FOODEXJAPAN2008 出展報告

HOBIAニュース4月号に続き、FOODEX JAPAN2008 出展報告Part2として、
以下に報告いたします。

 過日3月11日(火)~14日(金)幕張メッセにておいて、社団法人日本能率
協会他5社合同主催で開催され、本事業ではオホーツク圏地域食品加工技術セ
ンター(帯広農業高校)、KITAMIブランドの会、農業法人有限会社香遊生活、
銀河の里ベリー園、(有)植物育種研究所、(株)はるにれバイオ研究所、
(有)多田農園、パイオニアエコサイエンス(株)の計9企業が参加しました。
 
 来場者数は前回を上回る4日間概ね3,000名以上に達し、全体の総来場者数は
 96,328名でした。
 
ブースは2小間(間口5.4m×奥2.7m)を確保し、酢のコーナー、
トマト・ホワイトアスパラのコーナーに分けた展示としました。昨年と違い、
北海道企業が集まった出展を行ったので北海道を強くPR出来たと思います。

続き


1.北海道の生産者・食品企業が新たに開発した北海道らしさをアピールした
  食品をPRし、販路開拓を目的とした。
2.出展のあらまし
1)MoreVege+」(モアベジ)の「VegeKitchen」(ベジキッチン)について
 3月13日(木)14:00~14:30に行われた、出展企業のパイオニアエコサイエ
 ンス(株)による「MoreVege+」(モアベジ)の「VegeKitchen」(ベジキッ
 チン)においては、日本イタリア料理協会会長リストランテ カ・アンジェリ
 グランシェフ 佐竹弘氏を迎え、調理用中玉トマトシシリアンルージュと北海道
 産生ホワイトアスパラを使ったレシピを披露した。100名の観客が聴講し大盛況
 であった。
 
2)出展者セミナーについて
3月14日(金)13:00~13:40に行われた出展者セミナーでは、「小型発酵装
置による酢製造システムの開発と地酢による地域振興」をテーマに本協会会長に
よる事業の説明を始め、オホーツク圏地域食品加工技術センターによる地場の
農産品を用いての特徴ある酢作りの報告、KITAMIブランドの会による少量OEM
受注と醗酵機の販売によるビジネスプラン説明、帯広農業高校によるインターン
シップについて発表した。様々な業界の方が聴講し、興味を引いていた。
3)出展企業
①オホーツク圏地域食品加工技術センター
北見市大正353-19
Tel  0157-36-0680/fax 0157-36-0686
HP http://foodohotuku.jp/
出展内容:食酢製造技術
・酢のOEM受注が7~8件あった
①-1 帯広農業高校 帯広市稲田町西1線9番地
  Tel 0155-48-2102/Fax0155-48-3052
  HP http://www.obino.hokkaido-c.ed.jp/
  出展製品:トマト・ハスカップ・ブルーベリービネガー
  ・インターネット販売の有無、原料栽培は有機農法に該当するか等の質問が
  あった。
      ・高校生による研究開発に興味を持つ方が多かった
    ②KITAMIブランドの会  北見市泉町1丁目4-1
  Tel  0157-24-2031/Fax 0157-61-1149
      HP http://www.kitamikanko.jp/tokusan/23_kitamibrand.html
  出展製品:ビネガーファーメンター、ハバネロビネガー、清里メロン酢
       ドリンク
 ・粉モノで酢は作れるのか、発酵機は酢以外のものも作れるのかといった
  質問があった
③農業法人有限会社 香遊生活 北見市柏木14-3
  Tel  0157-66-1201/ 0157-66-1202
   HP www.koyu-seikatu.co.jp
  出展製品:ズッキーニビネガー3種類
 ・海外での販売は出来ないのか、荷姿はこれ以外ないのか、色はキレイだ
  が、酸っぱさをもう少し抑える事は出来るかといった質問があった
④銀河の里ベリー園  北見市広郷800-9
  Tel&Fax  0157-39-3928
   HP www.ginganosatoberryen.com
  出展製品:黒カシス酢・ブラックベリー酢・ハスカップ酢のフルーツ
       ソース
 ・荷姿はこれ以外にないのかといった質問があった
⑤(株)はるにれバイオ研究所 北見市柏陽町603-2
  Tel  0157-26-9462/Fax 0157-26-9461
  HP http://www.harunirebio.co.jp/
  出展製品:ハマナス、ガニアシ及び太陽たまねぎの酢
 ・海外での販売は出来ないのか、荷姿はこれ以外にないのかといった質問
  があった
  ⑥(有)植物育種研究所
 夕張郡栗山町中央3丁目207-2
  Tel&Fax  0123-72-5680
  HP http://www.ikushu.com/
  出展製品:さらさらレッド、ピクルス(さらさらレッドinビネガー)、
       さらさらレッドのお酢
 ・HOBIA出展企業の統一のパンフレットはないのか、という質問があった
  ⑦(有)多田農園 空知郡上富良野町東9線北18号
  Tel&Fax  0167-45-5935
  HP http://ninjin-koubou.com/ 
  出展製品:スウィートにんじんピクルス、スウィートにんじん酢
      ドリンク
 ・商品のさらなる差別化は出来ないのか、卸会社への見積について質問が
  あった。
⑧パイオニアエコサイエンス(株)札幌営業所
  札幌市東区北34条東14丁目1-21酒井ビル2F
  Tel  011-748-8721
  HP http://www.ps-system.com/index.html
  出展製品:シシリアンルージュ
 ・中国の問題が大きいことから生産性や安全性の確認や、加工業者から新食材
  の開発についての質問
 ・流通にあたり運送確保をどうするのか、といった北海道食材への期待が大き
  い質問もあった。また長期間の出荷を求められた。
⑨北海道ホワイトアスパラガスクラスター協議会
   札幌市北区北19条西11丁目JSTイノベーションプラザ北海道2F
NPO法人北海道バイオ産業振興協会内
Tel&Fax 011-708-1611
HP http://www.hobia.jp/agri/
出展製品:ホワイトアスパラ
  ・ここはどこが何を展示しているのか、といった質問が多かった。
  ・新規の取引や、土耕栽培より被覆栽培では味が劣るといった食味の意見
  ・国内産の価格が高い、加工品はないのかといった意見、質問があった。
              (HOBIAスタッフ 西陰華代)

