作物バイオ最新情報 2008年11月

世界
– 国際食糧政策研究機構(International Food Policy Research Institute ,IFPRI)の報告要旨によると飢餓は未だに深刻な問題である
– FAOが小麦病害UG99に対する世界規模での対抗策を呼びかけている
– FAOの長であるJacques Diouf氏は、新世界食糧制度をアピールした
– 国際農業研究顧問団(Consultative Group on International Agricultural )が投資に 

対して高い経済効果を生み出すとした
– FAOが成長のために改革
 
アフリカ
– 国際熱帯農業研究所(the International Institute of Tropical Agriculture,IITA)は、新しい旱魃大製のキャッサバを開発
 
南北アメリカ
– 農業研究所(ARS)の研究者が旱魃耐性のダイズの品種を開発 
– Arcadia Biosciences社が小麦の窒素利用効率のよい品種を開発
– GM人参が骨そしょう症の予防に役に立つ
– 国際研究チームが水に強いイネを開発 
– シリアル作物の新しい遺伝資源 

– 益虫の方がBT作物よりも除虫剤によってより大きな影響を受ける
 
アジア太平洋 
– 広域害虫耐性(Widestrike)ワタの開放系商業栽培がオーストラリアで申請
– フィリピンバイオテクノロジー連合(BCP)は、バイテクが持続的な解決を提供できると述べた
– 西オーストラリアはGMワタの一時停止を撤廃
– GM作物は、オーストラリアの農家に有用であると政府が報告 
– オーストラリアの穀物審議会は、GMを支持すると発表
 
ヨーロッパ
– ドイツでGMジャガイモが開放栽培されることを告知
– ヨーロッパ食品安全局(European Food Safety Authority、EFSA)とヨーロッパ委員会共同研究センター(European Commission’s Joint Research Center 、JRC)は、共同協定を結んだ

研究
– Bollgardワタ品種はそのCry1AC Btタンパク質の生産量に違いがある  
– 根瘤線虫抵抗性シシトウガラシ 
-イネ矮化ウイルスに対抗するRNAi
– 旱魃頻発地域でイネの収量を倍にする方法を発見

バイオ燃料に関する補遺
– 勃興するバイオ燃料工業の実態感

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ニュース
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*世界 *

国際食糧政策研究機構(International Food Policy Research Institute ,IFPRI)の報告要旨によると飢餓は未だに深刻な問題である
2008年度世界の飢餓指標(GHI)によると飢餓は世界レベルの深刻な問題であり、食糧確保の減衰対策の進展が遅いところでも創である。GHIが高い国々は、サブサハラ会う理科と南アジアである。最低線にある国々は、コンゴ民主共和国、エリトレア、ブルンヂ、ニジェール、シエラレオンである。IFPRIのWelthungerhilfe氏の出版した「2008飢饉への挑戦:世界飢餓指標」にこのようなことが記載されており、世界規模の問題であることを示している。
Klaus von Grebmer氏と共同研究者によると食糧危機を解決するにはいくつもの施策が必要であり、その例として貧しい人への食糧支援、農業へのより多くの投資、世界の食糧市場の安定化などが挙げられる。
報告は、以下のサイトからダウンロードできます。
http://www.ifpri.org/pubs/cp/GHI08.asp#es

FAOが小麦病害UG99に対する世界規模での対抗策を呼びかけている
新しい小麦強力なさび病菌が世界中にはびこってきて、世界の小麦の供給に脅威を与えるようになってきている。この病原株は1999年にウガンダで始めて発見されたのでUG99と命名されているが、これがアラビア半島に侵入してきた。2007年後半にはイランで見つかり、近隣の小麦の大産地であるアフガニスタン、パキスタン、インド、中国の脅威になりつつある。
「主要小産地の代表者がこの小麦さび病の阻止と制御のために共同作戦を取るように集められた。」と国連のFAOは、そのプレスリリースの中で述べた。ニューデリーでは、国際社会・寄附団体などにこの病気と闘うことにたいする各国及び国際的な施策に対して支援を呼びかけた宣言を採択した。FAOは、既に被害がある国々やリスクのある国々が甚大な収量減を防止する為にさび病の蔓延を防ぐ緊急対策を立てるように勧告した。その中で「これらの国々は、調査結果を共有し、早期警告システムを直ちに確立すべき。」としている。
FAOは、アジアとアフリカの小麦の品種のうち80%以上がUG99に罹る可能性があると言っている。
ニュースリリースは以下のサイトにあります。
http://www.fao.org/news/story/en/item/8391/icode/

