった。しかし、ベンチャー企業は新薬開発に重要な役割を持っており、新薬候補とされている400物質について調べてみると半数がベンチャーを絡めた開発が進んでいる。ここ数年ベンチャーが開発した候補物質を大手医薬が購入するライセンスするなど活発化している。オンコリスバイオファーマの抗HIV薬をブリストルマイヤーが2400億円で購入したり、北海道のイーベックの抗体製造法をベーリンガーマンハイムが、千百万ユーロでアライアンスして開発に進むなど大きく飛躍する例が相次いでいる。問題は、日本の製薬でなく海外の製薬が日本のベンチャーの技術を評価していることである。慌てた日本企業も国内へも重点を置き始め、武田、キッセイ、富士フイルム、エーザイなどが日の丸ベンチャーの開発物(技術)に対価を支払いだした。
化成品:OECDの予想では、バイオによって製造される化成品の出荷額は、1兆4千億ドル(2010)から兆1830億ドル(2025)へと増加し、中でも特殊化学品の伸びが大きいとしている。
農業:遺伝子組み換え作物の作付けは、一貫して右肩上がりで、2010年は年前に比べて生産面積は倍になって1億48百万ヘクタールと日本の全耕作面積のなんと300倍に達して、耕作農家数も1540万に達している。以前は先進国での先付けが多かったが、近年は発展途上国でも作付け面積が急速に増加している。
高齢化:日本を筆頭として急速な高齢化人口の増加が問題である。中国の高齢化は2020年頃から急上昇して2050年には高齢化率はアメリカを抜いて日本に迫る。
オープンイノベーション:バイオの分野でも世界の開発競争の大きな流れに「オープンイノベーション」がある。自社内だけにクローズすることなく、自社知財を他社にも使用させるとともに他社知識を積極的に導入して開発速度を加速する。国境を越えたオープンイノベーションの大きなうねりが渦巻き始めた。躊躇することなく積極的な参加が必要である。躊躇している間に日本とばし(Japan passing)になってしまう気配さえある。特にアジアの食との間でのオープンイノベーションが必要である。JBAでは、オープンイノベーションの促進を図ることに注力する。各国のバイオ関連団体の実施するオープンイノベーションのためのイベントへの相互協力を積極的に進める。JBAの関連するすべての活動の基本概念をオープンイノベーションの活発化としたい。ビジネスマッチングの機運も格段に上向きで、Bio Japanのビジネスパートナーリンク面接数も、年々増加しており2010年は前年の倍の千件を超えた。本年のBioJapanは、10月4~日横浜で開催する。参加をお待ちしております。
● お知らせ
■ 国際微生物学連合2011札幌会議(IUMS 2011 Sapporo Congress)開催
IUMSの会議は、3年に1回世界各地で開催されてきている世界最大の微生物に関する会議です。IUMSは、細菌学及び応用微生物学(BAM)、真菌学(Mycology),ウイルス学(Virology)の3部会で構成されていて、日本も過去にはかなりの頻度でいずれかの分野の会議を開催してきましたが1990年のBAMとMycol.の合同会議を最後に21年開催されていませんでした。21年振りの久しぶりの会合となります。世界各地から5000人近くが集まると期待しております。
場所:コンベンションセンター(地下鉄東札幌駅下車)
日時:前半(9月6日から10日)は、BAMとMycol.
後半(12日から16日)は、Virol.の会合が持たれます。
公開講演会:9月9日16:30~公開講演会:高峰-北里シンポジウム
(応用微生物学の先駆者であり科学者の楽園を作った高峰譲吉博士と病原細菌学
の開祖である北里柴三郎の業績を内外の方に語ってもらう。)
市民公開講演会:9月11日10:00から16:00
(インフルエンザウイルスから環境浄化など病原性微生物から有用な微生物に至る)
公開のものは、通訳付きで、参加料も無料です。
この他にHOBIAの会員である専門家向けには、有料(参加登録料金30,000~40,000円)で感染症などの病原性の世界から、アミノ酸発酵などの有用産物の発酵生産、バイオエタノールなどのエネルギー生産、微生物よる重金属などの有害物質の除去など多くの専門分野の発表が招待講演、シンポジウム、ポスター発表などが実施されます。どうか多くのHOBIA会員の参加をお願いいたします。また、周りの皆さんには是非とも公開講演会など一般向けのものがあることをお知らせください。是非とも以下のホームページをご覧ください。http://www.congre.co.jp/iums2011sapporo/data/general.html
最後に、HOBIA企業会員の皆様に少額(\10,000-から)で結構ですのでご支援を賜りますようにお願いいたします。名誉理事長の冨田房男、 または副理事長 浅野行蔵 宛 としてHOBIAにご連絡下さい。
皆様のご参加・ご支援をお待ちしております!!
● 編集後記
まだ猛暑が続く中、早くも立秋を過ぎてしまいました。北海道も暑いのは、お盆迄でしょうか。夏は夏らしく、冬は冬らしくないと自然の恵みは得られませんね。
新聞によるとアメリカでは、バイオエタノール向けの伝子組み換えトウモロコシの商業栽培が認可されたと報道されていました。これはαアミラーゼという酵素が高濃度で含まれており、でんぷんを糖化するαアミラーゼの添加工程とPH調整が省かれるそうです。
まさに農業の工業化。北海道も世界に遅れないようにしたいものです。
編集担当 HOBIA企画委員 黒田一寛
HOBIAのホームページ http://www.hobia.jp/
NPO法人 北海道バイオ産業振興協会 札幌市北区北21条西12丁目コラボ北海道内 Tel&Fax(011)708-1611 e-mail: メールお問い合わせフォーム |