アグリバイオ最新情報 2012 年 2 月 28 日

世界
農業の新たなビジョンの報告書が出た ISAAAは、遺伝子組換え作物2011グローバルデータをフィリピンで発表 「ニューグリーンバイオ」に関する国連報告書(BATS) 名古屋議定書に92カ国の署名達成

南北アメリカ
農業生産ブームのブラジル
TwinLink®社のワタの技術が米国での全権利を取得 Bayer CropScience社とTEXAS AGRILIFE社は小麦の品種改良に取り組む 西部大平原の農業生産者は、モンサントのDROUGHTGARDTMを植える準備を進めている

アフリカ
農業大臣がタンザニアは、遺伝子組換え栽培の準備ができていると言った
タンザニアは、遺伝子組換え作物の利用計画をバックアップ

アジア太平洋
オーストラリアの遺伝子組換え大麦試験は、期待の持てる結果だった
日本の科学者はイネの代謝に関する遺伝学に光をあてた
中国の農業副大臣は、遺伝子組換え技術の必要性をみている
インドは、Btワタの新品種を承認
オーストラリア遺伝子技術の規制局は、遺伝子組換え小麦と大麦の試験にOKを出した
遺伝子組換え作物に関するEUの承認の遅延
フィリピン地方公務員がバイオテクノロジーセミナーに参加

ヨーロッパ
ヨーロッパにおける遺伝子組換え作物の実地試験の規制:その概論
ヨーロッパの指導者は、遺伝子組換え技術はヨーロッパに必要と言っている
EUは、遺伝子組換えダイズ、MON 87701 x MON89788の輸入及び加工しても安全とした

世界
農業の新たなビジョンの報告書が出た
世界経済フォーラム(WEF)(独立した国際組織)は、行動指針を「農業の新たなビジョンを行動に移す:変換の始まり」と題する報告書をまとめた。「変換の始まり」は、国家の指導者たちが、世界レベルでまた各国レベルの両方での協力を加速し、拡大するのに役に立つ。報告書は、McKinsey and Companyと共同でWEFが農業イニシアティブのための新しいビジョンを打ち出すために作成したものである。
特に報告書の焦点は、「世界および地域の利害関係者が新たなビジョンの目標を達成するために取るべき具体的な行動が求められていることに呼応したもので、世界の経済成長、世界の食料安全保障と環境の持続可能性を市場原理に基づいて開発すること」にある。
農業の新たなビジョンは、次の3つの目標を10年間で20%改善する目標を設定している。:経済成長と機会、食糧安全保障と栄養、及び地環境の持続可能性。このイニシアティブは、26の世界中のパートナー企業によって先導されている。
この報告書は、以下のサイトからダウンロードできる。http://www3.weforum.org/docs/WEF_FB_NewVisionAgriculture_HappeningTransformation_Report_2012.pdf
ISAAAは、遺伝子組換え作物2011グローバルデータをフィリピンで発表

 遺伝子組換え作物の栽培は、2011年には1996年の170万ヘクタールから94倍の増加の1億6000万ヘクタールとなり、最近の歴史の中で最も速く導入された作物技術である。これまでの記録となる1670万農業生産者が栽培し、その90%以上が発展途上国の農業生産者であった。これらのデータは2012年2月7日に国際的ウエブサイトにハイライトを公表した国際アグリバイオ事業団(ISAAA)報告書43号(世界の遺伝子組換え作物の商業栽培に関する状況:2011年)にある。 アジア、アフリカ、ラテンアメリカの一連の発表の内、第一弾はハイアットホテル、マニラ、フィリピンで開催された。 ISAAAの創設者および会長Dr. Clive Jamesは、ISAAA報告書43号の著者でもあり、遺伝子組換え作物で成功体験を上げているブラジルなど発展途上国について述べた。フィリピンは、2011年に遺伝子組換え作物を60万ヘクタール以上の栽培をしたバイオメガ国にある。地元の科学界、地方自治体、非政府組織、民間企業、農業生産者、規制当局、メディア専門家のメンバーが公表に出席し、遺伝子組換え作物の導入の継続的な増加の喜びを表明した。 フィリピンでの遺伝子組換え作物からの大きな利益の確証をイサベラ州地方農業オフィサーのDanilo Tumamao氏が同州での2003年以来のトウモロコシ産業の発展をもって示した。Danilo Tumamao氏は、また州が旱魃耐性イネおよびトウモロコシ、冠水耐性イネ、耐病害虫性のBtナスなどの気候変動に特対応力のある他の遺伝子組換え作物の栽培に期待を寄せていると述べた。 