FAOの長であるJacques Diouf氏は、新世界食糧制度をアピールした
FAOの長であるJacques Diouf氏は、2009年に世界サミットを開き、「世界の食糧確保と農業貿易に関する新しい管制制度を作り、先進国や発展途上国を問わずよりよい生活を確保できる手段を農家に提供できるように図る。」ことを提案した。同氏は、FAOの191カ国の特別運営会議においてこのことをアピールした。
また、同氏は、「我々は、様々の農業発展政策の実施にあたり、自由貿易を確保するのみならずフェアな交易を行う規則と機構を作ると同時に叡知と創造力を働かせることが必要であると述べた。更にさっミットでは、発展途上国に農業生産を向上させるための地域基盤を設立するために毎年3000万ドル(US)を集める必要があると加えた。
FAOのプレスリリースは、以下のサイトにある。http://www.fao.org/

国際農業研究顧問団(the Consultative Group on International Agricultural )が投資に対して高い経済効果を生み出すとした
国際農業研究顧問団(the Consultative Group on International Agricultural )Research,CGIAR)及び南アジアにある各国のその対応機関の支援で行われた農業研究は、以下のことを提供した。即ち「農業の生産性と成長を維持し、投資に対する高い経済性還元を惹起し、間接的には価格への影響、食糧確保や貧困の減少に貢献した。」このことは、緑の革命以来の南アジアにおける農業研究の衝撃的効果の現れである。)とロンドン大学の環境政策センターのPeter Hazell氏が述べた。
Hazell氏は、この地域に与えた効果の研究論文を調査した。同氏は、南アジアでは作物の改良が農業研究の中心であるがより一層収量の安定により一層の注力がなされていると述べた。アジアにおける研究にCGIARが使った年間の金額は、$143 millionドルであり、そのトウモロコシ、小麦、イネだけに対する研究成果は、$1 billionドルを超えると述べた。
この報告は、以下のサイトからダウンロードできます。
http://www.cgiar.org/monthlystory/november2008.html

FAOが成長のために改革
FAOは、独立の外部評価委員会の勧告に従って「成長のために改革」を行う次の3年間のアクションプランが承認された。
このプランは、「FAOがその全構成メンバーに対して地球規模での効果のある支援を実施する。」ものである。FAOは、更に飢餓や貧困を減らし、食糧危機、気候変動、バイオエネルギーを含む新たなる挑戦を行い、農業に経済的危機を乗り越えるものであると述べた。
全文は、以下のサイトにある。
http://www.fao.org/news/story/en/item/8649/icode/

* アフリカ *

国際熱帯農業研究所(the International Institute of Tropical Agriculture,IITA)は、新しい旱魃大製のキャッサバを開発
ナイジェリアにある国際熱帯農業研究所(the International Institute of Tropical Agriculture,IITA)が開発したキャッサバ新品種、TMS92/0067は、アフリカのサブサハラにある半乾燥荒地において乾燥や旱魃に耐えることが分かった。更に農家は、6-10倍の収量を期待できると加えた。
IITAは、この新品種を西アフリカのブキナファソとチャド及び中央アフリカのコンゴ民主共和国(DRC)の農家の土地を使って大々的に試験すると発表した。新品種は、またキャッサバの細菌性萎縮病(CBB)やモザイク病(CMD)などにも耐性があることが示された。この新品種は、キャッサバの緑ダニに対する生物農薬であるに対して葉葉ダニ(Typhlodromalus aripo)に対して優秀な宿主性があることも示された。
IITAのプレスリリースは、以下のサイトにある。http://www.iita.org/cms/details/news_feature_details.aspx?articleid=1897&zoneid=342