《FOODEX JAPAN 2008 出展報告》
オホーツク圏地域食品加工技術センター 太田裕一氏
 
1.出展内容
  一昨年12月開催のアグリ・ビジネス フェアへの出展から開始された「北見
 発.新規ビネガー技術」の普及活動は今回のFOODEX JAPAN 2008 HOBIA
 ブースへの出展で、一つのピークを得る事が出来ました。
開始当初は「雛」未満であった新規ビネガー技術・商品をここまで育成して
下さいましたHOBIA様には心からの感謝を表します。
 今回出展したKITAMIブランドの会、農業法人有限会社香遊生活、銀河の里
ベリー園様は北見地区で栽培される地元産のこだわりの農産物・有機栽培ハー
ブを用いた食酢や食酢利用の食品等を披露しました。(有)植物育種研究所
(栗山)、(株)はるにれバイオ研究所(北見)、(有)多田農園(上富良野)
様は、例えば育種技術の成果であるケルセチンに富む新種の紫タマネギ、コンソ
-シアム(JST)の成果である太陽タマネギ或いは自社栽培技術の粋の人参等を
用いた食酢や食酢利用の食品を出展しました。これらの商品は須らく来場者の
強い関心を得た事を報告いたします。
 特筆すべき事として、KITAMIブランドの会は食酢のみならず、簡易な食酢小
型醗酵装置である「ビネガーファーメンター」を公開いたしました。同機は
食酢製造工程の培地の殺菌・長期恒温培養・醗酵終了の火入れ・低温熟成を
1台で行う装置であり、仕込み量を最大でも「24kg」としたことから、従来
は不可能であった、レストラン等の店舗ごとの個性的な食酢や小規模工房での
「こだわりの食酢」、更には個人宅での食酢の製造をも可能にしました。
場で予想通りの関心を得ると共に、特に‘Pro筋‘である酒造関係者、酢醸
造業者に小量試作装置として強い関心を得た事を報告いたします。
最終日のみの出展(HOBIA次世代バイオネットワーク担い手養成事業)
でしたが、道立帯広農業高校食品科学科2年生の作品である、3種類トマト・
ハスカップ・ブルーベリーの食酢は同高が丹精を込めた農場から得られた低
農薬・有機質肥料栽培の原料を衛生面に細心の注意を払って加工したもので
あり、この心配りが来場者に強い共感を得たと考えますし、それ以上に地域
発の食品に高校生が強く関与する「地域活性化と雇用開発の試み」を高く
評価して頂いたと考えます。
生徒さん達を指導した菊池教諭は前任地がオホーツク圏の道立美幌農業高校
です。4年来、当オホーツク圏地域食品加工技術センターに通い、又は当
センター研究員が訪問して連携の絆を昂て、昨年度にトマトビネガーの
発売を達成し、更に本年度に新規2種類の食酢の発売に至りました。                                   

