新型コロナウイルスの感染拡大が収まらない状況ではありますが、
例年通り冬期例会の開催を下記の要領で企画いたしました。
今回は、北海道で発展が期待されている医療分野でのバイオ技術に
ついて、道内外からの講演者をお迎えしてご講演いただくことにいたし
ました。バイオ技術の各分野でご活躍なさっている会員の皆様におかれ
ましては、興味深いテーマと存じますので、奮ってご参加いただきます
ようお願いいたします。
日時:2021年2月4日(木)13:15~17:00
場所:北海道大学学術交流会館 小講堂
13:20~14:50
1)「医療イノベーション創出のための産官学の連携
―北海道大学病院の試み―」
北海道大学病院 教授 荒戸照世 氏
【要旨】我が国においてライフサイエンス分野の基礎研究成果は
必ずしも実用化に結び付いているとは言えない状況にあった。
そこで、企業のみならずアカデミアにおける基礎研究シーズの発掘・
育成や臨床POC(Proof of Concept)の取得に期待が高まり、医療
イノベーションを推進するための種々の施策が講じられてきた。
こうした流れを受けて、北海道大学病院でも創薬に向けて、基礎研究
から臨床研究/治験の実施までを一貫して支援する体制が構築される
とともに、細胞プロセッシングルームやバイオバンク、Phase Iユニッ
トといった設備が備えられた。こうした支援により、複数の医療機器
や再生医療製品が製造販売承認を取得(動体追跡陽子線治療装置は
米国FDAでも承認を取得)しており、研究支援に一定の成果が認めら
れていると言えよう。そこで本講演では、北海道大学病院における取
り組みについて、具体例を交え紹介したい。
14:50~15:00 休憩
15:00~15:30
2)「大学・ベンチャーのアライアンス状況とバイオ戦略の展開」
(一財)バイオインダストリー協会(JBA)事務局長 黒井正雄 氏
【要旨】バイオ分野では11年ぶりの政府戦略となる「バイオ戦略
2019」が、2019年6月に総合科学技術・イノベーション会議で決定
された。本戦略は、国内外からの人材、投資を呼び込み、我が国として
は初めてバイオエコノミーの形成を図るものである。国内の優れた研究
の成果を産業化するうえで産学連携、ベンチャー育成を含むエコシステ
ムの構築は最重要課題である。産学連携の成果、現状からバイオ戦略の
なかで目標とされる国内のバイオ拠点構想について報告する。
15:30~16:30
3)「血液凝固第Ⅷ因子機能を代替する
バイスペシフィック抗体医薬の創製による血友病Aの治療革命」
中外製薬研究本部 シニアフェロー
大阪大学免疫学フロンティア研究センター 招聘教授 服部有宏 氏
【要旨】血友病Aは血液凝固第Ⅷ因子の異常による出血性疾患で、
従来の第Ⅷ因子補充療法では静脈注射の煩雑さや抗第Ⅷ因子抗体の
出現という課題があった。これを、抗体分子により第Ⅷ因子の機能を
代替することで解決しようと着想したのが2000年頃。研究員が一丸と
なって独自の技術開発も行い、10年以上をかけてエミシズマブという
抗体医薬に仕上げた。
奈良医大と、創薬から臨床まで一貫してそれぞれの強みで協働できた
ことが最大の成功要因であった。
16:30~17:00 総合討論
※新型コロナ感染症の状況によって、リアル+オンラインの
ハイブリッド開催を検討準備中です。
オンライン参加をご希望の方は、HOBIA事務局まで
メールアドレスをお知らせください。
%MCEPASTEBIN%