*南北アメリカ *

農業研究所(ARS)の研究者が旱魃耐性のダイズの品種を開発
米国農務省の農業研究所(ARS)の研究者が遅延萎凋性をもつダイズを近く出すと述べた。圃場試験ではこの新品種は、旱魃条件で非常に優れた成績を収めた。また香料が多いときでもよい収量をあげた。遅延萎凋性品種は、地域と環境で変化はあるが旱魃条件で従来品種よりも4-8ブッシェル収量が多い。
新品種は、ARSの植物遺伝学者のThomas Carter氏をリーダーに5つの大学からの研究者で構成する「旱魃対応チーム」が開発したものである。25年以上もCarter氏は、米国に馴染んでいる品種に異種遺伝子であるアジアの品種の遅延萎凋性の導入の研究を行ってきている。
従来からの育種技術で、Carter氏とそのチームは、毎年新しい品種を出し続け、これまでに5000種以上を作成した。この中から5つの品種が安定した旱魃耐性を示した。
 報告全文は、以下のサイトにある。
 http://www.ars.usda.gov/News/docs.htm?docid=1261

Arcadia Biosciences社が小麦の窒素利用効率のよい品種を開発
Arcadia Biosciencesは、カナダのアルバータ大学で開発した技術を小麦に取り込み窒素利用効率向上(NUE)技術を開発した。「作物や栽培場所によって変化はあるが、一般に農家が与えた窒素の50%しか植物は利用していない。」と主任研究官のVic Knauf氏が米国小麦協会と小麦栽培者の会の合同理事会で話した。
イネについての初期の研究成果によるとNUE技術を用いることで与えた窒素を半分にしても分けつ数と 穂数同じになっている。Arcadia Biosciencesは、このNUE技術をモンサント社のカノーラ、パイオニア社のトウモロコシを含む多くの会社の技術移転した。
詳細は、以下のサイトをご覧下さい。 http://www.grainnet.com/articles/Arcadia_Biosciences_Develops_Nitrogen_Use_Efficiency_Trait_in_Wheat-65893.html

GM人参が骨そしょう症の予防に役に立つ
テキサスヒューストンの小児栄養研究センターの科学者がより多くのカルシウムを含むGM人参の開発に成功した。Kendal Hirschi氏とその共同研究者は、モデル植物であるアラビドプシス(シロイヌナズナ)のカルシウム輸送に関与する遺伝子(sCAX1)の発現レベルを誘導増加することで人参のカルシウム量を増加した。多くの植物由来の食品は健康な骨を作るためのカルシウムのよい給源ではない。不適切な食品中のカルシウム含量は世界的な問題である。特に乳製品を採れないところや乳糖に不寛容な人々の多い地域での問題である。カルシウムの摂取不十分は骨そしょう症に繋がるものである。
改変した人参はカルシウム含量が高いが果たして体がそれを利用できるかが問われる。GM人参中のカルシウムの生体利用性を30人のボランティア(20歳代前後半の男女15人ずつの様々の人種から選んだ)について従来品の人参とGM人参(何れも安定駆るし同位体を含む)をそれぞれ一日1回食事に与えて試験した。GM人参を週間食べた群は、従来品を食べた群に比べて41%のカルシウム吸収の増加を認めた。
Hirschi氏とその共同研究者は、これがカルシウム含量の高い新しい果物や野菜の始めての例となると期待している。
全報告は、以下のサイトにある。http://www.ars.usda.gov/is/AR/archive/nov08/carrots1108.htm またこれは、 the Proceedings of the National Academy of Sciences (USA)に出版されていて、以下のサイトでみることができる。http://dx.doi.org/10.1073/pnas.0709005105


国際研究チームが水に強いイネを開発
国際研究チームは、次の年で洪水が起き易い地域の小農家向けに冠水に耐性のあるイネを出せるように期待している。国際イネ研究所(IRRI)は、Bill and Melinda Gates Foundationと日本の外務省の基金でこの冠水耐性イネの研究をリードしている。
バングラディシュとインドの農家の圃場での試験で、冠水耐性イネは、在来種にくらべて週間の完全冠水に耐えることが示された。また、新しい品種は、在来種と同一であるが厳しい洪水の後でも十分に回復し、高品質・高収量を挙げることができた。
カルフォルニア大学リバーサイドの遺伝学教授のJulia Bailey-Serres博士は、インドの伝統的低収量のイネの遺伝子SubA1が新しい品種で冠水耐性を示すのかを研究をリードしている。植物学及び植物科学部そして植物細胞生物学センターに所属のBailey-Serres教授は、「subA1は、冠水のときに植物を効果的に休眠させ、水がひくまでエネルギーを温存するように働く。」と述べている。
カルフォルニア大学のニュースリリースは以下のサイトにあります。
http://newsroom.ucr.edu/cgi-bin/display.cgi?id=1974