政策計画担当農業次官Segfredo Serrano氏はまた、フィリピンの遺伝子組換え作物の商業化を10年の経験を共にしている。また農業次官Segfredo Serrano氏は、農務省の現代のバイオテクノロジーに関する非常に大きな関心は、フィリピン農業の特徴である島国で広大な土地はなく、様々な自然環境に対応するには技術の開発依存する必要があると述べた。更に彼は、「知的資源を利用」、即ちその成果である技術が必要であり、農業生産者や技術の恩恵を受ける利害関係者の能力向上の必要性強調した。 Emil Q. Javier博士、(国立科学技術アカデミーNAST)の長官は、歓迎の辞の中で政府の努力を通じてバイオテクノロジーの重要な進展があったことを繰り返し述べた。 「だから我々は、現代のバイオテクノロジーを応用して農業の近代化を行うことで継続した発展を期待している……そして最後にゴールデンライスが食卓に載ること; また遺伝子組換えBtナスが、そしてもちろんリングスポットウイルス耐性パパイヤパパイヤも食卓に載ることを期待している。」とも述べた。さらにフィリピンの農業バイオテクノロジーの発展には、第一に、植物産業局の規制ユニットを作り、恒久的に人材を配置し、適切な実験施設をも設け、あらゆる支援ができるようにすることだとJavier博士は、追加した。 閉会の辞で、Gil Saguiguit, Jr.博士(Southeast Asian Regional Center for Graduate Study and Research in Agriculture (SEARCA)の理事長)は、食品の生産性を向上させ、持続可能な農業を促進する技術と実践を支援するセンターの意向を表明した。彼はまた、広報の重要性と「バイオテクノロジーに関する真の姿を一般に広めることの重要性。」を強調した。 このセミナーは、 ISAAA 、NAST、Biotech for Life Media and Advocacy Resource Center (BMARC) 、 SEARCA. の共催で行った。

「ニューグリーンバイオ」に関する国連報告書(BATS)
「回復力のある人々、回復力のある惑星:選び甲斐のある未来」と題する報告で地球の持続可能性に関する高レベルのパネルが持続可能な発展を実践し、経済政策の中で維持することために56項目の勧告を表明した。2010年8月に国連事務総長によって設立され、22人のパネルメンバーは、フィンランドのTarja Halonen大統領と南アフリカの大統領Jacob Zumaが共同で議長を務めている。
「不況にさらに滑りこむ可能性のある中で、政策立案者はこの困難な時代をどう進むかについてのアイディアを渇望している。我々の報告書は、今世界を包つむ複数の危機があり、持続可能な開発これまでになく重要である。」と大統領Zumaが述べている。
「回復力のある人々、回復力のある惑星」の中では、では、持続可能性の問題について意思決定するのに不可欠なガイドとしての科学の重要性を強調している。更に「新しいグリーンバイオテクノロジー」が、「農業生産者が気候変動への適応、害虫に対する抵抗性を改善、土壌の肥沃度を復元して農村経済の多様化に貢献することを可能にする貴重な役割」を果たすと追加している。
プレスリリースは以下のサイトにある。http://www.un.org/gsp/sites/default/files/event_attachments/Addis%20Launch-Press%20Release.pdf. ダウンロードは以下のサイトから出来る。 http://www.un.org/gsp/report
名古屋議定書に92カ国の署名達成 16カ国が最近名古屋議定書に署名した。

議定書は、遺伝資源取得と生物多様性条約にその利用により生ずる利益の公正かつ衡平な配分へのアクセスに関するもので、これで合計92カ国となった。議定書に署名した最新の国は、カンボジア、チャド、コートジボワール、エジプト、エル
サルバドル、ギニアビサウ、ホンジュラス、アイルランド、ケニア、レバノン、モンゴル、ナイジェリア、モルドバ共和国、セネガル、タイ、ウクライナである。 議定書は、署名のために1年前に開いていたが、2012年2月1日署名のために閉鎖された。これは、50回目の寄託90日後に発効する。 「これらの91カ国と欧州連合(EU)の署名によって、持続可能な開発に関するユニークな法的手段が発効することになる。まだ署名をしていないすべての国に「地球上の生命の保全」を署名のために開いてからを20年目の記念すべき2012年までに署名することを要請する。」とAhmed Djoghlaf氏、生物多様性条約事務局長、が要請した。
