HOBIA NEWS No.280

目次
●  HOBIAの強み               HOBIA企画運営委員長 浅野 行蔵
●  会員企業紹介
  ■  (株)エコニクス
●  お知らせ
  ■  「フードインフォマティクス」セミナー
  ■  グリーンテクノバンク北方系機能性植物研究会
     研究会25周年記念シンポジウム  
    『道内農業・食品・健康ビジネス活性化戦略』
●  編集後記
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●  HOBIAの強み               NOBIA企画運営委員長 浅野 行蔵
 二十数年前にHOBIAの前身が創立したときには、バイオブームであり、ともかくバイオを勉強しようという目的で勉強会として運営されてきた。今では、講演会やシンポジウムは、種々の団体で実施されるようになってHOBIAの特徴は薄れたが、他団体から講師の推薦などの相談を受けるなど、頭脳と人脈を持った集団としての位置づけがある。
HOBIAの特徴は、①バイオに関連する分野での経験豊かな会員がおり、農業、食品、機能性食品、生物工学、環境技術、ITなどに渡っている。②会員の所属は、産学官にわたっている。③ボランティア精神を持ってバイオ産業に役立とう、という人が会員である。
バイオ技術を実際に行ってきた人達が会員であり、さらなる好奇心を持って未来を開きたいと思っている。現実の事態に対して会員の経験に基づいて、より具体的で現実的な助言ができる。さらに実験や実証の行動ができる。企画運営委員の一人一人が、それぞれに企画の中心となって、HOBIA事業を振興する体制へと進んでいる。その動きを経済的な面からの促進を図る体勢として吉野理事長のネットワークで、銀行や道経済連合との連携を構築して、技術と経済の融合によって、バイオ産業の振興にあたる。
 上記のいずれも変革の途中であり、歯車がしっかりとかみ合って回っている段階にはまだ達していないが、今年度は、この流れをより確実なものとして、地域産業の振興に貢献するNPOを目指す。
 
知識と地域を具体的に結ぶ
 昨年度の活動の中で、地域の高校の価値を発見した。地域の食品企業を支えるレシピ開発室である。地域の食品産業は、開発メンバーが不十分なだけでなく、食品加工技術の知識、食品成分への知識、安全確保のための知識など食品科学の知識が不十分である。それを補えるのが地域の高校や専門学校、大学である可能性に気づき、ネットワーク構築を進めた。帯広農業高校や藤女子大、酪農学園大では、地域の素材を今までと異なった加工で食材化することに成功した。むろん人材育成にも役立っている。
 このようなネットワーク構築は、HOBIAの強みの一つと言えるでしょう。
 
 HOBIAの特徴として、特定のバイオ分野に高度な知識と経験を持つ会員が多い。その会員の能力とネットワークを使って次のような課題にも挑戦が必要でしょう。
 
農業の生産性の国際比較

北海道農業の生産性は、十分と言えるのか?それぞれの作物についての生産性の国際比較を行い、提言をまとめる。さらに問題点の解決のための調査を行いソリューションへの提言を行う。
 
北海道の自然の再構築
 開拓の歴史は、森林を根こそぎ除き、畑を開く自然破壊の歴史であった。近海の鰊も蟹も昆布も漁の多さを目指してきた。生物の多様性の重要性が認識されてきた。破壊されすぎた部分を見直し、北海道を実質的に自然の多い地域へと再構築が必要であり全道的なビジョンを提案できる資質がある。
 
食への姿勢の方向性
 日本では、食中毒が少なく、異物混入も少なく、安全な食品が庶民の購入できる価格で提供されている。世界でもトップクラスの安全食の国である。それにもかかわらず、食の安全を求める声は多い。そこには現実の受け止め方に不思議がある。そして栄養学の基礎知識が軽んじられている。
 
道内バイオ企業の訪問とお節介助言による調査
HOBIA会員企業を回り、現状調査とより発展するためへのおせっかい討論を行って、アンケートでない調査を行い、新たなるネットワークなど発展へのきっかけを探す。
 
HOBIA会員は、北海道に基盤をおきながら、国内外にネットワークを持っている。北海道のバイオ企業を発展させるために必要な方策や調査も実施することもできるだろう。HOBIAのユニークさをどこに求めるか?マニアックな研究集団をよりマニアックする他方で、マニアックなビジネスモデル構築へと進んでいけると考えている。
 