シリアル作物の新しい遺伝資源
アメリカ農務省の農業研究所(Agricultural Research Service、ARS)のDavid Garvin博士とその共同研究者は、シリアル作物を病害から守る遺伝子の探索を加速する特殊な野生植物群、イネ科の雑草Brachypodium distachyon、を開発した。ARSの科学者は、はじめてBrachypodiumの組換え交雑種(RILs)を開発した。RILsは、遺伝子地図を作成するための極めて優れたツールとなる。
RILはつの同種の交雑を行い、ついで自家受粉またはsibling matingを行い、両親のゲノムがモザイク状になったゲノムをもつ系列を作り出して得たものである。これはそれぞれの系列の子孫が代々遺伝的同一性を維持することが出来ることを意味している。各系列の子孫は、常に同じ遺伝子を持っているところから、何度でも実験を繰り返すことが出来る。Garvin博士は、同じ遺伝子構成の多くの植物数を扱う研究によって多くの遺伝子の制御にいて高精度の情報を得られることができると述べている。
多くの科学者がBrachypodium RILを使って小麦のさび病菌UG99株への抵抗性を付与する遺伝子の同定を行えると言える。
全文は、以下のサイトにあります。http://www.ars.usda.gov/is/pr/2008/081113.htm

益虫の方がBT作物よりも除虫剤によってより大きな影響を受ける
米国農務省ARS、ネブラスカ大学、アイオワ州立大学の共同研究によると標的となっていない昆虫に対する影響は、通常の除虫剤の方が、BTタンパク質を発現している作物よりも影響を受け易いとの結果がでた。科学者たちは、トウモロコシのCry1Abと Cry3Bb、ジャガイモの Cry3A 、ワタのCry1AcとCry1Abの毒素の効果を多くの除草剤との比較を多くの標的外の昆虫についてその影響を調べた。
BtワタとBtトウモロコシでは、標的外の昆虫に対する効果に大きな差があったものの、グループ内での比較は、極めて再現性があった。最もと大きな要因は、用いて除虫剤によるものであった。ピレスノイド、有機リン、カーバメート、ネオニコチノイド、などがBt作物よりも大きな影響を標的外昆虫に与えた。また、Bt或は非Bt圃場の両者にこれらの薬剤が均一にその昆虫の分布に影響を与えることを見出した。
詳細は、以下のサイトにあります。
http://www.ars.usda.gov/is/pr/2008/081124.htm

* アジア太平洋 *

広域害虫耐性(Widestrike)ワタの開放系商業栽培がオーストラリアで申請
Dow AgroSciences Australia Ltd.は、遺伝子技術管理局(Office of the Gene Technology Regulator、OGTR)にオーストラリアでの多重害虫耐性ワタ(Widestrike
Cotton)の開放系商業栽培を申請した。GMワタは、cry1Ac とcry1Fをもっていて多様な主なる鱗翅類幼虫に抵抗性をしめす。またさらに、これは、選択的除草剤耐性遺伝子patももっている。
Dowは、このGMワタはオーストラリアの全ワタ栽培地域で使えるもので、ここで得られる植物材料は、非組換え品種と全く同じように利用できると提案している。
オーストラリア・ニュージーランド食品安全局(FSANZ)は、先にこのGMワタ由来の食品のヒトへの利用を承認している。この申請に対して専門家、行政、審査機関からアドバイスを考慮して厳重なリスク評価と管理計画(RARMP)が策定される予定である。
詳細については、以下のサイトにある。
http://www.ogtr.gov.au/internet/ogtr/publishing.nsf/Content/dir091

