遺伝子工学は、病害耐性作物を開発する重要な技術として受け取られているが、今日までほんの数種の病害耐性GM作物が市場に入っているに過ぎない。このことは、虫害抵抗性及び除草剤耐性GM作物の90%を超える導入率に大きな違いがあることになる。何故このようになるのだろうか?
European Journal of Plant Pathologyの報文によるとその答えは、主として病害耐性の複雑さによるとされている。植物病原菌の多様な生物学的違いがGMの耐性作物を造成する上で問題となっている。細菌、カビ、卵菌類、ウイルスを含む植物病原菌は生理学的に大きく互いに異なるので、一つの遺伝子産物でこれらの微生物に直接毒性を示すことはできない。
著者たちは、3つの要素が満足されなければ病害抵抗性のGM作物の導入がないとした。その3つとは、他に解決策のない問題を解決する技術であること、解決策を導入する経済的メリットがあること、市場及び一般市民に受け入れられることのことである。これらの要素の組み合わせがウイルス抵抗性のパパイヤの場合にはあった。
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