帯広農業高校.jpg
帯広農業高校2.jpg

2.新規ビネガー技術の「新連携計画」への採択
 オホーツク圏地域食品加工技術センターが異業種交流研究会「KITAMIブランド
の会」との強い連携で開発した新規ビネガー技術は北海道経済産業局から中小企
業新事業活動促進法に基づき、平成19年度第二回「新連携計画」認定を得ました
(2007.11月)
 この計画に於いてはオホーツクビール㈱がコア企業となり、㈱倉本鉄工所、
㈱はるにれバイオ研究所、東京農業大学(世田谷キャンパス・応用生物科学部長
 小泉幸道教授)、当センターなど産学官の10者が連携体を構築して、開発し
た「ビネガーファーメンター(小型醗酵装置)」を主軸として ①連携体のオリ
ジナル酢の製造販売、②連携体外から受注する酢のOEM供給、③ビネガーファ
ーメンター及び種菌シート等の製造システムの販売を行い、④発酵管理技術サー
ビス等を実施して収益源とし、最終的には各地の地場農産品や飲食店オリジナル
の酢等の製造を促進させ、地域活性化・雇用開発を目指します。
 何より特徴的な事は ⅰ)発酵技術・菌株技術等の全てが全国に対してオープ
ンであり、ⅱ)北海道に富をもたらす試みであり、ⅲ)更には、酢の食文化が
無いと言われる北海道に新たな文化を創り出す試みであると存じます。

《FOODEX JAPAN 2008に出展して》
北海道ホワイトアスパラガスクラスター協議会委員
北海道大学大学院 農学研究院 園芸学研究室
 前田智雄氏

HOBIAブースには毎日開場直後から終了時刻までほぼ途切れることなく来訪者
があり、2000部用意したパンフレットは3日目からは配る相手を選ぶようにな
るほどで、最終日の午後にはほぼ全部配布できた。ということは、HOBIAブー
スには少なくとも2000名以上が来訪されたということになる。また、試食用に
用意した約15kgのホワイトアスパラガスも、最終日の午後にすべてなくなり、
今回の大きな目的であった「北海道産のホワイトアスパラガスのプロモー
ション」は果たせたと思います。
試食は「生のままかじらせる」という大胆なスタイルから、「さっと茹でたも
の」の他、フードコーディネータの中本氏から教わった、茹でたホワイトアス
パラを白出し汁に漬けた「ホワイトアスパラのおひたし」を出した。いずれも
大変好評であった。また、真冬からホワイトアスパラが出荷できるというのは
来場者のほとんどが知らず、「大変すばらしい」とか「出来れば使ってみた
い」という声もたくさんあった。また、来訪されたシェフの中にはペルー産
やフランス産のホワイトアスパラを使っている方もいたが、国産、しかも
北海道産というのはぜひ使ってみたいという話もあった。また、オホーツク
食加技さんに試作していただいたピクルス(アスパラから作ったお酢を使用)
も大変好評で、試食した(株)大金さんがすぐに商品化を決めて下さった。
ホワイトアスパラ産地からはJAくりやま、共和町、名寄のみなさんもブース
に来ていただき、試食品の提供やプロモーションを積極的に行っていただい
た。すでにHOBIAや産地の方にサンプルの送付依頼や見積依頼など引き合いが
多数来ており、今回の出展は大成功であったと確信している。
一方で今後の課題もいくつか見つかった。ひとつは流通販売の窓口機関であ
る。すでに道内各生産者からの要望としても「流通販売の窓口があると良い」
という声が上がっていたが、今回のFOODEXでも、レストランやホテル関係者
から「買ってみたい、使ってみたいけど、どこが窓口になるのですか?」と
いう質問が非常に多かった。現状では各産地と直接取引してもらうしかない
のだが、使用者側としては窓口機関一か所と取り引きできた方が便利だという
話であった。
また、2つめの課題として、今回のブース来訪者の反響や「食べてみたい、
使ってみたい」という声をどうやって産地に伝え、栽培の拡大に導いていく
か、というのが私に果たされた大きな課題だと思う。今後さまざまな機会を
利用して、生産者に直接こうした声を伝えて行きたいと思う。また、産地と
良く協議して、流通販売の窓口の統一化を進めて行きたいと思う。

最後に、今回HOBIAさんのご支援で、FOODEX JAPANという大きな食品展示
会に北海道産のホワイトアスパラガスを出展できたことに厚く御礼を申し
上げます。
また、3月中旬という端境期に、FOODEX出展のためだけに生産物を用意して
いただいたJAくりやま、名寄市農業振興センター、(株)とかち21世紀の
皆様にも御礼を申し上げます。