●  会員企業紹介
■  (株)エコニクス
 エコニクスは昭和48年に創業し北海道において人間社会と自然環境との調和を目指し、「環境ナビゲーション企業」をスローガンに自然環境および事業所等の社会環境の調査・コンサルティング、そして計量証明事業所として環境関連分析を行っております。70名弱の専門家・技術者を有しており幅広い分野でいつでも皆様方のご要望にお応えできる体制を取っておりますので環境に関連する事についてはまずはお気軽にお声をかけてください。
 また昨年、弊社では北海道の一次産業の活性化のためにリサーチ ラボを開設し最新の分析機器などを導入し、「食と環境」をキーワードとした事業展開を始めました。これまで培ってきた技術やノウハウを活かし、農業・水産業や食品製造・食品加工業など皆様方に「食」にかかわる調査や分析・評価などにより事業発展のお手伝いをいたします。
これまで以上に皆様の身近な存在としてエコニクスをご活用くださいますよう心よりお願い申し上げます。
 
お問合せ先 011-807-6811  株式会社エコニクス
ホームページhttp://www.econixe.co.jp/
 
●  お知らせ
■  「フードインフォマティクス」セミナー
近年の科学技術の進展により、「食」に関する様々な科学情報が大量に得られるようになりました。食品加工研究センターが組織いたします「フードインフォマティクス研究会」は、フードインフォマティクスというコンセプトに基づき、「食の科学情報」を道内食品企業が使いやすい形に数値化、データベース化して、多様化する消費者ニーズや健康志向の高まりに対応した新たな食品開発に活用できるよう、大学、公設試験研究機関、道内食品企業などの関係機関との連携・交流を通じて、技術の開発、技術情報の収集・発信などの活動を推進することを目的としています。
同研究会の発足に当たり、次のとおりセミナーを開催することといたしました。多くの皆様のご参加をお待ちしております。
日時:平成22年9月日(火) 13:30~16:00
会場:かでる2・7 710研修室
札幌市中央区北条西丁目(011-204-5100)
主催:北海道銀行、地方独立行政法人北海道立総合研究機構 食品加工研究センター、
金融機関食品産業高付加価値化推進プラザ 
概要:
1 講演「機能性食品による疾患の予防と緩和」
   北海道大学大学院医学研究科 特任教授  大野 重昭氏
2 講演「動物を用いた簡便な生理活性物質の検索」
   酪農学園大学大学院獣医学研究科 教授  横田 博氏
3 研究会の概要・今後の活動について
   道総研食品加工研究センター 食品バイオ部長 長島浩二 
●お問い合わせ・お申し込み先
食品加工研究センター 食品技術支援部(担当:有馬・奥村)
TEL: 011-387-4115(直通)
mail: food-chousei@hro.or.jp
参加申込書(http://www.food.hro.or.jp/events/f_info_form_100907.pdf)にご記入の上、FAXまたはe-mailでお申し込みください。 
 
■  グリーンテクノバンク北方系機能性植物研究会
 研究会25周年記念シンポジウム  
『道内農業・食品・健康ビジネス活性化戦略』
 
日時:平成22年10月26日(火)13:30~17:30
場所:札幌ガーデンパレス階「白鳥」
主催:NPO法人グリーンテクノバンク
後援:NPO法人北海道バイオ産業振興協会 ほか
記念講演:
 「道内アグリ・フーズビジネス経営戦略」(仮題)
小樽商大専門職大学院・教授    瀬戸  篤 氏
その他、道産食材タマネギ、ギョウジャニンニク、チコリー、ヤーコン、
  ハスカップ、アロニア等を活用した事業化や大学発ベンチャーの創出に
  関する講演を予定。

●  編集後記

 お盆が過ぎても、真夏の気温が続いています。この暑さが単純に地球温暖化だとはいえませんが、もはや東京以西は、熱帯地方の気候のように感じます。北海道は、亜寒帯から温帯になって住みやすい気候になるのでしょうか。これに伴い作物の分布も変わり、北海道の食バイオに新たなイノベーションが生まれる事になるのか・・・。北海道への移住が増えるのか・・・。

 早くも紅葉が待ち遠しいかぎりです。

編集担当 HOBIA企画委員 黒田一寛

 

HOBIAのホームページ http://www.hobia.jp
                  NPO法人 北海道バイオ産業振興協会
                  札幌市北区北21条西2丁目コラボ北海道内
                             Tel(011)708-1611
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