フィリピンバイオテクノロジー連合(BCP)は、バイテクが持続的な解決を提供できると述べた
食糧確保、利用可能エネルギー、水利、気候変動、汚染、保健などは世界規模で解決すべき緊急の課題である。これの課題に対応できる一つの新興技術で、将来に向かって持続的に解決を進めてゆけるものがバイオテクノロジーであるとフィリピンバイオテクノロジー連合の顧問団の一員であるBenigno Peczon博士が最近開催されたKapisanang Kimika ng Pilipinas – Southern Tagalog Chapter (KKP-ST)で述べ、バイオテクノロジーこそが多くの有益なものを提供するとした。
バイオテクノロジーは、GM作物を開発するのに役に立つ道具であるだけでなく収量を挙げることや世界史で飢餓にあえいでいる人々を助けるのにも役に立っているとPeczon博士が続けている。排水処理、例えばバイオバイオリメディエーションでの生物学的システムの工業利用は、既に利用されている。同様にバイオテクノロジーの進歩は、ワクチンの開発、工業用酵素、ガンの治療の為の試験キットなどの保健産業にも応用されている。「バイオテクノロジーは、未来の科学である。その食糧・エネルギー分野には大きな期待がかかっている。」とPeczon博士は、述べている。バイオテクノロジーをなくてはならいものとする農業科学技術は、増え続ける食糧・飼料・繊維・燃料の需要を満たす重要なものである。同氏は、未来の化学者に化学に関連するほかの領域、例えば多様な境界領域化学であるバイオテクノロジーを研究してほしいと言った。また、フィリピンの化学者に起業精神を発揮して生物化学工業における先端化学に入ってほしいと言っている。今年のKKP-ST会議は、フィリピン先端科学・技術研究と開発会議(Philippine Council for Advanced Science and Technology Research and Development 、PCASTRD) と SEARCA Biotechnology Information Center (SEARCA BIC)の共催で行われた。.
より詳しいフィリピンバイオテクノロジーニュースは、Philippine Council for Advanced Science and Technology Research and Development (PCASTRD)とthe SEARCA Biotechnology Information Center (SEARCA BIC).
 フイリピンバイオテクノロジーについての最新ニュースは、以下にメールしてください。the SEARCA Biotechnology Information Center (SEARCA BIC) bic@agri.searca.org

西オーストラリアはGMワタの一時停止を撤廃
西オーストラリア州(WA)政府は、East Kimberleyにある Ord River 灌漑地域におけるGMワタの商業生産の禁止を撤廃すると発表した。農業及び食品大臣のTerry Redman氏は、この地域での10年以上にわたるGMワタの試験の結果この決定を下したと述べた。GMワタの栽培は組換え技術管理局(Office of the Gene Technology Regulator、OGTR)、農業及び食品省、オーストラリア共栄体科学研究機構(Australian Commonwealth Scientific and Research Organization 、CSIRO)の指導の下で行われた。試験作物は、大成功であり、11.5 bales/haの収穫があったと同氏がのべた。同氏は更に、昆虫の制御、Ord地区でのGMの栽培を含め農業上の問題は全くなかった。重要なことは、この作物による環境への悪影響がなかったことだと追加した。
プレスリリースの全文は、以下のサイトにあります。http://www.mediastatements.wa.gov.au/Pages/WACabinetMinistersSearch.aspx?ItemId=130879&minister=Redman&admin=Barnett

GM作物は、オーストラリアの農家に有用であると政府が報告
GM作物は、害虫の制御、雑草の制御を改善し、オーストラリアの栽培者に農業上と大きな経済的優位性を与えるものである。さらに、GM作物は、除虫剤・除草剤使用の減少、不耕起栽培の増加、燃料使用の減少をもって環境によい影響をもたらす。これがオーストラリア政府地域科学局が出版した報告「GM作物:ワタとナタネ栽培での害虫と雑草の制御」の結論である。
Ruth Holtzapffe氏と共同研究者は、もしもGM除草剤耐性ナタネがオーストラリアに広く導入されると、その利益は大きく伸びる。また、次位にくる有益性は、作物自体のもつ雑草制御の選択肢の増加、次作物の収量増、除草剤による環境負荷の低減である。と述べている。
報告省は、次のサイトから得ることが出来る。http://affashop.gov.au/PdfFiles/gm_croops26_nov_08.pdf

オーストラリアの穀物審議会は、GMを支持すると発表
 オーストラリアの穀物審議会は、GM作物を開発することを指示するとした。プレスリリースで、穀物審議会議長のMurray Jones氏がGM作物は、収量増加、リスク管理の強化、農場でのコスト削減、環境負荷の低減を含む農場での大きな有益性をもっているものであると述べた。穀物審議会は、Charles Sturt大学と Melbourne 大学が行ったGMナタネは雑草の制御、高収量、良質の油、従来品種に比べて優れた収益性を含む極めて大きな有用性を引用した。穀物審議会は、オーストラリアの穀物栽培者を代表し、かつ穀物工業の発展を促進する最上位団体である。
プレスリリースを以下のサイトで見ることが出来る。http://www.grainscouncil.com/documents/081121-GM.pdf