プレスリリースは、以下のサイトにある。http://www.cbd.int/doc/press/2012/pr-2012-02-03-abs-en.pdf
南北アメリカ
農業生産ブームのブラジル
ブラジル政府の予測作物の面積は2010/11の6200万ヘクタールから2020/21には6800万ヘクタールになるとされている。最高の成長率は大豆とサトウキビと期待されている。生産ブームの契機の一部は遺伝子組換え品種の急速な導入による。
Celeresコンサルティング社によると遺伝子組換えトウモロコシは現在総面積作付面積の83%を占めると予想され、現在の65%を上回る。ブラジルは、米国よりもより多くの主要穀物生産国になると予想されるのは、米国が現在8%の成長率にあるのに、ブラジルは、ほぼ27パーセントの平均成長率だからである。2010年の世界の農産物の輸出におけるブラジルのシェアは9%と推定されているが、 これは過去最大で、10年前の5%だった。対照的に、これまでの輸出国である米国、カナダ、EU、オーストラリアなどはそのシェアは過去10年間停滞している。
詳しい情報は以下のサイトにある。http://www.fas.usda.gov/info/IATR/012412_Brazil/
TwinLink®社のワタの技術が米国での全権利を取得
Bayer CropScience社は、ワタへのTwinLink技術利用に関する米国環境保護庁(EPA)の登録を受けた。この新技術は、鱗翅目害虫への抵抗性とグルホシネートアンモニウム除草剤耐性の両方を複合させている。実用化時に当たりTwinLinkはGlyTolと、Bayer社のグリホサート耐性のスタック(重ね合わせ)をとして利用できるようになる。
Bayer社はTwinLinkとGlyTolをスタックした最初のワタの品種は、2013年までに米国で実用化され、一方、主要輸入国の規制当局の承認は、申請中である。現時点では、TwinLinkは、オーストラリア/ニュージーランド、ブラジル、カナダ、米国で承認されている。追加の承認は、世界各地で規制当局に申請中である。
詳しくは以下のサイトにある。 http://www.bayer.com/en/news-detail.aspx?newsid=15650
Bayer CropScience社とTEXAS AGRILIFE社は小麦の品種改良に取り組む Bayer CropScience社とTEXAS AGRILIFE社(テキサスA&M大学システム、College Station、テキサス州の一部)が、小麦品種改良と商業化に関する契約を締結しました。目標は、現在小麦生産に不利な地域で生産できるようにすることである。 研究チームは、収量増加とともに、旱魃耐性、病害抵抗性と品質向上に品種改良の焦点を当てる。小麦の急速な遺伝的改良を促進するための分子育種ツールの開発は、従来法と現代育種法の両方の組み合わせで行われる。
プレスリリースは、以下のサイトにあります。 http://www.press.bayer.com/baynews/baynews.nsf/id/EDB866CA86DF6E0CC12579A7003BCE80?open&ccm=000
西部大平原の農業生産者は、モンサントのDROUGHTGARDTMを植える準備を進めている モンサント社のDroughtGard™ハイブリッドの農場試験が米国の西部大平原で、この春開始される。この試験の承認は、旱魃耐性形質品種が2011年12月米国農務省の規制緩和後にモンサント社に出された。 DroughtGardハイブリッドは、農学的推薦特性に加えて旱魃耐性の特性を持っているGenuity®コーンに属している。 2012年春の試験では、モンサントはGenuity®VT Triple PRO®, Genuity® VT Double PRO® 及び Roundup Ready® Corn 2をDroughtGardハイブリッド用農業形質品種の品揃えとして計画している。 「DroughtGardハイブリッドは、試験において強力な性能を示し、競合製品を上回る利点を実証している。」また「我々のこの時期の農場試験は、農業生産者がこれらのハイブリッドの性能を見るために、そして、我々が商業的意思決定をできるような情報のフィードバックを得られることに焦点を当てている。」とDroughtGardハイブリッドマーケティングのリーダーのMark Edge氏が述べている。
