会長 吉野 次郎
このたび、冨田前会長の後任として平成21年7月31日の臨時総会および理事会の議決により、特定非営利活動法人北海道バイオ産業振興協会(HOBIA)の会長に就任いたしました。当協会は北海道の豊富なバイオ資源を活用した産業振興を図るため昭和60年4月に任意団体「北海道バイオインダストリー懇話会」として設立され、平成14年9月、特定非営利活動法人北海道バイオ産業振興協会として再出発し、優秀な研究者と大学人が協力する中で、バイオ産業の振興に努めてきました。発足以来、これまでは大学関係者が当会の会長に就任しておりましたが、産業振興の旗を大きく掲げる時期が来たとする冨田前会長のご判断の基、道内経済界からの会長選出の意向を受け、会長に選出されました。さて、わが国の経済環境は昨年の米国サブプライムローン問題に端を発した金融危機の影響により大きく悪化し、急減速した状況は皆さんご承知の通りであります。8月の内閣府月例経済報告において、我が国経済の基調判断は「景気は、厳しい状況にあるものの、このところ持ち直しの動きがみられる。」とされており、やや好転の兆しが窺えます。当地、北海道でも個人消費の一部に経済対策の効果が現れ、生産活動にも下げ止まりの動きが見られますが、依然として厳しい状況にあります。この状況を打破するためには地域の優位点を活力ある経済活動に活かしていくことが必要と考えております。北海道は豊富な自然資源に恵まれており、機能性食品、化粧品、医療・医薬、アグリバイオ等の道内バイオ産業は成長分野と捉えることができます。北海道のバイオ産業の売上高は、この10年間で約4倍に増加し平成20年度売上高は400億円に迫る水準です。道内バイオ企業とバイオ関連研究者の協力により、さらなる成長を目指したいと考えます。今後とも道内バイオ産業発展のため、微力ながら尽していきますので、関係各位のご支援・ご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。