* ヨーロッパ *

ドイツでGMジャガイモが開放栽培されることを告知
ドイツのBASF Plant Science GmbHは、デンプンの代謝を変えたGMジャガイモを環境放出するとの告知報告を提出した。この知らせは、ヨーロッパ委員会共同研究センター(European Commission’s Joint Research Center 、JRC)が環境長官に代わって運営しているウエブサイト公開されている。アミロペクチンジャガイモから生産された種芋は、続いて圃場試験で用いられる予定である。
告知については、以下のサイトを見てください。http://gmoinfo.jrc.ec.europa.eu/gmp_report.aspx?CurNot=B/DE/08/197


ヨーロッパ食品安全局(European Food Safety Authority、EFSA)とヨーロッパ委員会共同研究センター(European Commission’s Joint Research Center 、JRC)は、共同協定を結んだ
ヨーロッパ委員会共同研究センター(European Commission’s Joint Research Center 、JRC)とヨーロッパ食品安全局(European Food Safety Authority、EFSA)が「食品と飼料の安全性に関する先端科学協力と国際標準の設定)を推進する協定を結んだ。両者による詳細な覚書は、JRCとEFSAが食品及び飼料のリスク評価を行うために更なるデーターをどのように出すかを狙ったものである。EFSAは、JRCと協力して、GMO, BSE, や気候変動が食品の安全性と飼料添加物に与える影響の分野で協力することになるだろう。
EFSAの長である Catherine Geslain-Lanéelle氏は、「JRCとの協力を強くすることは先端知識や専門性のところでEFSAの働きを高めるものである。JRCはつのメンバー国につの研究所のネットワークをもっていて、EU政策の概念、開発、実行、モニタリングに消費者の視点に志向した科学的・技術的支援を行う。」と述べている。
プレスリリースは、以下のサイトにあります。
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902172833.htm

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研究
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Bollgardワタ品種はそのCry1AC Btタンパク質の生産量に違いがある
Cry1AC Bt タンパク質生産組換えワタ(モンサント社のワタ品種 Bollgard)は成功裏に10年以上にわたって鱗翅類害虫を制御するために使用されてきている。しかし、Bollgarワタの商業栽培品種は、Btタンパク質の生産量に差があることが分かった。この現象の起こる気候は未だに分かっていない。Bollgar品種の全体としてのCry1AC Bt タンパク質生産量とさまざまの本来もっている抵抗性による鱗翅類害虫の抵抗性とは相関関係があることがわかっている。Transgenic Researchに収載された報告によると米国農務省ARSの研究者は、定量PCR法で測定したCry1Ac タンパク質レベルは、使ったBollgard品種で違いがある。
科学者によるとCry1Ac タンパク質の生産量の違いは、組換え遺伝子からのmRNAの生産レベルによる。翻訳後修飾や県境因子もBtタンパク質の生産に関与するかもしれないが、遺伝的要因がその生産量の差に大きな影響があるとした。
GM作物におけるBtタンパク質発現の違いは、ELISAで測定している。ARSの科学者は、定量PCR法をうまく用いてCry1Acタンパク質の定量が出来ていて、高価なモノ方クローナル抗体を使わずに測定できる。
この報告は、以下のサイトにあります。http://dx.doi.org/10.1007/s11248-008-9198-z

根瘤線虫抵抗性シシトウガラシ
根瘤線虫(Meloidogyne incognita)は、トマト、ワタ、コーヒーなどを含む多くの作物の寄生虫で、年間US$ 150 billion以上の損害を与えている世界的な害虫である。偏在する虫は通常臭化メチル(環境に悪影響を与える無色無臭の薬剤)を用いて制御していたが、この除虫剤は米国で使用禁止となった。
米国農務省ARSの科学者が根瘤線虫抵抗性シシトウガラシを開発した。HortScienceに収載された報告では、Judy Thies博士をリーダーとするチームが、根瘤線虫抵抗性シシトウガラシの新品種、Charleston BelleとCarolina Wonderの安定性の試験を行なった。トウガラシ栽培者にとってよいニュースは、南部および亜熱帯の臭化のかわりになる新品種を見つけたことである。これらの品種を暑い環境で栽培したときにこのシシトウガラシの抵抗性がなくならないようにすることが大事なことである。
報告の要旨は、以下のサイトにある。Read the abstract of the article at http://hortsci.ashspublications.org/cgi/content/abstract/43/1/188