原報告は、以下のサイトにあります。 http://monsanto.mediaroom.com/index.php?s=43&item=1020
アフリカ
農業大臣がタンザニアは、遺伝子組換え栽培の準備ができていると言った
農業、食料安全保障と協同組合担当大臣、Jumanne Maghembe教授は、タンザニアは、遺伝子組換え作物を導入する準備ができていると2012年2月6日Dar es Salaamでの国際会議で参加者に語った。
「我々は岐路に立っており、科学への扉を閉じないようにすることが重要だとしている。また、我々が何かに自分自身を閉じるべきではないことがますます明らかになりつつある。」とも述べ、更に「気象パターンが変化して突然、すべての雨が、一週間に降ってしまうことが起こることに対応して、新しい作物を開発する必要がある。」とも彼は言った。
東部·南部アフリカにおける穀物農業システムの持続的強化に関する会議が、国際熱帯農業研究所(IITA)の主催で開催された。それには18の国際研究機関からの参加者が出席した。
タンザニアは現在、バイオセーフティ規制の枠組みに焦点を当てて、遺伝子組換え作物を許可するかどうかを議論している最中である。
詳しい情報は以下のサイトにある。 http://allafrica.com/stories/201202070750.html
タンザニアは、遺伝子組換え作物の利用計画をバックアップ
タンザニアは、遺伝子組換え作物の研究を開始するための初期措置を講じている。これらの初期手順では、農業省と遺伝子組み換え作物が国内で承認されるにあたって、農業生産者と消費者を保護する安全法に関する担当副大統領との議論が含まれている。
農業大臣Jumanne Maghembe氏によると、このアクションの目的は、農村コミュニティのために農業を近代化し、経済成長を促進することである。彼はまた、「特に不確実な気象パターンに直面しているこの時には、遺伝子組換え作物の使用に厳格であった時代は終りだ。」と述べた。
詳細は以下のサイトにある。 http://allafrica.com/stories/201202140152.html
アジア太平洋
オーストラリアの遺伝子組換え大麦試験は、期待の持てる結果だった
オーストラリア植物ゲノム機能解析センター(ACPFG)の研究者は遺伝子組換え大麦の圃場試験ではよい結果があったといっている。 Corrigin、西オーストラリア州での最初の年の試験では、耐塩性品種の可能性を試験している。
ACPFG研究者Stuart Roy氏によると低塩濃度の地域では、遺伝子組換え大麦が非組換え大麦よりも20から30%高い収量が得られ、より高い塩濃度地域では、収量が50から70%植物個体あたりの穀粒収量が向上した。とのことである。
原報告は、以下のサイトにある。http://sl.farmonline.com.au/news/nationalrural/grains-and-cropping/barley/gm-barley-trial-success/2430826.aspx
ACPFGの中央拠点はアデレード大学のウェイトキャンパスにあり、研究拠点は、南オーストラリア州、クイーンズランド州、メルボルン大学にある。
日本の科学者はイネの代謝に関する遺伝学に光をあてた
日本の独立行政法人理化学研究所植物科学研究センターの科学者たちは、彼らが開発した高度な質量分析パイプラインを使用して米粒の代謝化合物を分析するために大規模な研究を行った。チームは、アミノ酸、脂質、フラボノイドを含む131米代謝物を同定することができた。彼らはまた、代謝物のレベルは主に環境要因によって影響されることが分かった。その結果は、選択的に
特定の代謝産物の生産を増加させた品種を育種するために利用出来るので、作物の栄養価を高めるために使用することができる。
詳細は以下のサイトにある。 http://www.riken.jp/engn/r-world/info/release/press/2012/120208_2/index.html
中国の農業副大臣は、遺伝子組換え技術の必要性を認識している
発展途上国では、食料安全保障を強化、農業生産者の収入増加、貧困根絶が重要である。農業における遺伝子組換え技術の応用で高収量と病害虫耐性のある新品種の育種を加速することができる。Li Jiayang博士(農業副大臣、中国農業科学アカデミー(CAAS)の理事長)は、クライブ·ジェームズ博士( 国際アグリバイオ事業団、ISAAAの創始者、会長)とRandy Hautea,博士(ISAAA、ISAAAグローバル·コーディネーター)との2012年2月9日の北京での会合で同じ考え方であることを認めた。
