私達帯広農業高校食品科学科「ビネガー班」は平成17年度よりオホーツ圏食品加工技術センターと共同開発を行っています。3年目の今年(H19)は「トマト」「ハスカップ」「ブルーベリー」「ビネガー・ドリンク」の4種類の製品化に成功しました。
製造工程は、①原材料をミキサーで粉砕 ②低温殺菌 ③40℃まで冷却 ④種酢(酢酸菌)、エタノールを添加します。30℃のインキュベータで発酵させると,2~3日で菌膜が形成開始となり、JAS規格で「醸造酢」として認められる酸度4.2以上になるまで静置培養していきます。発酵期間は「トマト」で最も早く7日間から10日間。「ハスカップ」「ブルーベリー」では約1ヶ月の期間を必用とします。
出来上がった製品をH19年11月9日(金)に本校のアンテナショップで販売したところ、僅か1時間で70本売れるなど大変好評でした。更に、来年3月幕張メッセで実施されるFoodex Japan2008にも参加予定です。
URL:帯広農業高校 http://www.obino.hokkaido-c.ed.jp/
オホーツク圏地域食品加工技術センター http://foodohotuku.jp/
トマト酢(醸造酢)の作り方
【使用する原料】
農産物(この場合はトマト),水,
醸造エタノール(または酒),種酢(種菌)
・農産物は仕込み量の約20%~30%重量を使用
・醸造エタノールは純エタノール分が最終的な全体の5%重量になるように投入.
【トマト酢の場合の原料】
全体量 3㎏として
トマト ・・・・・ 900 g
水 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1950 g
醸造エタノール・・・・・・・・・・・・・・150 g
作り方
①トマトを洗って搾汁する(またはミキサーで砕く)
②水と合わせて低温殺菌を行う(65~67℃で30分)
③室温まで冷やす
④醸造アルコールを投入
⑤種酢を接種.30~32度の室温で静置する
⑥酸度を測定し、4.2以上になったら醗酵を止める
⑦火入れ(72~75℃、約10分)を行い、酵素を失活させる
⑧ろ過
製品中のGABA濃度の分析
分析対象物 ppm mg%(=mg/100g) %
農高 トマト酢 646 64.6 0.065
オホーツク食加技センター カボチャ酢 508~840
〃 リンゴ酢 560
ジャガイモ酢 508~640
ハバネロ酢 1278~3280
分析方法: GABaseを用いた酵素法