イネ矮化ウイルスに対抗するRNAi
イネ矮化ウイルスは、東南アジア、日本、中国でイネに対する最も経済的損害の大きなウイルスの一つである。イネ矮化ウイルス(RDV)に感染するとイネの発育を阻害し、種子をつけることが出来なくなる。ウイルスは、花がつくのを遅らせ、不完全な穂をつけて4000kg/ha以上の収量減に至る。RDVは、ヨコバイ (Nephotettix)によって伝播する。日本の国立農業研究センターの科学者たちは、RNAiをRDV抵抗性をイネにつけることを開発した。
遺伝的抵抗性は、作物をウイルス感染から守る最も効果のある方法の一つである。清水博士と共同研究者は、自然界にはRDVに対抗する遺伝子の存在を示す報告がない。そこでRNAiを使って遺伝子の発現阻止を図った。つまり、彼らは、RDVの非構造遺伝子でウイルスの増殖に関与するPns12 と Pns4を規定する遺伝子を標的とすることにした。
Pns12に特異的な小さい阻害RNA(SiRNA) を蓄積するイネは、ウイルス感染に強い抵抗性を示すことが分かった。ウイルスの増殖に必須のタンパク質を発現させないことでウイルス病に抵抗性を持たせることは効果的な戦略であることを示したことになる。
 Plant Biotechnology Journal収載された報分を以下のサイトで見ることが出来る。 http://dx.doi.org/10.1111/j.1467-7652.2008.00366.x


旱魃頻発地域でイネの収量を倍にする方法を発見
カナダアルバータ大学の科学者がひどい旱魃条件でも収量が倍にする遺伝子群を発見した。Jerome Bernier博士は、フィリピンにあるIRRI,インドにある中央雨水依存高地イネ研究所の共同研究で穀物収量に大きな効果があると報告されている量的遺伝子座位(QTL)の効果を21の試験場で測定した。QTLsは特定の証言形質に関連する遺伝子座である。研究チームは、旱魃ストレスへの強さに伴って「十分の水があるときの高がセロであるところから最も旱魃のひどい条件では平均40%の付加効果があって」穀物収量が上がることを発見した。
Bernier博士と共同研究者は、新しい遺伝子が根を深く張り、より一層土壌中の水を利用できるように働くとの仮説を提唱している。この発見は、初めてイネの遺伝子の中からこの遺伝群を見つけたことを示すものである。そしてこれがインドやタイなどイネが頻繁に旱魃に遭遇する地域での農家を助けることを期待できるものとなる。
報告全文は、以下のサイトにあります。http://www.expressnews.ualberta.ca/article.cfm?id=9784、また、 科学雑誌 Euphyticaに出版された報告は、以下のサイトにあります。 http://dx.doi.org/10.1007/s10681-008-9826-y


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バイオ燃料に関する補遺
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勃興するバイオ燃料工業の実態感
http://www.biofuels-news.com/content_item_details.php?item_id=125


バイオ燃料に関して各国のウエブサイトを調べてバイオ燃料工業の勃興、その発展と実態をそれらの工業が勃興の時期を通過して、続いているところからこれらに関して調査を行った。それによるとバイオ燃料革命は、年前にヨーロッパで期待をもって環境、エネルギー確保、国家安全確保の見地から勃興した。2002年のEUバイオ燃料輸送に関する施策が生まれてから、世界規模での関心とバイオ燃料開発のための施策形成が、米国に根付いて、さらに中国とインドなど他国に広がった。国としての支援は、指令、補助金、税金減免、研究基金などの形で行われ、バイオ燃料工業の急速な発展に到った。しかしながら、バイオ燃料工業や投資が増加するにつれて、国々がバイオ燃料工業の増加は使える土地の農業生産能力を超えることになった。従って市場の状況に応じた存続発展策が必要になる。