ジェームズ氏は、遺伝子組換え技術が発展途上国における食糧安全保障を確保するために極めて重要な方法であると述べた。ブラジル、アルゼンチン、インドは農業バイオテクノロジーにより多くの投資を行っている。これらの地域では、遺伝子組換え作物の品種と栽培面積数は毎年増加している。スペインなどEU諸国はまた、農薬の使用を削減し、食糧生産を増加させる組換えトウモロコシとジャガイモ栽培を推進している。ジェームズ氏は、疫病耐性ジャガイモとゴールデンライスなどの遺伝子組換え作物は、世界からより大きな注目を集めると述べた。
双方はまた、G20会議とバイオセーフティが共通の関心分野であるとして、これらについて意見交換を行った。この会議にはまた、Wang Ren 教授( Vice President of CAAS, Lin Min教授( Director-General of Biotechnology Research Institute of CAAS )及び Huang Dafang 教授( Director of China Biotechnology Information Center.)が出席した。
このニュースは、以下のサイトにある。 http://www.moa.gov.cn/zwllm/zwdt/201202/t20120210_2479195.htm
インドは、Btワタの新品種を承認
インドの遺伝子工学承認委員会(GEAC)は、公共および民間機関の協力により開発されたBtワタの新品種の商業栽培を承認した。新品種は、以前に実用化されたBtワタの収量に比べて30%の収率を増加すると期待される。開発者は、地元のワタ品種Sankar6 とSankar8にBacillus thuringiensisから害虫抵抗性遺伝子を挿入することにより、新品種を作成した。
「Sankarに導入したBt遺伝子は、より環境に優しく、しかも我々の気候に適している。我々は、これが他のBtワタ品種に比べてより害虫抵抗性であることを期待している。この品種はより大きなワタのサイズを与えるとともにその数も増えると期待される。」とRaghavendrasinh Jadeja氏(インドにおけるBtワタの進歩的な農業生産者)は言った。
詳細は、以下のサイトにある。http://article.wn.com/view/2012/02/16/Centres_panel_approves_new_Bt_Cotton_seed/
オーストラリア遺伝子技術の規制局は、遺伝子組換え小麦と大麦の試験にOKを出した
遺伝子技術規制局(オーストラリア)は、穀物の栄養素、成分組成、病害耐性、ストレス耐性を遺伝的に変更した遺伝子組換え小麦と大麦の系統に限られた、管理された開放試験承認を連邦科学産業研究機構(CSIRO)に出した。
試験は2012年5月と2017年6月からオーストラリア首都特別地域の1つのサイトで行われる。そこで圃場条件下で栽培した組換え小麦と大麦系統の農業生産力と穀粒の質を評価する。組換え小麦と大麦は、市販のヒトの食品や動物飼料に使用されない。
決定の詳細は以下のサイトにある。http://www.ogtr.gov.au/internet/ogtr/publishing.nsf/Content/dir111
遺伝子組換え作物に関するEUの承認の遅延
EuropaBioは、「安全な遺伝子組換え作物に関する承認の不当な遅延」に関する文書を公表した。この中には、EUの承認プロセスの意思決定段階にある申請中の製品のリストが含まれている。結果は、法的に定められたスケジュールと管理実践の間に矛盾があることを示している。
文書は、2005年にEFSAの承認を得ており、委員会は最大2ヶ月間の制限処理時間にもかかわらず、上訴委員会で投票を何時するか決まっていない1507のトウモロコシの例を挙げている。以前に委員会レベル(最大裁定日数は3ヶ月で設定)で投票をするのに1452日間要した先に例がある。
文書を以下のサイトからダウンロードできる。
http://www.europabio.org/sites/default/files/position/gm_approvals_status_february_2012.pdf
フィリピン地方公務員がバイオテクノロジーセミナーに参加
フィリピン、パンガシナン州政府から200名以上職員が、パラワン島プエルトプリンセサで2012年2月17日の「気候変動時機における食料安全保障と持続可能な農業に向けた農業バイオテクノロジーに関するセミナー・ワークショップ」でバイオテクノロジーとBtナスについて学んだ。
科学者や規制当局は、以下について議論を重ね、紹介をした。即ち、フィリピン及び世界の遺伝子組換え技術シナリオ;遺伝子組換え技術の科学的基礎及び応用、フィリピンでの規制の枠組み、公共部門の取り組み、遺伝子組換え作物の世界的な可能性とそのインパクト。また、農業生産者側の話題提供者から遺伝子組換えトウモロコシの栽培の経験とパートナーシップについての話もあった。
参加者は自州の農業生産者へのBtナスの導入に関心を表明した。ワークショップでは、パンガシナン州当局は、主要な利害関係者の間でバイオテクノロジーの利点とポテンシャルの認識と理解を高めるために地域の人々に情報を提供するアウトリーチ活動の必要性があると結論した。同様に、地域の政策立案者は、遺伝子組換え技術の進歩のための要件として、遺伝子組換え技術に
関する適切な政策を決めることである。フィリピンの農業発展のツールとしての遺伝子組換え技術を認識し、冠水や乾燥耐性また病害虫耐性のある作物の商業化に期待をかけていた。
ヨーロッパ
ヨーロッパにおける遺伝子組換え作物の実地試験の規制:その概論 ヨーロッパの実地試験の規制についての概論がSonia Gomez-Galera氏らによってPlant Biotechnologyに掲載された。報告書によると、EUの実地試験規制は、最も厳しいものである。しかしながら、EUで行われ、どの組換え作物の試験報告からは負の環境影響なかった。 したがって、著者らは、以下のように勧告している。即ちEUは、遺伝子組換え作物に関連するリスクは、「これまで各国及び地方政府によって提示され、強制されてきた狭い制限に閉じ込めていた許容レベルは減少すべきである。即ち、同等の従来種の作物を栽培することのリスク以上のものはない。」とした。著者らは、国及び地方の意思決定プロセスへの関与が官僚の複数の層を追加することでプロセスをより複雑にしている。」と強調している。
概論は以下のサイトからえられる。 http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1467-7652.2012.00681.x/full
ヨーロッパの指導者は、遺伝子組換え技術はヨーロッパに必要と言っている
ヨーロッパは食糧生産の問題に対応するために新しい技術を必要としている。「ヨーロッパで新技術の可能性の錠前を解除しなければ、農業生産者は、これから直面する食糧生産の課題においてその役割を果たすことができなくなる。」とJulian Little,博士(農業バイオテクノロジー評議会の議長)は、述べている。
全国農業者組合(NFU)のAndrea Graham博士はこれに加えて以下のように述べた。「残念なことに、英国の農業生産者は、今ではヨーロッパ以外では当たり前のことになっているある種のバイオテクノロジー(遺伝子組換え技術)に手をつけることを拒否し続けている。これは、世界市場での競争力へのインパクトまた一方、この新技術による潜在的な環境上の利点および他の肯定的な特性を失っている。我々は、ヨーロッパでの遺伝子組換え作物関する科学的根拠に基づく意思決定プロセスを早急にもち、英国の農業生産者が、現在および将来の課題を解決するためのツールボックスの一つとして、この技術を取り込めることを許容すべきである。」
この報告は、以下のサイトにある。http://www.abcinformation.org/index.php?page=news#114
EUは、遺伝子組換えダイズ、MON 87701 x MON89788の輸入及び加工しても安全とした
遺伝子組換え生物に関するEFSAパネルは、「遺伝子組換えダイズMON 87701 x MON89788について加盟国が提起した科学的なコメントに対処し、これから利用者となる関係からみて、人間と動物の健康と環境への影響は、対応する従来種と同等の安全性を示す情報がある。」という判決を下した。
この遺伝子組換えダイズ品種は、食品や飼料としての使用、輸入および加工処理に関するリスク評価を行った。この品種は、害虫抵抗性及び除草剤(グリホサート)耐性を二つの品種、MON 87701 x MON89788の従来の交差法で育種したものである。この第一代種(F1)は、遺伝子を1コピーあるか新しく導入された形質に関して、半接合体(二倍体中に対をなさない染色体がある状態)である。
リスク評価の詳細は以下のサイトにある。http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/doc/2560.pdf